国別対抗戦&シーズン終了
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今年初めての開催されたフィギュアスケートの国別対抗戦(World Team Trophy)が終了した。
ISUの公式国際試合でのシーズン獲得ポイント上位の6ヶ国で争われた団体戦で、男女シングル、ペア、アイスダンスの選手達が種目別ではなく国別でトップを争うというものでした。
順位は下記の通り。

優勝:アメリカ
2位:カナダ
3位:日本
4位:フランス
5位:ロシア
6位:中国

2009 ISU World Team Trophy

国別対抗戦の順位、得点の詳細。




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この大会の開催が決まった時、「何故五輪前の大事な時期に選手を更に疲れさせるようなことをする?シーズン終わればショーも始まるし来季のプロの準備もはじまる。もう少し選手を休ませる配慮をして欲しいのに」とすら考えていた私ですが、
いざこうやって開催された大会を見てみると、いや、楽しかったです(笑)
選手が試合中ずっと各国のキス&クライに座って応援している姿を見るのも新鮮で楽しかったし、他国の選手であっても素晴らしい演技には拍手を送ったりする姿は本当に素晴らしかったです。
普段緊張した、キメている時の選手達しか私達はなかなか見る機会はありませんが、選手同士がじゃれあっていたり、小道具を持ち込んで場を盛り上げている様子はとてもいい感じでした。バンケットも(ドレスアップしていても)きっとあんな感じなんでしょうね。
個人的にはニコライ・モロゾフコーチが笑みを絶やさずゴキゲンだったのが印象的でした(カオ赤かったけど、まさか飲んでませんよね?(笑)

*動画の再生ボタンを押した後、枠の右下に「HQ」という文字が出る場合は高画質で見ることが可能です。「HQ」をクリックしてください。

WTT Kiss&Cry 1

キスアンドクライの様子を集めた動画です。画質は悪いですが、見てて楽しいです。
中国はおとなしめ、フランスも、ジュベールとか思ったよりコミカルですね。そして女子が美人揃い!カナダも家族的な雰囲気があって楽しそうです。

WTT Kiss&Cry 2

日本チームも楽しそうな様子が伝わってきます。日本はほのぼのムード、でもアメリカは・・はっちゃけすぎ(笑)小道具すごいですねえ。アゴストはどんどんおかしなことになっていくし(帽子似合い過ぎ)、レイチェルも変装してて誰だかわからなかった時がありました(笑)


Mao Asada World Team Trophy 2009 kiss & cry

日本チームのkiss&cry。浅田選手と安藤選手が仲良く応援しているのがいいですね。
また、他国のチームの選手が転倒しても、我がことのように痛そうにしているのが印象的でした。気持ちは皆さん文字通り痛いほどわかるんでしょうね。


織田信成選手は日本チームのキャプテンとして大会期間中毎日行われる記者会見でスポークスマンを務めたりして大変そうでしたが、基本的に楽しそうでしたね(笑)特にキスアンドクライで積極的に盛り上げ役をしている姿は微笑ましかったです。

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SPはすごく丁寧に滑っていて、そのためちょっとスピードがいつもよりないような気もしましたが、いつもの軽やかな滑り。フリーは世界選手権で完璧に決まっていた4回転で転倒したのは残念でしたが、彼は本当にジャンプは(謹慎前より)安定したと思います。ブランクは痛い経験でしたがただでは起きないというか、それだけでも彼にとって去年1年間は価値のあるものになったと思います。

Nobunari Oda 2009 World Team Trophy SP

ストレートラインステップで、一瞬ジャンプするのがかっこいいですね(写真参照)。


小塚崇彦選手はSP、フリーともにジャンプでミスが出てしまい総合8位でした。
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団体戦だから頑張らないと、という気負いが却って彼を堅くさせてしまったのかもしれません。怪我をしているという情報もあるし、本調子ではなかったのでしょう。ですが最後まで彼らしく真摯に競技に取り組む姿勢と彼の美しいスケーティングは世界中に彼の名前を売り、ファンを増やしたと思います。
スケートアメリカ優勝のインパクトもあるでしょうが、北米に彼のファンが急増しているとのことです。北米の方々はかなりフィギュア好きで目も肥えているので、派手さはなくても分かる人にはわかるという、通好みの選手という感じになっていますね。
今シーズンを通じてどんどん顔つきが精悍になり、男らしい表情を沢山見せてくれました。来年以降の成長が本当に楽しみな選手です。

Takahiko Kozuka 2009 World Team Trophy FS

最後のイーグル(足首から先を180度開いて円形に滑る技。動画では4:22秒あたりから)が圧巻です。何故解説者たちは彼のイーグルの素晴らしさについて言及しないのでしょうね?
振付の佐藤有香さんは間違いなくあれを最後の見せ場として入れたんだと思うんですが・・・そして彼のイーグルの傾き方は見事。45度くらい傾いているのに安定しています。素晴らしいです。

安藤美姫選手はSPで3位につけましたが、フリーのサルコウジャンプで転倒したダメージがあり精彩を欠き、総合5位でした。
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彼女は調子、というか精神的な波がそのまま演技に反映されてしまうような感じでしたが、今季は比較的安定してよい成績を残せたように思います。彼女自身もその点を「成長できた」と述べていたようです。もう21歳ですし、精神的に成長しましたね。
ただ、転倒の影響が心配です。肩をアイシングしていましたが、オフの間にしっかり治療して欲しいですね。

Miki Ando 2009 World Team Trophy SP

今季スピンが回転が速くなり、軸のブレも少なくなりました。シットスピンがまだ少し腰高な気がしますが、かなりポジションが美しくなったように思います。

浅田真央選手については別で書きましたので、下のリンクからご覧頂ければと思います。
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「月の光」になった浅田真央選手-ISU国別対抗戦 SP
浅田真央、国別対抗戦を笑顔で終える

Mao Asada 2009 World Team Trophy EX

タンゴもこれで見納め。仮面舞踏会のステップも見納めです。毎年「もっと見ていたい」と思えるプログラムを見せてくれる浅田選手なので、オリンピックイヤーの来年にはさぞかし素晴らしいプログラムを持ってくるだろうと、今からワクワクしています。
それにしてもこの衣装、配色は結構どぎついのにすごく品がいいですよね。大好きです。


      *****

アメリカチームはやはり強かった。

エヴァン・ライサチェク選手は世界選手権の勢いのまま、SP、フリーともに完璧な演技を見せました。
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彼はまさに今脂がのりきっている、という感じですね。調子がピークに来ている感じがします。
「ロスに来られなかった日本のファンの為に」とかファン心理をくすぐることを言ってくれるナイスガイです。
これまではファンという感じではありませんでしたが、今季の演技を見て彼が大好きになりました。これだけ今季素晴らしい締めくくりをされると、来年の活躍をものすごく期待してしまいますね。

Evan Lysacek 2009 World Team Trophy FS

このタキシードの衣装、似合いすぎでした(笑)彼は黒や紺などの濃い色を衣装に選ぶことが多いですが、彼の長身がリンクの白に映えて一層動きがダイナミックに見えます。


女子シングルは若い力、キャロライン・ジャンとレイチェル・フラットが出場、3位と4位に入りました。

キャロラインは2年前のシニアデビュー時より身長が7cmも伸びたそうですが、それでもすごく小柄(笑)でもちょっと大人っぽくなった感じはしますね。
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背は伸びても、正確なジャンプや柔らかいスパイラル、パールスピンも健在。今15歳なので、これから体が本格的に女性に変わっていく時期、女子にはつきものの「魔の16-17歳」ゾーンに入ります。来年からの2年ほどをうまく乗り越えれば、かなりすごい選手になる予感がします。

Caroline Zhang 2009 World Team Trophy SP



レイチェルは今年シニアデビューとは思えないほどに安定していますね。
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キャロラインがまだ幼さを残すのに対して、もうすんなりと女性らしい演技をすることが出来ています。今回もSP、フリーともに素敵な衣装でした(私この人の衣装のセンス好きです)。
彼女は体質的に太りそうな気がするのが少し心配ですが、彼女も16歳なので、ここを持ちこたえればスムーズにシニアでトップグループにいつづけることが出来るでしょう。頑張って欲しいですね。

Rachel Flatt 2009 World Team Trophy SP



アイスダンスではタニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴストのペアが優勝。
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SPはハッピーな感じで、フリーは悲劇を演じているというメリハリもよかった。
相変わらずタニスは美しかった・・・そしてアゴストはどんどん髪とヒゲが伸びていく(笑)

Tanith Belbin & Benjamin Agosto 2009 World Team Trophy FS

息もぴったりで、情感溢れる素晴らしい演技でした。
解説の木戸さんが言っていましたが、膝の動きで音楽のリズムを表現するってすごいですね。


カナダチームは「総合力No.1」の呼び声通り、それぞれの種目に良い選手が揃っていましたね。

ジョアニー・ロシェット選手は今季本当にジャンプの失敗が減りましたが、フリーはちょっとミスが多かったので驚きました。でもまあ世界選手権後だし仕方ないですよね・・・
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彼女は女性にしてはマッチョ系ですが、織田選手が聞いたところによると、陸上でのトレーニングは特にしていないのだそうです。
以前トレーニングしたら本当にムキムキになってしまったので(2年前くらいにそんな時期があった気がします)、トレーニングするのをやめたと話していたということです。筋肉が付きやすい体質なのかもしれませんね。

Joannie Rochette 2009 World Team Trophy SP

安藤選手も彼女の筋肉を「きれい」と話していましたが、マッチョ系でも女性らしさをすごく感じる美女スケーターですね。


男子シングルのエース、パトリック・チャンは総合4位。
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彼は本当にコンプリートパッケージ、という印象が強く、またスケーティング技術も素晴らしくうまいという感じだったのですが、3Aは苦手みたいですね・・・SP、フリーともにアクセルでのミスが目立ちました。
SP9位からフリー2位を取った頑張りは素晴らしかったですが、ちょっと今回元気がありませんでしたね。でもキスアンドクライでのお茶目な表情や思い切り普段着ないでたちは、いつもの「スケートエリート」という感じではなく気のいいニイちゃん風でステキでした(笑)

Patrick Chan 2009 World Team Trophy FS

3AはGOEで4点以上引かれてしまってました・・・もったいないですねー。


アイスダンスのペア、テッサ・ヴァーチュとスコット・モア(モイア?)の演技は初見だったのですが、斬新で素晴らしい演技でした。
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なんというか息の合い方、技のスムーズさなどは素晴らしいものがあります。
音楽がアイスダンスはだいたいクラシックやジャズ等スタンダードな曲を使うイメージがあるのですが、彼らの曲は未来的で面白かったです。衣装も曲に合わせてシンプル。


日本チームは、こういっては申し訳ないですが、やはり男女シングルで持っているなあ、という感じがしました。
いつもTVでなかなかオンエアがないペアやアイスダンスのトップ選手をいろいろ見ることができましたが、日本選手のレベルとはかなり大きな差があるのが素人目にもはっきりと分かりました・・・
今回出場したペアの高橋成美・マーヴィン・トラン組はこれがシニアデビューということで仕方のない面がありましたけれども、男性の体力的な差がはっきり感じられましたね。ペアはスロージャンプ(女性を持ち上げてほうり投げ、その勢いで女性は回転ジャンプを行う)やリフト技もあるので男性がかなりがっしりしている選手が多かった。トラン選手はまだ若いので仕方のないかもしれませんが、やはり高く幅のあるスローができなければ女性が充分に回転できないまま着地してしまうので、男性の体力づくりは大事なんですね。

アイスダンスのリード組は以前見たときよりも、特にフリーはかなり上手になっていましたが、やはりその後にアメリカやカナダの演技を見るとどうしてもスピードやスムーズさ、技の難易度などで見劣りしてしまうものがありました。
しかしそれだけまだ可能性もあるということなので、是非頑張って欲しいと思います。

今年五輪出場のためにロシア国籍を取得、ペアのロシア代表として出場した川口悠子&アレクサンダー・スミルノフペアは素晴らしかったです。
特に今日のエキシビジョンはTVで観ながら拍手してしまいました。

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Yuko KAVAGUTI Alexander SMIRNOV 2009 World Team Trophy EX

それにしても川口選手、華奢ですねー。27歳とは思えない。おかっぱ頭ということもあり、少女のようですね・・・柔軟性も素晴らしい。一時はペアの相手が見つからず苦労した時期もあったようですが、良いパートナーにめぐり会って、オリンピック前に実績も残せてよかったと思います。

今回出場国以外のトップ選手もエキシビジョンのみ招待ゲストとして出場していました。
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中でもステファン・ランビエールの演技が見られたのは嬉しかった。彼はまだまだ現役でいける感じがしますが、怪我をされたと記憶しているので選手として1シーズン戦うのはムリがあるのかもしれないですね。

Stephane Lambiel 2009 World Team Trophy EX-Specal invitation

今日思いがけなく全く衰えていない彼を見られたのは嬉しかったです。
それにしても相変わらずの色男ぶり。でもまだ24歳なんですよね・・・



これで今シーズンの公式試合は全て終了となり、選手はオフシーズンに入ります。
来季は高橋大輔選手の復活、中野友加里選手も調子を取り戻して戻ってくるでしょうし、浅田選手の2ヵ年計画がどうなるのかも気になる。オリンピックもあるしで見所が盛りだくさんですね。
選手の皆さんには怪我に気をつけて、ショーなどで私達の「演技を見たい」という飢餓状態を癒していただきつつ、来季素晴らしいプログラムを引っさげて試合に出てきてくれるのを楽しみに待ちたいと思います。

選手の皆様、本当にお疲れ様でした!

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by toramomo0926 | 2009-04-19 15:36 | フィギュアスケート


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