織田信成と鈴木明子のアベック優勝!-グランプリシリーズ中国杯
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中国杯が終了。
男子は織田信成選手がショートプログラム(SP)の首位を守って優勝、鈴木明子選手はSP4位から大逆転、自身グランプリシリーズでの初優勝を飾りました。
おめでとうございます!!!!

ISU Grand Prix SAMSUNG Anycall Cup of China
中国杯の順位と得点詳細。
それぞれの種目の「Result」で総合順位と総合得点が、ショートプログラム(SP)とフリーの「Entries/Result Details」では得点詳細が、
「Judges Score」では各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。



Akiko Suzuki 2009 ISU Grand Prix Cup of China LP-West Side Story

演技中の笑顔がとても印象的。
全てのスピンとスパイラルでレベル4、ステップもレベル3を取りました。今後の彼女にとって大きな自信になると思いますし、五輪をぐっと手元に引き寄せた感じですね。
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去年の彼女も素晴らしかったのですが、また試合に本格的に復帰できたという「滑ることができる喜び」というのがまず心理的にあったと思います。
しかし今年の彼女はそこから一歩進んで、「競技者」としての姿勢が感じられるというか、勝負勘、闘志みたいなものを出してきているなと感じます。去年の活躍が着実に自信になっている感じ。回り道はしたけれど、今はとても充実しているように見えます。


Nobunari Oda 2009 ISU Grand Prix Cup of China LP-Charlie Chaplin Medley

織田信成選手はもうすっかり「チャップリンメドレー」が板についている感じですね。
今回中盤のトリプルアクセル(3A)が抜けてシングルアクセルになってしまい、また序盤の4回転トウループも
結局3回転にしてしまったということで、本人的にはあまり満足ではないとのこと。
でもこれだけの演技をして優勝したのですから、これをステップにファイナルでは絶対に跳んでほしい。五輪がある今年はファイナルも練習場にしてしまっていいと思います(笑)場数を踏むことも大事なような気がするので・・・。

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彼の着地の柔らかさ、姿勢の美しさは世界一だと思います。「猫のような着地」と評していた報道がありましたが、その通りですね。


キーラ・コルピ選手も表彰台を守りました!2位を死守です。

Kiira Korpi 2009 ISU Grand Prix Cup of China LP-Passenger to Copenhagen

最初のルッツがダブルになってしまいましたが、あとはまとめてきましたね。
ですが難易度の高いジャンプはこのルッツだけで、あとはループ、サルコウ、トウループ、2Aという内容のため、TES(Technical Element Score:技術面の総合得点。基礎点+GOEの合計)は50点以下と低かったですね・・・。どこかにフリップを入れられるとバランスよくなると思うんですが、変えてくるでしょうかね?
そして衣装はちょっと落ち着いた色味ですが、キラキラがあってカットもステキです。北欧勢のキラキラは上品でとても好きです。


SP7位と出遅れていたジョアニー・ロシェット選手はフリーで2位になり、総合順位を3位に上げました。

Joannie Rochette 2009 ISU Grand Prix Cup of China LP-Samson and Delilah

なんかSPよりも調子が悪そうに見えたのは私だけでしょうか・・・。
スピンは一応レベル4が取れていましたがシットポジションが腰高に見えたし、全体的に表情もいつもの優美さがない感じ。そして2Aで転倒したのにはびっくり。真央選手もフランス杯で2A転倒してびっくりしましたが、この選手がここで?という驚きがありました。いつもに比べて動きが雑と言うか集中し切れてないような気がしました。次の試合には立て直せるといいですね。
ところで、ジョアニー髪切りました?それともきっちり編んで下でまとめているのかな?なんか後頭部のボリュームが少ないので、襟足くらいでバッサリ切ったのを下の方だけピンで留めているようにも見えるんですが・・・。


レイチェル・フラット選手が4位。

Rachel Flatt 2009 ISU Grand Prix Cup of China LP-Rhapsody on a theme of Paganini

彼女もTES低かったですね。フリップのエッジエラーをとられてGOE(出来栄え)で減点を受け、スパイラルはレベル2しか取れませんでした。今回スピンでレベル4を取れた選手が多い中、彼女は全てレベル3しか取れていません。取りこぼしが多かったですね。もったいないです。

私自身も、あれ、彼女こんなだったっけ?という感じでした。なんか去年より(申し訳ないが)ちょっと技術的に下降したような・・・。特にスピンのブレ具合、スピードのなさが気になりました。
柔軟性についても、キャッチフットスピンと思われるポジションの時、普通はビールマンに近い感じで足がぐっと後ろに上がるはずのものが、腰から膝までが一直線になってしまい、膝から下だけを折り曲げて足をようやく掴んでいる。
彼女はこんなに体が硬かったでしょうか?全体的にポジションがあまり美しくないのです。普通に滑っている時も常に前傾姿勢というか、猫背気味なのも気になりました。

彼女の演技は去年初めて見ましたが、去年はもっと良くも悪くも洗練されていた印象があったのです。
去年シニアデビュー時の演技は前評判どおりジュニアジュニアしてなくてソツがない滑りと思いました。
ただソツがなさすぎて新鮮味というのがあまり感じられず、私自身の胸には響いてくるものがあまりなかったものの、ジャッジの受けはいいんじゃないかと思っていたのですが、そうでもないのかなあ・・・。
なんか長洲未来、キャロライン・ジャン、レイチェル・フラットのアメリカ3人娘は今年更に大ブレイクするんじゃないかと思っていたのですが、キャロラインもフランス杯あまりよくなかったですね。ちょうど年齢的に難しい年なのかもしれません。まあまだ1試合しか見てないので決め付けることは出来ませんが・・・。
ジュニアの時に抜きん出た成績をおさめて天才の片鱗を見せていた女子選手は、16~17歳あたりで「魔法が解ける」時期を迎えます。ここで踏みとどまって少しずつでも前に進んでいけるか、じりじり後退するかが今後のスケーターとしての人生の最大の分かれ道になるといっていいでしょう。
私自身も決してレイチェルの演技が好きでない訳ではないので、もう少し演技に年齢が追いついてくればかなり女性らしさのあるよいスケーターになるのではないかと思っています。今がふんばりどころかも。頑張って欲しいです。


長洲未来選手は3つのジャンプで回転不足を取られ、2つのルッツではエッジエラーで減点となったのが響き、SPでの首位から5位に順位を落としてしまいました。

Mirai Nagasu 2009 ISU Grand Prix Cup of China LP-Carmen, etc.

SPの出来、順位があまりにもよすぎたのが却って彼女を堅くしてしまったのかもしれません。
去年の全日本選手権の時の中野友加里選手のように、思いがけず(かどうかはわかりませんが)SPで首位に立ってしまうと気持ちが守りに入り、フリーでミスをすることは珍しくありません。彼女自身「(緊張して)怖がっちゃった。コーチからも自分のことを信じないとできないよと言われた」とがっかりしていました。
アメリカは女子の五輪枠は2つしかありません。そこへレイチェル、キャロライン、アシュリー・ワグナー、アリッサ・シズニー、更に今季復帰したトリノ銀メダリストサーシャ・コーエンまでもが参入しており、かなりのプレッシャーを強いられています。精神的にはかなり厳しい毎日が続くと思いますが、コーチの言うとおり「自分のことを信じて」頑張って欲しいと思います。怪我に気をつけてね。


思ったのですが、今季女子で3-3を跳ぶ選手はキム選手以外いなくなってしまいましたね。
真央選手はSPは3Aでのコンビネーションにしたという理由があるし、フリーでもしかしたら今後飛んでくるかもしれませんが、レイチェルも今回3-2でしたし、ダウングレードを恐れたんでしょうね。いろんな意味で、不安なく飛べるのはキム選手だけというのが現状ですから。
でも難しい技やジャンプは試合を重ねて挑戦していかなければ絶対にものにはできないし、跳べるものも跳べなくなりますよね。
やはり回転不足認定というのはフィギュアスケートの技術の発展を阻みこそすれ、競技にとっていいことはなにもないような気がします。制度としては正しいとしても、運用で選手の挑戦する心を奪っている。
女子の3-3は、3Aや4回転よりもずっと多くの選手に可能性を残す高難度ジャンプです。選手の向上心を奪うようなルールはなくしてほしいなあ。


ともあれ、今大会もなかなか豪華な顔ぶれで見応えもありましたが、ちょっと気がかりな面も見えてきた試合でした。
来週末はいよいよNHK杯、高橋大輔選手が復帰後日本で初めて国際メジャー大会で滑ることになります。
また「Eye」と「道」が見られるかと思うと今から楽しみです。

織田選手、鈴木選手、本当におめでとうございます!
by toramomo0926 | 2009-11-01 19:29 | フィギュアスケート


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