「 我慢」を重ねた飛躍の一年 -小塚崇彦選手
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東海ローカルのスポーツ番組「スポケン!」で小塚崇彦選手の特集が放映されました。
今シーズン(2010-2011シーズン)彼は大きく飛躍しグランプリシリーズ2勝、ファイナルは銅メダル、全日本選手権制覇。そして世界選手権では自身初の表彰台となる銀メダルと、本当に素晴らしい活躍ぶりでした。
そして3月に東日本大震災があってからは、自身も選手権延期など難しい調整をこなしながら自ら豊橋市長にかけあいチャリティ演技会を企画、見事成功させました。
彼は本当に今季スケーターとしても、また人間としても大きく、素晴らしく成長したなあと感じます。そんな彼の1年を振り返り、今後の意気込みを語っていました。





震災の影響でひと月延びた世界選手権終了直後の、2011年5月7日。
愛知県豊橋市で、東日本大震災チャリティー演技会が行われました。

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会場では選手たちが募金箱の前に立ち、募金をお願いしていました。


この演技会の企画立案をしたのが、小塚崇彦選手。
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自ら豊橋市に赴き、市長と開催の交渉をし、ホームセンターで自ら買ってきた道具で募金箱も作りました。

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何度見ても、この募金箱はとてもよく出来てると思います。木箱を縦置きにして、通常持ち手として使う穴を募金口にするなどの合理的なアイデアがいいですね。
入れたお金が分かるようにアクリル板を貼り付けているのもいいです。


小塚選手の真摯な思いに賛同した浅田真央選手、鈴木明子選手、村上佳菜子選手、自らも被災した羽生結弦選手など国内トップスケーターをはじめとする多くの選手が参加。また、世界選手権から帰国したばかりの高橋大輔選手と織田信成選手もサプライズゲストとして登場。普段アイスショーを企画してもこんなに豪華にはならない、というすごいメンバーで、大成功のうちに終了しました。
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安藤美姫選手は既にロシアでチャリティアイスショーへの出演が決まっていたので出られませんでしたが、その代わり準備を手伝ってくれたそうです。

浅田真央選手は記者会見でこのように語っています。
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少しでも被災者の力になりたい、自分一人では小さいが、みんなと一緒なら大きな力となると考えたそうです。
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精神的に大きな成長を遂げた22歳。


小塚選手は平成元年生まれ。祖父、両親、そしておばもフィギュアスケーターという一家に生を受けたサラブレッドです。初めてスケート靴を履いたのは3歳、本格的に練習を始めたのは5歳。
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彼の努力と才能がついに今年ひとつの実を結びました。
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グランプリシリーズでは2勝。フランス杯で、当時世界2位となる高得点をたたき出しました。
これまで高橋大輔選手、織田信成選手の後につづく「第3の男」と言われていた彼が一気に日本のみならず、世界のフィギュアシーンで存在感を増しました。

彼の躍進の理由に、精神的な成長がありました。2010年のオフにカナダで1ヶ月半にわたり単独合宿した経験が大きかったようです。
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海外での生活は、食事の支度や練習スケジュールを組むという、普段何も考えなくてもお膳立てがされていて、何もしなくても動いていくようにすら感じていたことを全て一人でやらなくてはならないことを意味します。
そこで彼は今まで自分がいかに守られ、助けられてきたか、環境に甘えてきていたかということを痛感したようです。
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これが彼が初めて一人で作った夕食。・・・すごいがっつり系(笑)。これ、全部一人で食べたんでしょうか・・・さすがアスリートというべきか、若いというべきか・・・。
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でも本当に、家に帰ってご飯が出来てるって有り難いですよね~。そういうことが分かっただけでもすごく成長するというか、人間として視野が広くなりますね。


帰国後、明らかに彼の練習態度は変わったのだそうです。普段疎かにしていたタイプの練習メニューもしっかり気を配って取り組むようになった、と佐藤信夫コーチも話していました。
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精神的にたくましくなり、積極的にスケートに向き合うようになったとのこと。


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私が彼に対して感じたのは、顔つきの変化ですね。2009-2010年もすごく大人の顔になったなと思ったのですが、
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2010-2011シーズンは更に顔つきがキリッとして、年齢的なものだけではなく真の意味で成長したなあというのが試合ぶりや発言などから感じられていて、顔つきにもそれが表れていたように思います。ほんとにいい顔つきになって来ました。
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グランプリシリーズを2戦2勝、グランプリファイナルでもショートプログラムで出遅れても気持ちを切らすことなく滑り切り、銅メダルを獲得。
「練習をしっかりやれば、結果が付いてくると実感した」と今季の手ごたえについて話していました。

常に調子がよかったわけではないが、悪い時でも結果を残すということの重要性、そのようにしていく必要があるということを考えていたそうです。
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彼の父親であり常にコーチとしても成長を見守ってきた小塚嗣彦コーチも、彼の変化をこう語ります。
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良い時も悪い時も、同じレベルの同じ練習をすることが重要。それに必要なことは・・・
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小塚選手、相当我慢したんですね(笑)。

でも調子が悪い時や疲れている時、気分がのらない時も人間ですからあると思います。そこで気持ちをしっかり保って、練習をきっちりこなす。そしてただやるだけではなく、練習の質も常に高いところに保って集中して臨むのは「我慢」や忍耐が必要ですよね。それを毎日毎日続けることは、精神的にも肉体的にもかなり辛いものだろうと思います。でも、それがしっかりできたからこそ、今季の成績があったということですね。
これは、小塚選手本人が何度も話している通り、浅田真央選手に触発されたところが大きいのでしょうね。
「どんなに疲れていても、いつも決まった練習メニューをやってから1日を終えている。これだと思った」ということをこのシーズン何度もインタビューなどで話しているのを目にしました。
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小塚選手のお母様である幸子さんも、このように述べています。
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精神的な成長が練習の質の向上につながり、それが結実したのが、全日本選手権でした。
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父親の嗣彦コーチは全日本選手権3連覇という記録を持っています。ちなみに佐藤信夫コーチは10連覇の偉業を成し遂げています。
フリーでミスはあったものの彼の正確な技術への評価は非常に高く、独特の緊張を強いられる全日本で初の優勝を飾りました。

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嗣彦コーチも喜びを語りました。
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今季日本チャンピオンとして臨んだ世界選手権。
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震災の影響で開催地と開催時期が変更になり難しい調整を余儀なくされました。また、彼は予選から出場しなければならなくなり肉体的な負担も大きかった。
しかし彼は予選をトップ通過し、SPでは意欲が強すぎてミスが出たものの、フリーではまさにこれが神演技、という素晴らしい演技をして自己ベストを大幅に更新、四回転ジャンプを複数跳んだ優勝者よりも高い技術点を得て、見事銀メダルに輝きました。
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フジテレビで解説していた本田武史さんも、J-Sportsで解説していた杉田秀男さんも感激した声で絶賛していました。



J-Sports版です。


我慢に我慢を重ね、継続して練習した結果がついに実を結びました。
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そして世界チャンピオンになるために、新たな課題を見つけました。
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来季のプログラムについては?
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来季は「情熱的な曲をやってみたい」と話していましたね。楽しみです。


本当に素晴らしいシーズンでしたね。彼の実力というのがそのまま、良い形で全て出し切れたシーズンだったと思います。
これから彼は本格的に世界でトップスケーターとして活躍していくことは間違いありません。彼のよく滑る、品のある美しい滑りが大好きです。
そして中国杯の時も、悪化する日中関係に配慮した発言を会見でしたり、今回のようなチャリティを熱心に行うなど、社会にもきちんと目を向けて活動できる真の世界トップアスリート、日本のエースとしての振舞いができる選手、男性になったと思います。
来季はもちろん、これからずっと彼の滑りを応援していきたいと思います。

小塚選手お疲れさまでした。来季も楽しみにしています!
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*** おまけ ***

スポケン!2009年5月3日放送

前回のスポケン!出演時の様子。
今回もこんななのかと思っていたら、特集という形でしたね。
この時は伊集院さんがホスト役でしたけど、今もこういうことやってるんでしょうか・・・メーテレが見られないので分からないんですけど(笑)


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by toramomo0926 | 2011-05-29 17:11 | フィギュアスケート


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