熱狂!Japan Open 2010 (女子編)
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Japan Open 2010観戦記、男子編に続いて、女子編を書きます。

木下工務店カップ Japan Open 2010
順位と得点詳細。
男女別の「Result」で個人の順位と得点が、「Entries/Result Details」では得点詳細が、
「Judges Score」では各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。




トップバッターはユリア・セベスチェンさん。
大ベテランとは思えない可憐さと美しさを感じ、なんかキャリア的にはずいぶん長い方のはずなのに、「なんかまだ若いのに引退なんてもったいない」みたいな感情さえ浮かんでしまうほど、彼女は美しかったです!
そしてブルーの衣装が、氷にとてもよく映えていました。

Julia Sebestyen 2010 World Championship FS -Edvin Marton Medley

これは3月の世界選手権の演技。


後半はかなり疲れてしまいましたが、一旦引退ということで切れてしまった気持ちを立て直し、試合に出るというのは相当の決断が必要だったことでしょう。しかも遠く離れた日本まで行かなければならないし・・・。
そういう点からも、本当にありがとうございました、お疲れ様でしたと言いたいです。
TV解説で佐藤有香さんが「練習不足」とバッサリ斬っていましたが(笑)かような事情もあるし急遽決まったピンチヒッターなので、勘弁してあげて欲しいと思います(笑)
とはいえ、私は佐藤有香さんの糖分ゼロ、技術的な説明中心であまり余計なことを言わない解説も結構好きなんですけどね。言葉数だけ多くて内容が薄い解説よりも、よほど演技に集中して見られますし。


次に安藤美姫選手が登場。
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黒を基調とした衣装でしたが、安藤選手にとてもよく似合っていました。
アイメイクを見たところ薄めだったので、調子いいのかも?と思って見ていたのですが(笑)とてもよかったですよね!
3-3は跳びませんでしたが(6分間練習では成功させていたように思うのですが・・・)、きっちりと演技をまとめ上げました。
この調子でいけば、今季安藤選手は最初から飛ばして来るかもしれませんね。楽しみです。


Miki Ando 2010 Japan Open -ピアノ協奏曲イ短調


安藤選手も大人になりましたね。本当に演技も、精神状態も安定して、すごくスケートに集中できているように見えます。キス&クライで真央選手を慰める様子もすっかりお姉さんです。
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次はシンシア・ファヌフ選手。
真っ白な衣装が新鮮でした。遠目にはよくわからなかったのですが会場の大きい画面で見ると襟などにびっしりとレースがあしらわれており、カットもとてもかわいくて、上半身は普通にカットソーとして使えそうだよね、などと母と話していました(笑)

演技は去年はちょっと男性的な感じがしたのですが、今回は曲調もしっとりとしているので、落ち着いた女性らしさを見せていました。
彼女は今季要注意ですね。あまり大崩れするようなタイプでもなさそうですし、ひょっとしたら大化けするかもしれません。
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今のところ写真も動画もないので(涙)バンクーバー五輪の時の写真を。
目鼻立ちのはっきりした、瞳の澄んだ美人さんです。また、私は彼女の衣装はいつも素敵だなと思っています。


次がサラ・マイヤー選手。
彼女もキャリアが長い選手ですね。優雅で女性らしいすべりをする選手です。
今回の演技は、私個人的には可もなく不可もなく、という感じでした。きれいだったけど、心を動かされるほどではないかな、というか・・・。
数年前に初めて彼女の演技を見た時、その美しさに打たれたものですが、あれ以上の演技を私はまだ見ることができていません。今年彼女が再び大ブレイクしてくれるといいなと思っています。

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目がぱっちりとしていて、バレリーナみたいな雰囲気を持った選手。
スイス人というより、なんとなくラテン系の顔立ちにも見えてくる気がします。


そして浅田真央選手が登場しました。
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去年やはりJapan Openを見に行ったときは、真央選手のトリプルアクセル(3A)失敗にショックを受け(小塚選手も内容がよくなかったし)、何より「鐘」の重厚さに圧倒されてかなりどんよりして帰宅したものでしたが、今季はジャンプ修正中という情報と覚悟がしっかりと自分の中にあったため、落ち着いてみることができました。転んだときはやっぱり痛々しかったけど・・・。


それでもなんというか、表現において、というか空気感が昨年とは全く違っていました。
「仮面舞踏会」のかわいらしさとも、「鐘」の荘厳さとも違う、透明感溢れる空気を纏った真央選手がいました。
プログラムによってこれほど纏う空気が変わる選手というのは、実は珍しいのではないでしょうか。
押しつけがましくないのでマスコミなどではあまり取り上げられないかもしれませんが、プログラムによってここまで雰囲気を変えることが出来る表現力というのは素晴らしいと思いました。
ジャンプについては覚悟していたこともありますが、そういう全く違う真央選手というも見ることが出来たので、演技の完成度が低くても、見ていても動揺が少なかったのかもしれないなと思います。

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6分間練習の時は、やはり跳び方が少し変わっているなと感じていました。去年までの思い切り体を低くしてジャンプに備える「タメ」が少なくなり、わりと勢いそのままに跳んでいるように見えて、「おお、すごい!」と思いました。3Aも成功させましたし。

ですが、演技が始まってみると完全にジャンプ前のスピードが落ちてしまっていました。そして跳び方ももとに戻ってしまっていて、完全にスピードを失った中で飛び上がってしまっていましたね。去年のこの試合で転んだ時と全く同じ映像を見ているようでした。
やはり初戦、そしてジャンプを直している最中という不安が出てしまったんでしょうね。ここで出し切って、NHK杯では多少なりとも前に進んでいてくれればいいなと思います。
あと気になったのは、最初のコンビネーションがダブルアクセル-トリプルトウループ(2A-3T)だったところ。
これはひょっとしてひょっとすると、滑り込んで来たら3A-3Tとかやるつもりなんでしょうかね???
去年も確か全日本で3A-3Tの申請をしてきたことがありましたし、ちょっと期待してしまいます。でも今回は3Aは1回として、セカンドジャンプを3回転にしたのかな?とも思います。
どっちでしょうね。

また、昨年までは3アクセルは演技の最初に固めて飛んでいましたが、2回目のアクセルを中盤に持ってきていました。成功させ、ボーナスを得られればかなり大きいし、何より女子には完全に不可能なプログラムになります(笑)。男子でもアクセルは最初に済ませてしまう選手もいるのに・・・。
そして全種類のジャンプを跳ぶことを本気で目指します、という意気込みを感じました。
ジャンプの失敗が取りざたされていますが、それでも昨年まで苦手と言っていたサルコウを成功させています。
なんだかんだ言って、これからの変化が非常に楽しみなプログラムでした。
相変わらずハードルを高いところに持ってきたなあ、という気はしますし、道のりは険しいと思いますが、真央選手を信じて、見ていてつらいこともあるでしょうがこちらも腰を据えて応援していきたいと思っています。


ところで、真央選手の演技の時に気になったことがありました。
真央選手が演技を開始すべくポーズをとり、歓声が止んで会場が水を打ったように静かになった時、
客席から「真央ちゃん誕生日おめでとう!」という声が飛んだのです。
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客席からは多少笑い声が起きていましたが、これは笑いごとではありません。
選手はポーズをとってから、音が鳴り出すまでに一番集中を高めているように思います。次に聞こえる音を逃さないよう、全神経を集中しているのです。
そこに全く予想していない音が割り込んで来たら集中は乱れ、動揺もするでしょう。

今年1月の四大陸選手権が韓国で行われた際、五輪直前で神経質になっていた韓国の一部のファン?から、「浅田選手の演技の前に大声を出して集中を乱そう」という妨害予告のような書き込みがインターネットに出現したことが話題になり問題視もされました。今回声をあげた方の行為は、動機は好意であったとしても、ヘタすると結果的に妨害行為となる可能性もあります。

言葉の内容は関係なく、あのタイミングで大きな音を立てることが問題なのです。
演技直前に会場がシンと静かになるのは、「声掛けのチャンス」じゃなくて「演技する選手の集中を尊重するため」のはずです。

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以前カロリーナ・コストナー選手も、欧州選手権でジャンプの前に客席の子供が声を上げてしまい、ジャンプを失敗してしまったことがありました。コストナー選手自身も「言い訳にはしたくないけど、影響がなかったといえば嘘になる」という趣旨の発言を残しています。
確かに真央選手は今回の出来は悪かったし、今の状況では何もなくても転んでいた可能性は高い。ですがあれがなかったら、もう少し落ち着いて演技できたのではないか、という気持ちがどうしても消えません。
母は「信じられない」と怒り心頭で、帰りの電車内や、帰宅後も「あれはない」と激怒していました。

考えてみれば陸上のトラック競技や水泳のスタート前、またはゴルフでアドレスに入った時など、選手が集中すべき時には音をたてないようにするのは観戦者のマナーであり、知っていなければいけない常識です。
真央選手は絶対にこの影響については言及しないでしょうが、本当に応援しているのなら、何が一番選手の為になるのかということを観戦する側も意識することが非常に重要だと思います。ちょっとかわいそうでした。


Japan Open 日本選手たちの様子

選手紹介VTRと、真央選手演技後~優勝が決まるまでのキス&クライでの様子。悔しかったんでしょう、ちょっと泣きそうになっています。
「ヤバい、足引っぱっちゃったよー」と泣きが入る真央選手を、安藤選手が「よしよし」と慰めています。高橋選手と小塚選手も笑顔で盛り上げているのがいいですね。日本チームのキスクラは終始温かい雰囲気でした。特に安藤選手は保護者モードに突入(笑)

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真央選手は観客とチームメイトにカメラを通じて何度も手を合わせ、「ごめんなさい、すみません」を連発していました。


私の席からは見えなかったんですが、プルシェンコ選手も真央選手に声をかけ、慰め&励ましのキスを送ったとの情報が!プル様ありがとう!!

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優勝が決まった瞬間、真央選手はホッとした表情を浮かべてました。
そしてなんと2位のチーム北米と0.13差という僅差、薄氷の勝利(笑)

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あまりにも少ない点差に大ウケの高橋選手、安藤選手、小塚選手。真央選手は安堵と申し訳なさで複雑な表情(笑)


その点差にウケつつも、小塚選手が真央選手の背中を何度もたたきながら真央選手とモニターを交互に見つつ「ほら、大丈夫だよ」とばかりに励ましていたのも、会場で見ていて印象的でした。
優勝インタビューでも、恐縮する真央選手の次にコメントし「でも、最終的に勝ったからいいんです!」とフォローしていて、「小塚くんいいヤツだ!」と思いました(笑)
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Mao Asada 2010 Japan Open -Liebestraum

ジャンプの失敗はありますが、真央選手の真骨頂ともいえるふわふわで優美な滑りはやはり見入ってしまいます。
最後のポーズも本当に美しい!
今季はジャンプ矯正で例年より全然プログラム全体の滑り込みも足りていませんし、周りが何を言おうが気にせずに自分の目標にまっすぐ進んで行ってほしいと思います。


大トリは、ジョアニー・ロシェット選手!
今季はこのJapan Openのみで、他の試合には出ないという決定をしたとのこと。
夏に出演していたアイスショーや、このJapan Openは、既にずいぶん前に出演の契約をしてしまっていたのかもしれませんね。
昨季は公私ともに本当に大変なシーズンだったと思います。オフになれば休めるかと思いきや結構たくさんショーに出ていましたし、これから思い切りゆっくりと羽を伸ばして心身を休め、また来季必ず戻ってきてほしいと思います。


Joannie Rochette 2010 Japan Open -Samson and Derilla

昨季のフリーを完璧に滑ってくれました。
彼女の演技を見て、ああ、やはり1シーズン滑りきるとこんなにも出来栄えって違うんだな、と痛感。
でもそれだけではなく、彼女が長いオフの間もトレーニングを重ねていたからこそ、この日にこれだけの滑りが出来たということも絶対にあると思います。
これで彼女はある意味やっと2009-2010シーズンが終わったと言えるのかもしれません。本当にお疲れさまでした。


今年のJapan Openは本当に満足し、熱狂させてもらいました。本当に楽しかった!
ただ、試合のパンフレットを売っている場所が少なすぎて大行列になっており、結局帰りがけまで買えなかったのはちょっと不便だったけど(笑)
とても楽しい一日でした。

いよいよシーズンが目前になってきました。選手の皆さん、頑張ってください!

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***おまけ***

Mao Asada - Ballade No.1 / Liebesträume

ジャパンオープンの試合後、エキシビジョンを兼ねて行われたアイスショー「Carnival On Ice」での真央選手の演技。
アンコールで「愛の夢」のステップ部分を滑ったのですが、試合の時よりもずっと生き生きと体が動き、印象が全然違いました。試合を重ねて、どんどん良くなっていくと思いますので、期待です!



浅田真央「愛の夢」Japan Open -Carnival On Iceでのアンコールとの比較

ジャパンオープンでの演技と、その直後に行われたアイスショー「カーニバルオンアイス」のアンコールで「愛の夢」の一部を滑った時の比較。
体の伸びが全然違いますね。悔しさを晴らす熱演(笑)
ジャンプも変なタメがなく、軸もまっすぐに美しく飛んでいます。
これを見て安心しました。滑り込んでいけば、絶対にこのような素晴らしい演技を試合でも見られることでしょう。
焦らないでひとつずつ、きっちりと身につけていってほしいと思います。怪我だけは気を付けて。



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by toramomo0926 | 2010-10-04 00:42 | フィギュアスケート


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