シカゴ・トリビューンのハーシュ氏、真央選手の「愛の夢」を絶賛
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もう相当昔の話になるので、ご存知の方も多数いらっしゃると思いますが、先月の四大陸選手権での真央選手の演技について、アメリカの新聞シカゴ・トリビューンのフィリップ・ハーシュ氏が賞賛する記事を書いていました。
勿論アメリカの新聞ですからアメリカ選手のこともたくさん書かれているのですが、結構辛口で知られるハーシュ氏が真央選手のリニューアル「愛の夢」を評価してくれているのは嬉しい。
文章量が多いので該当部分しか訳しませんが、ご紹介します。

Four Continents skate doesn't boost U.S. slim medal chances for worlds
*シカゴ・トリビューンのサイトの該当記事。
タイトルを訳してみると「四大陸選手権の結果は、アメリカ勢の世界選手権でのメダル獲得の僅かな可能性の後押しにはならない」という感じでしょうか。



ご紹介するのは7番目のパラグラフ、ミライちゃんの写真の中央部分くらいから始まるところです。


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Women's singles had the best field, including two skaters with world titles (Miki Ando and Mao Asada of Japan), three with U.S. titles (Mirai Nagasu, Rachael Flatt, Alissa Czisny) and the reigning Canadian champion (Cynthia Phaneuf). So I'm confining my comments to that event.

Both Ando and Asada skated impressively and deserved the top two places, although Ando's utter emotionlessness in the free skate was in jarring discord with the romanticism, intensity and passion of her music, Grieg's A Minor Piano Concerto.

Reigning world champion Asada showed she has recaptured her jumping skills after a decision to rework technique under a new coach had turned the Grand Prix portion of her season into a messy exercise. Not only that, but Asada's feathery footwork sequence in the long program perfectly captured the essence of her music, Lizst's “Dreams of Love.''

(拙訳)
女子シングルは、世界タイトルを持つ2人の選手(日本の安藤美姫と浅田真央)と3人の全米タイトルを持つ選手(長洲未来、レイチェル・フラット、アリッサ・シズニー)、そして現カナダチャンピオン(シンシア・ファヌーフ)が出場するベストな分野(種目)だった。そのため私のコメントはこの部分に集中します。

安藤の全く無感動なフリーはグリーグのピアノ協奏曲第2番の持つロマンや情熱とは不愉快なほどに調和していなかったとはいえ、安藤と浅田は素晴らしく印象的なスケートを見せ、1位と2位に値する演技だった。

現世界チャンピオンの浅田は新しいコーチのもとでジャンプ技術の立て直しを決断し、グランプリシリーズの頃の彼女(のジャンプ)は混乱していたが、彼女は自分のジャンプを捉え直すことに成功した。
それだけではなく、浅田のフリーでの羽のようなフットワークシークエンスはリストの「愛の夢」の音楽を完璧にとらえていた。

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*訳は私がない頭を絞って参考程度に訳したもので、完全なものではありません。本当のニュアンスや意味合いについては原文を参照して頂き、ご自身でご判断頂ければと思います。


安藤選手、そんな言われようをするような出来ではなかったと思うけれど・・・。1位と2位に値する演技って書いてるくせにー(涙)さすが辛口コラム。恐ろしい。
今大会の安藤選手でこれでは、グランプリシリーズの頃の真央選手に対する記述とか、怖くて読めない(笑)
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ただ、「ミスのない演技」は「心に火をつける演技」と必ずしも同義ではない、というのは理解できます。
安藤選手は今回体調が悪かったということですし、彼の中で、見ていてもうひとつ燃え上がるものがなかったのかもしれません。
私も今大会の高橋大輔選手のフリーは素晴らしかったと思うけれど、私個人的には物足りなさを感じました。ジャンプの成否などとは全く関係ないところで、心をより動かされたのは全日本の時の彼の演技でした。そういうことを言いたいのかな、とちょっと思いました。それにしては言い方が酷いけど(涙)。


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真央選手の新しいステップは本当に夢のようですよね。彼の言う通り羽のように軽く、優雅で、かつ技術的にも高いレベルのものを見せている。
前半は片足ステップを中心に、ずっと片足でステップを踏みながらも上半身の動きがちぢこまることなく伸びやかに手足を動かし、後半ではバレエを連想させるような体全体を使った動きでしなやかながらもダイナミックな「舞踊」を見せている。
彼女の身体能力の高さと筋力トレーニングの充実ぶり、なおかつロシアで鍛えられたバレエの素養、そして彼女自身が持っている品の良さというのを充分にアピールする内容となっています。
妖艶でなければ表現力に非ず、みたいな風潮が昨シーズンまではありましたが、そういう声すら黙らせ、うっとりさせるような魅惑的な力が今季の彼女にはあります。

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四大陸の「愛の夢」はリピートが止まらないのですが、一度見ると2~3回ステップ部分~フィニッシュまでを更にリピートして見てしまいます。それくらいこのステップの音楽との調和、表現、そして技術的な充実というのは凄い。
そして最後のスパイラルからフィニッシュまでも凄いですね。スパイラルで足を上げてから最後のポーズをとるまで、彼女は上げた足を一度もおろしていません。
スパイラルが終わっても更に滑るスケーティング技術がなければこれは不可能です。私はこの部分が地味にすごい、と注目しています。

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Mao Asada 2011 4CC FS -Liebesträume



世界選手権は23日からスタートします。
あと3週間もないんですね。
選手の皆さんは追い込みで大変な時期だと思いますが、怪我なく充実した練習ができますように祈っています。

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*** おまけ ***
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「浅田真央、15歳」からずっと真央選手の成長を追っている宇都宮直子さんの新しい本がようやく発売になるようです。
「浅田真央、20歳への階段」
「19歳」がいつまでたっても出ないと思っていたのですが、やっとです。やはり五輪シーズンというのはいろんな意味で大きかったんでしょうね。Amazonで予約を受け付け開始しましたね。発売は15日だそうです。

そして、宇都宮さんの真央選手についてのシリーズはこれで最終になるようです。


「大好評を博した「浅田真央シリーズ」の最終巻です。

スランプから奇跡の復活を遂げ、バンクーバーオリンピック銀メダル、世界選手権優勝を遂げた2009-2010シーズンから、ソチ五輪へ向けて新たな飛翔を目指す2010-2011シーズンの活動まで、浅田真央の19歳から20歳までの軌跡を描きます。長時間にわたるインタビューで、バンクーバー五輪で見せた涙の理由、タラソワ・コーチとのすれ違い、ジャンプ矯正に挑む真意など、苦しみながらも頂点を目指す真央の心境が語られます。『浅田真央、15歳』から4冊にわたって続いたシリーズの集大成ともいうべき決定版。Number専属カメラマンが撮り続けてきた秘蔵写真も満載です。」


とAmazonの内容紹介にありました。

Numberでの取材やインタビューもなくなってしまうんでしょうか・・・。だとしたらちょっと残念です。でも真央選手が現役を続ける限り、取り上げないということはないと思うので、期待したいですね。


<参考リンク>
Four Continents skate doesn't boost U.S. slim medal chances for worlds  
-Philip Hersh / Chicago Tribune
浅田真央、20歳への階段-Amazon.jp


<関連コラム>
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by toramomo0926 | 2011-03-05 15:51 | フィギュアスケート


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