Monkey Majik と吉田兄弟のコレボレーションナンバーの「Change」。 Yuzuru Hanyu 2011 Stars On Ice -Change 私は基本的にジュニア選手は追いかけないので、羽生選手の演技を最初に見たのは、大変遅まきながら昨年3月の世界ジュニア選手権(優勝)でした。 でも、そんな私でも「羽生結弦」という美しい名前とその名に違わぬきれいな顔立ち、「ジュニア離れしている凄い選手」という評判は耳に入ってきていました。それほどに彼は活躍していたと言えるでしょう。 世界ジュニアの時も「なるほど、これはすごい。今活躍しているシニア選手の誰とも違う繊細な演技だなあ」と思ったのですが、今季からシニア参戦となり、初戦のNHK杯のショートプログラム(SP)で最初のトリプルアクセル(3A)を跳んだ時に、心をわしづかみにされてしまいました。 あんなに美しい3Aはなかなかお目にかかれるものじゃありません。凄く軽いけど、幅と流れのある美しいジャンプです。 織田選手もすごく柔らかいジャンプを跳ぶけど、彼のともちょっと違う。織田選手は猫が着地するようなしなやかさを感じるけど、羽生選手のそれは羽が舞い降りたように重さを感じないのです。 Yuzuru Hanyu 2010 NHK Trophy SP -White Legend 前は3Aが苦手だったと聞いて、信じられませんでした。そしてシニアデビューのこの大会のフリーで、彼はいきなり4回転トウループを跳び、成功させてしまいました。 そして、彼は競技では正統派な曲を滑っていながら、EXではかなりハジけた選曲をし、楽しそうにノリノリで滑っているのも見ていて楽しい。 そして彼の演技を見れば見るほど、発言を聞けば聞くほど、彼がスケートにおいて、というか彼自身が驚くべき聡明さを持っているのが分かって、「これは末恐ろしい子が出てきたなあ」と思わずにはいられませんでした。 体力的にはまだ大人としての体が出来上がっておらず、シニアのプログラムを滑り切ることにはまだ不安はあるものの、それはおいおいトレーニングや経験を積むことで身についてくるだろうと思うので、怪我には気を付けて欲しいと思いますがその点はあまり心配していません。 私がすごいと思うのは、彼の競技への姿勢と、表現についてです。 八木沼純子さんも話していましたが、彼は何を表現したいかというものが明確に見えているのが演技を見ていてはっきりわかる。その曲においてどう表現するかというのを、教えられるのではなく曲を聞いた瞬間に感覚的に理解しているんじゃないかという感じ。テーマを本能的に自分で見つけ出して表に出しているように見えるのです。 思い切り平たい言い方をすれば「センスがいい」ということになるのでしょうが、16歳という若さで、ここまで技術と表現において自発性をもってプログラムを滑っているスケーターはなかなかいないように思います。しかも彼はそういう演技を昨年からとか今季からというのではなく、恐らく試合に出始めたときからそういうものはあったのではないかと思わせるものがあります。身に付けたものではなくて、先天的なものを感じます。 そして彼は普段の様子や笑っている顔を見ると、どちらかというと童顔でかわいらしい感じなのだけど、演技に入ると目つきにぐっと色気が出てくる。 高橋大輔選手のようなラテン系のものではなくて、もっと涼やかだけどこちらにハッと息をのませるような、ひんやりした色気。 これは本当の正統派美少年にしか出せない凄味のある色気なんだろうなと妙に納得してしまいました。これはすごいですね。生まれながらの表現者なのだと思います。 彼のEXは「Vertigo」しか知らなかったのですが(そしてこれも大好きなのですが)、今回SOIで初めて「Change」を見て、また更にガーン!ときましたね。そしてこれを既に2008年から?滑っていたというのにびっくり。 Yuzuru Hanyu 2008 Medalist On Ice -Change この時なんと14歳。 今季とは少し構成が違いますが、シニアに混ざってのアイスショーでも全く引けを取らない素晴らしい演技。自分のアピールポイントである高い技術とリズム感、柔軟性をこれでもかとばかりに見せてくれています。 これは2008年全日本のエキシビジョンを兼ねたアイスショーなので、自分は見てるはずなのかもしれないんですが・・・地上波でも彼の演技は放映されたんですよね? これだけの演技を見て何も思わなかったんでしょうか自分・・・・。ちょっと自分に呆れます。 Yuzuru Hanyu 2010 NHK Trophy EX -Vertigo EXの選曲は、彼自身の好みが反映されているような気もします。だとしたら渋い。 「Change」を歌っているMonkey Majikは、彼が生まれ育った仙台からブレイクしたバンドでもあります。そして名古屋や大阪、新横浜が主に盛んであるフィギュアスケートにおいて、仙台からシニアで表彰台を争う選手が出るというのは荒川静香さん以来になりますね。 彼は仙台にすごく郷土愛があるようで、数年前にもあわやリンク閉鎖かという事態になった仙台フィギュアを盛り立てようという気持ちもあり、仙台にとどまって競技を続けているというのを何かで見聞きし、しっかりした子だなあと思いました。 Monkey Majikの曲を使ったのも、そういう縁もあるのかなと思います。彼らの楽曲はかっこいいですしね。そして吉田兄弟はアメリカでもツアーを行うほど海外で人気のある津軽三味線のデュオ。 羽生選手は「日本人であること」というのも常に念頭に置いているようにも見えます。そんな彼にはぴったりの曲ですね。 彼はいよいよ目前に迫った四大陸選手権(台湾)に出場します。現地の女の子をメロメロにしてしまうんじゃないでしょうかね(笑)美しい演技とエネルギッシュなEX、何より彼の笑顔が試合で見られますように! 頑張れ羽生君! 写真の撮影時期は不明なのですが、恐らく今季か昨季あたり?と思われます。 *** おまけ *** Yoshida Brothers -Storm 織田信成選手の今季SPも吉田兄弟でしたね!ということで、彼の使用曲「Storm」を。 この曲も大好きです。 Monkey Majik -Change プロモーションビデオへのリンクを貼っておきます。フルバージョンもすごくいいです。ただ、ちょっとドキッとした(汗) <参考リンク> Monkey Majik -公式サイト 吉田兄弟 -公式サイト <関連コラム> 小塚崇彦選手初優勝!!! -全日本選手権・男子シングル 2010年12月26日 小塚崇彦選手首位、羽生結弦選手2位の躍進!-全日本選手権・男子SP 2010年12月24日 安藤美姫選手、GPS2勝を飾る -ロシア杯・男女FS 2010年11月22日 ロシア杯・男子SP NHK杯、男子フリー 2010年10月24日 NHK杯、男子SP 2010年10月23日 羽生結弦選手、村上佳菜子選手アベック優勝!-ジュニア世界選手権 2010年3月15日 雄弁な音楽(Wii アメリカ版CM) -超個人的CM考察 2006年11月19日
by toramomo0926
| 2011-02-11 09:40
| フィギュアスケート
|
カテゴリ
最新のトラックバック
以前の記事
2014年 08月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 07月 2007年 04月 2007年 02月 Twitter
検索
フォロー中のブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||