思い切り演技 励みになれば-浅田真央選手:挑戦 真央らしく
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朝日新聞の不定期連載コラム「挑戦 真央らしく」が更新されていました。



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思い切り演技 励みになれば

 テレビの画面を通して見た未曽有の被害。思わず、言葉を失った。

 「地震があった時はちょうど愛知の家にいた。『揺れたな』と思ったけど、そのあとにテレビで次々と被害の映像が流れて……。正直言ってこんな時期に、世界選手権に行ってもいいのかなと思ってる」

 複雑な胸のうち。だが、日本連盟が派遣を決めたとなれば、行かざるを得ない。行くからには――。

 「今、私にできることは、このシーズン、今までやってきたことを思い出しながら、試合で思い切って滑ることだけ。被害にあわれた方の中にも、応援して下さっている方がたくさんいらっしゃる。被害で苦しんでいる方はそれどころではないと思うけど、一生懸命演技する自分を見て少しでも励みになればいいと思う。それしかできない」

 昨季の世界女王という看板は「忘れたつもり」で挑むという。
ジャンプの修正に手間取り、出遅れ感があった今季、震災による1カ月の延期はどう出るか。

 「2月の四大陸選手権(台北)の後は、3月に予定されていた東京の世界選手権に向けて自分を追い込んできました。だから、東京大会が中止になった時点で佐藤信夫先生から『まず休みなさい』と言われた。体も心も追い込んできたから、やはり一度リフレッシュしないと良い状態は維持できない。震災の直後から1週間練習を休んだ。(モスクワでの代替開催が決まり)1カ月先の大会へ向けて気持ちを切り替えることができた」

 同じ佐藤コーチの指導を受ける小塚崇彦(トヨタ自動車)との練習が多かった。男子のスピード感やジャンプの力強さを肌で感じながら、取り組んできた。
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 「1日4時間の氷上練習で、ショートプログラム(SP)、フリーを1日1回は通し(曲をすべて流して演技すること)で滑り込んできました。震災の影響で練習は一時中止となったけど、それ以降は毎日やるべきことをコンスタントにやってきた。四大陸選手権で見つかった課題。佐藤コーチから言われているんですけど、『もっと元気よくスピード感を出してプログラムを滑りなさい』ということに気をつけてきた」
 モスクワは第二の本拠とも言える地。昨季まで2季続けて習ったタチアナ・タラソワ氏も待っている。

 「ロシアには悪いイメージはない。今季のSPを振り付けてくれたタチアナ先生がいらっしゃるので、衣装の手直しをやってもらうかもしれない。世界選手権が一度は中止になったと思った分、気持ちは少し落ち込んだけど、1週間休んで、練習をしっかり積むことはできた。今は前向きにとらえて試合に向かえる。気持ちはベストで臨めます」

(坂上武司)


◆「大人への第一歩」 母・匡子(きょうこ)さん
 今季は真央にとって、昨季の五輪を経験して「大人」のスケーターになる第一歩のシーズンになっているような気がします。

 今までいろんな先生に指導を受けて、良いところを吸収させてもらった。どの先生からも真央はかわいがってもらって、今でもアドバイスを頂くことはある。

 シーズン前、真央はジャンプを一から見直したいと望んで、小さい頃に学んだことのある長久保裕先生のレッスンを受けた。私は「真央が今、何をやりたいか」を大切にしています。

 9月から佐藤信夫先生にメーンコーチをお願いしました。今後の真央のことを考えると、もう日本の先生で真央を預けられるのは佐藤先生しか思い浮かばなかった。真央も佐藤先生の指導を受けたがっていた。

 もちろんいくら有名な先生であっても、お互いを理解するのに3、4年かかることは理解しています。実績のある佐藤先生のもとで、真央は2014年ソチ五輪を目指すつもりです。


2011年4月22日 朝日新聞

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愛知の方でも揺れを感じたんですね。東日本の太平洋側を根こそぎ揺るがした地震ですし、それだけ大きかったということでしょう。単発ながらも九州でも揺れを観測したりもしていますし。
あまりに悲惨過ぎて現実味がないという面もあるでしょうがあの映像を見てショックを受けない人はいないでしょうし、真央選手も「世界選手権とかやってる場合なのか」と感じたのももっともです。東京で開催の予定でしたしね。
ですが小塚選手を中心にシーズン中ながらもチャリティアイスショー開催に向けて動くなど、成人したアスリートらしく自発的に社会的な活動を行えたのは、今後の彼らの活動、競技生活にとって非常に重要なターニングポイントになることでしょう。

真央選手も小塚選手も、他の全てのアスリートの方も、普段は自分の競技に打ち込むことが生活の大部分を占め、フィギュア選手のように人生というスパンでも大部分を競技が占める方も少なくありません。
それは世界で戦うには必要なことですが、良く言えば純粋培養、悪く言えば井の中の蛙というか世の中の事、社会がどう動いているのかということに触れたり、深く考えたりすることなく年を取っていくことになります。
しかし今日本は未曾有の国難といっていい事態に面しています。普段アスリートの方は「ファンのみなさんにいい演技を見せるために頑張ります」「ファンの方の応援が力になりました」ということをよく口にしますが、彼らにとって今回、これらの言葉はいつも以上に実感を伴い、重みをもって口にだされることと思います。
大会期間中、会場でも募金活動などをする予定だとの事。選手が立つことはフリーが終わるまでは多分なく、終わった選手から順にはじめてエキシビジョンで全員集合、ということになるのではないかと予想していますが、素晴らしいことですね。


そして真央選手個人の話でいうと、やはり何度も言うようにコーチがいるというのは本当にありがたいというか、重要なことなんだなというのが改めて感じられる記事でした。
毎回同じことを書いているような気もしますが(笑)でも本当に、17歳からずっと、つきっきりで見てくれるコーチがいなかった真央選手のこれまでの苦労を思うと、毎回痛感するんですよね。
特にこのような非常に特殊な状況になってしまった今となっては、彼女が一人でなくて本当によかった。今回のような事態になった時に、「まず休みなさい」と言ってもらえる存在がいたことは。
練習熱心な真央選手ですから、もし一人だったら、コンディションを落とさない様にとずっと同じペースで練習を積んでいたかもしれませんし、信頼できるコーチがいて、その人からそういう指示が出るということだけでも精神的な負担はだいぶ違うはずです。

最後にお母様のコメントがあったのにはびっくりしました。
真央選手を全力でサポートするものの殆ど表に出ることはないお母様の心情を垣間見ることができたのはファンとして嬉しかったです。
今季真央選手が20歳になったのを機に、少しだけフィギュアにおける真央選手へのかかわりを薄くしたと聞いていますが、だからこそある意味客観的に振りかえってこういう場でコメントできるのかな、という気もしました。まあ、だからといって今後お母様からマスコミへのコメントが増えることはないと思いますが・・・。

大震災、世界選手権開催サスペンデッド、ロシア開催決定と日程の変更、新たな時差とピークコンディショニングへの対応と調整など、この1カ月あまりで非常に競技的にも精神的にも大変な時期だったと思います。
全ての選手がその中でもベストな演技ができますように。選手にとって悔いの残らない、熱く爽快な戦いになることを祈っています。

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こんな時にナンですが、真央選手、この1年で本当に女性らしく、きれいになりましたね。
練習着?のモジモジ君ウェア、髪もさっとまとめ、化粧っけのない状態でこの美しさ。
若い(笑)というのもあると思いますが、やはり年頃の女の子ってすごいなあと思います。きっとロロパパは感激して泣いてしまうんじゃないでしょうか(試合での演技を見たら余計に)。



*** おまけ ***

モスクワに到着した高橋大輔選手と小塚崇彦選手の写真がありました。
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いよいよですね。怪我のないように頑張って下さい!

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<世界フィギュア>25日開幕 浅田、高橋連覇なるか
毎日新聞 4月23日(土)19時6分配信

 フィギュアスケートの世界選手権は25日から6日間、モスクワで行われる。当初は3月21日から東京で開催予定だったが、東日本大震災の影響でモスクワで代替開催されることになった。日本勢は男女各3人とペア、アイスダンスの各1組で臨む。前回トリノ大会を制した浅田真央(中京大)と高橋大輔(関大大学院)には2連覇が懸かる。海外勢では、バンクーバー五輪女子金メダルの金妍児(韓国)が約1年ぶりに復帰し、浅田との再戦が注目される。【芳賀竜也】

 ◇東日本大震災受け モスクワ代替開催
 女子は、浅田と、グランプリ(GP)シリーズ2戦と全日本選手権を制した安藤美姫(トヨタ自動車)に注目。浅田はジャンプ修正のためシーズン前半はつまずいたが、いずれも2位だった全日本選手権と4大陸選手権でともにトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決め、上り調子だ。安藤はフリーに絶対的な安定感があり、4大陸選手権で初優勝を飾るなど優位な位置にいる。冬季アジア大会を制した村上佳菜子(愛知・中京大中京高)は伸び盛りだけに飛躍が期待される。

 男子は、4大陸選手権を制した高橋が本調子を取り戻せるか。GPファイナルの練習中に小塚崇彦(トヨタ自動車)と衝突した影響か、同大会と全日本選手権は振るわなかった。フリーで確実に4回転ジャンプを決めたい。織田信成(関大大学院)はSPでも4回転ジャンプに挑戦する方針だが、SPのリードをフリーで崩す試合が続いている。「鬼門」での失敗は避けたい。小塚は世界ランキング下位のため予選からの出場となるが、全日本選手権初優勝の演技が再現できればメダルも現実味を帯びる。

 ペアは高橋成美(木下工務店ク東京)、マービン・トラン(カナダ)組、アイスダンスはキャシー・リード、クリス・リード組(木下工務店ク東京)が出場する。

2011年4月24日 毎日新聞

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<参考リンク>
挑戦 真央らしく -朝日新聞

<関連コラム>
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by toramomo0926 | 2011-04-22 10:55 | フィギュアスケート


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