小塚崇彦選手インタビュー・その1 :浅田舞のスポ友!
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昨日読売新聞のサイト「yorimo」の真央選手のインタビューを載せましたが、小塚崇彦選手のインタビューも掲載が始まっていました。こちらも何回か連続して掲載されるようです。
シーズン中だと、ちょっとPCを離れると情報に追い付けなくなりますね~(ただでさえ収集能力低いのに・・・)

インタビューは昨年12月1日に行われたとのことです。やはりフランス杯直後くらいですね。

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浅田舞のスポ友!
フィギュア男子・全日本チャンピオン 小塚崇彦選手 1

リンクで家族会議 
昨年末のフィギュアスケート全日本選手権を初制覇し、男子初の親子優勝を成し遂げた小塚崇彦選手(21)(トヨタ自動車)に愛知県豊田市の中京大アイスアリーナで話を聞きました。
父親の嗣彦さんも同選手権で3連覇し、五輪にも出場した名選手でした。小塚選手と私は小学生時代からのスケート仲間で、中京大の同級生ですが、これまで聞けなかったことも、尋ねてみました。
(2010年12月1日、愛知県豊田市の中京大アイスアリーナで)

**通常のニュースサイトで見られるものと、yorimoバージョンで少し内容が異なったので、一緒に載せます **

<2011年1月16日  読売新聞>

――今季は落ち着いているね。緊張しなくなった?  

小塚 緊張はするよ。試合の1週間前に、眠れなくなる。  

――緊張するから、忘れ物が多くなるの?  

小塚 アハハハ。(昨年11月のフランス杯も)やばかった。ショートプログラムではズボンのベルトを宿舎に忘れていた。あの時のビデオを見ると、してないことが分かるよ。  

――ズボンは落ちて来なかったの?  

小塚 ベルトは飾りだから、大丈夫。フリーの時はリンクに出て、上着のボタンを止め忘れたことに気づいて、緊張してますって、(佐藤)信夫先生に言った。でも、曲が流れ始めると、なぜか落ち着くことができた。それは良かったなって思う。  

――両親が元選手なので周りから特別な目で見られたことは。  

小塚 ちっちゃい時から、何も感じていないようで、実は重圧を感じていた。できるだろうって、周りから見られることを変に意識して、自分で勝手につぶれたこともあった。  

――両親とは、家でもスケートの話をするの?  

小塚 リンクを出たら、バラバラだよ。リンクで家族会議をする感じかな。昔はリンクの外に出ると両親がスケートの話をしないように気をつけてくれた。  

――スケートをやめたいと思ったことは。  

小塚 あるよ。中学の頃が難しい時期だった。伸び悩んで、高橋(大輔)君とかを超えられないと感じ、つまらなかった。次はやってやるって思えたから、今があるのかな。  

――4月に進学する中京大大学院では、どんな勉強をするの?  

小塚 スポーツ応用という分野。スポーツの動きをいろいろな方法で測定し、数値化する。これまで通り、豊田市にいるよ。  

――目標にする人は。  

小塚 カート・ブラウニング。プロに転向して、自分の表現方法を見つけ、アイスショーで欠かせない人になった。この人の演技を見たいって思ってもらえる存在になりたいかな。

■アベック優勝見たい
全日本選手権、初優勝おめでとう。フリーはフィギュアの王道を行く、お気に入りのプログラム。崇(たか)ちゃんは、振り付けのズエワさんから、「小塚といえばこの曲だと言われるようになれるから、頑張って」って言われているそうです。見ている私もパワーをもらいました。  

崇ちゃんは真面目で、尊敬できるところがたくさんあります。でも、忘れ物も多くて、「忘れ物王子」と呼ばれているとか。昨年はプロ野球の始球式に出て、フォークボールを投げて驚かせるなど、遊び心もあります。  

チャンピオンになってからも、何も変わらない。真央と3人で焼き肉を食べに行くと、いつも焼いてくれます。将来はイクメンになるのかな。3月の世界選手権では真央とアベック優勝――。そんな光景を私は見たいと思っています。


  *****

<yorimo>

■ 「落ち着き」に変化
 舞 フランス杯、お疲れさまでした。どうですか。いつも(練習を)見ていて、どうですかも変だけど。

崇彦 いつも見ていて、どうでしたか。

 舞 崇ちゃんと、真央の練習を見ているけど、崇ちゃんを見てる時は、安心する。あっ、崇ちゃんは絶対、失敗しないなって、なんか安心する。

崇彦 そう。

 舞 そうって。なに? なんか、安心する。曲をかけて、滑っているのをずっと見ていると、ここでこのジャンプ跳ぶって、わかってくるじゃん。

崇彦 うん、うん。

 舞 次ぎに4回転(ジャンプ)だとか、トリプルアクセルだとか、あっ崇ちゃんだと(転ばない)大丈夫だって思えるもん。

崇彦 あっ、そう。

 舞 真央だと緊張するもん。
バンクーバーオリンピックが終わって、次のシーズンだけど、なんか変わったこととかある。気持ちの変化とか?

崇彦 オリンピックが終わって、もっと自分に自信を持ってもいいのかなって。

 舞 今までは自信持ってなかったの?

崇彦 自信を持とうとは思っていたけど、どこに自信を持っていいのかが、わかんなかった。あとは、周りの目を気にし過ぎたというか。

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周りの意見ばっかり気にして、自信が持てる場所を探して、あっちへ行って、こっちへ行って、フラフラしていた感じかな。しっかり自分の芯を持ってなくて。それがオリンピック終わって、ね。

 舞 何か、きっかけとかあったの?

崇彦 うーん。オリンピックもそうだし、その後に、世界選手権はショートプログラムが良くて、その後のフリーでつぶれた。波はあったけど、オリンピックが終わって、練習して良かったなって、思える雰囲気が出た。その後、世界選手権のショートプログラムで、ちゃんとした演技をしたら、(プログラム構成)点も出て、「あっ、点数を出してもらえるようになったんだな」って、感じた。

 舞 それで自信を持って。

崇彦 そうそう。それで、フリーは緊張しちゃって、世界選手権ではつぶれちゃった。でも、2つの試合で自信がわいてきた。「スケーティングがうまい」ってばかり言われてきたけどね。

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 舞 本当は「スケーティングがうまいよね」って言われるのが、嫌だったってこと?

崇彦 嫌って、ことじゃないけど。

 舞 なんか意識しちゃうの?

崇彦 そればっかりを意識しちゃう。自分の中ではプログラム全体の演技というか、雰囲気というかね、流れで見てもらいたいのに、そこばっかり、見られちゃうっていうのがね。
スケートって、スケーティングだけじゃないし、ジャンプだけじゃないし、スピンだけじゃないし、ステップだけでもない。全部がうまくいって、評価されるもの。


 舞 そうだね。

崇彦 それがフィギュアスケートって考えを持っているから、それにまだ当てはまってないのかなって思って、いろんな人の意見を取り入れて、やっていると、自分の持っていなきゃいけない芯というものが、崩れていっちゃったというか。

 舞 なるほど。
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今シーズンに入って、「小塚選手は完全に変わったな」って、周りは感じていると思うけど、自分でもそれを感じることはある?

崇彦 試合やって、すごく落ち着いている。何を言われても、落ち着いているというのが、去年と今年で変わったってことかな。そう思っている。

 舞 落ち着くっていうのは、緊張しないってこと?

崇彦 いや、試合前の緊張はすごくしているし、この前のフランス杯もホテルを出て、外行ったら、コンタクトレンズが間違ってた。昔のコンタクトを付けてた。

 舞 本当に?

崇彦 本当。外の景色が全然、見えなくて。看板もいつもだったら、はっきり見えるのに、全然、見えなくて。

 舞 度数が低かったんだ。

崇彦 そう、低かった。なんで、こんなに曇ってるんだろうって。でも、昔のコンタクトを付けていたことに、気づいたってことに、意義があったのかなって。

 舞 じゃあ、前は気づかなかったってこと?

崇彦 緊張してたら、気づかないで、不安を抱えて、そのまま行ってたと思う。

 舞 緊張するんだ。

崇彦 もう、「緊張しい」だよ。
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 舞 いつぐらいから、緊張する。

崇彦 試合の1週間くらい前。眠れなくなる。1週間前に絶対に。

 舞 えっ、そうなの?

崇彦 眠れなくなるけど、そこで少しでも体を休めないのは良くないのかなって、眠れなくてもいいから、とりあえず横になってる。

 舞 それくらい、眠れないんだ。

崇彦 そう。全然、目がさえちゃって、眠れない。ずっと。

 舞 それは、1週間前に1回ってこと。

崇彦 そう。試合の1週間に。

 舞 必ず?

崇彦 そう。必ず。

 舞 あっ、緊張してるなって?

崇彦 いつものが来たって感じかな。

 舞 じゃあ、その時に1回あって、会場に行く飛行機は普通? 

崇彦 飛行機の中はもう全然、普通。

 舞 じゃあ、会場に行ってからも普通? 公式練習が終わっても。

崇彦 あっ、そうだ。今年はないな。でも、去年までは現地に入って、一番最初の練習は緊張していた。絶対、緊張した。緊張していて、動けないから、(佐藤)信夫先生に、「動け!」って、言われていた。でも、それが今季はないから不思議。

 舞 じゃあ、緊張を取るためにしていることは、ある?

崇彦 寝る時はとりあえず寝る。寝たふりというか、まあ、目をつむって、横になる。

 舞 じゃあ、試合会場に入ってからは?

崇彦 何だろう。体を動かすことかな。動かして、緊張を取ってたかな?

(続く)

*****

今季の小塚選手の安定感の理由というのが少しわかったように思いました。
勿論トレーニングや練習もして、体幹が強くなって安定したとかそういうこともあると思いますが、やっぱり精神的に変化があったというか、ぐっと大人になって、周りが良く見えてきて、その結果自分も冷静に見つめることが出来るようになったんだなと思いました。
「スケーティングがうまい」と言われることについて、あのように感じていたというのはちょっと意外でした。それが小塚選手の強みというとらえ方しかしていなかったんですが、やはり本人にしてみれば、もっと全体を見てほしいというか、スケーティングは良くても他の要素がそのレベルではないということなのかという不安みたいなものもあったんですね。
そして周りのいう事を気にしすぎて「芯」が崩れていってしまっていたと・・・。
聞く耳を持つことは非常に大事ですが、やはりそれをどう生かすか、アドバイスをどう受け止めて取り入れていくかというのは自分で決める必要があるということですね。コンタクトレンズの例もありましたが、いろんなことに「気付く」ことが出来るようになったのが大きな変化、成長の証なのかもしれません。
先日「はなまる」に出演していた時、好きな女性のタイプについて「芯を持っている人」と話していたのは、自分のこういう経験があるからなのかな、と思いました。

でも小塚選手、「フランス杯で昔のコンタクトを付けていた」って・・・。
何故フランスまでもう使ってないレンズを持っていく・・・?(笑)捨てないでそのままポーチとかに入れっぱなしだったんでしょうね(笑)


字数や時間制限などがあることもありますが、他のメディア、インタビュアーでこのような話が聞けるという機会はなかなかないですね。自身も競技をしていて、選手と一緒に育ったような関係の信頼のある舞選手がインタビュアーだからこそというのもあると思います。
舞選手は我を張るというところのない、穏やかで聞き上手な人柄なので、取材というのは本当にぴったりな仕事ではないかと思います。そして話の運び方や引き出し方、質問のポイントなどが良いと思いますね。
真央選手へのインタビューを見ることが多く、姉妹という関係もあるからなのかなと思っていましたが、他の選手にも素晴らしい内容のインタビューを取ることができていますね。舞選手のスポーツ記者としての活躍も、今後すごく期待したいと思っています。
良いインタビューになりそうで、次回が楽しみです。
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インタビューその2は、こちら


<参考リンク>
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by toramomo0926 | 2011-01-22 10:31 | フィギュアスケート


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