2010欧州選手権終了
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2010年欧州選手権が終了しました。

男子は1位・2位が今年より復帰したエフゲニー・プルシェンコ選手(ロシア)とステファン・ランビエール選手(スイス)ということで、プロからの復帰組が占めました。3位に怪我のためグランプリファイナルを欠場していたブライアン・ジュベール選手(フランス)が食い込み、プライドを守った感じ。
女子は最近少し元気のなかったカロリーナ・コストナー選手(イタリア)が久し振りの優勝を飾り、2位がディフェンディングチャンピオンのラウラ・レピスト選手(フィンランド)、3位にエレーネ・ゲデバニシビリ選手(グルジア)が入るという快挙を成し遂げました!

ISU Europian Figure Skating Championships 2010
それぞれの種目の「Result」で総合順位と総合得点が、
ショートプログラム(SP)とフリーの「Entries/Result Details」では得点詳細が、「Judges Score」では各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。





男子は復帰組が元気でしたね。
プルシェンコ選手の復帰は、間違いなく男子フィギュアが四回転回避=小さくまとまりつつあった流れを力づくで引き戻すものでした。
彼の復帰の理由はきちんと知りませんが、男子シングルの現状に喝を入れる意味もあったのではないでしょうか。

Evgeni Plushenko 2010 European Championships SP

ここ数年の「四回転を回避して質の高い演技で勝つ」という流れから一転、今季は全ての男子トップスケーターに4回転回避をしない方向性が見えます。転ぼうが何しようが、必ず4回転を入れてきている。これは彼の復帰とは決して無関係ではないと思います。
それにしても彼にここまで易々と勝たれてしまっては男子選手の顔が立ちませんよね。頑張って欲しい!
・・・とはいえ彼は昔から「皇帝」「宇宙人」と言われた選手なので、まあ厳しいんですけどね・・・でもショーに出てたとはいえ一時はすごく体重も増えて、4年もブランクがあった人なんですから。
ともあれ、バンクーバーでは彼と順位を争える状況になることが、メダルへのポイントになることは間違いないでしょう。


2位も復帰組、ステファン・ランビエール選手。
2007-2008シーズンでの彼の引退は怪我が大きな要因でした。選手として円熟期に入ろうかという時期に突然、という感じだったのでとても残念でした。
今季五輪に向けて復帰しましたが、ちょっとまだ本調子ではない感じですね。でもブランクを経ての復帰ですから、これくらいが普通ともいえます(笑)プルシェンコ選手がいろんな意味で規格外なので。
ですが、彼の魅力はそもそもジャンプよりもスピンやステップなどでの表現の素晴らしさにあります。そういう意味で彼の復帰は嬉しいですね。
フリーなどではそのスピンもちょっと乱れたりもしていましたが、五輪までにもう少し調子を上げられれば、メダルを狙えると思います。

Stephane LAMBIEL European Championship 2010 SP

ムチのようにしなる体の動きを使っての音楽の表現はやはり随一。フリーでは技術的には乱れがあったものの、演技構成点(PCS)では高い得点を得て、SP3位から総合2位に順位を上げました。。


3位は11月の怪我を克服したブライアン・ジュベール選手。
怪我をしたときは本当に驚き、欧州選手権や五輪に間に合うのかと心配しましたが、彼は気合で戻ってきましたね。
彼のベストではないかもしれないけど、怪我を全く感じさせないいつも通りの力強い演技。
今回も「オレのフリップはルッツだ」発言で有名な彼のフリップは相変わらずばっちりエラーを取られていましたが(笑)

Brian Joubert European Championship 2010 SP



それにしても1位から3位まで、本当に個性豊かなメンツが揃いました。それぞれのキャラクターが滑りに出まくっていますね。見応えがありました。
今のルールに適応するにはある程度仕方ないのかもしれませんが、やはり彼らを見ていると、最近の若い選手のスケールが年々小粒になってきているように感じてしまいます。
きれいだし正確に滑るけれども没個性的というか・・・
高橋大輔選手やジョニー・ウィアー選手あたりが独自色を強く打ち出し最後の砦を守っていますが、もう一度世代交代があったとき、どれだけ「ならでは」な選手が残るだろうか・・・?という危惧みたいなものも少し感じました。


しかし勝負の世界なので仕方ないともいえますが、五輪後引退した選手がまた4年後に復帰し、あっさりと出場権をかっさらっていってしまうというのは、ちょっと複雑な心境もあります。これは今全米選手権のOAを見ていても感じることですが・・・。
彼らの復帰はすごく嬉しいし、ここまで戻してきたことに尊敬もしています。またショーに出るのもそれなりに緊張感もあるでしょうが、現役選手の試合のプレッシャーとは比べ物にならないでしょう。
そんな中で血のにじむような努力を重ね、五輪出場またはメダルを目指して選手は頑張ってきたわけです(五輪に出たいと思わない選手はいないでしょう)。それなのに横から「いいトコ取り」とばかりにかっさらわれるというのは選手としてはかなり切ないものがあるのではないでしょうか。
表彰台でブライアン・ジュベールがニコリともしなかったのも印象的で、ちょっとそういうことも考えてしまいました。彼の胸中ではあのとき、どんな思いが去来していたのでしょうか。

まあ勝負は勝負ですし、現役選手自身が彼らをあっさり勝たせてしまっている訳ですからから仕方ないんですが、やはり復帰組には強力なネームバリューと言うものもありますし、それがPCSに全く影響しないといえば嘘になる気がするんですよね。
なので仕方ないことだし、彼らの力を疑問視もしていないのですが、一抹のせつなさというのも同時にどうしても感じてしまいます。
でも、彼らの復帰によって男子における4回転は必須という流れになったのはとても嬉しい。プル様、ありがとうございます。



女子はカロリーナ・コストナー選手が優勝!
Carolina Kostner European Championship 2010 FP

ここ2年くらい?なんだか元気がなかったカロリーナですが、今大会は輝いていましたね。フリーのエメラルドっぽい色の衣装もきれいでした。ステップで微笑む彼女を見て嬉しくなりました。
いつもにこやかで、明るいカロリーナの沈んだ表情は見ていてとても辛いものがあったので、彼女の復活は本当に嬉しい。
国内選手権で優勝できなかったので、今に至るまで彼女の五輪出場は確定していませんでした。この優勝で正式に決まるのでしょうか?彼女の屈託のない笑顔をバンクーバーで見たいと思います。


2位にラウラ・レピストです。2連覇はなりませんでしたが、ディフェンディングチャンピオンとして2位を死守しました。

Laula Lepisto European Championship 2010 FP

最初の3-3の流れの美しいこと!!
その後のジャンプでミスが重なってしまったのは残念でしたが、シーズン序盤よりも調子はぐっと上がっている手ごたえを感じました。
相変わらずキレとスピードのあるスケーティング、ブレのない美しいスピン。見ていてスカッする選手です。

フィンランドの五輪枠は「2」です。レピスト選手とキーラ・コルピ選手、スザンナ・ポイキオ選手の3人で枠を争う、はずでした。
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上がキーラ・コルピ選手、下がスザンナ・ポイキオ選手。

コルピ選手は4位になりましたが、ポイキオ選手はSPで大きく崩れて17位という信じられない順位となり、フリーは棄権してしまいました(腰を負傷したというアナウンスがありました)。
これで五輪出場はレピスト選手とコルピ選手で決まりになるだろうと思いますが、ポイキオ選手が心配です。
しっかり直して、また彼女の力強くも優雅な滑りとステキな衣装を見せてほしいと思います。


そして、3位にエレーネ・ゲデバニシビリ選手が入りました!おめでとう!
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彼女の母国はグルジアですが、政情不安定なためアメリカで練習しているという、カワイイ顔立ちながらも苦労してきている選手です。
今大会SPではグルジアの大統領自ら観戦していたとのこと。きっとグルジアでは希望を託される存在なのでしょうね。
私が彼女を初めて見たのはトリノ五輪でしたが、魅力的で躍動感のある滑りに一気に引き込まれた記憶があります。
国際大会には継続して出場していますが、シニアではなかなか上位に食い込めなかった彼女。彼女がこのようなビッグゲームで表彰台に乗ったのは初めてではないかと思うのですが、どうでしょうか?

Elene GEDEVANISHVILI European Championship 2010 FS



女子で印象深かったのは、3-3に挑戦する選手が多かったこと!
これは嬉しいですね。果敢に挑戦してこそ試合で跳べるようになるし、男女ともに難しいジャンプにあえて挑戦する選手が増えてきたことは嬉しい限りです。
安藤選手や浅田選手も、五輪では3-3を入れてくるかな?浅田選手はそもそも3-3を入れるつもりの構成なのかがちょっとわからないのですが、できる技にはなるべく挑戦して欲しいですよね。
そしてジャッジする側も、選手の努力に恥じない採点をしてほしいと思います。


そしてペアでは、川口&スミルノフ組が優勝を飾りました!

Yuko KAVAGUTI / Alexander SMIRNOV 2010 European Championships FS

五輪出場のために国籍をロシアに変えてまで頑張ってきた川口選手。ついに夢を手にしましたね(したんですよね?)
最高得点が出たということで、五輪に向けてよいイメージで臨めますね。本当におめでとうございます。
個人的にこのプログラムは前半はしっとりと、後半はかわいらしい感じで好きなので(後半はEXでも使ってましたよね)、ばっちり決まったところが見られて嬉しかったです。
演技中盤、、川口選手はちょっと脱臼を直したんでしょうかね?ちょっと腕を不自然に動かしているところがありました。
脱臼グセがあるみたいなので、気をつけて頑張って欲しいと思います。


選手のみなさま、本当にお疲れ様でした!


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by toramomo0926 | 2010-01-24 08:59 | フィギュアスケート


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