アモディオ選手大躍進の欧州制覇! -欧州選手権・男子シングル
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欧州選手権(ユーロ)が終了しました。
スカパーならノーカットで見られると喜んでいたのですが、直前になってまさかのチューナー故障(涙)
チューナーは今週届くので四大陸やワールドは心配ないですが、楽しみにしていた欧州選手権と全米選手権をリアルタイムで見ることができなかったのは痛恨の極みです・・・。
なので動画サイトでフォローするしかなく、ここでご紹介できる選手も限られてしまうと思いますが、書いていきたいと思います。

男子は今季大躍進のフローラン・アモディオ選手(フランス)が勢いそのままに初出場で初優勝!
そして女子はしばらく表彰台から遠ざかっていたサラ・マイヤー選手(スイス)が復活の優勝を飾りました!
そういう意味で今季のユーロは男女ともにドラマがあったと言えますね。
おめでとうございます!!!!

ISU Europian Figure Sating Championships 2011
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Score」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。




優勝は今季大ブレイクし好成績を収め続けているフローラン・アモディオ選手!
シニア2年目、初出場での欧州制覇です!すごい!!!
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フランスに異色の新星=ブラジル生まれ、アモディオ-フィギュア

 フィギュアスケートに異色の新星が現れた。ベルンで行われた欧州選手権の男子で、初出場のフローラン・アモディオ(20)=フランス=が優勝を遂げた。ブラジル生まれ、フランス育ち。両方の血筋を思わせるスケーティングに特徴がある。
 ショートプログラム(SP)で首位に立ち、過去3度の優勝を誇るフランスの先輩、ブライアン・ジュベールの追い上げをかわして王座に。AFP電によると、「観衆の声援が魔法のよう。曲が聞こえないくらいだった」と喜んだ。その「魔法」を生む演技力が、最大の魅力になっている。
 ラテンのリズムとフランスの香りを併せ持つエンターテイナー。安定感のあるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)以外に飛び抜けた技を持っているわけではないが、見る者を引き込んでいく不思議な力がある。
 シニア1年目の昨季、フランス選手権を初制覇してバンクーバー五輪代表となったが、12位に終わった。今季から、安藤美姫(トヨタ自動車)らを指導するニコライ・モロゾフ氏に師事し、さらに表現力を磨きつつ、勝てる選手に成長した。
 4歳でスケートを始めたが、12歳のときに膝の骨軟骨症にかかり、1年半のブランクを余儀なくされた。世界ジュニア選手権に3度出場し、1桁の順位がない。そんな「遅咲き」が頭角を現してきた。

2011年1月31日 時事通信)

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とにかく声援がすごかったですね。演技前は「アレー!」の声が飛びました(Allezはフランス語で『頑張れ!』という応援の決まり文句?です)。
演技中もスローパートから切り替わったとたんに大声援、キャーキャー言われてましたね(笑)最後のステップのあたりでは観客も熱狂していました。新たなスターが誕生したという感じでしたねー。
ジャンプについてはフリーではループでステップアウトするなど完璧な演技ではなくフリーだけの順位は3位でしたが、PCS(演技構成点)では1番満遍なく点を取れていたようです。
振り付けについてはパート、パートの間では何もしていない、明らかな「お休みどころ」があるのがちょっと気になるものの、「魅せる」ということを強く意識したプログラムで、見ていて楽しい。そして彼はジャンプが美しいのが好きなところでもあります。

とはいえ、まだ粗削りなところもありますし、演技後半はかなり疲れた様子で、ステップの前などは口が開いてしまい、あからさまに息を切らせた様子が見えたりということもありました。そういうところがまだ若いというかシニア2年目(今年21歳)という感じ。そういう意味では思ったより早く優勝してしまったな、という気もします。彼は今後欧州王者として見られ、試合に臨むことになる。
ですが彼はそのプレッシャーもはねのけ、頑張ってくれることと思います。伸びしろはすごくありそうですしね。

五輪を終えてリンクを去る選手も多い中、こういう輝き、スター性のある選手が出てくることは嬉しいです。これからも頑張ってください!おめでとう!!!!


Forent Amodio 2011 Europian Championships FS -Broken/Apologize,etc.

会場ノリノリです(笑)会場音声がリアルに伝わるのはいいですね。カメラアングルも動きをよくとらえていてよいと思います。


ブライアン・ジュベール選手が4回転を華麗に決めて銀メダル!!!フランス勢ワンツーフィニッシュです!
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うっすらヒゲが生えているのが却って美男子ぶりを際立たせている様子。はじける若さのアモディオ選手もイケメンですが、ジュベールは大人の男の魅力が匂い立つような感じですね。
ショートプログラム(SP)では転倒や細かいミスもあり7位に。でもそこから2位まで上げてくるのがジュベール選手です。そういうところはやっぱり魅力がありますねー。

以前のような「オラオラ状態」で滑るというよりは、最近の彼はもっと丁寧なスケートという印象を受けます。彼が4回転を3回跳んだりしていた頃はその荒々しさというか粗さがあまり好きになれなかった時もあったのですが、そういうのがなくなって演技が綺麗になってくると、それはそれで別の魅力も大いに感じつつも、キャリアの終わりに向かい始めているような感じがして寂しくなったりもします。同国からアモディオ選手のようなスターが現れると、余計に世代交代というか時代が変わっていく気配を感じたりして。
でもジュベール選手はそのアモディオ選手の活躍を起爆剤にして、まだまだやってくれると私は信じています。彼も後半はかなり疲れていたようでしたが後半のジャンプも美しく決まっていましたし、以前のようなマグマ的な、外に吹き出すような炎じゃないけど、彼の中には静かな闘志、炎を見ていて感じることができましたので、まだまだ頑張ってほしいと強く思いました。
自分はこんなにジュベール選手好きだったっけ?と思うくらい、彼に続けてほしいという気持ちが今強くあります。
五輪前に彼のドキュメンタリーを見て彼の人柄に触れた事、他選手(特に後輩)に対してすごく目配りと励ましの気持ちがあることがわかり、また去年3月のトリノワールドでの彼の闘志溢れる演技に感動したということが大きいかもしれません。
古傷もあって体調維持は大変と思いますが、これからも是非4回転スピリッツの雄として、まだまだ若手にとって高い壁であり続けてほしいと思います。
銀メダルおめでとうございます!


Brian Joubert 2011 Europian Championships FS -Symphony No. 9

ベートーベンというのは、今の彼にすごく合っていると思います。
内に秘めた強さとか、音の感じが円熟期を迎えている彼にぴったり。


トマシュ・ヴェルネル選手が3位!!クワド復活に大コーフンです!!!!!
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最近試合で4回転(クワド)をはじめとするジャンプの精度が落ちていて、以前「回転不足だろうが転倒しようが、クワドは跳びますよ」と話していた彼が、今季クワドをプログラムから外した時はショックでした。しかしグランプリシリーズでは、少しずつですが調子を取り戻している感じがありました。
そして今回、この欧州選手権で見事な4回転トウループ(4T)を!!!!
最初のトリプルアクセル(3A)の着氷で足がぐにゃりと曲がってすごくこわかったんですが、きっちり最後まで滑り切りましたね。2回転になってしまったジャンプもありましたが、とにかく転倒なしで演技としてまとまったものができた。
フィニッシュのポーズを決めたとき、すごく嬉しそうでしたね。本当に「やった!」という達成感が伝わるいい表情をしていました。

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そして、既に演技を終えていたジュベール選手とアモディオ選手の様子も映し出されました。ヴェルネル選手の得点がどうなるかでメダルの色が変わる状況なので、これは面白かった(笑)。
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初優勝がかかるアモディオ選手は「どうなるかな・・」と心配そうな表情。ジュベール選手は余裕の表情で、モロゾフコーチと談笑しています。


ただ、ヴェルネル選手は得点と順位が出たとき、「ああ・・」という感じで、あまり喜びませんでしたね。
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正直彼の最近の成績や演技の出来からいって、ユーロ表彰台というのは前進だと思うのですが、彼は喜ばなかった。
勿論勝とうと思わず試合に出る選手などいないでしょうから当然の姿勢でしょうし彼には失礼な感情だったのかもしれませんが、あのような辛い状況でも彼は優勝するつもりでここに来ていたんだ、優勝しようと思ってクワドを跳んだんだというのを考えると、なんかじわじわと感動してしまいました。
銅メダルは悔しいのかもしれないけど、誇りに思ってほしいと思います。そして世界選手権で、東京で彼がまた美しい4回転を決めてくれるのを楽しみにしたいと思います。
トマシュ、かっこいいよ!!!!本当におめでとう!!!!!


Tomas Verner 2011 Europian Championships FS -Michael Jackson Medley

フィギュアファンの間では、ヴェルネル選手の4回転は一番美しいという声が多いです。
全く同感ですね。他のジャンプもまわり切ってから降りてくるというのがはっきりわかる高さ、美しさ。
スケーティングもきれいです。ミハル・ブレジナ選手(今回8位。残念でしたね・・)もそうですが、チェコの選手は少数ながら精鋭ぞろいというか滑りの質の高い選手が揃ってますね。


4位には、SPとフリー両方で4回転を決めたケヴィン・ヴァン・デル・ペレン選手(以下KVDP)が!!
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SPでは目の覚めるような4-3を美しく高く決めてくれました。彼のジャンプは見ていて爽快ですねー。他のジャンプもキレがよくジャンプ中の姿勢もタイトで素晴らしい。
彼は今の男子勢の中でもトップクラスのジャンプスキルを持っていると思うんですが、なかなか順位が上に行けませんね。PCSがあまり出ない。スピンとステップにちょっと甘いところもあったりするんでしょうか?
そう考えるとやはりトップオブザトップというか、常に表彰台に乗っている選手というのはすごいんだなあと思います。オールラウンドに高い技術と表現力を持っているということですからね。
でも、彼のようなよりアスリートっぽい選手も見ていて楽しい!怪我に気を付けて、これからもすごい!と思わせるジャンプを見せてほしいですね。


Kevin Van Der Perren 2011 Europian Championships SP -Art of War (based on Romeo and Juliet)

これ、アドリアン・シュルタイス選手(以下ADSL)のフリーと同じ「ロミオとジュリエット」の曲ですね。こちらは現代風にアレンジされていますが、二人の違いというのを見るのも楽しそうです。


5位に今季シニアデビューのロシアの新星、アルトゥール・ガチンスキー選手。
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SPは3位だったんですが、ミスがあり順位を落としてしまいました。フリーの後はすごく悔しそうでしたね。
そして彼はあの長髪とロシアンな衣装から、ちょっと80年代くらいのスケーターを思わせる風貌に見えます。だからなんか見ていて妙な親近感があります(笑)
でも、見るたびに顔が大人になってきてますね。まさに成長期って感じです。でも美しいスケートはそのままに育って行ってほしい。

ただ、ジュニアではトップレベルの実力と評判の高かった彼ですが、これから彼自身の個性というか売りみたいなものを更に強化する必要もあると感じています。きれいだけど、きれいすぎてこんなに若くしてもう既にまとまり始めてしまっている感じがするのです。
演技も、SPはちょっとひねりのある曲で時間が短いということもあり見応えがありますが、フリーのような正統派な曲で、しかもジュニアより長い4分半という長丁場を滑り切るというのがまだもう少しかな、という感じがします。技術的にも表現的にも。
ジュニアではダントツと言われても、シニアでは更に高いレベルに行かないと埋没してしまいます。
ソチ五輪までにはまだ3年ありますし、ロシアは彼に期待をかけているでしょうから、彼が輝くのはこれからだと思います。楽しみですね。
なんか彼には高望みしてしまいますが、いきなりの5位というのは大躍進です!ここは素直に喜びたいと思います。
おめでとうございます!!!!!


Artur Gachinski 2010 European Championships SP -Selection of music by Pink Floyd

この曲と振り付け、じわじわ来ますね(笑)
ジャンプを降りた直後手を下から上に振り上げるのが「ザ・ロシア」って感じです。プルシェンコ選手を連想してしまったりしますね(笑)。


新体制で臨んだアドリアン・シュルタイス選手は12位。
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昨年11月、シーズン途中に突如飛び込んできたエフゲニー・ルトコフコーチとの後味の悪い訣別、そして自身の怪我など、今季の彼は本当に辛いシーズンを送ってきました。現在Maria BergqvistコーチとJohanna Dalstrandコーチに師事しています。
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おそらくこのお二人がマリアコーチとジョアナコーチ。
ただ、どちらがどちらなのかは・・・分かりません(笑)


育ててもらっていたルトコフコーチとの別れは彼に大きなショックをもたらしたと思いますが、今大会の彼のフリーの演技は、今季一番だと私は思いました。彼もガッツポーズをしていましたね。
体調的にも心情的にもまだ彼のベストの状態ではないかもしれませんが、確実に新しい一歩を踏み出したなという感じ。
世界選手権はスウェーデンの出場枠が2つあるので、東京に間違いなく来てくれると思います。その時には(会場には行けませんが)精いっぱいTVの前で応援したいと思います。
頑張れADSL!!!!!


Adrian Shclteiss 2011 Europian Championships FS -Romeo et Juliet

あの、袖をゴシゴシする振り付けの理由が未だにわからない・・・。
ADSLは長髪になるとすごい美青年になりますね。昨季の坊主頭はすごく凶悪そうというか(笑)コワモテに見えたものですが。髪型って重要ですねー。


新しいスターの誕生、若い選手の活躍、ベテラン選手の格闘と復活など、いろいろなドラマが見られた欧州選手権でした。
アイスショーもいいけど、やっぱりフィギュアは試合が楽しいですね!!

選手の皆さん、お疲れ様でした。世界選手権楽しみにしてます!!!

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アモディオ選手おもしろい(笑)


** おまけ **

優勝が決まったアモディオ選手の大はしゃぎする様子と、男子表彰式の様子が動画サイトに上がっていました。
アモディオ選手、本当に子どものように喜んでいます。そして先輩のジュベール選手もすごく彼の優勝(と成長)を喜んでいる感じで、微笑ましいですね。


表彰式でここまでストレートに嬉しさ大爆発、という選手を久しぶりに見た気がします。
でもこれがスポーツって感じですよね!見てて気持ちいいです。解説も「観客席は薄暗いですが、全員笑顔です」と言っています。あんなに素直なリアクション見せられたら、国とか関係なく祝福しちゃいますよね。
そして次にジュベール選手が来たときは、表彰台から降りて抱き合っていました。
普通は表彰台に上がったら下りずにそのままハグをするのですが、先輩を立てるというか、同郷の先輩に対する尊敬の念みたいなものを感じました。いい子です。
頑張って練習して来たんですもの、思い切り喜んでいいんだよフローラン!!おめでとう!!!


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by toramomo0926 | 2011-01-31 08:10 | フィギュアスケート


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