その他「朝日小学生新聞」とフジテレビのサイトでも、インタビュー記事を目にしましたのでご紹介します。 朝日小学生新聞と東洋経済Onlineは4月14日付の記事です。みなさんきっととっくにご存知ですね・・・。まあ、このブログ的に今に始まったことではないんですが(笑) 最近、アスリートだけでなく芸術や文化方面で活躍されている方々が彼女の演技を高く評価しているのを目にする機会が多くなったように感じます。 小松左京氏は「日本沈没」「復活の日」などのSF小説のヒット作を多数生み出していますが、彼が下記のように述べていました。 「先日のバンクーバー五輪のフィギュアスケートでは、浅田真央さんがキム・ヨナさんに負けました。 僕にはその理由がよくわからなかった。 真央さんのほうが人間として華があると感じた。「華」というあいまいなものに対してフィギュアスケートはきちんと評価する基準を持っているものと思っていましたが、文学の定義づけと同様、現実にはなかなか難しいようです。」 キムヨナ選手は場の雰囲気を作るのが非常にうまい選手です。なので難しい技をしなくても、パッと見は演技に見栄えがします。 キム選手は「向上を捨てて勝利を得る」という方針を初めて打ちたてたフィギュアスケート選手です。そしてルール改正という追い風やジャッジの寵愛を受けて、彼女は目的を達成しました。 一方、真央選手はこれまでの選手たちと同じように、技術的にも表現的にも最高難度のものに取り組んだ結果としての勝利、というものに重きを置いています。 この2人の戦いは、これまでのフィギュアスケートにはなかったスタイルのものです。ゆえに彼女達の演技を同じ土俵で語るというのは本質的にフェアではないのではないかという見方も当然存在します。 しかし、フィギュアに詳しくない方はそんなことはわかりません。 特にこの競技は見た目の影響は大きいので、キム選手の「表現力」に対する世間一般的な評価は高い。 しかし真央選手がどれだけすごいことを成し遂げているか、技術と表現を極限まで追求しているかというのは詳しい方、または継続してフィギュアスケートを見続けている方でないと本当にはわからない。 昨年の全日本選手権とバンクーバー五輪、そしてトリノでの世界選手権で見せた「鐘」のプログラムは彼女のスケーターとしての力量と表現力についての認識をかなり変えたとは思いますが、そういう意味でキム選手の一般的な評価を真央選手が凌駕するということはかなり難しいのではないか、と時々諦めに近い感情を持つことがありました。 彼がフィギュアスケートに精通しているとは(しているかもしれませんが)あまり思えませんので、やはり見ている人には伝わるものがあるんだな、と嬉しくなりました。 しかし「人間的に」華があるという言い方は深いですね。 彼は言葉を生業にしているだけに、選ぶ言葉には必ず何かしらの意味があると思うのですが、「演技として」とか「技術的に見どころが多いという点で」という言葉ではなく、「人間的に」華がある、という言葉を使っています。選手個人の人格を含めたホールパッケージとしての「人間」というようにも受け取れる言葉です。 彼がフィギュアスケートを(多くの人がそうであるように)五輪の時だけ見るような形で接していたとして、あのSPとフリーだけを見てそのような判断を下したというのであれば、やはり小松氏は只者ではないというか、表現や創作と戦い続けた人の凄味みたいなものを感じますね。 フジ子・へミングさんも以前(2007-2008シーズン)真央選手を「あの方の滑っているのを見るのが好きなんです」と絶賛していたという記事を読んだことがあります。 真央選手の演技は「何か一つのことにずっと打ち込んできた人」からの評価がすごく高い。それが彼女が「本物」であることの証明に私には思えます。 Mao Asada 2010 World Championship FS -The Bells of Moscow 朝日小学生新聞の記事の内容は下記をご覧下さい。 ***** 浅田真央選手インタビュー「目標決めたら努力すること」 朝日こども新聞 (2010年4月14日、インタビュアー:小川文寧さん(小学生) 「一日一日を大切にして」 ショーでは楽しく -ショーのときはどんな思いでのぞむのですか。 試合が続いていたので、ショーは楽しんで滑りたいと思っていました。 子どもたちが「自分もスケートをしてみたい」と思ってくれたらうれしいです。 -今日はバンクーバー五輪のショートプログラム「仮面舞踏会」をピンクの衣装を着て演技しました。曲や衣装はどうやって決めるのですか。 「仮面舞踏会」はロシアで作りました。 曲はタチアナ先生が五曲くらい提案してくれた中から自分で選んで決めました。衣装もロシアに作ってくれる人がいます。今日着たピンクの衣装は、とても好きです。 好きな技ステップ -好きな技は? 昔はジャンプだったんですけど、今はステップです。 ジャンプを得意としているのですが、最近はステップでも見せられるようになったからです。 -元気のもとは? 食べることです。 お肉が好きで、おすしや中華も好き……。 なんでも好きです。 あと、寝る時間も大切にしています。 -子どもの頃の思い出を教えてください。 (5歳から)スケートをしていたので、お姉さんたちと一緒に試合に出たり、合宿に行ったりしていました。 自分が一番年下だったので、みんなに可愛がってもらったのを覚えています。 夢はソチ五輪で金 -夢は何でしたか? オリンピックの金メダルが目標でした。(バンクーバーでは)達成できなかったけど、次の大きな大会世界選手権で金メダルという目標を達成できました。 まだ伸ばせる部分があると思うので(2014年の)ソチ冬季五輪までにできるようにしたいです。 -くじけそうなときは、どう乗り越えますか。 ひたすらがんばります。でも、気分転換も大事なので、ショッピングに行ったり、一度おうちに帰ったりします。 -読者へのメッセージをお願いします オリンピックで金メダルという大きな目標を達成するために、小さいころから次の試合で達成する目標などを決めていました。一日一日を大切にして、毎日、続けることが大事だからです。 みなさんも目標を持てば、達成できたときの喜びを味わえると思います。 かわいくて太陽のよう 【小川さんの感想】 浅田選手はチョウのように楽しそうに滑っていました。 ジャンプはテレビで見るより速く、一瞬でしたがキレイでした。 インタビューするときは緊張しましたが、 浅田選手はやさしく、笑顔で話してくれました。 かわいくて太陽みたいな人でした。 浅田選手のように夢を実現するために、 努力をする人になりたいと思いました。 ***** 真央選手は子供から大人まで、ほんとに幅広く知名度と人気がありますね。以前からそういう感じでしたが、今回のバンクーバー五輪で「国民的スター」の地位を(彼女が望んだわけではないが)不動のものにしたという印象があります。五輪の時は日本全体が親戚のような気持ちで彼女の演技を見守っていましたしね。 また、彼女の競技への取り組み方や人に対する受け答えなどは幼い子供達にはとてもいいお手本になるし、子供達も難しいことは分からなくても、彼女の姿を見て「自分も頑張ろう」と触発されたりする面が多いように見えます。 そしてもうひとつ、フジテレビの加藤綾子アナウンサーとのインタビューもありました。 19歳のスペシャルインタビュー 浅田真央選手(フジテレビ 1924.jp) 加藤アナウンサーは真央選手の大ファンとのことです。真央選手もリラックスして話をしているようですね。いい表情をしています。 真央選手は五輪後、いろんな媒体への出演やインタビューが増えていますね。彼女はもう充分知名度はありますが、いつもの「天真爛漫な真央ちゃん」だけではなく、スケートへの思いや自分自身についてなどを語っているのが多くの方の目に触れるのはいいことだと思います。 真央選手は時々すごく本質的なことを口にすることがあるので、彼女のアスリートとしての部分がもっと明らかになることで、現在のアイドル的な、またみんなが温かく見守る存在というだけでなく、ある種の威厳や尊敬も集められる選手に最終的にはなっていって欲しいと思っています。彼女にはその資質は充分あるのですから。 -おまけ- でもオリンパスさんが随行してるみたいで(笑)完全プライベートではなかったみたいですが、まあよかったです。 でも来月になれば新しいプログラム制作へも動き出すでしょうし、忙しいですねー。 <参考リンク> 朝日小学生新聞 *4月27日付の記事に、高橋大輔選手と織田信成選手のインタビューも掲載されていました(小塚選手は・・・?(涙)。 つらくてもあきらめない 高橋大輔選手・織田信成選手(2010年4月27日) 小松左京 その2【全4回】 文学と科学を一体化し新しい科学のイメージを開く(1) -東洋経済オンライン(2010年4月14日) 19歳のスペシャルインタビュー 浅田真央選手 -フジテレビ 1924.jp <関連コラム> 青嶋ひろの氏の文章について -2010年3月29日 浅田真央選手の魅力 -美しいポジション -2009年12月10日
by toramomo0926
| 2010-04-28 09:28
| フィギュアスケート
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