2010年12月1日、中京アイスアリーナで行われました。主に11月に行われ、小塚選手が優勝したグランプリシリーズ・フランス杯について話を聞いています。 浅田舞のスポ友! -読売新聞のプレミアムサービス「yorimo」 *「yorimo」は全編読むには会員登録(無料)が必要です。今後もお読みになりたい方は登録をお勧めします。 ***** フィギュア男子・全日本チャンピオン 小塚崇彦選手 2 ■ 最近はプラス思考に 舞 緊張するから、忘れ物するの? 崇彦 アハハハ。でも今回(のフランス杯)もちょっとやばかった。 舞 何したの? 崇彦 大変だった。 舞 コンタクト以外にも何かした? 崇彦 あのね、試合の時のベルトを(宿舎に)忘れていた。ショート(プログラムは)ベルトしてないよ。 舞 落ちて来なかったの? 崇彦 大丈夫。ピッタリしてるから。(ベルトは)飾り。でも、飾りにしても、ベルトを忘れていた。忘れても「まあ、いっか」って思えた。 舞 海外の試合で忘れ物すると、すごく緊張しない? 日本だったら、忘れ物してもどうにかなるけど。 崇彦 うん、うん。買おうと思えば、買えるしね。 舞 海外で忘れ物すると、(会場と宿泊ホテルを結ぶ)シャトルバスの時間もあるし、遠いし……。 崇彦 でも、今回のフランスは歩いていける場所だった。 あっ、これもあった。練習時間を1時間、間違えて。 でもね、信夫先生も間違っていて、みんなで間違っていて、チームリーダーがなかなか来ないから気になって電話してきてくれて、「今、どこにいるの」って、言われて、「えっ、部屋にいます」って、「あと10分で(練習が)始まるけど」って、言われた。 舞 じゃあ、10分前に行ったってこと? 崇彦 そう。でも、もともと練習の1時間前に行くつもりだったから。ただ単純に、時間を間違えた。ショートプログラムの朝の公式練習だけど。 舞 その練習はどうだった? 緊張する暇、ないじゃん。 崇彦 走っていって、まあ、走ったから、アップできたかな、みたいな。 舞 なるほどね。 崇彦 そう。全部が全部、最近はプラス思考に持っていけるようになった。 舞 走ったし、余計、体が動くかなみたいな? 崇彦 そう、そう、そう。 舞 いつもよりアップしている、みたいな? 崇彦 そう。こじつけかもしれないけど、こじつけなりに、自分の中でプラスに考えられるようになった。 あとはね。フリーの6分間練習終わって、汗をかくから、1回、汗をふいて、コスチュームを着直して。そうしたら、ボタンが下の3つくらい取れていて、上の1個も取れていて。全部、締めてなかった。緊張して。氷に乗ってから、気づいた。「先生、やばいです。ムチャ、緊張していました。止め忘れていました」って、佐藤先生に言った。 舞 ヘーッ。いろいろあるね。佐藤先生は崇ちゃんが出ていく前、何て言ってるの? いつも。背中をパンってやるけど。 崇彦 うん、うん。だいたい、「ジャッジをよく見て」とか、「お客さんをよく見るんだ」とか。下を向きやすいから、上を向くようにって。あとは、「ちゃんと、練習しているから、思い切って、やってきなさい」みたいな感じかな。 舞 佐藤先生がそう言ってくれると、落ち着く? 崇彦 うん。気合がピュッと入る。 舞 あっ、そうなんだ。 崇彦 あのね、(フランス杯は)早かったんだ。フリーの時に。映像を見直したら、わかるけど、1回戻ってきてるんだよ。背中をパーンってやってもらって、「行って来い」って言われて、行ったんだけど、まだ、名前がコールされてなくて、戻ってきて、「先生、まだ早いです」って、そういうこともあったかな。フランス杯は結構、いろいろあったよ。 舞 でも、まあ、落ち着いて。 崇彦 うん。曲がなったら、すごく落ち着いて、今までは緊張すると、何か、下にあるものが上に上に上がって、上がってきちゃったのが、落ち着いていて、ずっと下にある感じがあって、それがいいかなって、うん。 舞 じゃあ、それも変わった部分? でも、今回も、結構、ハプニングがあったね。 崇彦 そう、今回の試合は多かったかな。でも、その前の中国杯はそんなになかった。 舞 忘れ物もせず? 崇彦 うん。フランス杯では最初に、(ホテルの)ミールクーポンなくしたんだよ。ホテルのおばちゃんに助けてもらって、そっから。本当に、いろいろなことがあった。 舞 でも、結果が良かったし。フランス杯の優勝でグランプリファイナル出場も決まったし、うれしかった? 崇彦 優勝もうれしかったけど、緊張感の中で、あれだけの演技ができたことが第一にうれしかった。点数が出た時もうれしかったし、こんな点数、見たことないと思って。 ファイナルへ行けたというのも、うれしいし、今回は最初から最後まで、自分のコントロール内でできたというのが、一番うれしいかな。 「あっ、できちゃった」というよりも、しっかり自分の意志を持って、やることをすべてやれたというのが、良かったなって、思う。 (続く) ***** 小塚選手、面白いですねー(笑) ミールクーポンなくすわ、ベルトを締め忘れるわ・・・(笑)「忘れ物王子」と言われるだけのことはありますね。 それに6分間練習後、シャツのボタンが下の3つくらい取れていて、上の1個も取れていたら、実際ちゃんと止まってたのって2~3個くらいじゃないんですかね(笑) そして「先生、まだ早いです」には笑ってしまいました。それじゃコントじゃないですか(笑) でも、何でもポジティブにとらえられるようになったのは、それだけ自信がついたからですよね。自信がつくと落ち着いてくるから周りが良く見えるようになるし、自分をコントロールできるようになるんでしょうね。 「『あっ、できちゃった』というよりも、しっかり自分の意志を持って、やることをすべてやれたのが良かった」という言葉にも、それが表れていると思います。そしてそういう経験が、また自信を作る。本当に彼は今季一皮むけたなあという感じです。 多分2008-2009年の最初のブレイクは、今考えると「あ、できちゃった」の段階だったのではないかと思います。その小さいステップアップから、更に経験を積んで、自分でコントロールした中で「できる」ようになったということだと思います。 今後また程度の差こそあれ好不調の波はあると思いますが、一旦ここまで来たら、前よりもうまく対処できると思います。信夫コーチも今季の彼には感無量でしょうね。 ***おまけ*** 楽しそうです。 インタビューその3は、こちら。 <参考リンク> 浅田舞のスポ友! -読売新聞のプレミアムサービス「yorimo」 *「yorimo」は全編読むには会員登録(無料)が必要です。今後もお読みになりたい方は登録をお勧めします。 <関連コラム> 小塚崇彦選手インタビュー・その1 :浅田舞のスポ友! 2011年1月22日 “サラブレッドの宿命”を乗り越えて -小塚崇彦選手 2011年1月24日 小塚崇彦選手、「はなまるカフェ」に出演 2011年1月13日 小塚崇彦選手インタビュー「フィギュアスケートの遊び方」 2010年12月21日 小塚崇彦選手、自己ベスト更新で優勝!-フランス杯・フリー 2010年11月28日 小塚崇彦選手、グランプリシリーズ2勝目を完全優勝で飾る -グランプリシリーズ中国大会 2010年11月6日 中国杯・そしてソチ五輪へ向けて -小塚崇彦選手 2010年11月2日 小塚崇彦選手-少年から精悍な青年へ 2009年12月25日 小塚崇彦選手、4回転成功と音の表現に挑む 2009年10月23日
by toramomo0926
| 2011-01-27 16:22
| フィギュアスケート
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