小塚崇彦選手インタビュー・その3 :浅田舞のスポ友!
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読売新聞のサイト「yorimo」での、浅田舞選手による小塚崇彦選手へのインタビュー、その3です。
2010年12月1日、中京アイスアリーナで行われました。主に11月に行われ、小塚選手が優勝したグランプリシリーズ・フランス杯について話を聞いています。

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フィギュア男子・全日本チャンピオン 小塚崇彦選手 3

■ つらかった中学時代
 舞 ずっと聞いてみたいことあったんだけど、真央とオフの時に3人でいても、あんまりスケートの話はしないでしょ。
崇ちゃんのお父さんもお母さんもおじいちゃんも、みんなスケートやっていて、みんなはサラブレッドみたいに思っていて、スケートができるんだって、思うわけじゃん。そう、思われるのって、実はどうだったの?

崇彦 うーん。

 舞 嫌だったとか。やりにくいとか、思ったことはありませんか?

崇彦 親がスケートやっている2世で、それなりにできるんだろうって、目で見られるから、ちっちゃいから何にも感じてないようで、実はプレッシャーを感じていて、試合の時は変に意識しちゃって、勝手につぶれちゃったというのも、あった。逆に、父親がオリンピックに行っているから、間近に向かっていける目標がいたっていうのは、良かった。
あとは、スケートをわかっている親がいたから、自分がつぶれて、よくない時っていうのは、すぐにわかってくれるし、まあ、逆に、気を抜いている時も、わかるだろうけどね。ちっちゃい頃、管理されていたのは、今は良かったかなって思うよ。

 舞 家でもスケートの話はするの? 意外とスケートの話になっちゃいそうかなって思っちゃうけど。

崇彦 どうだったかな?

 舞 まあ、することもあるけどって感じ?

崇彦 うん。今の方がしているかもしれない。昔はそれこそ、両親が気をつけてくれたというか、リンク以外ではスケートの話をしないようにしてくれていたんじゃないかなって思えるくらい、ほとんどなかったかな。

 舞 スケートやりたくないなあって、やめたいなあって、思ったことある?

崇彦 うん。あるよ。

 舞 いつ? 本当に?

崇彦 本気でスケートから離れるっていう風ではないけど、中学くらいかな? あるよ。
やっぱり伸び悩みというか、ジャンプも伸びなかったし、跳べても、高橋(大輔)君とか、ノブ君(織田信成)とか、南里(康晴)君とかがいたから、上が詰まっていて、たとえ、できても、越えられないところがあったから、つまらないと感じるところがあった。そこら辺が難しい時期だった。
ジュニアの試合に出る頃って、結果を残して、シニアの全日本にも出たいって思っていたけど、(全日本出場枠が)すぐ上(の順位)で切られちゃったとか、成績が良かったのに、海外の試合に選ばれなかったとか。

 舞 相当、ショックだよね。舞もそれある。

崇彦 すごくへこんだ。でも、へこみ切らずに、次ぎはやってやるっていう気持ちが持てたから、今、ちょっとずつ上がって来られたのかなって、思っている。

 舞 本気でやめようというのはないんだ。1週間、リンクに行かなかったみたいな。

崇彦 うん。けがして行かなかったことはあるけどね。中学の頃はけがも多かったから、行かなかったことはあるけど……。ただ行かなかったというのはない。
あとはリンクで両親とけんかして、伯母さんのところへ逃げたり。伯母さんはスケートをやっていたから、気持ちもよくわかってくれるからね。

 舞 お父さんと喧嘩するのが多かった?

崇彦 多かったかな。

 舞 ずっと一緒だからね。

崇彦 そう思うかもしれないけど、リンクでは一緒だけど、外に出たら、バラバラだよ。結構。自由にやってる。

 舞 そうなんだ。

崇彦 リンクで集合、リンクで家族会議するみたいな感じかな。集まるのはリンク。あとはもう自由にみたいな。

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 舞 話は変わるけど、今シーズン前にカナダで生活していたけど、その時は(振り付けをしてもら
っている)佐藤有香さんのところに行ってたの?

崇彦 今年のカナダは一人だったよ。有香さんが来たのは、最後の2日くらいだけだから。

 舞 じゃあ、ご飯を自分で作って?

崇彦 自分で作って。

 舞 作れるの?

崇彦 作れるよ。うん。カレーも作れるし。

 舞 それ、レトルトでしょ。


崇彦 うんうん。ルーでこうやって。

 舞 じゃあ、スーパーで買い物して。

崇彦 そうそう。買い物はローラーブレードで行って、買い物袋を持って、戻ってきて。お総菜は結構、使ったかな。でも、ちゃんと食事をとってた。

 舞 コンロをつけっぱにしそう。

崇彦 海外のって、電気だから。

 舞 自動で消えるやつ。

崇彦 そうそう。

 舞 それをしたことによって、何か、自信につながったとかはありますか。

崇彦 どうつながっているかは、はっきりとわかんないけど。
自分でやらないと、グダグダになっていって、回っていかないという状況で生活したっていうのは、練習にいい影響があったかな。
向こうでの練習は、先生がいない状態で、ジャンプの練習したし、だから、自分でちゃんとしないといけないから、数を数えてたり、これができるまでやるとか、決めて、やらなきゃいけなかったから、いい影響を及ぼしたかなって、思うよ。

 舞 真央も(佐藤)信夫先生について、一緒に練習する時間が増えたと思うけど、感じるっていうか、一緒に練習するようになって、思ったことはある?

崇彦 前からそうだったし、そうだと思っていたけど、去年までより、もっと近くで見るようになって、練習好きっていうか、本当に好きかどうかは、知らないけど、やり続ける。疲れててもやり続けるよね。何だろう?

 舞 まじめっていう?

崇彦 そう、まじめだね。それだと思う。

 舞 本当に、まじめだと思う。いくら好きでも、時々は疲れていて、「あっ、やめよう」って時もあるけど、まじめだから疲れていても。

崇彦 そう、やり通す。そこがすごいなあって思って。
それを、横でやられると、やらないといけないって思うし、さぼったら、何で、真央ができるのに、崇はできないんだみたいに、信夫先生に言われるかなって、そういうことを考えてしまう。
先シーズンまでは、「3日続けれるようになって欲しい」って、信夫先生に言われていて、だいたい、月曜日、火曜日ってできていたことが、水曜日の午前中か、午後くらいに(集中力が切れて)バタバタってきていたんだよね。
それが今年は隣に、真央がいて、それを見ながら練習してると、これは負けてられんって、そういう気持ちになる。なくなってきたよ。

(続く)

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今回も内容の濃いものでしたね。
「それなりにできるんだろうって、目で見られるから、ちっちゃいから何にも感じてないようで、実はプレッシャーを感じていて、試合の時は変に意識しちゃって、勝手につぶれちゃったというのも、あった」というのは考えさせられました。
スケーターの皆さんはインタビューとか聞いてても皆さん素直でまっすぐ育ったという感じですが、やはりいろいろ苦労がありますよね。そりゃそうです。でもそんなこととは無縁に育ったように見えるというのは、やはり強い人たちなんだなと思ったりしました。
特に小塚選手は「2世」(正確には3世ですね)という自分で選べない環境からのプレッシャーというのは、かなり大変だったのではないかと思います。でもそこで逃げずにしっかり向き合ったというのは・・・やはり強いですね。

ご両親も素晴らしいですね。小塚選手のそういう心情を慮ってリンクを出たらスケートの話をしないとか、ちゃんと気持ちを切り替えられる環境を作ってあげたから続けられたというのはあるかもしれません。絶対いろいろ言いたくなってしまうんじゃないかと思うんですが。
あと、両親以外にスケートについて話したり、選手の気持ちが理解できるおばさまの存在も大きかったんですね。このおばさまは新横浜での練習の時に小塚選手の滞在先となる方でしょうかね?

あと、先日のNHKの特集の時もちょっと意外でしたが、信夫コーチに「3日続けられるようになって欲しい」って言われてたんですね(笑)週休2日と考えても5日のうち2日しかもたないのか(笑)
逆に、身の入った練習を週2日しかやってなくて、グランプリファイナル2位とか、五輪入賞ってすごいかも(笑)

そこへ「週に一度は必ず休みを取ってください」とわざわざ言われるような真央選手が参入してきたら、それは発奮すると思います。
女子選手の真央選手が、そして世界女王に2度なって、五輪銀もとっている真央選手が自分よりもうんと真面目に練習し、疲れても最後までやりきる姿勢を見ていたら、それは自分はこんなんじゃだめだと思うでしょうね。
真央選手は一緒に練習する選手にすごく良い影響を与えますね。真央選手もすごく良いものを得ているようですし、佐藤コーチに決まったと知った時に考えた「良い影響」よりもずっと良い状況になってます。

「何で、真央ができるのに、崇はできないんだみたいに、信夫先生に言われるかな」というのもなんかわかる気がしますね。信夫先生、口に出さずとも無言のプレッシャーというか、じーっと視線で語ってそうです(笑)
あと個人的には小塚選手の「(料理)作れるよ。カレーも作れるし」→ 舞選手「それ、レトルトでしょ」の即ツッコミは面白かった。舞選手、見抜いてますね(笑)。小塚選手、レトルトは料理じゃないよ・・・(笑)。
まあ男の子だから、それも進歩なんでしょうね。高橋大輔選手はアメリカ合宿でキーマカレー作ってたけど、あのレベルは料理そのものが好きでマメじゃないとできないでしょうね。


これは怪我する前ですねきっと(髪型より推測)。一緒にいるのは同じ長光コーチの元で合同練習している子だそうです。かわいいです。
高橋選手、話し方が和み系ですね(笑)優しい話し方です。
でも、料理最中にいろんな意味で大変なことに!!!!(笑)


両親のことも、スケートのことも、過去の自分自身のことも、今は冷静に客観的に、ちゃんと相手のことも考えながら話すことが出来ている彼の姿が印象に残るインタビューですね。
恐らく次回が最終回になると思いますが、今から楽しみです。


インタビューその4は、こちら。


<参考リンク>
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<関連コラム>
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by toramomo0926 | 2011-02-03 07:07 | フィギュアスケート


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