五輪シーズン開幕-メディアの報道への危惧
b0038294_21492673.jpg
今朝(10/14)の読売新聞。浅田真央選手のシーズン開幕について書かれていたが、去年優勝したグランプリファイナル(GPF)のあとの報道に浅田選手がひどく動揺したと明かす記事が載っていた。
こんなことがあったのかと思い、真央選手がどんな気持ちだったかと思うと朝から泣きそうになってしまった。

真央19歳、「金」の鐘鳴らせ…GPシリーズ開幕へ 読売新聞2009年10月14日





**上記リンク記事一部抜粋**
(GPFの勝利について)「自分が満足しても、結果が出なかったら、後で絶対悔しくなる」と言う浅田にとって、内容も結果も、最高の大会だったと思えた。
しかしその勝利の後に、意外な衝撃が待っていた。帰国後、「金のミスに助けられた」という評価があると聞いて落ち込み、一時、練習の意欲を失った。2月に バンクーバーで行われた四大陸選手権まで引きずり、3月の世界選手権では連覇の重圧も加わって4位に終わった。心のコントロールの難しさも、浮き彫りに なったシーズン終盤だった。


とある。
これは当時、GPFで浅田真央選手が優勝したのを受けて、フジテレビの「とくダネ!」が「浅田選手おめでとう」と銘打った特集を組みながら、事実上「浅田のどこがキムに劣っているか」という内容の放送を行った(更に、「ミスがなければキムが優勝していた」と得点の計算を間違えたまま報道した。実際は双方がノーミスの場合も浅田が得点を上回る計算となる)ことから抗議が殺到し、司会者が謝罪することとなった騒動と無関係ではないだろう。
また、この番組に出演していた元選手の恩田美栄さんも浅田選手の能力について否定的な発言に終始していたのもかなり驚きだったし、本人がそれを知ればかなりショックも大きかっただろうと思う(私個人的には、大変申し訳ないが まさか“あの”恩田選手から真央選手に、しかも「表現力」についてダメだしが出るとは思わなかったのでそういう意味でもショッキングだった)。
そもそも、たとえ「ミスがなければキムが優勝」が正しかったとしても、何が起こるかわからないスポーツの試合においてこんな仮定が一体何の意味を持つのだろう。そして彼らはこの無意味な「たられば」を持ち出すことで、何を言いたかったのだろうか。

この騒動は単にエキセントリックなファンがヒステリーを起こした訳ではなく(そういう方もいたかもしれないが・・・)、このような内容の偏った見方の番組ばかりでうんざりしていたところに「優勝してもこれかよ」とファン心理がついに爆発した、というのが正しい見方と私は考えている。
優勝した時くらい、なぜ自国の選手を手放しで称えられないのだろうか、というのが本音だっただろう。

その後、多数の抗議を受けての彼らの謝罪も真摯なものではなく、『ルールがよくわからなかったので』などという噴飯ものの内容で、『よくわかっていないまま、不確定なものをあたかも事実のように放送したのか』という新たなファンの怒りを呼ぶというひどいものだった。
前々から書いているが、小倉氏は「スポーツ好き」を公言している割には本当のスポーツ好きではないし、アスリートへの尊敬の念も持っていないと確信している。ただ彼は「物知りなオレ」「有名選手と仲良しなオレ」をアピールしたいだけなのだろう。

小倉「知らなかった」「誤解があったようだ」「ごめんなさいネ」

抗議を受けて謝罪したとされる部分。
彼はたとえ自費であってもバンクーバーには来ないでほしい。せめてフィギュアスケートのリンクには入らないで欲しいと思うのだが、来るんだろうなあ。あーあ。



これから五輪ムードが高まるにつれ、こういう知ったかぶりで間違った報道をするもの、ミーハーに走りすぎるものや、今以上にキム選手との不必要なまでの比較や煽り、無神経な記事がこれから増えてくるのではないかと思う。
しかし、そもそもライバルはキム1人みたいに報道するところから既に間違っていると思う。私が今真央選手の強敵となりうると考えているのはカナダのジョアニー・ロシェットである。
b0038294_21452879.jpg
                      ジョアニー・ロシェット選手。

彼女には自国開催という地の利があるし、ここ2年ほどで驚くほど選手として安定感を増している。以前はフリーで必ず崩れていたのに、めったに転ばなくなった。演技的にも向上していると思う。もしかしたらフリーで必ずミスをするキムよりも脅威となりうるかもしれない。

現在は真央選手とキム選手、ロシェット選手の誰が優勝してもおかしくない状況である。
また、アメリカの若手も育っているし、サーシャ・コーエンも復活する。安藤美姫も世界選手権3位になるなど安定してきている。今回の五輪はかなりものすごい戦いになるはずである。
それなのに単一的に「真央VSキム」という側面だけでしか報じないのは、きちんと現在のフィギュアの状況を取材していない証である。単にききかじっただけ、チラ見しただけの「ムード」だけでお手軽に記事を書く記者、番組を編集するTV関係者が多すぎるように感じる。こんなに選手が充実して面白いのに、何故それをもっと掘り下げないのかととても残念な気持ちになる。

今後五輪が近づくにつれて、真央選手がこういうしたり顔の人たちにストレスや精神的なダメージを受ける事態は充分考えれらるだろう。
私は彼女の優勝を信じているが、もし万が一にも彼女が五輪で金メダルを逃すようなことがあれば、一気に今までの「揺り戻し」が起きて、国民的な人気を得ている真央選手でさえもマスコミからのバッシングや、結果論で戦略面の不備を声高に叩くメディアが出てくることも充分考えられる。
「銀メダル」でもこういう人たちは浅田真央を許すかどうかはわからない。今まで好意的に受け取られてきた人ほど、落とす価値が高いからだ。そして彼らはどのようなきっかけであれ、相手が誰であれ、そういう機会があれば必ず利用するはずである。

真央選手は絶対にそれでも不機嫌そうな対応をしたりせず笑顔で接すると思うが、そういう彼女だからこそ周りのスタッフがしっかり彼女を守る姿勢を見せて欲しいと思う。
最近彼女に対する取材が厳しくなった、彼女の態度は以前と変わらないがスタッフのガードが堅く、マスコミが彼女に近づきにくくなっているという記者サイドの話を聞いたが、こういうことも原因の一つなのかもしれない。

応援という名を借りて選手に不要なプレッシャーやストレスをかけないでほしいと切に願うが、TV局の煽りも含めてこの国の報道のあり方を見ていると、そういう良識は望めそうにない。
真央選手がシーズンだけでなく五輪までの過ごし方を練習場所を日本にするかロシアにするかも含めて(雑音をシャットアウトするにはロシアにこもるのもいいかもしれないとも感じる)、どのように考えているのかがとても気になっている。
何を言われても気にしない、ということはよほど神経が太くないと難しいとは思うが、なるべく余計なことは耳に入れずに、今までの自分の努力を無駄にしないで、思い切り「出し切った」と思える、後悔のない演技をしてほしいと思う。

b0038294_21263895.jpg

by toramomo0926 | 2009-10-14 21:40 | フィギュアスケート


<< 浅田真央「変わりたい」-花王A... 日本男子選手の動向-小塚崇彦選手編 >>