キムヨナ選手今季使用曲についての危惧
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キムヨナ選手の今季プログラム曲が正式に発表になりました。「ジゼル」と「アリラン」とのこと。
ここへきてプログラムを発表するということは、やはり世界選手権には出場するつもりなのでしょうか。




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フィギュア:キム・ヨナの新プログラム曲発表

キム・ヨナ バレエとアリランが「フィギュアの女王」を彩る。
 キム・ヨナ(20)が来年3月の世界選手権(東京)で披露する新プログラム曲が発表された。バレエ曲「ジゼル」と、アリランをはじめとする韓国伝統音楽をアレンジした「オマージュ・トゥ・コリア」だ。

 「ジゼル」はショートプログラム(SP)、「オマージュ・トゥ・コリア」はフリーで使われる。振付師のデヴィッド・ウィルソン氏と新コーチのピーター・オペガード氏が作業をサポートした。

 ウィルソン氏は「強烈で豊富な感情のストーリーが込められたジゼルに合わせて多彩な表現をできる選手は、キム・ヨナだけ」と話した。オペガード氏は「新プログラムには、芸術的な部分を向上させたがっていたキム・ヨナの意向を反映させた」と説明した。

チョン・セヨン記者
2010年11月30日 朝鮮日報


キム・ヨナの新プログラム完成 「今季の振り付けはファンへのラブレター」

キム・ヨナのマネジメント会社オールザットスポーツは30日、「ショートプログラムはバレエ曲のジゼルを、フリーはアリランをはじめとする韓国の伝統音楽を編曲した‘Homage to korea’を選んだ。 今回の振り付けは過去4年余りキム・ヨナと一緒にしてきたデビッド・ウィルソン・コーチの作品」と明らかにした。

ウィルソンコーチは「フリーはキム・ヨナがファンに送るラブレター。 キム・ヨナがオリンピック(五輪)チャンピオンになるまで惜しまず声援を送ってくれたファンと祖国に対する感謝の気持ちを込めた」と説明した。

10月からピーター・オペガード・コーチと一緒にロサンゼルス近隣のイーストウェストアイスパレスで練習しているキム・ヨナは「これまでもウィルソンコーチが何度かアリランを推薦してきた。 その度にまだ適切な時期ではないと考えて断ってきたが、五輪を成功させた今、これまでの国民の愛と関心に報いるよい時期だと判断して同意した」とし「バレエ曲ジゼルをプログラム曲に選定したのも初めてで、新しい試みになりそうだ。 ジゼル自体が持つストーリーが気に入っている。 音楽に含まれるさまざまなストーリーをうまく表現したい」と期待を表した。

キム・ヨナは来年3月に東京で開催される国際スケート競技連盟(ISU)フィギュア世界選手権大会に出場し、プログラムを初めて披露する。

2010年11月29日 中央日報

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通常、試合に出ない期間が長いと一番心配されるのは試合勘の回復、特にジャンプは試合で跳び続けないと成功率は上がりません。なので選手はシーズン序盤はミスが多いですし、プログラム構成そのものもレベルを少し下げる選手もいます。そして試合を重ねるごとに難易度を上げていくというのもよくあるやり方です。しかし今季ジャンプの失敗はさほどPCSに影響を及ぼさないようなので、これまでジャンプが完全でなくてもPCSを山盛りにもらうことで勝ち続けてきた彼女にはプラスの材料です。
「新プログラムには、芸術的な部分を向上させたがっていたキム・ヨナの意向を反映させた」ということなので、今季も特に技術的に目新しいことはしなさそうですし。


彼女が今季世界選手権にしか出ない、という普通ならあり得ない選択をしたことがずっと引っかかっているのですが、開店休業でも現役のほうがプロになるよりもスポンサー的にも旨味が多いからなのかとか、ギリギリでドタキャンするつもりなのかとも思っていました。まだドタキャンの可能性は消えてはいませんが、ちょっと嫌な感じがしています。

私はバレエ的な表現にはうっとりとしてしまう方ですが、本当にバレエのことを知っているわけではありません。なので「ジゼル」については実際に彼女の演技を見るまではなにも言うつもりはないのですが、もう一つの選曲が「アリラン」だといういことにちょっと危惧というか、ここ数年のフィギュアの状況からのトラウマともいえる疑念を覚えました。

今季のワールドは日本の東京で行われます。
そこで韓国を象徴するともいえる「アリラン」を演じた彼女が優勝すれば、きっと韓国の方々は溜飲を下げるでしょう。
あまりここで国同士の政治的感情について書きたくはありませんが、韓国メディアの日本(そして浅田真央選手)に対する書き方、言葉の使い方を見ていると、もしキムヨナ選手が「アリラン」で東京ワールドで優勝した場合、五輪以上のフィーバーと、日本に対する優越感あふれる記事が韓国にもたらされることは火を見るより明らかです。
以前彼女の現役続行の報を受けて「(ISUとの間で)話はついた」ってことじゃないといいのだが、と書きましたが、今も彼女(または韓国)とISUの間で、そのような筋書きがなされているのではないかということを恐れています。
話だけをみれば荒唐無稽とも思えますが、昨シーズンの彼女の得点の異常な高騰ぶりを見ていた方なら、私の心境はお察し頂けると思います。
なぜなら、今季の彼女のスケジュール自体通常ならあり得ない、無理のありすぎるものだからです。

彼女は五輪で金メダルを取りましたが、3月の世界選手権では試合前から「足が痛い。気力が出ない。もう2位でも3位でもいい」と口走り、実際「やる気があるのか」という無気力な演技をした。それなのに、結果的に得点は(SPは7位でしたが)フリーでは複数失敗したにも拘わらず、高いレベルでノーミスに滑った選手を抑えて1位になり、総合2位となったことで「得点操作があったのではないか」という批判が世界中から集まりました。
そして現役続行を宣言したものの、プログラム作成や自身の調整が間に合わず、結局グランプリシリーズをスキップしています。

シーズンオフにはコーチ解任騒動を起こし、全く関係ない浅田真央選手の名前を持ち出すなどして世間を大いに騒がせました。また、この騒動のとばっちりを受ける形で韓国の後輩スケーター、クァク・ミンジョン選手はコーチと練習場所を失い、シーズン開始2ヶ月前になって急遽韓国に帰国せざるを得なくなりました。
加えて五輪までお世話になったマネージメント会社「IBスポーツ」からの独立でもトラブルを起こし、そこまでして家族経営の「オールザットスポーツ(ATスポーツ)」を立ち上げたのは良かったですが、主催したアイスショーは観客が入らず興業的には大失敗となりました。ショーのTV放映もアメリカはおろか韓国でも殆ど視聴率はとれませんでした。
彼女の今後のスケーターとしての成功は、「五輪チャンピオン」というタイトルをもってしても厳しいものになっています。
このような状況は、彼女にとって決して良いとは言えないものです。ただでさえもう彼女は試合で無様な姿は見せられない状況にあるのです。そして彼女が今後アイスショーなどでの客を呼ぶための、新たな栄誉、話題、タイトルが必要だと考えてもおかしくはありませんが、いずれにしても状況的に厳しいのは変わりありません。

それなのに選手として丸々1シーズン試合に出ずに、シーズンの最終戦、集大成となる世界選手権のみに出るというのは通常なら無謀です。特にプライドの高い彼女なら、勝算がなければ出るとは思えません。彼女はグランプリシリーズを休んだことで自らのハードルを上げてしまっていますし、五輪後のシーズンである今季は引退せずとも休んでいる選手も大勢いる。はっきり言ってそこまでして出る必要はないのです。

それなのに彼女は東京のワールドに出て、しかも韓国国民にとって恐らく重要な意味を持つ「アリラン」を演じるという。
その彼女の根拠の見えない自信が、私はすごく怖いのです。
他の全ての女子スケーターの1年かけた努力が、再び踏みにじられる事態になるのではないかと。

そして実は、今季女子の点が総じてかなり低めに抑えられているのはそのせいじゃないかと思っています。今季女子の点を低めに抑えておいて、世界選手権限りの復活をしたキムヨナ選手がまたぶっちぎりの点数でドラマチックに優勝、とかやるつもりなんじゃないかと。



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by toramomo0926 | 2010-12-02 09:26 | フィギュアスケート


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