グランプリファイナル、男子SP
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グランプリファイナルのショートプログラム(SP)が終了。
男子は織田信成選手が素晴らしい演技で1位、高橋大輔選手は3位、小塚崇彦選手が4位。3位までは全員80点超えという戦いに。女子は1位がアリッサ・シズニー選手、2位にカロリーナ・コストナー選手。3位に村上佳菜子選手が入りました!鈴木明子選手が4位、安藤美姫選手が5位です。


ISU 2010 Grand Prix Final
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Score」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。
例年ジュニアのグランプリファイナルも同時開催されるので、今回はジュニアの成績も同時に見ることが出来ます。



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佳菜子3位…女子SPで日本勢出遅れ、男子は織田が首位!

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6選手で争うファイナルは10日、北京で開幕。女子ショートプログラム(SP)が行われ、村上佳菜子(16)=愛知・中京大中京高=ら日本勢は出遅れた。

 シニアデビューの年にファイナル進出の快挙を達成した村上は、61.47点で3位に立った。シリーズでは2戦で安藤美姫(22)=トヨタ自動車=の2位に終わった鈴木明子(25)=邦和スポーツランド=は、58.26点で4位。GPファイナル初制覇を目指す安藤は、変更した新プログラムで臨んだものの、50.45点で5位にとどまった。

 首位は、63.76点をマークしたカロリーナ・コストナー(イタリア)。

 なお、女子に先立って行われた男子ショートプログラム(SP)は、織田信成(23)=関大=が首位に立った。

 スケート・カナダ、スケート・アメリカでともに2位だった織田は、大一番で落ち着いた滑りを見せ86.59点をマーク。2位のパトリック・チャン(カナダ)と1.00差の首位に立った。

 NHK杯とスケート・アメリカで優勝した高橋大輔(24)=関大大学院=は82.57点で3位、中国杯、フランス杯を連勝した小塚崇彦(21)=トヨタ自動車=は77.90点で4位と出遅れた。

2010年12月10日 サンケイスポーツ

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男子トップは4-3を素晴らしくきれいに決めた織田信成選手!
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今回の演技は本当に素晴らしかったです。すべてのジャンプが織田選手らしい柔らかさで美しく決まり、スピンもコマのように軸が細く回転が速かった。ステップもしっかりしていたし、彼自身も満足だったのではないでしょうか。
この曲は静かに始まり、2回目のジャンプであるトリプルアクセル(3A)を降りた瞬間に三味線が入ってきて盛り上がるのですが、この2つが決まると本当にカッコイイプログラムになります。そして彼の着氷はやはり美しい!猫みたいに音もなく降りるみたいな感じですよね。それも忍者っぽくてこのプログラムに合ってますね。
前回のスケートアメリカでは4回転は入れていなかったので、構成ががらりと変わっていました。前は最初に3A、次に3-3のコンビネーションを跳んでいたのですが、前は3-3を降りた後、そのままの足で軽く蛇行するようなステップを踏んでいてそれがすごく好きだったのだけど、今回やはりそれはカットされていました。
あれだけきれいに4-3を決められるのならもう3-3には戻さないだろうし、もうやらないのかなあ・・・。痛し痒しというところです。

インタビューでも「4回転は跳びたいと思っていた」と話していましたが、その通り決めましたね。すごく落ち着いていたな、という感じがありました。
このままフリーも是非!頑張ってほしい。練習では4-3-3のコンビネーションを決められるほどなのだからあまり余計なことを考えずに、無心でやって欲しいです。
そして、もしジャンプ失敗しても、構成は絶対変えないで(涙)

おめでとうございます!フリー期待してます!

Nobunari Oda 2010 Grand Prix Final SP -Storm

それにしても、昨夜のテレ朝放映時の音響はひどかったですね。なんかモノラル放送ですか?ってくらい音質が悪く、音量も小さい割に音割れしていたような。
織田選手や小塚選手の曲が、ただでさえ音の強弱がある曲だったためか殆ど聞こえないような時すらありました。ただでさえ日本の放映では会場音を絞っているので、なおさら聞こえませんでした。
このSPの、吉田兄弟の三味線とリズムとが織田選手の演技とシンクロするところがカッコイイのに、残念でした・・・。


2位にパトリック・チャン選手。
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うーん、前の試合の方が滑りはよかったような気がします。最初のコンビネーションが4-3にするところが4回転のみとなってしまいましたが、最後のジャンプを3-3にして冷静に決めましたし、彼の苦手なトリプルアクセル(3A)も割ときれいに入りました。でも前の方が「うまいなあ」と感じる滑りだったと思います。
ただ、カメラアングルに影響されているのかちょっとわかりません。
なんか、今回カメラアングルがすごく見づらくなかったですか?特にジャッジ側から見て左側。
選手はある程度助走をつけてジャンプを跳ぶことが多いので、リンクの左右で跳ぶことが多かったりしますが、今回選手が左側に来た時にカメラを切り替えなかったので左側でジャンプを跳ぶ選手をほぼ真上から映す形になってしまい、高さや幅などが全くわかりませんでした。眼力のある方は回転が足りているかどうかも見たかったでしょうが、それもほぼ不可能だったのではないでしょうか。
スローでは真横から撮っている映像もあったので「カメラあるんなら切り替えんかい!」とTVにツッコんだ方は私だけではないと思います。

というわけで、今回彼はジャンプにミスはなく、転倒もなかったのですが、何しろ音が小さかったので演技にのめりこむには相当選手に力量がないと難しいというある意味選手にとっては別な意味でも試される大会だったように思います(笑)。ただでさえチャン選手の演技に魅力を感じなくなってきている私にとっては、完全アウェーでした・・・。
悪くはないと思いましたが、それほど良いとも思わなかった。
それなのに、あんなに素晴らしい滑りで、全てのジャンプを着氷まで完璧に決めた織田選手と1点差ですか・・・・・・と深くため息をつきました。
すみません。今回私は彼を主観的な原因からも、客観的な材料不足という点からもきちんと評せる自信がありません。ということで異例の「パス」とさせて頂きたいと思います。フリーを見て、彼の今大会の出来については判断したいと思います。

Patrick Chan 2010 Gran Prix Final SP -Take 5

彼はお客さんから人気がありましたね。彼はカナダ国籍ですが、中国名なのできっと中国系(か台湾系)なんでしょうね。中国のお客さんもきっと彼には親しみがあるのだと思います。


3位に高橋大輔選手。
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稔情報では3Aの入りの軌道を変えたというでしたが、うまくいきましたね。今季2試合ともSPで3Aはお手付きなどがあったので、跳びやすい形にしたんでしょうね。
それだけに、ステップのミスが痛かった!しかもジャッジの真ん前だったし・・・(笑)躓いてから2秒位?単にリズムに合わせて跳ねてるだけになってた(笑)
でも、ステップで躓いてる選手多くなかったですか?私は3人くらい「あれっ、躓いた?」と思った選手がいました。氷の質はどうだったんでしょうかね。
でも、解説によればこのステップは「去年の倍は難しい」ということですから、普段あれだけ踏めてるのがオカシイのかも知れません(笑)。そうですよね、あの激しいラテンのリズムに合わせてすごく細かくステップを踏んでいますし。

それでも堂々の滑りで82点台をたたき出し、3位に。ステップがきれいに行ってたら2位になれたかもしれませんね。
まあでもあまり点差はないので、勝負はフリー次第ということになりそうです。SPの暑苦しさから一転、しっとりした大人の男のタンゴを楽しみにしています。
そして4回転フリップ(4F)にチャレンジしてくるのか?という楽しみもありますね。
キス&クライで長光コーチが「(昨日小塚選手とぶつかった時の)お尻は痛い?」と聞いてましたが「痛くない。足にきちゃった」と言ってましたね。衝突の影響がないといいのですが、コーチの表情もそう言いつつも明るかったので、大事にはなってそうにないかなとちょっと安心。
高橋選手なら、小塚選手を気遣って何かあっても「大丈夫」と言いそうですから気になってたんですが、この時の様子を見ていてとりあえず安心していいかなと思いました。
頑張ってください!


Daisuke Takahashi 2010 Grand Prix Final -Manbo

なんかもう、イントロが始まってあのラッパの音が「パ~パ~」と始まったら「フォーーー!!」と歓声を上げるのがお約束みたいになってますね(笑)中国のみなさんにも楽しんでいただいたようで良かったですね。
ちなみに、私のダンナさん(スポーツ好きだがフィギュアは素人)は高橋選手のジャンプが好きなのだそうです。理由を聞いたら「ジャンプ前に固まったままじーっと滑るのが殆どないから」とのことです。確かに助走で振り付けを途切れさせることがないのも、彼の演技性を強く印象付ける理由なのかもしれません。


4位に小塚崇彦選手。
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うーん、やっぱりちょっと硬くなってしまっていたかな?今季の中では一番出来はよくなかったですね。

怖いもの知らずな筈の村上佳菜子ちゃんも演技前はちょっと顔がこわばっていましたし、ファイナル独特の緊張感、空気というものはきっとあるんでしょうね。
でも、私はここで小塚選手が硬くなったというのを見て、本当はもっと上の順位も狙えただけに残念ではあったのだけど、頼もしくも思いました。
だって、ここで緊張するということは、勝ちを狙ってきているということですから。
自分が挑戦者だと思っていたらもっと迷いなく、貪欲に行けたはず。もう彼の中では自分はトップスケーターだという自負や自信がはっきりと育っているからこその緊張なのかなと思ったんです。「前回のファイナル銀は勢いだけだったけど、今回は勝ちいく」みたいなことも話していましたし、このメンバーの中でも優勝できると自分で自分を信じているからこそなんじゃないかなと。
まあ私の勝手な想像なのですが、彼についてはそのように前向きにとらえることが出来ました。
点差はちょっと開いているので優勝は上位が総崩れにならないと厳しいかもしれませんが、寧ろSPでトップや2位になるよりも、フリーは思い切っていけるかもしれません。これをプラスにとらえて、是非フリーでは4回転と、プログラム全体をしっかりとまとめ上げてほしいなと思います。頑張れ!


Takahiko Kozuka 2010 Grand Prix Final SP -Soulman Medley

この映像は、会場音声のみのようです。こうやって聞くと、会場では音はちゃんと聞こえていたようですね。ちょっと安心。


それにしても、今の男子トップ3の棲み分けというか、個性のバラけ方は奇跡といっていいのではないかと思います。
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金子みすずさんの「みんなちがって、みんないい」じゃないですけど、本当に見事に個性が分かれていて、それぞれがそれぞれに素晴らしい魅力を持っている。
高橋大輔選手は今季プログラムのようなラテン系というか、ドラマチックな劇場型プログラムがばっちりはまりますが、織田選手のような三味線となると難しいというか、あまりイメージできない。
そして織田選手はその三味線系やチャップリンのようなコミカルなプログラムをやらせると本当に魅力的になりますが、高橋選手のような激情ほとばしる、というタイプではない。
そして今季小塚選手はフリーで超正統派クラシックの曲で見事に滑っていますが、高橋選手や織田選手はクラシックをクラシックらしく、もしくは昨季の「ギター・コンチェルト」のような曲を、小塚選手のように端正に折り目正しく、正統派に滑れといっても実は難しいのではないでしょうか。小塚選手は高橋選手や織田選手のように曲を自分のものにするというよりも、曲に自分を同化させて曲そのものを輝かせるという能力に秀でています。これは年上の二人にはない魅力です。
同時期にこれだけ能力の高い、そして人間的にも魅力のあるスケーターが同じ国に揃っているということだけでもすごいですが、全員が誰とも似ていないというかむしろ全然タイプが違う、というのは本当に驚異的といっていいと思います。女子選手も本当に素晴らしい選手ばかりがそろっているし、採点云々では頭が痛かったり腹が立つ事も多いけど、この時代に日本人としてフィギュアをリアルタイムで見られている私たちは本当に幸せな世代なのかもしれません。


閑話休題。
5位は、トマシュ・ヴェルネル選手。
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良い写真が見つからないので、ロシア杯の写真で失礼します。

一番悪かったときよりはかなり浮上してきてはいるものの、まだ本調子になり切れない感じですね・・・本人ももどかしいでしょうね。
3Aが抜けてしまったのが残念でした。そしてちょっと元気がなかったなあ・・・なんか体が重そうというか、キレがあまりない感じがしました。「雨に歌えば」という親しみやすいメロディーと、ミュージカル仕立ての振り付けながら、お客さんを最後までつかむことができなかったように思います。まあ中国でアメリカの古いミュージカルがどのくらい浸透しているのかはわかりませんが・・・。
大爆発した時の彼を知っているだけにもどかしいけど、今は我慢の時なのかもしれませんね。4回転をプログラムに入れてきたら、本気でエンジンがかかってきたサインなのではないかと思い、その時を待ち続けています。フリーで入れて来るかな・・・遅くなってもいいから、4回転を捨てることだけはしないでほしいと思っています。
頑張って!!


Tomas Verner 2010 Grand Prix Final SP -Singing in the rain



6位は初出場のフローラン・アモディオ選手。
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アモディオ選手も良い写真がなく、フランス杯の写真ですみません。

やっぱりファイナル初出場でいきなり一番滑走はキツいですよね・・・・。完全に雰囲気にのまれてる感じでした。硬かった。
最初の3Aが決まれば少し落ち着けたかもしれないのですが、抜けてしまって更に動揺してしまったのかもしれません。今季殆どジャンプはミスしていませんしね。
最後まで体と心がかみ合わないまま終わってしまったという感じでした・・・残念。
もうフリーは何も迷いなく、悔いなくマイケルになり切って、腰を振りまくってハジけてほしいです。まだ若いんだし、これも経験。ファイナルの雰囲気はこんなんだと感じられたら、次に絶対生きてきます。ナショナルとか、世界選手権とかに。
本人は「もっとやれたはずだ」と悔しい気持ちはあるでしょうけれど、この経験を無駄にしないで是非次につなげてほしいと思います。すごく実力のある選手ですから。
がんばれ、アモディオ選手!!!!

Florent Amodio 2010 Grand Prix Final SP -Once Upon A TIme In Mexico



ちょっと気になったのは、時々客席から演技中に子供の声が聞こえたことです。
中国は毎年グランプリシリーズで中国杯を昔から行っていますし、フィギュアの国際試合を主催した経験は多いはずです。演技中やジャンプ前に突然音がすることの危険性を知らないはずがありません。
中国のスケート連盟および主催者、会場の責任者は事前に演技中に音を出すことがいかに選手の集中を乱し、時に危険にさらすかということをきちんと観客に説明し、守れない人には退出を促すなどの措置をしてほしいと思います。冗談抜きでジャンプ前に大声出されたら怪我することもありえますから。

女子は追って次の記事に書きます。
筆者が現在胃腸炎で毎日点滴のために通院している状況のため、いつにも増して(笑)記事アップが遅れております。「遅い!」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、なにとぞご容赦頂きたいと思います。
・・・とはいっても、あと数時間でフリーが始まってしまいますね・・・恐らく女子はSPとフリーを合わせての総合評という形になると思います。申し訳ありません。


***おまけ***

浅田真央選手はファイナルに出場がかないませんでしたが、大きなバナーを貼ってくれているファンの方がいました。
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特別出演:長光歌子コーチ。

雪組結婚式の時に歓待してくださった中国のファンの方でしょうか?と勝手に推察しております。「Mao Smile」という文字が見えました。
ファンとしてはうれしかったです。
真央選手もきっとTV観戦していたでしょうから、見たと思います。きっと喜んだでしょうね。



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by toramomo0926 | 2010-12-11 01:16 | フィギュアスケート


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