ジャパンオープン2011! -女子編
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10月1日にさいたまスーパーアリーナで行われた、ジャパンオープン2011の演技の感想、女子編です。

男子編はこちら。

木下グループカップ フィギュアスケートジャパンオープン2011
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Score」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。


木下グループカップ フィギュアスケートジャパンオープン2011 公式サイト




女子のトップバッターは、アリッサ・シズニー選手!曲は“La Valse Triste” (邦題:悲しきワルツ)。
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写真が見つからないので、同じ衣装の写真(@2011全米選手権)で失礼します。


相変わらず素晴らしく滑るスケート。ちょっと体が締まったようにも見えました。
3-3も着氷(セカンドはちょっとグリ降り気味でしたが)しましたし前半は本当に素晴らしかったんですが、後半ちょっと疲れてしまったのかジャンプミスが目立ったのが残念!後半のスタミナが今季も彼女は課題になりそうです。
それにしてもスルーっと滑るスケートは見てて気持ちいい。スパイラルもスピードに乗って綺麗でしたね。
ずっと男子を見て来ての彼女の演技で、男子にはスパイラルがないので、アリッサがスパイラルをした時にちょっと新鮮な感じがしました(笑)やっぱりスパイラルっていいですよね。SPに復活させてほしいと思います。
ただ、後半になるにつれてちょっと姿勢が悪く見えてきたのが気になりました。猫背ということはないんですが、多分視線が下に落ちてしまっていて、何だかうつむきがちなように見えてしまったのかもしれません。
今季彼女は3ルッツ-3トウループ(3LZ-3T)と3Sを新たに組み込んだということで、ここを乗り越えてくると更にステップアップしてきますね。彼女も見ていてうっとりする選手ですし、楽しみです。




次はアリョーナ・レオノワ選手!今季から彼女もモロゾフコーチについているんですね。
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彼女も写真が見つからないので、近影と思われる写真で失礼します。


この写真を見ても分かる通り、彼女は随分大人になりました。髪の毛が伸びて女性らしさが増したからかもしれませんね。ただ一方で、少し丸くなった気も・・・・・。衣装のせいですかね・・・・シーズンが深まればだんだん絞れてくるでしょうかね。
ですが3T-3Tなどのジャンプは幅もスピードもあり、きれいでした。
レオノワ選手は割と躍動感のある、どちらかというとボーイッシュなイメージがありましたが、女性らしい演技もごく自然に、しっとりと演じることができるようになっていますね。
「シカゴ」での彼女には本当に心を奪われました。あのような演技をする女子選手が減ってきている感じがするのであの路線は捨ててほしくないんですが、こういう演技をするレオノワ選手もまた新しい顔が見られた感じですごくよかったです。
曲の「弦楽のためのアダージョ」も荘厳さと緊張感と迫力のある曲で、かっこいいですね。ステップのあたりまできっちり体力をもって滑り切ることができれば、圧巻の演技になりそうです。
なぜかは分からないけど、見ていて「頑張って!」と応援したくなってしまう魅力ある選手だと思います。

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試合とは全然関係ない写真ですみません。素敵な写真を見つけてしまったもので・・・。
私は彼女の目が好きなんです。
きれいな緑色で、ものすごく澄んでいます。
イリーナ・スルツカヤ選手が引退してから、女子世界トップスケーターグループの中にロシアの選手は不在という時代が長らく続きました。そこに彼女が一人で道を切り拓いた功労というのは並大抵のものではないと思います。後輩のソトニコワ選手とタクタミシェワ選手とともに、これから女子フィギュアは再びロシア勢が重要な位置を占める時代が来るのではないかと思います。頑張ってください!




鈴木明子選手は、優美に「こうもり」を滑り切りました!
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鈴木明子「原点に戻ってクラシックを滑りたい」

「オフに充実した練習ができて、1つ1つは質のいいものがようやくできてきていました。今回の試合でそれがどれだけ出せるか、スピードを出して最後まで滑りきるということをどれだけできるか試すつもりで滑ったんですけど、自分のベストではなかったですが、手応えを感じられた。1つ1つ修正を加えながら、より良いものが試合でできるようにしたいです。

(技術的には)スピンがあまり得意ではないので、プログラムの中でレベルが取れるように練習はしてきましたが、本番でテンションが上がってしまうと回転数が数えられなくなってしまって……(笑)いつもできてるのにって(コーチに)言われたのですが、自分では全然気付いていなくて。それでレベルを落とすのはすごくもったいないので、きちんと落ち着いて取れるようにしたいです。技術的なこともそうですが、自分の体で音を奏でるように滑ることを目標にしていて、たくさんの人が私のプログラムをお気に入りだと思ってくれるようにしたいです。
(フリープログラムは)ここ2シーズン、ミュージカルが続いていたので、ここで原点に戻ってクラシックを滑りたいなと思っていました。『こうもり』は小さいころから好きな曲で、聴いていて心地良く、テンションが上がって滑っていて気持ちが良いです。最後の盛り上がりでステップを踏むところは気持ちが高まるので、今シーズンを経ていくうちに、会場の皆さんと一体となって滑ることができたらいいなと思います。最後までスピード感あふれる演技がしたいです」

2011年10月1日 スポーツナビより抜粋

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明子選手が言う通り、クラシックの王道的な曲。とても華やかで、聞いているだけで心が躍るような曲です。きっと明子選手も滑っていて楽しいんだろうなという感じです。
滑りが昨季よりぐっとよくなったように感じました。彼女の言う通り「スケートをシンプルに楽しむ」という姿勢がすごく良く出ていたように思います。去年よりスピードも出ているように感じました。
明子選手の女性らしい、柔らかさのあるキャラクター、演技がすごく生きてます。
そしてステップ中盤で見せたバレエ的な踊りとステップがとても好きです。

見終わった後こちらも気持ちが軽くなってもう一度見たくなるようなプログラム。これを今年も何度も見られるかと思うと楽しみです。




ジョアニー・ロシェット選手は2004-2005シーズンのプログラム「火の鳥」をアレンジしたものを披露してくれました。
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新しいプログラムを出してこない、ということは今季も試合に出る意思はないということなのでしょうか・・・是非是非出て欲しいんだけどなあ・・・。
曲そのものと曲のテーマに合った振り付けが随所にあるのがとても見ていて楽しい。イナバウアーでリンクを横切りながら腕をゆっくり水平に広げるところは、本当に鳥が羽を広げているようでした。
一度3ループ(3Lo)が抜けてしまって着氷姿勢が怖かったところがありましたが、落ち着いて演技を続けました。彼女もきっちり練習を積んでいるんでしょうね。全くブランクを感じません。
このままサーシャ・コーエンさんみたいにほぼ引退状態が続いてしまうのでしょうか。それにはあまりにも惜しい。是非競技に復帰してほしいんですけれど・・・・。




今回女子で一番高得点を出したのは、今季シニアデビューとなるロシアの新星エリザベータ・タクタミシェワ選手!素晴らしい演技でした!
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3Lz-3T、さらに3S-3Tを成功させるなどジャンプは全てきれいに成功、2Aはタノにしてくるなど、底知れないポテンシャルを感じる選手です。
また、表現や表情の作り方、身のこなしも全てスムーズで美しい。特に手首から先の動きが美しいのが印象的でした。
曲はフローラン・アモディオ選手と同じ「ベサメ・ムーチョ」だったんですけど、やっぱり男女で随分違ったプログラムになりました。二つを見比べる楽しさもありましたね。
とにかく彼女はまだ14歳ということで一番女性が身軽にジャンプを跳べる時期ということもあり、全く危なげがありませんでした。そしてすごく「踊れる」子でもあります。音楽のメリハリを表情だけでなく、きっちり体全体を使って表現することが出来ています。素晴らしい才能ですね。そして憂いを帯びた瞳の美少女でもある。
グランプリシリーズが始まったら、日本にも更にファンが増えそうです。
今年の世界ジュニアで彼女の演技を見てから、間違いなくソトニコワ選手と一緒に女子のシニアを「荒らす」存在になるだろうと思っていましたが、確実になりましたね。すごくすごく楽しみです。衣装も良く似合ってて可愛かった。
本当は当日夕方に行われたアイスショー「カーニバルオンアイス」のみの出演のはずでしたが、サラ・マイアーさんが直前に怪我の為欠場となり、急きょこのジャパンオープンに出場が決定。そのためチームヨーロッパは、4人中3人がロシアというすごい編成になった訳ですが(笑)出場を受け入れてくれてありがとうと言いたいですね。そして彼女にとってもシニア参戦前の素晴らしい経験として残るといいと思っています。





安藤美姫選手はこれからの自分自身の方向性が決められていない気持ちの迷いがそのまま演技に出てしまいましたね。残念です。
そして終了後の会見で、今季この後の試合には出ず、完全休養に入る意向を示したとのことです。
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安藤美姫、今後については「いろいろな人ともっと話して決める」
「今シーズンは試合がないのですが、ジャパンオープンではいろいろな選手が新しいプログラムに挑戦してくる中で、自分がオフだからといって昨年のプログラムを(滑る)という気持ちにはなれなくて、2週間ほど前にロシアで振り付けをしました。夏ずっと滑っていなかったので、ジャンプを取り戻したり、フリーを滑りきることがどれだけ大変かというのを身をもって感じました。ジャンプを全部失敗してしまったのですが、選手として半年間ちゃんとトレーニングしていないのは大きいなと思いました。
 (フリープログラムは)できたばかりで曲をきちんと聞けていませんでした。いつもは2カ月か3カ月くらい前から曲を聞いてイメージを膨らませて、どういう風に見せたいか練習をするのですが、まずは体重を落としてフリーを踊れるようにしたのが一番大変でした。とにかく最後まで持てばいいなと思っていました。
 この後は、今後どうしていくか、いろいろな人ともっともっと話して決める予定です。今シーズンは、スケーターとしてどう自分が生きていきたいかということを考えて、自分らしくいられる答えを出したいと思います」

2011年10月1日 スポーツナビより抜粋

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美姫 今季休養を表明…プロ転向も示唆
 フィギュアスケート世界女王の安藤美姫(23=トヨタ自動車)が1日、さいたまスーパーアリーナで行われた日本、北米、欧州3地域対抗団体戦ジャパン・オープンに出場し、試合後に今季休養する意向を示した。

 会見で「今季はオフ。(優勝した4月の)世界選手権の前から決めていた。今後どうするかはこのあと決めたい」と語った。欠場を表明していた前半戦のGPシリーズだけでなく、世界選手権(来年3月、ニース)代表選考会となる12月の全日本選手権など後半戦も欠場する見通しで、世界選手権2連覇の夢もあっさり手放すことになった。

 現時点では14年ソチ五輪挑戦も明言していない。「アマチュアとしてではなく、(プロを含む)フィギュアスケーターとしてどう生きたいかを考えて結論を出したい」。休養中に今後の方向性を出す意向だ。


2011年10月2日 スポニチアネックス

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ジャンプは2Aと2A-2Tのみしか決めることができず、3回転は一度も決められませんでした。ジャパンオープンのために急遽作ったプログラムも2週間ほどしか練習できておらず、夏もアイスショーには出演していましたが殆ど練習をしていなかったようで、状態的には試合に出るというところまで心も体も行っていなかったということですね。

以前「安藤選手のアイメイクが濃い時はあまり調子がよくない」という関連性をここで指摘したことがあるのですが、今回安藤選手はアイメイクも、そしてメイク全体的にもいつもよりぐっと濃かったので、番組が始まってすぐ「大丈夫かな」と思っていたのですが、悪い予感が的中してしまいました。
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名前をコールされてリンクに出ていくときから既に泣きそうな顔をしていましたよね。怪我の為に演技を中断し棄権した2008年の世界選手権と同じような表情をしていました。ここ数年の前向きな表情が消え失せ、「悪い時の安藤美姫」の顔に戻ってしまっていました。
ただでさえシーズンオフ後最初の試合というのは緊張するものなのに、練習や滑り込みが不足しているという自覚もあったでしょうし、今季試合に出るというモチベーションがない状況ですから、ものすごく不安になってしまったんでしょうね。
世界トップで戦い続けるというのは心身共に相当ハードなものだと思います。自分の今後についての気持ちが定まらず、揺れている中で過酷な練習をし、トレーニングを行うこと、また試合に出るということはこれほどに難しいものなのか、と考えさせられるものでした。
ジャパンオープンへの出場をせず、最初から世界選手権終了後はまるまるオフ、となっていたらきっと全然違ったんでしょうけれど・・・この出場っていつ頃決めるんでしょうね。

世界選手権までの素晴らしい演技の数々を重ねて、休養に入る前の最後の演技がこのようになってしまったのは非常に残念です。きっと安藤選手が一番残念に思っているでしょうが・・・。
でも休むと決めたからにはきちんと心と体をリフレッシュして、スッキリした状態で信頼できる人々とよく話し合い、最良と思える選択をして欲しいと思います。
安藤選手には幸せになってほしい。





ということで、新人からベテランまで、幅広く多彩で高レベルな演技の数々を見ることが出来ました。大成功だったと思います。
チーム北米の皆様、おめでとうございます!
そして出場者の皆様お疲れさまでした!!選手のみなさんは、また試合の場に元気に出て来て下さることを楽しみに待っています。


<関連コラム>
ジャパンオープン2011!-男子編  2011年10月2日

安藤美姫選手のメイクについて -かなり遅れて追記  2011年3月8日
安藤美姫選手-アイメイクとメンタルの関係  2009年11月9日
by toramomo0926 | 2011-10-02 14:13 | フィギュアスケート


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