ジョアニー・ロシェット選手&ジョニー・ウィアー選手、世界選手権欠場を発表
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バンクーバー五輪銅メダリストのジョアニー・ロシェット選手(カナダ)と、6位入賞のジョニー・ウィアー選手(アメリカ)が、22日からトリノで行われるフィギュアスケート世界選手権への欠場を発表しました。




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ロシェット 世界選手権を欠場
【3月17日 AFP】2010年バンクーバー冬季五輪フィギュアスケート女子シングルで銅メダルを獲得したジョアニー・ロシェット(Joannie Rochette、カナダ)が、イタリアのトリノで開催される世界選手権(22日から28日まで)を欠場すると発表した。
 ロシェットは銅メダルを獲得した4日前に、心臓発作で母を亡くしていた。

 カナダスケート連盟は、ロシェットが世界の舞台で戦うにはこの数週間で負った心のダメージは大きすぎるとし、代わりにミリアン・サムソンの出場を発表している。

 ロシェットは「ここ数週間に起こった全てのことで、膨大な練習時間を失ってしまいました。つまり、選手権で満足なスケートをしたり、再び表彰台に挑むだけの準備が精神的にも肉体的にもできていないのです」と声明を発表している。(c)AFP

【3月10日 AFP】2010年バンクーバー冬季五輪、フィギュアスケート男子シングルで6位だったジョニー・ウェア(Johnny Weir、米国)が9日、イタリアのトリノで開催される世界選手権を欠場すると発表した。

 ウェアに代わり、世界ジュニア選手権で2度優勝しているアダム・リッポンが同大会に出場する。

 ウェアは「世界選手権出場が自分にとってプラスにならないと判断した。大会の重要性は理解しているが、今回は短期間の休暇が個人的に有益だと感じている」と欠場を説明している。

 2008年大会で3位に入っているウェアは、今後数か月をトレーニングに費やすことを明らかにしている。

 ウェアは「戦略と目標の見直しに時間を使わなければならない。技術を再び磨いた後は復活することを皆さんに保証する」と話している。

 リッポンは2010年、全米選手権では5位、韓国で開催された四大陸選手権では優勝している。(c)AFP

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ジョアニーについては、そうなる(欠場)だろうなと思っていました。五輪さえも出るかどうか、出られるのかどうかと思いましたし。
しかし彼女は気力を振り絞り、お母様の今までの励ましを無駄にしないという気持ちと、ホスト国であるという意識、カナダ国民からの期待というものあったと思いますが、出場し見事メダリストとなりました。
世界選手権は気力的に難しいと思ったし、無理はしないで欲しいと思っていました。なので残念な反面、ほっとしたという気持ちもあります。

今回の彼女のコメントには唸らされました。
世界選手権欠場については何も言わずともその理由は推測できますし、「今はゆっくり休みたい」と言えば誰もが納得するでしょう。
しかし彼女は欠場の理由を、「試合への準備が出来ていないため」と述べたのです。
言葉で説明するのは難しいですが、この言葉の選び方、表現の仕方の微妙なニュアンスに、彼女のフィギュアスケートへの、また世界選手権というものへの気持ちが透けて見えます。
彼女の言動は「アスリートの鑑」と思わせるものが多く、そういう意味で彼女を尊敬しています。精神面でも真のトップアスリートだと思います。
来季に元気な姿が見られますように。お疲れ様でした。


ジョニーは「デザイナーの勉強をして、ショップを持ちたい」というコメントを目にしたので、「まさか引退してしまうの?」と心配していたのですが、このコメントを読んで安心しました。
彼も演技が随分安定してきて、これからが円熟期というか、自分の思うような滑りの世界を作り上げられるようになってきている気がするので、まだ競技で彼の演技を見たかったんですよね。

彼のような芸術家肌の選手はプロに行ったほうが制約なく伸び伸びと滑れるようにも思いますが、プロのアイスショーは、(一部のスケーターを除いて)やはり現役選手のエキシビジョンよりも見応えは落ちる傾向にある、と私は感じています。
小道具も使いたいものを使えるし、競技では禁止されているバックフリップ(バック宙)などの大技をプログラムに入れられるので自由度やダイナミズムは増す面はもちろんありますが、その代わり「入れなければならない」という要素もなくなるため、選手は自分の得意なものしか入れなくなる。そうすると演技の幅はどうしても狭くなり、スケーターごとの演技のバリエーションがなくなってくるんですよね。
荒川静香さんのようにプロになってから更に技を向上させたような人は稀で、余程自分に厳しくしないとどんどん自分に甘いものになっていくような気がします。勿論現役同様に素晴らしい演技を見せてくれる選手も沢山いますが、全体的な傾向として。
自由って万能なようですけど、自由すぎると逆に選択肢や発展がなくなるように見えるんですよね。自由は大切だけど、適当な制約があったほうがアイデアや技術、表現は発展していく面もあるように思うのです。
そういう意味で、ジョニーにはまだまだ制約のある中で限界に挑戦して欲しいという気持ちがあります。
何より、日本・海外問わず、「プロになってしまうと演技を見られる機会が激減する」というのが辞めて欲しくない一番の理由なのですが。これは高橋大輔選手も同じですが・・・。

自分の納得いくようなコンディションで、来季またステキな世界を見せてくれることを楽しみに待っています。お疲れ様でした。

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彼らのピンチヒッターとして、ミリアン・サムソン選手とアダム・リッポン選手が出場します。

ミリアン・サムソン選手は、今年の四大陸選手権(4CC)で見ました。
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衣装がとてもステキで、エキゾチックな?美人さん。まだ国際的な知名度はあまりまりませんが、ジャンプの流れがとてもよく、美しい演技だったのを覚えています。美人さんだからということもあるのか(?)なんかキーラ・コルピ選手(フィンランド)を髣髴とさせるような感じ・・・?
彼女にとっては良い経験になるし、ビッグチャンスです。頑張ってください!

Myriane Samson 2010 4CC FS



アダム・リッポン選手は、フィギュアファンにはもうずっと前からおなじみですね。
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あのアイドルみたいな屈託のない笑顔とふわふわ巻き毛、そして美しい滑りは大人気ですね。・・・とこうやって書いていると女性選手みたいですが、男性です!(笑)
でも、本当に見ていて笑顔になるようなかわいらしいキャラクターと美しい滑りを持っているスケーターです。日本のアイスショーにも来てくれていますね。日本でも既に多くのファンがいます。

Adam Rippon THE ICE 2009 - Desperado

これは2009年に韓国で行われた「Festa On Ice」での演技。


この曲は有名だけれど難しい曲でもあると思いますが、しっかり自分のものにしていますね。
最初のジャンプ前にウォーレン(片足で1回転回るジャンプステップ。小塚選手もやってますね)を踏んでみたり、演技がどんどん盛り上がる後半からはじっくりイーグルを見せてくれたり、タノ・ジャンプ(片手を挙げて跳ぶジャンプ。去年真央選手もやってましたね)を跳んだり、女子選手並みに美しいドーナツスピン(シニア男子でやる人は殆どいません)をしてみたりと、盛りだくさんに魅せてくれました。
滑りもジャンプも美しくすごく洗練されているので昨季まで世界ジュニア2連覇も納得、という感じでしょうか。というか、昨季までジュニアの試合に出ていたとは思えない。
今年は4CCでシニア初の優勝も果たしましたし、この世界選手権からブレイクが始まるといいですね。
小塚選手とは同い年。今後ジェレミー・アボット選手も含めての「王子枠」の戦いが期待されます(笑)。
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その小塚選手もトリノに出発しましたし、世界選手権ももうすぐですね。五輪出場者はお疲れのことと思いますが、全ての選手が怪我なく、素晴らしい演技ができますように。


<関連コラム>
アイスショーの始まりはシーズンの始まり-The ICE  2009年8月2日
by toramomo0926 | 2010-03-19 08:31 | フィギュアスケート


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