男女ショートプログラム(SP)が終了。男子は高橋大輔選手がパーソナルベスト(PB)を更新しての1位、2位に0.1点差(!)でエヴァン・ライサチェク選手(アメリカ)、3位に織田信成選手が入りました。4位にはジョニー・ウィアー選手(アメリカ)。ここまではフリー次第で誰が勝ってもおかしくない状態です。 女子は安藤美姫選手が大きなミスのない演技で1位になりました!キム・ヨナ選手はここのところうまくいっていないフリップが抜けてしまい、SPで初めてノーミス演技とはならず2位。3位にロシアの新星アリョーナ・レオノワ選手が入りました。鈴木選手は5位。(最初4位と書いていました。大変失礼しました・・・) 男子は今回本当にガチンコの、ファンからすると興奮するような顔ぶれですよね。ジュベール選手が出られなかったのは本当に残念でしたが、まさに頂上決戦、という感じで高いレベルの戦いとなりました。 高橋大輔選手は今までで一番のSPでしたね。ストレートラインステップでいつもとちょっと曲とのタイミングがずれていましたが、それでも圧倒的な演技でした。スピンもすごくよかった。彼は魅せますね~。 そして、衣装がかなりパワーアップしてましたね(笑) 辞めないで欲しいーーーー。あなたの代わりは誰もいません。あなたのような華をリンクに咲かせられる選手はいないのです。 カナダの放送局のフランス語解説を見る機会がありましたが、「彼は他選手から真似される(お手本になる?)ような、スタイルのある選手。彼は誰にも似ていない」と絶賛されていました。 Daisuke Takahashi 2009 GPF SP 2位はエヴァン・ライサチェク選手(アメリカ)。彼もPBを更新です。会心の演技でしたね。 解説の方も話していましたが、「火の鳥」の曲で真っ黒な衣装、というのも珍しいですが、なんか納得してしまいますね。彼は絶対黒の方が似合いますし。 アメリカ王者と世界王者を勝ち取った去年以降から、彼の演技はずいぶん変わったと思います。自信がみなぎっていて、風格すら感じます。一昨年まではジャンプについて不安もありましたが、いまはあまり感じさせませんね。ここぞというときに決められるようになったと思います。彼ならPCS(演技構成点)が上がるのも頷ける。 長い手足を存分に生かした、大きいけれど品のある滑り、シットスピンの時にまっすぐ伸びた足などの丁寧な演技は素晴らしいですね。一昨年までは特に好きでも嫌いでもありませんでしたが、昨年から大好きな選手の一人になりました。 Evan Lysacek 2009 GPF SP 3位に織田信成選手。彼も以前のようなジャンプでの危なっかしさがなくなり、本当に安定してきました。 ちょっと緊張していたのか、高橋選手やライサチェク選手に比べるとちょっと迫力が足りなかったような気がしますが、彼はぐいぐい押していくというよりは軽やかさや滑らかさが魅力の選手なので、そういう意味ではすごくアピールできていたと思います。でも最後のポーズを決めた後数秒の間動けなくなっていましたね。それだけ気合が入っていたのでしょう。すごくいい顔をしていました。 Nobunari Oda 2009 GPF SP SPが気合、フリーはチャップリンでコミカルに。良いコントラストだと思います。 4位はジョニー・ウィアー選手(アメリカ)。 彼の表現の世界はすごく個性的で、彼の世界というのが確立している。私は必ずしもイケメンとは思わないのだけど(すみません)、彼の演技は大好きです。今回見ていて改めて思ったのは、彼の姿勢のよさと身のこなしの美しさ。まさに「オトメン」といいたくなるような、バレリーナのような美しさです。 Johnny Weir 2009 GPF SP 5位はジェレミー・アボット選手(アメリカ)。 ジャンプのミスがあったのが痛かった・・・。やはりSPでジャンプミスしてしまうと点が伸びませんよね。 この顔ぶれだとフリーでの大逆転はかなり難しいかもしれませんが、何があるかわからないし、諦めずに頑張ってほしいですね。丁寧で美しいスケーティングを楽しみにしたいです。 トマシュ・ヴェルネル選手(チェコ)が6位。 負傷のため欠場となったブライアン・ジュベール選手(フランス)の代わりに出場。大きなチャンスでしたが、彼もジャンプを2つミスってしまいました。冒頭の4回転-3回転のコンビネーションがすごくクリーンに決まっただけにとても残念。 フリーの「ゴッドファーザー」はまたドラマチックなプログラムなので、明日は彼の良い演技、明るい笑顔を見たいと思います。 女子は安藤選手が手堅くまとめて1位になりました。 以前安藤選手のアイメイクの濃さと精神状態(=当日の調子)の関係について書いていて個人的に彼女の今日のメイクはどのくらいなのかが気になっていたのですが・・・(笑) 私はビミョーに濃い気がしていました。 彼女は今回3-3のコンビネーションジャンプに挑戦すると発言していました。練習風景をニュースなどで見てもとても体がキレていて調子よさそうだったので、おっしゃ頑張れ、と思っていたのですが、リンクに現れた彼女を見て「アイメイク濃い・・・大丈夫かな(汗)」と思いつつ見ていたところ、3-2になりましたね。 セカンドジャンプがちょっとよれたように見えたのでとっさに2回転にしたのかもしれません。フリーで3-3が見られるといいな。 Miki Ando 2009 GPF SP 全体的に大きなミスはなかったけど、かなり緊張していたみたいでちょっと縮こまった演技というか堅くなっているように見えました。本人も演技後ちょっと首をかしげたり、観客にお辞儀をしながらちょっと泣きそうになった表情をしたようにも見えたので、やはり五輪内定がかかった試合ということで、かなりプレッシャーがあったのかなと思いました。 キム・ヨナ選手はSPで初めてミスが出て2位スタート。SP2位って1年以上ないんじゃないでしょうかね(笑) それでもこれまでは、どんな失敗をしてもどういうわけか1位になるのが女王様の定石でした。 去年のファイナルでもキム選手はショートでミスしたのに、ノーミスの浅田選手を「なぜか」上回って1位になりましたし。フリーで更に自滅して結局2位になりましたが・・・。 なので今回もショックを受けないように自衛の意味をこめて斜に構えて(笑)見ていたのですが、今回結構まとも?な採点で2位。「それでも1位になるんだよな」と半ば諦めムードだったのでちょっと拍子抜けです。 でも、正直な話、私は彼女にファイナルで優勝してほしいという気持ちもちょっとあります。 なんか気持ち悪いからです。 これまであれだけ爆上げされておきながら今回いきなり「普通の採点」をされて「低めの得点」になることを恐れています。 なぜなら今回キム選手の点数が最終的にこれまでより低めになった場合、「肉を切らせて骨を断つ」じゃないけど(意味合ってますかね?)、昨今のキム選手のありえない高得点ぶりに疑問の声があがっている状況の沈静化を狙って今回のファイナルでは彼女の点を低めに抑えて「得点操作はしてませんよアピール」を全世界にすると同時に、こちらの気が緩んだところで水面下で「五輪で最高の爆上げ」という取引というか筋書きがあるような気がして怖いのです。 だから彼女にはファイナルは好きにしてもらったほうが恐怖心が薄れる気がします。 自分でこうやって書いていてもどれだけ疑心暗鬼かとも思いますし(笑)、読んで下さっている方も「コイツ疑り深いなあ」と思われるかもしれませんが、私は最初からこんなに性格が悪かったわけではありません(笑)。 数年にわたりさんざんキム選手の不可解な高得点、減点ポイントの見逃されぶり&異常な加点に泣かされ、ハラを立てさせられた蓄積があってのことです。そしてこれまでの経緯を考えると、もうなんだってありうるような気がしています。そう考えるファンの方は私だけではないと思いますが、いかがでしょうか。 今回パーフェクトではなかった、というのもありますが、日本にもファンが多いはずのキム選手の演技のあとの拍手がいくらか淡白に思えた(スタンディングオベーションを送る人がかなり少なかった)のは、フィギュアファンの無言の抗議にも思えました。 それでもPCS(演技構成点)は8点台続出なんですよね・・・。去年や一昨年と比べて彼女の演技のどこがそんなに点数が上がるほどに進化したというのでしょうかね? 3位に初出場のアリョーナ・レオノワ選手(ロシア)が入りました! ロシアはバンクーバーの次に開かれるソチ五輪の開催国でもあり、若手選手の育成が急ピッチで進められているのだそうです。彼女の登場はその始まりにすぎないんでしょうね。楽しみです。 フリーの「シカゴ」は彼女の生き生きした魅力が充分にアピールできるプログラムなので、上手くいけば初出場で表彰台も狙えます。頑張って! 余談ですが、彼女の名前は「アリョーナ」ですよね。会場のアナウンスも「アリョーナ・レオノワさん」と言っているのに、テレ朝のテロップは「アリーナ」と言い張っていました(笑)多分知らない人がテロップ作ったんだろうな(スペルは『Alena』なので)。ちょっと興ざめでした。 4位にジョアニー・ロシェット選手(カナダ)。 3-2のコンビネーションジャンプで2つとも着氷が乱れてしまい、演技全体にも力強さが感じられなかった。なんか元気がない状態が続いているのが非常に心配です。五輪自国開催というカナダ中からの期待が彼女を必要以上に追い込んでないといいのですが。 鈴木明子選手は5位です。 <スケカナ> 3ルッツー2トウループ 3フリップ 2アクセル だったのが、ルッツを除いて 3フリップ-2トウループ 3ループ 2アクセル にしてきました。 しかしループはフリップやルッツより基礎点が低いので、やはり望める点数が低めになってしまったのが残念ですね。 フリーは中国杯のような生き生きした演技を見たいですね。 Akiko Suzuki 2009 GPF SP 6位はアシュリー・ワグナー選手(アメリカ)。 アメリカの女子は五輪の2枠をめぐって激しい戦いが繰り広げられている中、唯一女子選手としてファイナルへの出場を果たしたアシュリー。ここで好成績を収めれば五輪のチケットは彼女にぐっと引き寄せられるはずです。そのプレッシャーも大きかったのかもしれません。 キレがありながら乱暴にならない彼女の大人の女性を思わせるしっとりとした滑りは、(彼女はまだ18歳ですが)他のアメリカ女子の若手にはないものです。フリーではいつものキレのある、でも優雅な彼女らしい演技を見たいですね。 それから、ジュニアのグランプリファイナルの男子で、羽生結弦(ゆずる)選手が逆転優勝とのことです! おめでとう! シニアのフリーは明日です。男女ともにフリーが正念場となりますね。どうなることやら! 目が離せませんね。 <関連コラム> ブライアン・ジュベール右足を負傷、グランプリファイナル欠場へ 2009年11月27日 安藤美姫選手-アイメイクとメンタルの関係 2009年11月9日 韓国東亜日報の記事-フィギュアスケート採点の信頼性に激震 2009年10月25日 キムヨナ選手の「世界最高得点」の意味を考える 2009年10月20日 「競技」としてのフィギュアは死んだのか 2009年10月18日
by toramomo0926
| 2009-12-04 22:03
| フィギュアスケート
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