ロシェット7位の波乱、織田信成首位発進-中国杯SP (Revised:10/31)
b0038294_22344412.jpg中国杯が始まりました。

昨夜ネットで報道を見てびっくり。今年の世界選手権2位、最近抜群の安定感を誇っているジョアニー・ロシェット選手がショートプログラム(SP)で7位となっていたのです。


ネットの報道も今大会出場の日本選手である織田信成選手、鈴木明子選手、村主章枝選手や女子SPトップの長洲未来選手(アメリカ)の報道が主になっていて、ロシェット選手の演技の詳細についてはまだ把握できていないので、まだ判断材料は全くありませんが、それにしても彼女の点が低いことが気になっています。


ISU Grand Prix SAMSUNG Anycall Cup of China
中国杯の順位と得点詳細。
それぞれの種目の「Result」で総合順位と総合得点が、ショートプログラム(SP)とフリーの「Entries/Result Details」では得点詳細が、
「Judges Score」では各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。



Joannie Rochette 2009 ISU Grand Prix Cup of China SP-La Cumparsita

友人から動画がアップしているのを教えてもらいました。
今年のSPはタンゴなんですね。力強くも女性らしい滑りが魅力の彼女にはぴったりです。また今年も衣装がステキですね。私は彼女の衣装大好きです。
フリーは「サムソンとデリラ」を使用とのこと。


今回ロシェット選手は3-3のコンビネーションジャンプがダブルジャンプだけになりコンビネーションをつけることができず、ダブルアクセルまでシングルアクセル(1回転半)になるという、最近の彼女からは考えられないようなミスをしてしまいました。
SPは「コンビネーションジャンプ」「アクセルジャンプ」「ステップの直後から跳ぶジャンプ」の3つしかジャンプを跳べません。そのためフランス杯のキムヨナ選手のようにジャンプが飛べずに抜けてしまったり、転倒などのミスがあると通常はかなりダメージが大きいので、順位が伸びなかったことに関してはまあ納得はしました。SPで3つのジャンプのうち2つをミスれば致命的ですから。

しかしスコアを見るとジャンプとは関係のない項目についても「全体的にまんべんなく」点が低いのです。彼女にしては技術的にも表現的にも。
彼女はジャンプの安定性が素晴らしい選手ですが、いくらジャンプで失敗があったとしても、スケーティングスキル等の技術要素や演技構成などの表現の要素で彼女が大幅に点を落とすというのはちょっと考えにくいことです。

確かにジャンプのミスが重なれば全体的な見栄えは落ちます。ですが2003年以前の旧採点方式ならいざ知らず、ジャッジが全体的な「印象」だけで点をつける時代ではないはずなので、ジャンプ以外のところでの得点はもう少し高いことを予想していたのですが・・・。
ミスしたことで動揺し、全体的に雑になってしまったという事なのでしょうか。今回彼女は音楽の終了とともに演技をきっちり終わらせることができなかったので、そういう意味で少しずつ何かがずれていて、レベルの取りこぼしがあったということはありえます。

先日のジャパンオープンで見た時の彼女は本当に素晴らしく、ノーミスではありませんでしたが全体的な完成度は飛び抜けているという印象でした。
見ていてますます「ロシェット磐石だなあ、ミスの少なさから見るとキムよりも五輪では日本勢の強敵になるかもしれないな、地元(カナダ)開催だし」と思っていただけに、今回のSPでのミスは驚きでした。
私は彼女のパーソナルベスト(PB)を記憶していませんが、彼女クラスであれば60点台後半くらいなのではないでしょうか。それなのに、ざっと見るとかなり平凡なスコアになってしまっています。今回の点数は本人のPBには遠く及ばないのではないでしょうか。

まさかとは思いますが、今回の中国杯のスポンサーは韓国系企業のようなので(今大会の正式名称は『SAMSUNG Anycall Cup of China』となっています)それは何か影響や関係はあるのだろうか、たとえミスがあったにしてもロシェットの点があまりに「全体的に」低いことを考えると、彼女の点が低く抑えられたのではないかという疑念も湧いてきます。
去年までの状況で言えば、五輪の表彰台は浅田・ロシェット・キムで決まりだろうが、メダルの色は3人とも金から銅まで全てのパターンが起こりうる(当日の出来次第)という感じでした。なので(穿った見方だとは思いますが)キム(韓国)陣営としては浅田とロシェットは最もマークしなければならない選手ということは間違いありませんから。
まだ詳細スコアもアップされていない状態なので勿論断定はできませんが、昨今の女子シングルの状況を見ると、もう何だってありえるような気がしています(疑心暗鬼)。



女子のSPトップは長洲未来選手。
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昨シーズンは後半で足の負傷があり、尻すぼみになってしまったシーズンでした。彼女としては悔しかっただろうと思いますが、そこで無理してしまって怪我が古傷化してしまったり回復が遅くなると余計よくないと思って心配していました。
しかし今回トップ通過ということで、しっかり治して帰って来たのかなとちょっとホッとしました。まだ本当に若いし、まさにこれからの選手ですから、体は大事にして欲しいです。
ちょうど女性として心身ともに成長する時期ですし、逆に演技内容を大人向けにするか、もう1年かわいらしいもので行くのかというのを迷う時期でもありますので、今季どんなプログラムを作ってきたのかも気になるというか、楽しみですね。
彼女は浅田真央選手のように年齢制限でカットされることなくすんなりと五輪出場ができるめぐり合わせの年齢なので、頑張れば3回出場も夢ではないです。成長が楽しみな選手の一人です。

Mirai Nagasu 2009 ISU Grand Prix Cup of China SP

曲は「パイレーツ・オブ・カリビアン」と「Fragile Dream」。
体つきが随分しっかりして、大人になったという感じですね。相変わらずレイバックとビールマンスピンのポジションが美しいです。順調に成長しているなあ、という感じです。イナバウアーの時の反りがしっかりと決まってキレイだし、フィニッシュの足上げスピンも最後ちょっと体を反らしていて工夫されています。


2位がキーラ・コルピ選手(フィンランド)!
彼女は美貌とファッショナブルな衣装で去年くらいから一躍日本でも知名度を伸ばしました。
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コルピ選手を一躍有名にしたこの衣装はインパクト大きかった。そして女優さんのような美しさと美しいブロンドも印象的。

Kiira Korpi 2009 ISU Grand Prix Cup of China SP-Caravan

最初のコンビネーションジャンプで手をついてしまいましたが、あとはしっかりまとめてきました。
結構黄色って着るのが難しい色だと思うんですが、彼女は自然に着こなしていますね。髪の色ともよく合っています。フィンランドの選手は皆さん衣装がステキですね。
曲は川井郁子さんの「Caravan」。

今までの成績はトップグループまではあと一息、という感じでしたが、今季初戦で2位に飛び込み幸先いいスタートですね。
今季の彼女の演技がどのようなものになっているか、また今季はどんなにステキな衣装を見せてくれるのかというのが楽しみです。


3位はカロリーナ・コストナー選手(イタリア)。
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さきに出場したフランス杯では6位に沈んでしまったカロリーナ。彼女はジャンプが安定しないのがとても惜しい感じなのですが(足が長すぎて重心が上になりがちなのが原因な気がする)、うまくハマると長身の体がすごく迫力を増し、長い手足が更に動きを大きく見せてとても素晴らしい演技をする選手。
最近ちょっと表彰台から遠ざかりつつあるような印象があるので、五輪の年だしもう一度迫力あるカロリーナの演技が見たいです。
インタビュー等での彼女は飾り気がなく人懐っこくて、とても好感の持てる選手なので、応援したくなってしまいます。

Carolina Kostner 2009 ISU Grand Prix Cup of China SP

曲はショパンのノクターンと、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト。
最初のコンビネーションがちょっと危なかったですが持ちこたえましたね。ジャンプは今回とてもクリーンだったと思います。
彼女のスパイラルがかなり点が低いという話を聞きましたが、姿勢保持の秒数が足りなかったのでしょうか?そういえばバックスパイラルが結構短かったような気もします。
しかしPCSを全て7点台で揃えてきているのはさすがですね。


鈴木明子選手が4位です!
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目標としていた60点にはギリギリのところで手が届かなかったものの、PBを4点近く更新し、演技構成点(PCS)も高めの評価を得たということで、表彰台を狙える位置に来ていますね。
去年くらいからすごく存在感が出てきた彼女なので、今年は更に躍進しそうです。

Akiko Suzuki 2009 ISU Grand Prix Cup of China SP-Fire Dance

昨年の「黒い瞳」に続き、彼女はこういうタンゴとかフラメンコなどの「情熱系」を完全にモノにした感がありますね。身のこなしもスムーズで踊っていてかっこいいです。


レイチェル・フラット選手が5位。
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写真がないので、去年のものを使用しています。

レイチェルもあまり点が伸びてないのが気になります。彼女は去年シニアデビューしたにも拘らず「すでにシニアの滑り」と騒がれたほど女性らしい表現力を高く評価されている選手です。ですがPCSにおいて7点が取れている項目がありません。
数字的にはシニアに上がってからはSPのPBが60点くらいなので、こんなものなんでしょうかね。
でもあれだけ「ジュニアジュニアしてない」とかすごい言われてた割には、ジャッジ受けはあまりよくないのでしょうか?もっと評価は高いのかと思ってたのですが。
なんかキム選手のあの銀河点と実際の構成や滑りの内容とのギャップが他選手の評価にまで影響を及ぼしているというか、キム選手の滑りでのあの得点と、他選手の滑りと得点を考えると整合性が取れなくなってきているような気がするというか、どう考えていいのかわからず混乱してきているような気がする。少なくとも私の中では。

村主章枝選手が6位でした。
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はっきり言うと、彼女は今のフィギュアの流れからは遅れを取り始めているように思います。今は選手には柔軟性は必須となっているし、トップ選手に必須と言われる3-3のコンビネーションなど難易度の高いジャンプも彼女は跳ぶことはできません。また演技のスタイルも今の流れとは違うところにいるように思えます。
ですが彼女は自分独特の世界を作り上げることと、経験によってここまで持ちこたえてきている。そのガッツというのは素晴らしいと思っています。
「順位ではなく自分の満足のいく演技を追求する」と言う選手は多くいますが、本当にそういう風に思える選手は数えるほどでしょう。やはり競技をしている以上は少しでも上に立ちたいと思うのは選手として当然の心理です。
ですが彼女は本当に表現者としてそれを追及しているように見える。競技と表現、その両方を両立しようと必死に戦っているように見えます。現役では恐らく最年長であろう彼女が何かをつかむことができればいいなと思っています。

Fumie Suguri 2009 ISU Grand Prix Cup of China SP

曲はバッハを2曲つなげてきました。「交響曲第3番」と「トッカータとフーガ」。


男子は織田信成選手が1位でSPを終えました。
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織田選手、絶好調ですね。去年からすごくジャンプで安定感が増し、今季更に自信をつけてきたなあという印象。高橋大輔選手といい安藤美姫選手といい、モロゾフコーチについた選手は本当にジャンプが安定しますね。モロゾフはアイスダンスの元選手なはずなのですが、ジャンプも教え方やトレーニングのさせ方がきっと上手いんでしょうね。
先日のフランス杯ではSPで思ったような点が出ず号泣(笑)したらしいのですが、今回は満足とはいえないまでも前回よりは評価されたということで、よかったです。

Nobunari Oda 2009 Grand Prix Cup of China SP-Danse Macabre(死の舞踏)

彼のSPはYoutubeにアップされていました。

フリーの「チャップリンメドレー」は彼の代表作になるような気がします。今後アイスショーやエキシビジョンなどで演じ続けるプログラムになるのではないか、という予感が早くもしています。同じ思いの方は多いのではないでしょうか。とても彼に合った、彼のよさを出したプログラムですよね。今回も出来が楽しみです。


2位がセルゲイ・ボロノフ選手(ロシア)。
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ボロノフ選手も今年ぐっと上位に名を連ねるようになって来てますね。
彼の滑りはなんか芸術を感じると言うか、何となく(といったら失礼でしょうか)感覚的に滑りが好きな選手です。

Sergei Voronov 2009 ISU Grand Prix Cup of China SP-Revolution Etude

どこが、というより全体的な身のこなしや流れがきれいだなあと思います。ジャンプも軸もまっすぐで、トリプルアクセルの高いこと!完全に回りきってから降りてきてますね。
小粒感はあるけど正統派という感じ。彼もこのままいくと結構伸してくるかもしれません。男子は本当に激戦ですねえ。


3位が今年の世界王者エヴァン・ライサチェク(アメリカ)。
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彼にしては3位?という感じですが、ジャンプなどでミスがあったんでしょうか?
彼も今年世界王者になったことで、滑りに風格と自信が出てきたように思います。勿論五輪も金メダルを狙ってくるでしょう。
彼のダイナミックかつ質の高い滑りが大好きなので、今季はどんなプログラムなのかが非常に楽しみです。

Evan Lysacek 2009 ISU Grand Prix Cup of China SP-Firebird

この人は全身黒にすると本当に氷に映えますね。まさに黒い大きな鳥が羽ばたくような演技。体全体を使ってダイナミックに、そして丁寧に滑る彼のスタイルはとても好きです。
でも、これで3位だったんですねえ。レベル取りこぼしか回転不足か、うーん。


それにしても男子は1位から3位までの点差が3点もない状況、女子に至っては1位~3位の点差が約2点というすごい状況に。7位とはいえロシェット選手も10点くらいしか差がないため、これはフリー次第で順位が劇的にひっくり返る可能性もあります。
勝負の行方がどうなるのか、すごく楽しみです。

でも、ロシェット選手の点は気になるなあ・・・・・・。
by toramomo0926 | 2009-10-30 22:49 | フィギュアスケート


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