スケートカナダ終了
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スケートカナダ・男女シングルが終了。
男子はパトリック・チャン選手が優勝、2位に織田信成選手、3位に今季大活躍が予想されるアダム・リッポン選手が入りました。
女子はアリッサ・シズニー選手がショートプログラム(SP)4位から大逆転で優勝!
2位にはロシアのソチ五輪メダル候補のクセニア・マカロワ選手がいきなり2位の快挙、
3位にはカナダのアメリー・ラコステ選手が入りました。

いやー、男女とも、すごく新鮮なメンツの表彰台になりました。五輪後は引退する選手や休養する選手も多いので、がらっと顔ぶれが変わりますね。
それに若手の台頭も眩しい!各国シニアデビューや2年目くらいの選手が、次のソチ五輪に向けて売り出しをはかる時期になります。
日本からも今井遥ちゃんが出場、5位と大健闘しています。南里康晴選手と村主章枝選手は9位となりました。


ISU Grand Prix 2010 Skate Canada International
順位と得点詳細。
各種目の「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Score」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。




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織田信成は2位、GP6勝目ならず/フィギュア

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダは30日、男女フリー(FS)を行い、織田信成(23)=関大=は合計236.52点で2位に終わった。優勝は239.52点を出した地元カナダのパトリック・チャン。南里康晴(25)=福岡ク=は合計188.96点で9位だった。女子では今大会がシニアGPデビュー戦となった今井遥(17)=東京・日本橋女学館高=が合計154.54点で5位。村主章枝(29)=陽進堂=は9位だった。

 織田は前日のショートプログラム(SP)で首位に立ったが、この日のFSは155.15点で3位。SP4位のチャンが166.32点を叩き出して逆転優勝し、織田は自身の持つ日本男子最多記録更新となるGP6勝目はならず。SP8位の南里は順位を1つ下げた。

 女子では、SP6位の今井がFSで102.02点を獲得して3位と大健闘。8位発進の村主は84.67点でFS10位。合計132.84点で9位に沈んだ。

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今井、デビュー戦で貴重な一歩/フィギュア

今井はシニアGPのデビュー戦を健闘の5位で終えた。
 フリーでは3位に入り「初めてのシニアのグランプリで、まとまった演技ができたのでほっとした」と安堵感をにじませる一方、「一番得意なループジャンプで失敗したのは、ちょっと油断」と課題も挙げた。これまでほとんど経験がない北米遠征で、時差ぼけに悩まされるなど苦労も多かったようだが、貴重な一歩を踏み出した。(共同)

サンケイスポーツ2010/10/31

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男子1位のパトリック・チャン選手については別記事にアップしましたのでご覧ください。


織田信成選手が4回転をプログラム構成に入れて見事にまとめあげ、2位になりました!
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パパとなって臨む今季は気合が入ってましたね。SPは本当に素晴らしい出来でした。
相変わらずジャンプの着氷の美しさは世界一と言ってもいいくらいに滑らかですし、スピンもコマのように回ります。
SPでの連続ジャンプはちょっと壁にぶつかりそうでヒヤッとしたけど(笑)美しい滑りで1位になりました。

Nobunari Oda 2010 Skate Canada SP -Storm

音楽は吉田兄弟の「Storm」。世界ジュニアを制した2005年の「座頭市」以来のジャパニーズな音楽でしたね。今回は忍者をイメージしているのかな?パンツの裾が絞ってあって、肩にも光る青海波(笑)猫のように着氷するさまも音を立てない忍者っぽくて、よかったです。

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フリーでは一転、ピアノコンチェルトの正統派な感じをアピール。
彼は最近、練習では完璧と思われる4回転を跳びながら、試合になると回避というパターンが多く、残念に思っていました。4回転を試合で跳ばなくなったのはニコライ・モロゾフコーチについていた時期とかぶる気がするので、モロゾフの方針だったのかもしれません。昨季までは高難度ジャンプへの挑戦はハイリスクロ-リターンという側面は避けられなかったためと思われます。安藤美姫選手も3-3には殆ど挑戦していませんでした。
ですがこのままでは彼は4回転を試合で跳ぶことに恐怖心を抱くようになり、結果的に4回転を跳べなくなってしまうのではないかと心配していました。
今季からモロゾフを離れ、前に師事していたリー・バーケルコーチに戻ったので、挑戦を再び始めたようでホッとしています。
今回少しだけ着氷で手をついてしまったようですがそれほど見た目には影響しなかったので、シーズン初戦、しかも久しぶりの4回転挑戦としては上出来ではなかったでしょうか。
報道では3A転倒も含めてなんだかネガティブに報じられていますが、演技を見たらそんなに悲観するような内容ではないと思います。マスコミ的にはチャン選手に逆転優勝を許したということでそういうトーンになるのかもしれませんが、チャン選手の方がジャンプの失敗数は多いにも拘らずあれだけ演技構成点(PCS)を付けられたら、はっきり言ってもう勝ち目はないような気がするので、今回は(こういう言い方はしたくないけれど)どうしようもないです。


Nobunari Oda 2010 Skate Canada FS -Piano Concerto No.1/No.2

彼自身は「守りに入ってしまった」と悔いが残る演技だったようです。その分次の試合が楽しみでもあります。

次の試合はスケートアメリカですか。えっ?ということは、高橋選手と同じですね・・・これはすごい。スケアメも見逃せないですねえ。ADSLも出ますし(笑)
*ところでNHK杯の時、ADSLは一試合しか出ないと書いてしまいましたが、スケアメにも彼はエントリーしているようです。大変失礼しました。

これからどんどん調子を上げていくと考えると、このプログラムがどこまで行くのかという事に非常にわくわくさせられます。次の試合も頑張ってください!
お疲れさまでした。


アダム・リッポン選手は3位に!!
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ジャパンオープンでも絶好調の素晴らしい演技を見せてくれたリッポン選手。今季は大躍進の年になりそうです。
ジャンプでトリプルアクセル(3A)の予定が2Aに抜けてしまったりということはありましたが、彼の持ち技である両手を上げたタノジャンプも美しく決まり、大歓声を浴びていました。
ただ、彼はまだ4回転を習得していません。現在彼のコーチであるブライアン・オーサーコーチは「彼には4回転は必要ない」と話しているようですが、これだけベテランも若手も4回転をバンバン跳んでくるとなると、今後ルールがどのように変わるかにもよりますが、数年後に出遅れる感じになってしまわないかなあと心配でもあります。
ですがオーサーコーチはキムヨナ選手を育てたときと同様「今ある技を磨いて点を上げる」という方針のようですので、彼についている限りは4回転に挑戦させることはないと思います。この決断が数年後どのような結果になるか、ちょっと気になりますね。リッポン選手の演技は本当に美しくて好きだし、才能は本当にある選手だと思うので、彼の能力を限界まで伸ばしてくれる指導者についてほしいなと思う時もあります。

Adam Rippon 2010 Skate Canada FS -Piano Concerto No.2

織田選手もピアノコンチェルトでしたが、織田選手はグリーク作曲、リッポン選手はラフマニノフ作曲のピアノコンチェルトです。
それにしても、スケートカナダって、毎年同じ人が観客(しかも最前列あたり)にいませんか?(笑)毎年赤と白のカナディアンカラーのいでたちで観戦するおばさま方のグループがいるような気がするんですが、同じ人かな?(笑)


4位に2種類の4回転を決めたケヴィン・レイノルズ選手が飛び込みました!
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彼は昔から日本にファンが多かった選手。シニア初参戦かと思ったら、2007-2008シーズンからグランプリシリーズに出てたんですね。大変失礼しました。
でも今季は初戦から存在感をアピールしてきましたね!今年で20歳ということで、シニアで戦う身体も出来てきたということでしょうか。しかもSPでいきなり2種類の4回転を決めるという快挙は素晴らしいです!しかも最初のサルコウ-トウループのコンビネーションは4回転-3回転という素晴らしさ!!


Kevin Reynolds 2010 skate canada SP -Moanin' / Drum Thunder Suite

色、白いな~(笑)。青がよく似合ってますね。
ジャンプだけでなくスピンやステップも良いですね。まだ体が細いけど、このままどんどんシニアを荒らしていってほしいと思います。怪我に気を付けて頑張って!

ところで、レイノルズ選手を見るとどうしてもトッポジージョを思い出してしまうのは私だけでしょうか・・・
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ファンの方、本当にすみません…でも本当に、ちょっと思い出してしまうんですよね。


南里康晴選手は9位となりました。
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フリーは大きなミスなくまとめていたのですが、やっぱり上位選手と比べるとスピードのなさが目に付きました。そのため演技全体の見栄えが落ちてしまい、せっかくのドラマチックな音楽も生かし切れていません。
PCSも7点台がひとつもないというのはかなり痛い。

でも、私は彼の今季のフリー「カルメン」は好きです。ステップも凝っていたし、衣装も左腕と左手のグローブが赤いのも印象的。これから試合をこなしていけばもっともっとよくなると思います!頑張ってください!!


Yasuharu Nanri 2010 Skate Canada FS -Carmen

彼も日本男子フィギュアをけん引してきた大きな功績のある選手。若手も台頭していますが、負けないでもうひと頑張りしてほしいです!


女子はアリッサ・シズニー選手がSP4位から見事逆転優勝を飾りました!おめでとうございます!!
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SP・フリーともに本当に素敵な衣装で現れた彼女。個人的には今大会のベストコスチューム賞でもあります(笑)
SP1位のシンシア・ファヌーフ選手がミスをしたということはありましたが、堂々の素晴らしい演技でした。美しさに定評のあるビールマンスピンも健在。
現在彼女は佐藤有香さん&ジェイソン・ダンジェンさんご夫妻がコーチとしてついているんですね。今後更にスケーティングなどがうまくなってくることでしょう。有香さんはアメリカのコーチとして着実に実績を築きつつあると思います。それも素晴らしいですね。


Alissa Cyisny 2010 Scate Canada FS -Selections from Winter and Spring

彼女は23歳なんですよね~。でも10代のようなみずみずしさがあります。
暫く停滞した時期がありましたが、復活後は安定していますね。次の試合はフランス杯。この調子を落とさずに、是非ファイナルに進出してほしいと思います。


2位はロシアの新星、クセニア・マカロワ選手!
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昨季、真央選手が2007-2008シーズンに使用した名曲「ラベンダーの咲く庭で」を使用していたのが印象に残る美少女です。去年よりもちょっと体が女性らしくしっかりとしたように思います。
ただ、ちょっと柔軟性に欠ける感じかな・・・?これからどうなっていくのかといく感じですね。
ジャンプは着氷がちょっと危なかったけど、しっかりとこらえました。スピンもスピードはあるのだけどちょっとトラベリングが大きい気がします。PCSもあまり高い点が出ていませんね。
ですがプログラムに6種類すべてのジャンプをバランスよく配して、コンビネーションもトウループートウループながらもしっかり決めました。この先強い存在になりそうですね。
ただ、ルッツにエッジエラーがついてますね。ロシアの選手でもつくのか・・・とちょっと安心(笑)
というか、男女とも全体的に、エッジエラーはフリップよりルッツの方を厳しく取る傾向にないですか?フリップでエラーを取られているのは、私が今季確認した限りでは一人だけです。あとはエラーはみんなルッツの人がとられてる。
フルッツ気味になる人とリップ気味になるひととの差がどのくらいあるのかは分かりませんが、傾向としてルッツのエラーの方が厳しく取られているようにも思います。本質的には同じミスなはずなの
ですが、なんか変ですね。


Ksenia Makarova 2010 Skate Canada FS -Evita


彼女を筆頭に、これからソチを目指してロシアが育ててきたジュニア選手が今後どんどん参戦してくると思われます。今トップの選手もうかうかできませんね。真央選手もだからこそ今のタイミングでジャンプ修正に踏み切ったのだと思います。
暫くロシアの女子はトップグループには不在でしたが、フィギュアの歴史的にこれって結構珍しい時期だったのではないかと思います。これからはどんどん新勢力が出てくるでしょう。女子の勢力図がどうなるのか、ちょっとドキドキします。


3位にアメリー・ラコステ選手が入りました!シニア初の表彰台です!おめでとうございます!!
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地元の大声援を力にしてましたね!ジャンプの着氷がスパッと決まると気持ちいいですね。
スピードがすごくあるという訳ではないですが、最後まで丁寧に滑っていたという印象がありました。フリップの転倒が惜しかったですが、この表彰台はすごく自信になると思います。
他の選手とはちょっと雰囲気の違った、クールなまなざしとすごくきれいな瞳の色も印象的でした。カナダもロシェット選手の後ファヌーフ選手、ラコステ選手、そしてミリアン・サムソン選手と人材が豊富です。これからどんどん伸びてくるでしょうね~。


Amelie Lacoste 2010 Skate Canada FS -Sheherazade



SP1位だったシンシア・ファヌーフ選手はフリーでミスがあり4位。うーん、惜しかったです。
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SPは本当に素晴らしかったのですが、フリーでルッツを2度ともミスしてしまい、ループも1回転になってしまいました。3つジャンプをミスると、さすがにつらいですね・・・。
ロシェット選手が今季休養している中、自分がカナダを引っ張るという気合は絶対にあったと思いますが、残念な結果になってしまいました。
ですがSPを見る限り調整は順調だと思いますし、次はきっとうまくいきます!ハマったら絶対表彰台、というオーラがついてきたように思います。次の試合がそういう意味で楽しみですね。

Cynthia Phaneuf 2010 Skate Canada FS -Spanish Guitar, etc.

ギターのみの旋律を、とてもうまく表現していたと思います。ファヌーフ選手のエキゾチックな雰囲気にとてもよく合ったプログラムですね。


今井遥選手はフリーで3位に入る大健闘、総合5位です!!
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彼女は昨季の四大陸選手権に出場していますが、実質シニア参戦は今季からになります。長久保コーチの教え子らしくしっかりとした滑り、でもとても優雅ですね。
手足を存分に伸ばして身体を思い切り使っているのだけど、決して乱暴というか雑な感じにならず、ひとつひとつの所作がとても美しいです。スピードもありますし丁寧に滑っていて、シニア本格参戦とは思えない素晴らしい演技でした。
もっと順位が上でもいいのになあ、とすら思う出来だったと思います。表彰台はならなかったけど、胸を張れる出来ではないでしょうか。

Haruka Imai 2010 Skate Canada SP -Gypsy Dance from "Don Quixote"

村上佳菜子ちゃんが思い切りのいい、割と男っぽい滑りなのに対し、遥ちゃんは伸びやかだけれども女性らしさがありますね。この二人が切磋琢磨し合ってどんどん伸びてきてくれるといいと思います。


村主章枝選手は9位でした。
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彼女は間違いなくフィギュア日本女子の隆盛の歴史に貢献した選手ですが、今の採点方法と傾向に自分の演技をアジャストすることが難しくなっているように思います。年齢的にも体力的にも、そして技術的にも。
彼女が現役を続ける理由をいつも考えてしまいます。彼女の表現したい世界を一番出せて、かつ彼女自身も魅力的に演じられるのはアイスショーの世界だと思うのですが、現役にこだわる理由はなぜなのだろう?やはり試合の緊張感と離れたくないんでしょうかね。
彼女は表現力がセールスポイントの選手でしたが、PCSも7点台が出せていない状況です。厳しいことを書くようですが、世界の頂点にいた選手が下位に甘んじ続けるのを見るのは辛いのも事実です。
しかし彼女には彼女の考え方があるのでしょうし、今回の試合で課題もたくさん見つかったということなので、次の試合となるフランス杯、そして全日本に向けて、どんどんプログラムをこなしていってほしいと思います。
お疲れさまでした!!


Fumie Suguri 2010 Skate Canada FS -Sheherazade/Alexander

今季はタンゴを採用する選手が男女ともに例年以上に多い気がしますが、この「シェヘラザード」も毎年必ず誰かが使用するといってもいい、人気の曲ですね。エキゾチックで美しいメロディは、やはりプログラムとして成立しやすいし、振付ける側も演じる側もイマジネーションを喚起させられるのでしょう。


あと、心配なのがサラ・マイヤー選手。
ジャパンオープンでは元気な姿を見せてくれていましたが、今大会を棄権していますね。一日も早く元気になりますように。


全体的に、女子は男子ほどは内容がよくなかったように思います。これが今季初戦となる選手ばかりなので仕方ない面はあるのですが、NHK杯の時ほど各選手のプログラムの完成度がなかったように思います。ちょっと女子は物足りなかったかな。
でもこれから活躍しそうな選手、楽しみな選手というのもたくさん見ることができたので、満足しています。

次の中国杯は今週末、11月5日~7日の日程で行われます。
ここには安藤美姫選手、鈴木明子選手、長洲未来選手(彼女も出るのかどうか心配)、アリョーナ・レオノワ選手、が出場。男子は小塚崇彦選手が出場します!そしてミハル・ブレジナ選手、トマシュ・ヴェルネル選手!そしてブライアン・ジュベール選手など、なかなか面白そうな顔ぶれです。楽しみですね~。


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「先入観」への危惧 -パトリック・チャン選手優勝:スケートカナダ・男子シングル  2010年10月31日
by toramomo0926 | 2010-10-31 14:33 | フィギュアスケート


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