「スピン2回分0点」の謎解明ー高橋大輔選手 グランプリファイナルFP
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グランプリファイナルの男子フリーで、高橋大輔選手のスピン2回分がノーカウント(無得点)になっていた件について、「自分は規程などに詳しくないためわかっていない」と先日グランプリファイナルのフリーについて書いたときに述べました。
友人に尋ねたりした結果あるブログにたどりつき、そこにあった説明で全てがはっきりしました。
ファイナルの記事が中途半端になってしまっていたし、高橋選手の得点について疑問を持たれた方も(多分)多いと思うので、受け売りではありますが、ここに詳しく述べたいと思います。




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高橋大輔選手のグランプリファイナル フリーの得点表。(クリックで多少拡大します)

ISUのプロトコル(規程)には、男女、またSP、フリー等種目別に多少の差はありますが、エレメンツ(要素)ごとに採点基準、また技を技として認める基準が書かれています。
「男子フリー」の「スピン」の項目に、今回の高橋選手のスピンがノーカウントになった理由となる以下の2項目がありました。

1.男子フリーの 3種類のスピンのうち、アブリビエーション(内容、種類)が全く同じものがあると判断されれば、2つ目が自動的にノーカウントとなる

これが、得点表の11番目のスピンが0点になった原因です。上に載せた得点表の図を見て頂くとわかりますが、4番目のスピンと11番目のスピンの略称が同じです。同じものを2回やった、と判断されたわけです。

*ちなみに、このスピンの略称「FCCSp」は、“Flying Change-foot Camel Spin”の略です。
軽く飛び上がってからスピンを始め、軸足を替えながらキャメルという体勢で回るスピンのことです。

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               キャメルスピン。

また、スピンやスパイラル(女子のみ)、ステップの略称の後についている数字は、認定されたレベルを指します。
レベルは難易度を表すもので、難易度の高い順に4から1までを認定されることになります。
このレベル認定にもいろいろと規程があり、例えばスピンでは一つの姿勢で回る最低回数などが定められています。従って、同じスピンでも当日の出来によって前の試合でレベル4をもらったものが次の試合では3しかもらえない、ということは当たり前にあります。


もうひとつは、
2.男子フリーの3つのスピンにおいては、

(a)フライングで始まるスピン
(b)1種類の姿勢をとるスピン
(c)コンビネーションスピン

以上の3種類全てがなければ、最後のスピンを自動的に無効とする


というもの。

男子のフリーでは、スピンは3回入ります。つまり3回とも(a)(b)(c)と異なる内容にしなければ、最後の1回は0点にします、という規程がそもそもあったんですね。フリーという名前はあれど、いろいろ細かい規程があるようです。私は1.の規程は知っていましたが、これは知りませんでした。
ということは2回同じ種類のものをやってしまえば、1.と2.のノーカウントはセットでやってくるということになります。

例えばスケートカナダでは、高橋選手は本来の振り付け通りにスピンは3つとも要素として認められ、得点がついています。
得点表の要素の番号で
4番目がFCCSp (Flying Change-foot Camel Spin)
11番目がFCCoSp (Flying Change-foot Combination Spin)
13番目が CCoSp (Change-foot Combination Spin)。

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高橋大輔選手のスケートカナダ フリーの得点表。(クリックで多少拡大します)

しかし今大会で、高橋選手は1つ目のスピンの足かえの際に体勢を崩してしまいました。よろけてスピンがグダグダになり、「エヘッ」とジャッジに照れ笑いをしながら回っていた彼が印象的でした(笑)。
その光景はそれなりに微笑ましいものはあったんですが、そこでかなり重大な狂いが生じたようです。
足かえ後のCamel Spinであるべきものが、別なスピン(Sit SpinかUplight Spin)と判断された模様。
ちなみにアップライトスピンは全てのスピンの基本となるスピンで、上体と軸足が真っすぐ直立した姿勢のまま行うスピンです。スタンドスピンとも呼ばれます。
つまり、本来のFCCSpではなく、3種類の姿勢をとるFCCoSpと見なされてしまったようです。結果、ファイナルの得点表4番目と11番目が同じ種類との判断で2つ目の11番目がノーカウント、更に1種類の姿勢のみをとるスピンが無いため最後の13番目がノーカウントとされた、ということみたいですね。


Daisuke Takahashi 2009 Grand Prix Final FP- La Strada



高橋選手のスピンがノーカウントになった理由については自分では全く分からなかったため、フィギュアスケート-Youtube-動画blog様のコメントNo.42:ナナ様のご説明をほぼそのまま使用しています。
一応そちらに転載の許可を求める書き込みを残したのですがかなり多くの方が出入りしているようで、またナナ様もこのブログの管理者ではないようでしたので、数日待ってみましたがお返事を頂くことはできませんでした。よってこちらに参考リンクとしてブログへのリンクを貼らせていただいています。
宜しくお願い致します。

今回のことで「そういう規程があったのか」と納得すると同時に、すごく勉強になりました。また、今まで分からないままになっていたスピンの略称も知ることが出来たのも収穫だったと思います。
規程はかなり細かく定められているようで、これも氷山の一角だと思います。選手やコーチ、振り付け師の方の苦労はいかばかりかと思いますね。大変だと思います。
ですがそのようないろいろな制約を乗り越えて、今季の高橋選手の「Eye」「道」、浅田真央選手の「鐘」や2007年のSP「ラベンダー」のように芸術性あふれるプログラムが生まれると考えると、これはすごいなあと感嘆せずにはいられません。

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<参考リンク>
フィギュアスケート-Youtube-動画blog 高橋大輔 グランプリファイナル2009 フリー演技 (解説:ロシア語・日本語)  2009年12月5日

織田信成、安藤美姫選手が五輪内定!-グランプリファイナル 男女フリー  2009年12月5日
by toramomo0926 | 2009-12-09 13:56 | フィギュアスケート


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