スケートアメリカ・男子SP
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グランプリシリーズ第4戦のスケートアメリカが開幕。
日本選手は男子が織田信成選手と高橋大輔選手が1位・2位に入り、村上大介選手も5位と素晴らしいスタート。女子の出場は村上佳菜子選手だけですが、彼女も2位スタートです!


ISU Grand Prix 2010 Skate America
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Score」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。




男子は織田信成選手が見事ノーミスの演技で、高橋大輔選手を僅差ながらもおさえてのトップです。
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パパになった今季、彼は素晴らしい演技を続けていますね。吉田兄弟の三味線の曲と忍者風の衣装も観客にはウケていたようです(笑)
彼の今季のSPは私は大好きです。去年の「死の舞踏」は彼の中では新境地だったけど、最後まであまり感情移入はできませんでしたが、今季のはとてもいいです。
まだ2試合目でこんなことを言うのはナンですが、やはり彼はリー・バーケルコーチとの方が相性がいいのではないかと思いますね。
ただ、モロゾフも彼の代表作となった「チャップリンメドレー」を作り上げた功績はあります。織田選手はジュニア時代のオモシロプロは有名でしたが、シニア後はこれといって代表作といえるプログラムはなかったように思いますし。
久しぶりにバーケルコーチに会った彼は「スケートを楽しんでいるように見えない」と言われハッとしたとインタビューで語っていましたし、最近の彼はスケートがより伸びやかになったように見えます。一旦離れたことで、よりお互いをよく知るようになったと思いますしモロゾフとの師弟関係に意味がなかったとは思いませんが、この形が彼には一番いいのではないかと思いました。

高橋大輔選手を押さえてのSPトップというのは、彼には大きな意味があるものだと思います。ただ、裏返すとそれがプレッシャーになってしまう危険もあります。彼には今の伸びやかさを忘れずにフリーを頑張ってほしいと思います。


Nobunari Oda 2010 Skate America SP -Storm



高橋大輔選手は僅差で2位スタート!
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なんかちょっとスピードを制御しきれてなかったように見えましたね。ルッツでミスがありましたし、ステップもちょっと流れてしまっているような感じがありました。
ですが、もうなんというか表情から揺るぎない自信みたいなものが感じられますね。心底楽しんで滑っている。試合でこんなに楽しそうに滑っているのを見たのは、浅田真央選手のシニアデビューくらいかもしれません。
真央選手のそれはまだ「怖いもの知らず」な幼さからの要素が大きいものでしたが、彼はもうスケーターとしては上も下も見て、酸いも甘いも知り尽くしています。その彼がこのように競技において自由でいられる境地に達したというのは素晴らしいことですね。
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演技終了後、笑顔で自分のおデコをはたくという余裕も見せました。

点差は1点強ですし、優勝は充分狙えます。まだ採点の詳細は出ていませんが演技構成点(PCS)においては織田選手を全項目で上回っていますし、楽しみです。
彼の演技構成点が高すぎるという声もありますが(NHK杯では2位のアボット選手に比べると高いとは私も思いましたが)、やはり彼の表現、そして振り付けを自分のものにする「踊る」技術というのはすごいと思いますね。マンボというはっきりしたテーマがあるというのもありますが、こうやって報道された写真を見ていても、2分50秒の大きな流れの中でもきっちりとその踊りの「型」ができている。なので彼の写真は、他選手と比べて「写真」として出来上がっているものが多かった。

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フリーは同じラテンだけれど、いくらか抑え目な、大人テイストのタンゴ。SPは思惑通り(笑)会場はすごく盛り上がったけど、このタンゴでもどれだけ観客を引き込めるか、そして4回転などのジャンプがきちんと入るかがカギになるでしょう。うーん大激戦!頑張って!!


Daisuke Takahashi 2010 Skate America SP Latin Medley

衣装変えてきましたね。そして髪型もあのたなびくウエービーヘアではなく(笑)オールバックにしてきました。
あの髪の毛は激しい動きでは顔に貼りついたりバサバサしたりしてたので、私はこっちの方が好きです。でも衣装は、サイケデリックで暑苦しい柄物の方が好きかも(笑)


会場は試合とは思えない黄色い声が沸き起こりましたが、それにしても観客の少なさに驚きました。リッポン選手やアーミン・マーバヌーサデー選手という若手が出ているとはいえ、今までアメリカ男子フィギュア人気を引っ張ってきた2大スターであるエヴァン・ライサチェク選手とジョニー・ウィアー選手の不在というのは、ここ数年人気に陰りが出てきたアメリカにおけるフィギュアスケートに深刻な影響を与えているのかもしれない、と思いました。女子は長洲未来選手やレイチェル・フラット選手、アシュリー・ワグナー選手が安定して成績を残していますが、それでも今大会空席が目立っています。
ちょっと心配ですね。


3位にアダム・リッポン選手!
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彼も順調にシニアでのキャリアを伸ばしていますね。3位スタートです。1位・2位とは点差は少しありますが、彼のフリーの完成度は既にすごく高いので、ミスなく決めれば順位を上げるチャンスはあります。
ただし、今回はちょっと演技にいつものうっとりさせるような感じがありませんでしたね。最初のアクセルジャンプでミスをしたのも大きかったですが、全体的に彼がハマった時に見せるオーラみたいたものが引っ込んでしまったように見えました。
とはいえ、毎試合ごとに表彰台を争う常連になっていくでしょうね。このまま怪我なく頑張ってほしいです!

Adam Rippon 2010 Skate America SP -Romeo ane Juliet



4位に、地元のアーミン・マーバヌーサデー選手です!!
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彼を知ったのは、実は彼の演技ではなく、真央選手の大ファンのスケーターとしてでした。2008年のグランプリファイナルの女子フリーを他選手とリンクサイドで観戦していて、真央選手の演技終了後に持参した花束を渡そうと立ち上がってアピールしたものの気付いてもらえなかった(笑)。真央選手も、まさか選手席から花束をもらえるとは思わず、気付かなかったようです。
このエピソードは動画にもなっており、ファンの間では有名になっています。また彼はピアノの名手でもあり、真央選手が試合で使用する曲の数々を演奏した動画をYoutubeに上げているのも有名です。


2008年グランプリファイナル・真央選手フリー演技での選手席の様子(わかりやすい解説付き)

演技終了後、アーミン君が立ち上がって花束を渡そうとしている映像も入ってます。


そんな彼も才能の宝庫にして激戦区のアメリカ男子ジュニア界でしっかり勝ち抜き、2シーズン目となるシニアグランプリシリーズでSP4位にのし上がってきました。彼が開花するのはこれからですが、まだ19歳。これからリッポン選手と一緒に若手のトップに残ってくれることを楽しみにしています。


Armin Mahbanoozadeh 2010 Skate America SP -Mario Takes A Walk/Prelude

アーミン君、大人になったなあ…。
彼への興味は変なところから入りましたが、私は彼の演技はすごく好きです。今回も手の動きなども非常にしなやかで美しいですし、ジャンプもミスはあったものの安定してきました。体全体を使った動きも素晴らしいし、スピンも面白いポジションを取り入れているし速度も速く、見ていて楽しいです。
後半の曲は以前イリーナ・スルツカヤ選手も使用していましたね?なつかしいです。曲調も彼のエキゾチックな魅力を更に引き立ててる、良い選曲だと思います。


5位に村上大介選手!
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日本選手もなんだかすごいことになっていますね。前は世界のトップで戦えるのは一人か二人、という感じだったのに、今は泉のようにあとからあとから才能が出てくる(笑)村上選手もこれからどんどん伸びて来るでしょうね。
このSPもスピードがあり、滑らかなスケーティングとジャンプをしっかり決めたことで、上位にしっかり食い込んできました。これから名前をどんどん売って、更に実績を上げていく大きな自信になったのではないでしょうか。演技終了後、すごくうれしそうで私も嬉しくなりました。
今大会のSPでは、転倒の減点を受けた選手が2人しかいません。かなりレベルの高い戦いになりそうですが、こういう高いレベルでの経験をどんどん積んで、高橋選手や織田選手、小塚選手を脅かす存在になってくれるでしょう!フリーも頑張って!!


Daisuke Murakami 2010 Skate America SP -Toccata and Fugue



アドリアン・シュルタイス選手(以下ADSL)は7位。
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NHK杯の時は、最後のキメのポーズがすごく印象的だったんですが、今回それがなくなっていたのがちょっと残念。
あと、びっくりしたのが彼をずっと教えてきていたエフゲニー・ルトコフコーチが同行していないことです。

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今回のキス&クライには彼しかいませんでした。
何があったんでしょうか?ルトコフコーチが体調を崩したりしていないといいのですが。
そのためか、彼はなんだか元気がないようにも見えました。何か下を向いて滑ってるみたいな・・・。
何があったのかは分かりませんが、集中を欠いて怪我などすることのないように気を付けて、フリーがんばって欲しいです。


Adrian Schultheiss 2010 Skate America SP -Scuba



女子についても書きたかったのですが、当方今週末は予定があり、女子のSPについては詳しく書けそうもありません。なのでフリーでは男女まとめて記事を書きたいと思います。申し訳ありません。
女子のSP順位を貼っておきます。

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3位にスウェーデンのヨシ・ヘルゲソン選手の名前が。彼女はビクトリア・ヘルゲソン選手の妹だそうです。
フラット選手が思ったより順位が低いですが、3-3認定がされなかったんでしょうかね…。カロリーナがかなり点差をつけてトップ、2位に佳菜子ちゃん。フリーでしっかり滑れば、優勝できるかも?頑張ってほしい。でもカロリーナも今季報われて欲しいという気持ちもあるしなあ・・・難しい。

男子も女子も、NHK杯と出場がかぶる選手が多いですねえ。期間の開き具合がちょうどいいのかもしれませんが、殆ど同じメンツで2試合というのも、ちょっとやりにくいでしょうね。

男子・女子とも、フリーで思い切り力を出し切ってほしいですね。頑張ってください!


***おまけ***

Rachmaninoff Prelude played by Armin M - Tribute to Mao Asada's 09/10 Freeskate

アーミン君が「鐘」を演奏しています。
「Tribute to Mao Asada's 09/10 Freeskate」(浅田真央選手の2009-2010フリー演技に捧げる)とありますね。
彼のピアノはコンクール的にうまいのかは知りませんが、私は良い演奏だと思います。音が響きすぎるときはあるけど、音そのものがすごくきれいだと思います。何より、心のこもった演奏ですよね。


<参考リンク>
MrNimraさんのチャンネル(Youtube) 
*アーミン・マーバヌーサデー選手のYoutubeのアカウント。彼のピアノ演奏がたくさん聴けます。素晴らしいですよ。


<関連コラム>
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by toramomo0926 | 2010-11-14 09:04 | フィギュアスケート


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