アドリアン・シュルタイス選手、ルトコフコーチと訣別
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ショッキングなニュースを知りました。
スウェーデンのスケーター、アドリアン・シュルタイス選手(以下ADSL)と、彼をずっと教えてきたエフゲニー・ルトコフコーチが袂を分かったとのこと。
スケートアメリカのSPではキス&クライにいつもいるはずのルトコフコーチがおらず、フリーでは付き添っていたものの少し痩せて表情が暗いのが気になっていました。
今回のニュースを見たとき、「やはり体調が思わしくないのか」と思ったのですが、どうやらそれだけが理由ではないようで、ADSLの心境を考えると本当に辛い。

ニュースの原文はこちら ↓ ですが、自分なりに訳したものを下記につけておきます。参考になさってください。

Adrian Schultheiss and Coach Evgeni Lutkov Separate -flutzingaround.com





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アドリアン・シュルタイスとエフゲニー・ルトコフコーチが訣別

スウェーデンのスケーター、アドリアン・シュルタイスと、長きにわたり彼のコーチだったエフゲニー・ルトコフが別々の道を歩むことになった。
シュルタイスが私に語った。

皆さんはスケートアメリカのショートプログラムで、アドリアンがひどくうろたえた様子でコーチやチームリーダーのいないキス&クライをうろうろとしている場面を覚えているかもしれません。
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シュルタイスの話では、これまでもルトコフがオフアイスでのトレーニングに姿を現さないようなことはたびたびあったらしい。
しかし6分間練習が終わっても姿を現さなかったことで彼は心配し始めた。そして以前にルトコフが練習の終わりごろになってようやく現れて、自分なしでちゃんと練習を続けられるかどうかテストしたんだ、と話したことを思い出していた。
コーチがアリーナ(試合会場)のどこかにいるのか、それとも単なる遅刻かが分からないまま、彼はSPに出る決断をした。演技終了後、彼は競技の主催者にコーチの所在が不明なことを訴え、その後ルトコフが滞在先のホテルで気を失っているところを警備員に発見されたことを知った。
ルトコフはその騒ぎ(警備による彼自身の捜索)に驚いて目をさました。彼は医者に診せるのを一時間ほど渋っていたが、シュルタイスの強い勧めにより救急隊を呼んだ。医師は一晩様子を見るために入院するよう勧めた。

ルトコフは翌日のフリーにおいてシュルタイスに帯同することを許され病院を出た。そしてキス&クライでは、自分を助けてくれたアメリカの医師やその他の人々に感謝の意を伝えた。




**それで、フリーでキス&クライに座る彼の腕には入院患者がつけるネームタグがついていたんですね。**


しかし、試合終了後から雲行きが怪しくなった。
ルトコフはよそよそしくなり、“偉大な”フィギュアスケートから2週間ほど離れて休みたいと弟子(シュルタイス)に話した。それは彼の健康状態を考慮すればもっともな提案であった。
スウェーデンへの帰路、機内はぎこちない雰囲気となり、飛行機の中で二人は一言も会話を交わさなかった。そして更に悪いことに、シュルタイスは全く別のスタッフから、ルトコフが「休みたい」と話していた2週間の間に、彼がフィンランドでその地のトップスケーター達のためのスケート合宿を主催していたと聞かされたのだ。
シュルタイスは数週間のうちに2試合への出場を計画していたが(ドイツでのNRW Trophyとスウェーデンの国内選手権)、このニュースは彼に平手打ちされたかのようなショックを与えた。

シュルタイスは、何年もの間、他のみんなと同じように自分たちの間には意見の相違や、議論することも沢山あった。そしてそれはルトコフコーチの家族にまでも起こった。自分が今後も気持ちよくスケートを続けるためには変化が必要だということはわかっていた、と話した。
現在彼はMaria Bergqvist と Johanna Dalstrandと練習を続けており、新体制にとても満足していると語っている。しかし彼は鼠径部損傷の怪我のためと国内選手権により集中するため、ドイツのNRW杯をスキップすると話している。
2010年の欧州選手権と世界選手権での彼の成績により、今季スウェーデン男子には2つの出場枠が確保されている。

by Tony Wheeler

2010年11月29日 flutzingaround.com 

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ADSLは日本で人気の高いスケーターですが、ルトコフコーチもとても有名で、その優しそうな笑顔と茶目っ気ある仕草、そして二人の強い絆は見ていてとても微笑ましいものでした。
その二人がこんなに早く、しかもこんな形で袂を分かつなんてことを誰が想像したでしょうか。本当にショックです。
フィンランドでトップ選手を教えるスケートキャンプを主催したということですが、今後フィンランドで教えるつもり(または先方からスカウト等があった)のでしょうか。
それならそれで、教え子にはきちんと筋を通して話をするべきでしょう。それなのに「休みたい」と話して秘密裏にこんなことをしたら、選手にしてみたら裏切りとしか思えません。

彼にいったい何があったのでしょう?

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2月のバンクーバーではこんな穏やかな笑顔を見せていたのに、

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今は別人のようです。
体調不良のためか少し痩せたせいもあるでしょうが、表情が以前より乏しくなっています。

そして体調不良というのも謎ですよね。部屋でいきなり倒れている、でも警備が来たらその音で起きるというのもちょっと不思議です。
何かの疾患で意識不明になったならそんなことで起きるとも思えませんし。
彼の変貌と病状は、ちょっと腑に落ちないところがあります。

理由がどうあれ、長年子供のように接し育ててきた教え子をこのような形で放り出す人だとは思っていなかったので、本当に驚いています。
ADSLがすぐに新しい体制が組めたのはよかったけれど、精神的なショックはしばらく尾を引くと思います。彼はかなり繊細な性格に見えますし、多少神経がズサンな人であっても、これは傷つきますよ。

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2008年、母国スウェーデン・イエテボリで行われた世界選手権のSPにて。


しかもADSLは怪我もしているということで、本当に文字通り踏んだり蹴ったりですね・・・。
ルトコフコーチの今後がどうなるのかは分かりませんが、ADSLには頑張って国内選手権と欧州選手権で彼を見返す演技をしてほしいと思っています。口で言うほど易しいことではないでしょうが・・・。是非ガッツを見せてほしいと思います。


Adrian Schultheiss 2010 Skate America SP -Scuba

4:11あたりの解説で、キス&クライの彼を「うろうろと行ったり来たりしていましたが、ようやく席に着きました」とあります。
採点の確認もそこそこに立ち去る彼が悲しい。心配だったんだろうなあ・・・。


Adrian Schultheiss 2010 Skate America FS -Romeo and Juliet


バンクーバー五輪とトリノでの世界選手権で好成績を収め、スウェーデン男子の出場枠取得に大いに貢献した彼。今季は更なる飛躍の年になるはずなのに、このようなことで出鼻をくじかれるのは本当に残念だし悔しい。
彼には是非ともこの状況から歯を食いしばって復活し、活躍してほしいと思います。

頑張れ、ADSL!!
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<参考リンク>
Adrian Schultheiss and Coach Evgeni Lutkov Separate -flutzingaround.com


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by toramomo0926 | 2010-12-03 16:37 | フィギュアスケート


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