ジャパンオープン2011!-男子編
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10月1日、さいたまスーパーアリーナでジャパンオープン2011が行われました。
このジャパンオープンはとても変則的な試合で、チーム日本、北米、欧州という地域ごとの3チームに分かれ、1チーム4人(男女各2人)のプロアマ混合で行われる団体戦。試合はフリー1種目のみの合計点で順位が決まります。

今年の優勝は全員が演技をまとめたチーム北米!2位にロシアのヤングチーム&欧州王者の若手が頑張ったチームヨーロッパ。日本は3位となりました。


木下グループカップ フィギュアスケートジャパンオープン2011
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Score」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。


木下グループカップ フィギュアスケートジャパンオープン2011 公式サイト




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安藤美姫、高橋大輔ら出場の日本は3位=フィギュア・ジャパンオープン
 日本、北米、欧州のプロとアマチュアの男女混合2名ずつによるチーム戦、ジャパンオープンが1日、さいたまスーパーアリーナで行われ、日本は合計479.57点で3位だった。優勝は518.64点を獲得した北米、2位は517.94点の欧州だった。

 日本は安藤美姫(トヨタ自動車)、鈴木明子(邦和スポーツランド)、高橋大輔(関大大学院)、小塚崇彦(トヨタ自動車)が出場し、フリースケーティングを披露した。
 得点は、安藤がジャンプミスなどで88.11点、鈴木は大きなミスなく112.46点をマークした。高橋は130.79点で、両足着氷となった冒頭の4回転ジャンプはダウングレードの判定。小塚は4回転ジャンプを転倒したが、後はほぼクリーンな演技で148.21点だった。

2011年10月1日 スポーツナビ

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エフゲニー・プルシェンコ選手とキーラ・コルピ選手、サラ・マイアーさんの欠場は残念でしたが、この時期には信じられないほど素晴らしいメンバーが集まりました。
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基本試合としてはお祭りの意味合いが強いですが、採点はISUの国際ジャッジが試合と同じ基準で採点を行うため、選手としてはシーズン本格スタート前に国際ジャッジにどう評価されるかを見ることが出来る貴重な機会でもあります。


そしてゲストスケーターには、例年通り荒川静香さんとキャシー&クリスのリード姉弟!
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私は今年は現地には行かず、昨夜TVで観戦しました。更にTV東京が副音声を実況・解説なしにしてくれたので、ずっとそれで見ていました。
佐藤有香さんと本田武史さんという、普通の試合なら泣いて喜びそうな解説者の顔ぶれではあったのですが、今大会は試合としての重要性はあまりなくとも、ファンにとっては今季の選手のフリーを初めて見られるという大事な試合です。なので有香さんと本田さんの解説は魅力的ではあったのですが、まっさらな状態で一度演技を見てみたい、という気持ちの方が勝ちました。


TVでは、まずゲストスケーターの演技が放映されました。会場では恐らく試合中盤でハーフタイムショウとして行われたと思います。


荒川静香さんはケルティック・ウーマンの「Voice」を。
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荒川さんがジャンプミスするのをものすごく久しぶりに見てびっくりしました・・・。曲自体は割と淡々としているのですが、荒川さんがいつものしなやかさの中に、「強さを表現する」ということをすごく意識しているのを感じました。


リード兄妹は「Lady Grinning Soul」をしっとりと演じていました。
ダイジェストされていて全部は見られなかったけど、ここ1~2年でリード兄妹の演技はぐっとスムーズになり、曲に乗った「空気」を醸し出せるようになったと感じています。だからこそ、彼らの演技をフルで見たかった・・・
なかなかアイスダンスは、特に地上波では放映されることはないですし、残念なことでした。

そして、どうやらサプライズだったようなのですが、羽生結弦選手も出演しました!
昨季のショートプログラム(SP)だった「White Legend」をアレンジしたものを披露。先日のネーベルホルン杯では昨季のEX「Vertigo」を滑っていましたが、このプログラムも是非試合のEXで滑ってほしいなあ。
そして、これもやはりダイジェストされていました(涙)全部見たかった・・・・・・・




ということで、試合が始まりました。
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選手紹介にて、みんなで気合を入れます。


まずは男子から。
トップバッターは、今年のヨーロッパチャンピオン、フローラン・アモディオ選手。
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曲は「ベサメ・ムーチョ」。フランス国籍ですがブラジル生まれである彼には確実にラテンの血が流れてるわけで、表現がすごくうまい選手。これは彼の得意分野?ですね。
4回転サルコウ(4S)に成功!そして美しい3Aを見せてくれました。彼のジャンプは姿勢がとてもきれいなので、見るのが好きなんです。
リズムや楽器の音を細かいところまで拾っている振り付けは、彼の個性や魅力、長所をよく引き出すものだと思います。
ただ、今年も相変わらず「お休みどころ」が多い・・・・(涙)メリハリをつけて一瞬止まってキメポーズを取るのは選手には数秒でもかなり休息になるし、演技的にも印象に残りますが、あちこちにそれがありすぎると盛り上がりに欠け、緩慢な印象になってしまいます。
ミスの有無に拘わらず、楽曲的にもっと盛り上がるはずなのに、ここから一気に盛り上がるかな・・・というところでポーズ、というのが繰り返されてしまっている感じで、今回を見た限りでの感想ですが、ちょっと見る側としては不完全燃焼な印象。今後プログラムがどう変わっていくのかにも注目です。

アモディオ選手はニコライ・モロゾフコーチについてから飛躍的に成績を伸ばしました。選手に自信を持たせる指導、ジャンプの向上、そしてモロゾフメイドの「勝てるプログラム」を授けられたことも大きいのだろうと思います。アモディオ選手は性格的に自信を付けると一気に伸びるタイプだと思うので、すごく合った指導だったのでしょうね。
ただ、(これは私の印象で、断定するつもりはありませんが)モロゾフコーチはアモディオ選手に高橋大輔選手への夢をダブらせているように見える時があります。表現が難しいのですが、高橋選手で叶えようとしていた夢をアモディオ選手に転嫁しようとしているのか、高橋大輔選手のようなスケーターを作ろうとしているというか、何と言っていいのか分かりませんが、高橋選手でやろうとしていたことをアモディオ選手で叶えようとしている、という風に見えることがあります。
今回の選曲も、高橋選手の昨季のSP「マンボ」と非常に似た世界です。曲の随所に入る「ウッ!」という掛け声で高橋選手の昨季の曲が浮かんだ方は多かったのではないでしょうか。そして曲の後半ステップの部分の笛が入った華やかな曲の感じとか、私の中でずっと高橋選手のマンボがダブっていました。

まあ、ラテンという音楽のジャンルが非常に特徴あるものなので曲が似てきてしまうのは仕方のないことですが、ニコライ・モロゾフコーチについては、見ていてちょっと考えてしまう時があります。時々高橋大輔選手の幻を未だに追っているように見えることがあるんですよね。

まあこれは、高橋選手とモロゾフコーチの見せてくれる世界が当時の私にはあまりにも素晴らしいものに見えていて、高橋選手がスケーターとしてものすごく自信を付けて伸びてきている時期とが重なり、理想的なコンビネーションに見えていた事が大きいと自覚しています。
日本選手であれだけ表現としての「世界」を作れる選手が出てくるとは思いませんでしたし、「ガラスのエース」と呼ばれていた彼がどんどん貫禄を出してくるのも嬉しかった。ヒップホップを取り入れた斬新なプログラムを見せてくれるなどの嬉しい驚きをたくさんもらっていました。
それが突然、当事者を含めて誰も望んでいなかったのに師弟関係が断たれてしまった無念さというのが自分の中にあるので、余計にそう見えるのかもしれません。これに関しては私の個人的感情に基く思い込みによるものが大きいと思いますし、見方は人それぞれだと思いますが、私自身はたまにそういうことを感じてしまったりします。

ともあれ、アモディオ選手も今季しっかりと4回転を入れて来てますね!しかも殆どの方がトウループから入るのに、いきなりサルコウでした。
若い人たちのポテンシャルって凄いですね。今季も活躍を期待しています!!





次に小塚崇彦選手。世界選手権銀メダリストとして臨む今季最初の試合です。
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小塚、今季のチャレンジは「好きな音楽で心から感じた事を表現」
「まず、自分が今どういう状態にあるかを判断できるように、一生懸命、最後まであきらめないで滑ってどこまでいけるか、ということを目標にしていました。
まだまだ体力も足りず、最後のステップでもっと気持ちよく滑りたかったのですが、トゥが引っかかってしまって滑り切れなかったのが一番悔しいです。
今の状態はまぁまぁだと思います。このまま1つ1つ問題をクリアにしてシーズンに入れたらいいと思います。

(今シーズンのチャレンジは)好きな音楽で、心から感じたことを表現するということを1シーズン積み重ねていきたい。そこを大事に、ベースとしていきたいです。(技術的な面は)シーズンを追っていくにつれて、ジャッジの傾向を見極めながらできたらいいなと思います。
(フリープログラムは)自分が気に入って、音楽を聞いて気持ちいいと思った曲で滑らせてもらっているので、その気持ちを前面に出して、感じるままを滑っていきたい。壮大な曲なので、自分自身が追いつけていないのですが、これから練習をこなして、音楽を聴いて感じるものを出していきたいです」

2011年10月1日 スポーツナビより抜粋

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今季のフリーの曲は「ファンタジー・フォー・ナウシカ」。自ら曲を編集し、録音にも立ち会うという力の入れ具合から見ても、やはり世界トップを狙うというモチベーションを感じますし、本人もはっきりと「ソチで金」という目標を据えて臨んできている、という気迫を感じました。
曲名が報じられてすぐ楽曲のみを検索して聞きましたが、とても美しい曲だったけれどもこれをどういう風にして来るのかというのが自分の中ではっきりイメージできず、今大会を楽しみにしていました。
ただ、この楽曲については、初めて編集されたのを聞いて「随分難しいものを持ってきたなあ」という気持ちは正直なところ起こりました。
ナウシカのクライマックスで繰り返し流れるハミングのようなメロディ(サーキュラーステップの部分)があまりに有名なので、その部分だけ突出して聞こえるようにも感じました。これから演技が更にこなれて曲と更に一体化したときにどういう風に聞こえてくるのか、その変化も今後楽しみにしていきたいと思います。

衣装の柄も、「ナウシカ」チックといえる感じ?ちょっとインドっぽい装飾にも見えますね。背中には縦にギャザーがついていて、内部は赤に染められていました。これが何を表しているのかが気になります。内なる炎(情熱)なのか、オームの怒りの目も赤かったですよね。
ナウシカというテーマがテーマだけに、ただ美しいね、という曲ではないしそれ以外の何かが絶対に曲や演技に込められているはずで、ここに赤を持ってきていることに意味があるのではないかと考えています。これはインタビューとかでどなたか彼に質問してもらえるといいですね。

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4回転トウループ(4T)では転倒してしまいましたが、ジャンプについてはやはり素晴らしいなと思いました。ジャンプが完全に演技の流れにくみこまれているというか、ジャンプを跳んだことが体が滑って行く流れを止めず、跳ぶ前と同じスピードで着氷しそのまま演技が続く、という感じで、よく言う「流れのあるジャンプ」というものよりも、ジャンプとそれ以外を分けない演技というか「ジャンプしても演技全体のスピードが落ちない」という素晴らしいスケートでした。
後半ウォーレイからの3フリップ(3F)を入れていたのもびっくり。
ステップで躓いたのと最後のスピンに珍しくふらつきがあったのを見てヒヤッとしましたが、初戦としてはまずまずだったのでしゃないでしょうか。
小塚選手も演技終了後は会心の演技ではなかったけど及第点、という顔をしてましたね(笑)。そしてキス&クライでは得点が出た時「まあまあ」と言ってました(笑)。「おしゃれイズム」に出演していた時に話していた通りでしたね(笑)
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小塚選手は、これまでは「ソチで表彰台に上がれたらいいな、世界選手権でメダリストになれたらいいな」という感じだったものが、昨季大いに自信をつけ、世界選手権銀メダリストになったことによって、自分でもはっきりと「ソチの表彰台の中央にいる自分」をイメージできるようになったんじゃないかと思います。
トップに立つ力が自分にはある、ということを自分自身がしっかり強固に信じられるようになった、という風に見えます。
しっかり「勝つ」というイメージが出来た上で試合に臨んでいる彼は、今季更に飛躍すると信じています。「音」を表現するという姿勢がどんどん鮮明になっているのも見ていて気持ちいい。頑張ってください!




次にチーム北米のリーダー的存在、ジェフリー・バトルさん!
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彼は本当にいつまでも現役感がみなぎっていることにびっくりです。昨年のジャパンオープンでは調子を崩していてあまり良い演技ができなかったようなのですが、今年はきっちりと決めてきました。トップスのグラデーションの色合いが渋くて素敵でした。
2004-2005シーズンのフリープログラム「Naqoyqatsi」日本では初披露だそうです。

鼓動のような音が印象的な音楽。途中のスピンに目を奪われました。3回ターンした後にそのままスピンに突入、足を換えてドーナツスピン。あの入り方であれだけ回れるものなんでしょうか。次いでイーグルからのコンビネーションジャンプ。彼は2008年で引退しているのに、いまだに現役と見まごうほどの演技を毎回見せてくれますね。動きもきちんとメリハリがあり、全てのポジションが美しい。スケートがものすごくうまいダンサー、と言ってもいいくらい体の動きが素晴らしいですよね。
彼は見た目のイメージより、きっと自分にはすごく厳しい人なのでしょうね。プロになると試合のように決まった要素をこなす必要がないので自分の得意なことしかしなくなる人もいるけれど、彼はきっと現役の時とあまり変わらないレベルのトレーニングをきっちり続けているのではないでしょうか。
美しさに加え、今回は繊細さというよりも力強さというのを感じました。素晴らしかったです。




次には18歳の若さで今年の世界選手権銅メダリストとなったロシアのホープ、アルトゥール・ガチンスキー選手!
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4Tは転倒がありましたが、相変わらずものすごく落ち着いた、美しい滑り。「インタビュー・ウィズ・バンパイア」の曲も既に自分の中にしっかり取り込んでいるという感じがしました。イーグルからの3A、3A-3Tもきっちり決めて、素晴らしい!
ガチンスキー選手を見てると、「きっちり教育を受けている」という感じがすごくします。スケーターとしても勿論ですが、芸術の国ロシアで英才教育を受けて来ていると思われるだけに所作などがとても美しく、バレエのような身のこなしや目線の配り方などが本人でも無自覚なレベルにまで自然に身についている感じがします。それは今回一緒に出場しているタクタミシェワ選手や、世界ジュニア女王のソトニコワ選手も同じです。やはりおそロシア。小さい頃からの教育ってやっぱり大事ですよね。

すごく将来性も感じるし大物感も伝わってくるのですが、彼自身気持ちというのがちょっと見ていてはかりかねるところがありますね。良くも悪くも落ち着いている。ただそれは、パトリック・チャン選手のような無表情な感じともちょっと違う。無表情というよりも寡黙という感じですかね。
彼のロングインタビューをワールド・フィギュアスケーティング誌とかで是非企画してほしいなと思います。彼がどういうキャラクターで、どういう事を考えているのかをすごく知りたいと見ていて思いました。
ジュニア時代一緒に戦う機会が多かったフローラン・アモディオ選手と選手応援席で談笑しているのを見ると、彼はなかなかチャーミングなキャラクターなのではないかと思ってます。ミステリアスなだけに興味を惹かれる選手です。




高橋大輔選手はブルースというジャンルに挑戦しました。曲名は「Blues for Klook」。
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高橋大輔、フリーでブルースに挑戦「イメージを変えたい」
「今シーズンはオフの過ごし方が今までと違って、今回試合をしてみてどういう結果になるのか、期待しながら、でもどうなるのかと思いながら試合に臨みました。結果は自分が想像していたよりもできてなくて、まだまだだなと感じました。ジャンプ、スピン、ステップ、単体で練習しているときはもっと質の良いものができていますが、試合になると自分の演技ができていない。次の試合に向けて、今までやってきたことをコツコツやって、ちょっとでも成長できたらいいと思います。

(技術的な面は)もともとスピンでレベルを落としていたんですけど、(ルール改正で)さらに落としやすくなったので、なかなか苦労しているところです。ステップは取りやすくなったとは言われていますが、エッジワークだけではなくて、踊ったり見せたりというのも大変なので、今までと変わりません。
 今年は3年後を見据えて、靴メーカーを変えたり、スケーティングを見直したり、オフアイスでレッスンを受けたり、そういうところをちょっとずつやっているので、それが実を結べばいいなと思います。

(フリープログラムは)ブルースというジャンルでなかなか難しく、今まで避けてきたジャンルなのですが、今シーズンはショートもフリーもイメージを変えたい気持ちがありました。今までずっと練習してるのですが、いまだに解釈や、どう滑ればいいかというのが難しく、しっくりきていません。これから今シーズン終わりまで時間があるので、ゆっくりやっていきたい。オフの取り組みや表現の違いを、自分が当てつけるのではなく、お客さんに心から感じてもらえればと思います」

2011年10月1日 スポーツナビより抜粋

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ブルースという音楽がどういうものか、私自身知っているようで実はあまりよく分かってないという感じがするのですが、この曲は面白いですね。ちょっと「太陽にほえろ!」的なものも感じつつ(笑)私はすごく好きですね~。
高橋選手本人もこの選曲は「賭け。生かすのも殺すのも自分の演技次第」と話していたそうです。
サウンドはこの上もなくシンプルなのですが、音質が聞きようによってはちょっとオリエンタルにも思えそうな感じ。確かにこれは、演技が平凡だったりミスを重ねたりすると見ている方は興ざめ、単調なものになってしまうと思います。
そして今回、高橋選手はミスが多かったんですけれど、それでもやっぱりそこは高橋選手というか、観客の心は掴んでいたんじゃないかと思います。

最初の一音から観客の目を惹きつけましたよね。身のこなしだけで、腕一本上げただけでお客をくぎ付けにつるスケーターはそう多くありません。これは決まったらものすごくゾクゾクするような、中毒性のあるプログラムになるという予感充分でした。
失敗はありましたけれども、今季も高橋選手は私達を夢中にさせてくれるなという確信を持てたので大満足です。すごくスリリングなプログラムで、既に大好きになりました。音と更に一体化できる余地を残している分、逆に楽しみが増えた感じ。
膝のビスを抜く手術をオフにしたので影響はどうかとおもっていましたが、全くそういうことは感じさせませんでしたね。きっと高橋選手の今季は素晴らしいものになると思います。こうなるとSPも楽しみですね。




次はパトリック・チャン選手!曲は「アランフェス協奏曲」。
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世界王者のチャン、今年は「スケーターとしての自分を強く意識」
「昨年はとても良いシーズンで、すべてが1つにまとまって、すごく良かった。オリンピックでがっかりしたシーズンの後、生まれ変わったような気持ちでした。今年は試合で勝ちたいというプレッシャーから開放されて、むしろ競技者としての自分よりも、スケーターとしての自分を強く意識するようになりました。その部分が今まで欠けていた。スケーターとして楽しみたいし、人に言われた通りにするのではなく、練習も試合も自分が主体的になっていくことに頭が切り替わりました。
 技術的には昨年ピークに至ってしまったと思っています。4回転はサルコウの練習をしてみたり、ルッツやフリップも考えてはいますが、違う種類の4回転を入れることが最優先ではありません。フリーの『アランフェス協奏曲』はよりエモーショナルな部分が強く、大好きな曲。(曲に)入り込んで、どうやって表現していくかが一番だと思います」

2011年10月1日 スポーツナビより抜粋

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この時期ですから皆さん仕方ないんですが、チャン選手もジャンプで複数ミスがありました。でもこのプログラムは私は割と好きです。
昨年の「オペラ座の怪人」のようなあからさまに演劇チックな表現よりも、私はチャン選手はこの「アランフェス」のような淡々と、しっとりと滑っている方が好きです。滑りの良さだけをじっくり見ることが出来るし、その方がより際立つ気がするのです。
彼は普段の様子を見ると(キス&クライでも変顔をしたりして場を盛り上げてくれていましたが)すごく楽しい、気取らない普通のおニイちゃんという感じですが、実際にはすごく冷静でクレバーな人物なのではないかと推察します。そして正直、演劇的な表現はあまり得意でないのではないかと思います。小塚選手よりはシャイではないでしょうが、楽しいキャラクターと言ってもアモディオ選手のように何かがあふれ出ているという感じではない。
昨シーズンはそのあたりを克服するのもテーマの一つだったのかもしれませんが、そういう風にすればするほど彼の冷静な部分というのが余計に滲み出てしまって、却って無表情な、ちぐはぐな印象が際立ってしまったように感じます。
このプログラムのチャン選手は、彼自身の冷静さがうまく曲やプログラムのムードに合っていて、彼の童顔で「男の子」のイメージから男性的な静かな美しさみたいなものを感じさせることの出来る演技になっていくのではないかと期待しています。
彼の言う「エモーショナル」というのはそういうことなのではないかと思っています。シーズンの終盤にどういう情熱を見せてくれるのか、楽しみです。



長くなってきたので、女子編は別で書きます。
by toramomo0926 | 2011-10-02 08:57 | フィギュアスケート


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