真央選手、フランス杯のオフアイスを語る・その3 -浅田舞のスポ友!
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読売新聞のサイト「yorimo」で連載されている浅田舞選手のアスリートへのインタビュー企画「浅田舞のスポ友!」で、真央選手のロングインタビューが連載の形で掲載されています。
昨年11月のグランプリシリーズフランス杯を終えて帰国直後の真央選手に、フランス杯の時のことを、特に試合そのものよりもオフアイスや当時の心境についてなどを語ってくれています。
が、今回3回目なのですが、まだ続きます!(笑)これは相当腰を据えて話してくれているようです。
こういう話はなかなか聞けないので、すごくうれしいですね。そして今回読んで、荒川静香さんの気遣いに泣けました(涙)

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浅田舞のスポ友! 浅田真央さん 3

■できることをやっていけば問題ない
 舞 今年の大会は残り1個だけど、それが(大舞台の)全日本選手権。これからどういう風に行こうと思ってる? 
 真央 あと3週間なので、時間っていうのは、あっという間に過ぎちゃうから、今からちゃんとやっていかないと、ちゃんとやってはいるんだけど、気づいたら、もう1週間ってなっちゃうから。3週間でできることをやっていけば、問題はないと思う。
 舞 あと3週間だもんね。今までの練習方法とか、何か変えて行こうとか、そういうことは、思ったところはあった? 先生と終わった後、話して。

 真央 やっぱり先生も(9月に)ついてくれたばっかりで、真央に注意したいと思っていることとか、こうしたいって思っているところがあると思うけど、先生は真央に合わせてくれていて、本当にちょこちょこっと直してくれていて、真央もちょこっとずつ先生の調整の仕方に合わせて行っているんだけど。NHK杯とか、フランス杯の前は自分の満足いくまで、先生が練習をやらせてくれたから、練習してないっていう不安は全然、なくて、ただ、自分のメンタルな部分と、自分の技術がちょっとまだかみ合ってないのかなって感じはする。でも、先生との練習は全然問題ない。 

 舞 先生に出番の前に、何て言葉をかけられた?
 真央 うん。フリーの時は、「悔いなく、逃げずに、思い切っていってください」って言われた。
 舞 SPの前は?
 真央 うーん。SP前はあまり覚えてないな。「落ち着いて」って、「じゃあ、行きますか」って、言われたかな?
 舞 (佐藤先生が演技直前の選手を勇気づけるために、背中を軽くたたく)背中ポンはしてもらった?
 真央 してもらってない。
 舞 そうだよ。背中ポンしてもらえばいいのに。次から。「先生、真央にもしてください」って。崇ちゃん、みたいに。そうしたら、真央も気持ち良く、いけるかもしれない。
 真央 してもらおうかな。
 舞 あれ、必要かも。意外といけるかも。
 真央 うん。確かに。
 舞 ちゃんと、先生の言葉を覚えていたんだ。じゃあ、緊張してなかったんだ。
 真央 緊張はしてないんだって。落ち着いているんだよ。緊張しているから、跳べないじゃないの。
 舞 じゃあ、少し迷いがあったってこと。
 真央 そう、そう。
 舞 演技中、何、考えて滑ってた? フリーは?
 真央 フリーはエアロのこと。
 舞 アハハハ。
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 真央 (トリノ五輪金メダリストの)荒川(静香)さんがフリーの公式練習の後に、真央がすごく調子悪かったから、心配してくれて、
「真央ちゃん、ちょっと硬くなっちゃっているから、プログラムをもっと楽しく、ジャンプのことだけを考えるんじゃなくて、何も作らなくても、素でいく、もっと自分が好きなことを考えて、滑るのもいいんじゃない」って、伝言してくれていたの。
食事をしていたら、荒川さんが直接来てくれて、「今は大変な時だけど、自分の好きなことだとか、考えると、また、気持ちが変わっていいから、良くなるから、そういう風に試してみたら、いいんじゃない」って、言われた。


フリーの時はちょっと違うことを考えてみようと思って、滑ってみたんだけど、それで少し、表情も柔らかく見えるようになったと思うし、気持ちも、そこまでジャンプには向かなかったから、結果的には(SPよりも)いい滑りができたんじゃないかなとは、思う。
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 舞 今まではどんなことを考えていた?
 真央 もちろんジャンプのこと。
 舞 実際、ジャンプのことしか考えられないよね。
 真央 うん。そうだね。
 舞 ジャンプを直していたら、余計にね。
 真央 うん。
 舞 どうしてジャンプを直そうとしたのって、聞かれたら、「しっくりこなかった」っていうと思うけど、前は跳べていたわけだし、振り返ったりしない?
 真央 今は跳べた時は、前のジャンプよりもいいジャンプだと思っている。だから、良くなってきているし、その前のしっくり来なかったけど、跳べていたジャンプよりも今、跳べたジャンプの方がいい形になっているから。
 舞 いつぐらいには、自信を持っていけると思う?
 真央 うーん。もうできないとダメだと思う。
 舞 いつとかじゃなくて?
 真央 うん。そういう風には考えないようにしている。
 舞 もう、できるって。
 真央 そうだね。
 舞 全日本ではどういうところ気をつけようとか、思っているところはある?
 真央 うん。フィギュアスケートはジャンプだけじゃないけど、でも、やっぱり、ジャンプが普通に跳べないと、ほかがいくら良くてもかすんじゃうし、上には絶対、行けない。普通に考えて、そうだよね。だから、今はジャンプが一番大事だと思っている。 

 舞 今まで、真央は試合でもミスしないことが当たり前って感じだった。それが今は、難しい時期だけど、試合直後はどういう風に思っているの? フランス杯の直後はどういう風に思った?
 真央 SPの時はさすがにショックだったよね。
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練習に行く前まで、本当に最高の状態、最後の日なんかは、SPのジャンプは3回やって、3回ともノーミスでできたくらい調子が良くてできたので、それだけ、(ミスで)終わった後はすごいショックだったよね。練習も積んできて、一日も無駄にしてなかったし、一日もきょうはちゃんとやってないなって日はなかったから、それだけショックだった。だから、何のために今まで練習していたのかなって思った。 
 舞 どうやって、フリーは気持ちを切り替えた?
 真央 うん、そうだね。だから、さっき荒川さんが言ったように、楽しんで滑ればいいかなって思ったけど。 

(続く)

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荒川さん、泣かせてくれますね・・・。
荒川さん本人も選手時代に採点法が6点満点法から今の方式に変わったり、大きなルール改正への対応を迫られたりと苦労しましたし、トリノで栄光をつかむまでにはかなり険しい道のりを歩いてきました。
でも同じ道を歩いてきた先輩として、苦労や気持ちのわかる立場としてとても温かい言葉をかけてくれていますね。
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荒川さんはトリノ五輪のシーズン、彗星のようにシニアデビューしてきた真央選手にグランプリシリーズ2試合ともに順位を上回られ、更に自分自身ルールへの対応に試行錯誤する日々を過ごしていたこともあり、ファイナルに出場できませんでした。正直面白くないという気持ちもあったかもしれませんが、一緒に試合に出場した真央選手が楽しそうに滑っているのを見て「私に足りないのはこれだ。新鮮さ、スケートを楽しむという気持ちだ」ということに気付かされ、それが最終的にはよかったという話をしていたのを以前聞きました。私は真央選手が昨季五輪シーズンにファイナル出場を逃した時、荒川さんもそういえばトリノの年のファイナルには出てないしな、ということを考えていました。
今その真央選手がジャンプ修正に取り組み、NHK杯とフランス杯までで思うような結果が出ないのを見て、きっと声を掛けずにはいられなくなったんでしょうね。そしてあの時真央選手に気付かされたことを、真央選手にも伝えようとしてくれたのだと思います。
荒川さん、ありがとうございます。日本チームは本当に絆が固いですね。

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トリノ五輪の時、荒川さんの横には笑顔の佐藤久美子コーチが。
タラソワといい佐藤夫妻といい、荒川さんと真央選手は二重に姉妹弟子になったんですね~。


また、真央選手の「フィギュアスケートはジャンプだけじゃないけど、でも、やっぱり、ジャンプが普通に跳べないと、ほかがいくら良くてもかすんじゃうし、上には絶対、行けない。普通に考えて、そうだよね。だから、今はジャンプが一番大事だと思っている」という言葉はすごく頼もしいですね。
真央選手は周りが何を言おうと自分に今何が必要なのか、何を目指すべきなのかということに全くブレがなく、まっすぐに目標に向かって努力しています。20歳そこそこでこの信念、精神力はすごい。
そして「一日も無駄にしてなかったし、一日もきょうはちゃんとやってないなって日はなかった」と言い切れるって、実は本当にすごいことですよね。
以前舞選手が「本当に、なんでそこまで出来るんだろうって思うくらい(真央の)練習はすごい」と話していました。その彼女があそこまで言い切るというのは、本当に「やることは全てやった」という気持ちだったし、実際想像を絶する努力、練習を積んだのでしょう。
そしてそれが全日本で自信を持って跳べる、信夫コーチに「3A跳ばせてください」と言えるほどの力になったのだと思いました。本当にすごい選手ですね。

真央選手は全日本選手権の前、「いろんな方に心配してもらっているので、早くいい演技をして恩返ししたい」と話していました。きっと真央選手の頭には荒川さんのこともあったんでしょうね。

連載はまだ続きます。これだけ試合の時の心境や様子を聞けるのはすごく貴重ですね。次回が楽しみです。


そして、1月7日の記事でちょこっとお伝えした小塚崇彦選手の日本学生氷上競技選手権ですが、小塚選手がSP・フリーともに1位となり圧勝ということでした。おめでとうございます!
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  動画は勿論なく、写真もスピンの途中のしかなかったので、フランス杯の写真で失礼します。

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フィギュアは日本王者小塚が圧勝 学生氷上選手権

 日本学生氷上競技選手権第3日は8日、北海道の釧路市春採アイスアリーナなどで行われ、フィギュアスケート男子は全日本選手権王者の小塚崇彦(中京大)が前日のショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位となり、合計253・56点で圧勝した。無良崇人(中京大)が218・91点で2位。女子は高山睦美(明大)が159・99点で初優勝した。

 スピードスケート男子1万メートルは在家範将(日大)が14分26秒90で3連覇し、5000メートルと合わせ2年連続の長距離2冠を達成。女子1500メートルは藤村あゆみ(日体大)が2分9秒87で制し、3000メートルとの2種目制覇を果たした。

2010年1月8日 共同通信

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小塚選手、無良選手はさすがの順位ですね。おめでとうございます!!!


真央選手のインタビューその4は、こちら。



<参考リンク>
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<関連コラム>
真央選手、フランス杯のオフアイスを語る・その2 -浅田舞のスポ友!  2011年1月3日
真央選手、フランス杯のオフアイスを語る -浅田舞のスポ友!  2010年12月29日
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by toramomo0926 | 2011-01-09 15:21 | フィギュアスケート


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