安藤美姫選手がフリーでミスはあったものの落ち着いて素晴らしい演技を見せて逆転で優勝となりました。2位には2つのミスがありながら、なぜかGOE(出来栄え評価点)でマイナスが全くないという摩訶不思議な加点の恩恵を受けて、キムヨナ選手が銀メダル。3位には素晴らしい演技を見せたカロリーナ・コストナー選手が入りました。おめでとうございます!! ISU World Figure Skating Championships 2011 -順位と得点詳細、タイムスケジュール。 それぞれの予選は「Preliminary Round Men」の種目名で表示されています。 「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、 「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、 「Judges Score」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。 *写真や動画はアップされ次第追加していきます。 ***** 安藤4年ぶり優勝、ヨナを逆転…世界フィギュア モスクワで行われたフィギュアスケートの世界選手権は30日、女子フリーで、ショートプログラム(SP)2位の安藤美姫(トヨタ自動車)が、2回転半―3回転の連続ジャンプでミスが出たものの他をまとめて、フリー130・21点、合計195・79点で逆転優勝。 2007年の東京大会以来4年ぶりとなる世界女王の座を獲得した。 SP7位と出遅れた前回覇者の浅田真央(中京大)は、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が回転不足で2回転半の認定となり、他のジャンプでもミスが出て114・13点、計172・79点の6位。SP10位発進の村上佳菜子(愛知・中京大中京高)は、112・24点、計167・10点で8位だった。 SP首位の金妍児(キムヨナ)(韓国)は、3回転ジャンプが1回転になるなどフリー128・59点と伸び悩み、合計194・50点の銀メダル。 2011年4月30日 読売新聞 ***** 安藤美姫選手、優勝おめでとうございます!! 今シーズンはグランプリファイナル以外はすべて優勝という素晴らしい成績を残してきた安藤選手。この世界選手権ではダブルアクセル-トリプルトウループ(2A-3T)のセカンドジャンプが2Tになってしまいましたが、あとは全てのジャンプ、エレメンツを落ち着いて決めて見事優勝です! ショートプログラム(SP)の時からすごく安定していましたね。今季、ステップの時の笑顔が今まで見たことないくらいに柔らかく穏やかで、心身ともに充実しているんだなというのが伝わってきていました。シーズンが深まり、勝ちを重ねるごとにその微笑みがどんどん自然なものになっていて、今大会もとてもきれいでした。白い衣装だったので、余計に柔らかい印象でした。 フリーの滑走前、モロゾフコーチから最後の言葉を掛けてもらっている時の表情が伏し目がちでコーチとあまり目を合わせない感じだったのでちょっと心配だったのですが、最後までしっかりと演じ切りました。 本当に素晴らしいシーズンになりましたね。選手として円熟した、まさに「ピーク」という演技を見せてくれたと思います。 来季休養のうわさがありどうなるのか気になりますが、まずは自分を充分に褒めてあげて、ゆっくり体を休めて下さい。バッシング等で苦しんだ時期がありながらもそれに負けてしまうことなく、本当に素晴らしい選手になったと思います。 おめでとうございます!!お疲れさまでした!!! Miki Ando 2011 World Championship FS -Piano Concerto in a minor 2位はキムヨナ選手。 私が今大会の彼女の演技を見て感じたのは、 どんなプログラムでも作る表情が毎回同じなんだなということ。 1回転に抜けたジャンプに加点を与えているジャッジがいること。 明らかなフリップのエッジエラーは完全に見逃されて、そのジャンプに加点がついているということ。 完全にトラベリングしているスピンでもレベル4を取れるのはつくづく不思議だということ。 明らかなミスジャンプでもGOEの減点がないのは他の選手の減点傾向と比べて非常に不公平だということ。 SP、フリーともに、ステップをいつやったのかがよくわからなかった(つなぎとの区別がつきにくかった)ということ。 ISUの採点とジャッジには完全に失望させられ、随分と選手やファンはバカにされたものだなあと感じたこと。 そして、彼女は幸せな人だなということです。 たとえそれが裸の王様、愚者の楽園的なものだとしても、ファンや選手から尊敬されなくても、「名誉とそれに付随してお金が手に入ればOK」と開き直ったように見える人は強いし、自己完結しているから幸せなんでしょうね。本人はよくいろんなことに不平を述べているようですが、ハタから見れば幸せですよきっと。不幸だともいえますが。 そして彼女に望むことは、二度と競技には戻らないでほしいということだけです。 今回彼女は明らかにパワーもオーラも落ちていて、これまで以上にプログラムの内容は全く記憶に残らないものでした。1年間もったいつけた割には心には残らない演技で、正直残念でした。 ですが今回2位となったので、この実績をひっさげて、「オマージュ・トゥー・コリア」を目玉に、母国のアイスショーで観客を動員できれば結構なことですね。 Yuna Kim 2011 World Championship FS -Homage to Korea 3位はカロリーナ・コストナー選手!! 本当に今大会のカロリーナは素晴らしかったと思います。特に今日のフリーは、私は今まで見た彼女の演技の中で一番心を揺さぶられました。 神がかった時のカロリーナはいつもの長身にさらに輪を掛けて大きく、美しく見えます。なんか見ていて感動的でした。演技が終わった時、彼女も手ごたえを感じていたようですごく嬉しそうでしたね。 シーズンの締めくくりを満足いく出来で締めくくれて本当によかったです。来季また素晴らしい伸びやかなスケートと、素敵な衣装を見せてくれる事を楽しみにしています。 Carolina Kostner 2011 World Championship FS -L'Après-Midi d'un Faun 4位はアリョーナ・レオノワ選手! SP、フリーともに本当に素晴らしい演技でした。彼女の良さが十二分に出せていて、体全体を使ったエネルギッシュでコミカルでキレのいい、これがアリョーナ!という魅力全開でした。 これまではSPがよくてもフリーでミスをしてしまったり、という不安定な感じがありましたが、今日のフリーを見ていて「すごく上手くなってる!!!」とコーフンしてしまいました。 今回のような演技を実現できて、表彰台はなりませんでしたが4位という順位を取れたということはすごく来季に向けて自信になるでしょう。彼女のようなタイプの選手が自信を付けると、来季非常に伸びてくる可能性が高いですね。ロシア女子は全員ソチ五輪に向けて順調に成長しています。楽しみでもあり、日本としては脅威ですね(笑)。 でも素晴らしい演技でした!アリョーナおめでとう!! Alena Leonova 2011 World Championship FS -The Witches of Eastwick 5位はアリッサ・シズニー選手! 佐藤有香さんとジェイソン・ダンジェンさんご夫妻のコーチについてから更にスケーティングなどが向上してきているアリッサですが、ちょっとジャンプに不安定さがまだ残っていますね。 本当に本当に美しい滑りをする選手で、ご本人も美貌の持ち主であり、衣装も毎回すごくステキなので見ているとうっとりしてしまうのですが、ジャンプミスでその流れが途切れてしまうのが夢から醒めてしまう感じで非常にもったいない。 頑張りやの彼女の事ですから、きっと来季は素晴らしいジャンプとパーフェクトなプログラムを見せてくれるだろうと思っています。有香さん夫妻もついていますしね。 来季を楽しみにしています!お疲れさまでした!! Alissa Cizny 2011 World Championship FS -Selections from "Winter Into Spring" 浅田真央選手は6位です。 現地での練習の様子を見て、ものすごく細いのが気になっていました。そしてSPの6分間練習ではジャンプを跳んでいる姿を一度も確認することができず、すごく心配しましたが、やはり調子を落としてしまっていましたね。 報道によると、震災のニュースに接して食事が摂れなくなり、4~5kg痩せたのだそうです。 ***** 東日本大震災の影響で、3月に東京で開催される予定の大会が中止。延期され、今回の代替開催まで調整の変更を余儀なくされた。被災地の惨状を目の当たりにした真央は「こんな時に大会にいってもいいのだろうか」と練習に身が入らなくなった。みかねた佐藤信夫コーチ(69)が1週間の休養を与えたが、重要な時期に食が細くなり、同コーチは「一度精神的に緩めなければならず、その後、調子が上がってこなかった。体もやせた」と指摘。関係者によれば「いつもより4、5キロはダウンしている」と証言する。 2011年4月30日 サンケイスポーツより抜粋 ***** 真央選手はもとからきっちりと体調管理とトレーニングを積み、体脂肪を低いところでコントロールしている選手。五輪のころは体脂肪率は7%しかなかったといいます。 そんな彼女が突如として4~5kg痩せてしまったら、脂肪がないんですから筋力が落ちてしまいますよね。 フリーでは最初のスピンで少し身体がよれましたし、ステップの時もいつもどおりに身体を動かそうとするけれども体力と筋力がついていかない感じで、体を動かそうとする度に、その勢いで自分自身の体が振られてしまうみたいな様子が何度か見受けられました。あれだけ痩せてしまったら、アスリートレベルでの運動は危険なんじゃないかとすら思ってしまいました。 彼女は芸術家ですし感受性が非常に豊かで繊細なんでしょうね。 SPは全くスピードもなかったですし精彩がありませんでしたが、フリーでは真央選手の話す「今やれることをしっかりやる」という目標は達成できたのではないかと思います。あの状況で、信夫コーチからの2Aに変更というオファーを断り、3Aから逃げずに挑んだことは素晴らしかったと思っています。 何より、真央選手は今季からジャンプ修正に取り組んでいます。10月の頃は今の美しいジャンプ、幅のある回転軸の細いジャンプが跳べている彼女を想像するのは正直難しく、2年くらいは棒に振るかもしれないと考えていたことを思えば、今の状況は奇跡的ともいえます。 真央選手が途方もない頑張りでどんどんこちらの予想を上回るスピードで向上してくるのでついついこちらも望むハードルをどんどん上げてしまいそうになるけど、真央選手の今はあくまで「過程」。これから傷ついた心と疲れた体をしっかり休めて栄養を取って、楽しいことをしてリラックスして、来季更に私たちを熱狂させる滑りを見せてくれるように祈っています。 今大会を見ても、改めてすごくスケートが滑るようになり、ジャンプの着氷も軽やかになったと感じました。信頼するコーチや練習仲間もついているし、あせらずにじっくり作り上げていってほしいと思います。 お疲れさまでした。 Mao Asada 2011 World Championship FS -Liebestraum 7位にクセニア・マカロワ選手! 正直今シーズン序盤は、彼女が今季だけでここまで伸びてくると思っていませんでした。すごくしっかりとした、かつ女性らしいスケートをするけれど、まだしばらくは不安定かな、と思っていたのです。 ですが今大会の彼女はもうすっかりシニアスケーター、しかもトップグループに食い込む力を存分に見せつけてくれました。 顔のほくろが印象的な、もう美女といっていい美少女。これからどんなスケーターに、どんな女性になるか楽しみですね。 Ksenia Makarova 2011 World Championship FS -Evita 村上佳菜子選手は8位でした。 きっとシニアの世界選手権という雰囲気は、こちらがTVで想像しているよりずっと張りつめたものがあるんでしょうね。SPから明らかに緊張していて、2Aでミスをしてしまいました。 そしていつものような点の出方がまったくなく、今季の戦い方だったSPでスタートダッシュ、という形がとれませんでしたね。 ですがフリーでは山田コーチに「できる!」と伝え、自らを奮い立たせて臨んだ通り、多少ミスはあったものの素晴らしい出来だったと思います。初出場ですし、10位以内は立派です。 ただ、やはりこの世界選手権で、今後自分が進む道の険しさを彼女自身も感じたと思いますね。 これを奮起材料にして、来季からシニア参入のロシアンガールズや同年代の選手に、そしてもちろん先輩スケーターにがっちりついていく戦い方を見せてほしいと思っています。 これから身体の変化もあるし大変と思いますが、この時期を乗り越えた人だけが女子トップスケーターになれます。頑張って下さい!!! Kanako Murakami 2011 World Championship FS -The Mask of Zorro 開催が遅れて選手の皆さんは本当に大変だったと思いますし、オフの期間が減ることにもなりますから、これから来シーズンに向けての準備も例年より忙しくなるのではないかと思います。 忙しいと思いますがしっかり身体を休めて、怪我のないように充実したオフを過ごしてほしいと思います。 選手の皆さん、お疲れさまでした!! ***おまけ*** 競技を先に終えた小塚選手や高橋選手(映ってないけど多分織田選手も)が、試合会場で募金などの活動を行っていたようです。 エキシビジョンの時には女子選手を始めチームジャパンが勢ぞろいで活動を行うとの事。 お疲れの所ありがとうございます。 <関連コラム> 浅田真央選手、公式練習に臨む 2011年4月27日 世界フィギュア展望 -日本経済新聞「フィギュアの世界」 2011年4月24日 思い切り演技 励みになれば-浅田真央選手:挑戦 真央らしく 2011年4月22日 2011世界選手権、男子SP 2011年4月27日 浅田真央選手、2度目の世界女王に -2010世界選手権 2010年3月28日 キムヨナ選手今季使用曲についての危惧 2010年12月2日 韓国東亜日報の記事-フィギュアスケート採点の信頼性に激震 2009年10月29日 キムヨナ選手の「世界最高得点」の意味を考える 2009年10月20日 「競技」としてのフィギュアは死んだのか 2009年10月18日 もっと競技と他選手に敬意を 2008年11月29日 順位に異論はないけど、採点は大いに疑問 2008年10月30日 キムヨナ選手、グランプリシリーズ欠場を発表 2010年7月19日 キムヨナ選手、現役続行の意向 2010年5月31日
by toramomo0926
| 2011-04-30 23:14
| フィギュアスケート
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