日本フィギュア 次世代エースの挑戦 -小塚崇彦選手
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CS放送でフィギュアスケートの試合を完全ノーカット生中継で流してくれることで、フィギュアファンに大変人気の高いJ-Sportsが、「世界一周スポーツの旅~挑戦」という番組でフィギュアスケートを取り上げ、小塚崇彦選手の特集をしてくれていました。
小塚選手の周りの方々にも話を聞いているのですが、それが佐藤信夫コーチ、田村岳斗さん、宮本賢治さん、佐藤有香さん、デイヴィッド・ウィルソン氏&カート・ブラウニング氏など錚々たる顔ぶれ。
地上波で幾度となく作られた彼の特集、他の選手の特集でもそうですが、ここまでしっかりいろんな方の(そしてファンでも『おおー!』となる方々の)話が聞けるというのはなかなかないことなので、とても見応えがありました。

動画はすぐに消されるということなので、キャプチャを例によって貼っておきます。





番組MCはフットボールアワーのお二人と、武井咲さんという意外な(笑)人選。
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武井さんは名古屋出身なんだそうです。友人とリンクに遊びに行った際、練習している浅田真央選手を目撃したこともあるのだとか。


そしてゲスト兼解説担当として太田由希奈さん!
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相変わらず凛とした素敵な女性です。


小塚選手の特集が始まります。
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小塚選手は昨シーズンは世界選手権銀メダリストになるなど大活躍。大きな成長を遂げました。
今シーズンの課題とは。
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「挑戦は自分の中では2つあって、4回転ジャンプの種類と回数を増やす。そして表現力の部分でタメをつくって、リンクのフェンスの外に表現を持っていく、というのが挑戦と思っています」
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彼を支える心強い味方の皆さんを通して小塚選手の今に迫ります。
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衣装合わせしているのは、ショートプログラム(SP)「Inner Urge」の衣装のようですよ!

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9月。中京大学のリンク同様にホームリンクのようになっている新横浜スケートセンター。
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彼が取り組んでいたのは今季のSPでした。
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「今季のSPは殆どの方が初めて聞く、というような(なじみのない)曲だと思うので、どういう風に受け取られるか不安で、自分の中で挑戦という感じがある」
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ジャズというリズムの取りにくい楽曲、メロディーもあまり知られておらず曲の力を借りることもできません。むしろ自分で曲の魅力を引き出すしかない。
また、曲の中での緩急もかなりはっきりしているので表現としては複雑さを求められます。そして高い技術も両立させなければならない。
曲の世界を表現し、ジャッジや観客にしっかり伝えられるかが勝負になります。
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そのハイレベルな戦いに際し、コーチである佐藤信夫コーチはこのように話します。
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「やっぱり表現力。自分が何を訴えたいのかをはっきりと見せないといけない。その見せ方をどうするかが課題」と話しますが、小塚選手は「難しいけど、やりがいはある」と意欲的です。
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また、練習パートナーである浅田真央選手からも大いに刺激を受けています。一緒に練習して感じたことは。
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「いつも真面目に、コツコツと練習をしている。気が乗る時でも乗らない時でも、自分がやると決めたことはきっちりやっているのは見習いたい」
小塚選手自身真央選手の姿勢に触発され、これまで以上に練習で妥協しなくなったと語っていたそうです。


昨季というシーズンは、小塚選手にフィギュアスケート選手としても、いちアスリートとしても、また社会人としても大きな変化をもたらしました。
偉大な先輩である高橋大輔選手、織田信成選手を抑えて自身初の全日本チャンピオンに。
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3月に東京で行われる世界選手権に向けて順調に仕上げて来ていましたが・・・
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震災の影響で日本での開催は中止に。ひと月遅れてロシアでの開催となりました。
日程も場所も変更になり、直接被災はせずとも大きなショックを受けましたが、訪れたロシアの観客の温かさに感謝の気持ちを抱いたそうです。これはインタビューや会見でも何度も話していましたね。
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この試合で小塚選手は見事銀メダルを獲得します。
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田村岳斗さんはこう分析します。
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「世界では2位。まだ追いかける立場だが、高橋・織田両選手もこのまま黙ってはいないだろうし羽生選手の台頭もある。
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国内的には追われる立場になっているので、そういう状況でどれだけ力を発揮できるかが課題」


今年春から大学院生にもなり、世界選手権メダリストにもなった。そしてこの度の震災でアスリートの社会的な役割について考えるようになった小塚選手。これまでよりも更に広い視野でアスリートとしての自分を考えるようになったようです。
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被災地へ義援金を送り、被災者を招いての無料アイスショーを開くためにチャリティーアイスショーを自ら提案、8月には青森県八戸市で被災者を招待したショーを実現させ、見事大成功となりました。
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「先輩が、仲間が、周りのスタッフの方々がいつも助けてくれた。これからも人と人とのつながりを大事にして滑っていきたい」


小塚選手は物心ついた頃から父親である小塚嗣彦コーチにスケートの手ほどきをうけます。
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5歳の時に幕張で行われた世界選手権で佐藤有香さんが優勝したのを生で見たことで、スケートの選手になりたいと思ったのだそうです。
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今も有香さんにはプログラムの振り付けで、有香さんのご両親である佐藤信夫・久美子コーチには指導者として彼を支えています。
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2006年、17歳の時にジュニアの世界選手権に初出場、初優勝を果たします。
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両手ガッツポーズが小塚選手流。


有香さんからは、子供のころから知っていてトップスケーターに成長した小塚選手に対してこんな言葉が。
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「美味しい煮物と一緒で、いい材料を集めてぐつぐつとじっくりと煮込んでいく、そういう積み重ねをタカとは一緒にしてきたって感じ」
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「(有香さんは、自分が成長するのを)ずっと待ってくれました」
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一口が大きすぎ(笑)


「今年もどんどん積み重ねていって、順位を追い求めるのではなく、憧れのスケーター、自分が佐藤有香さんみたいになりたい、カート・ブラウニングみたいになりたいって思うような感じで自分も憧れられるスケーターになれればいいなと。その結果、世界一になるというのがついてくれば」
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忙しいアイスショーや練習等の合間をぬって、小塚選手はアメリカ・ロサンゼルスへ。
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ここではSOIのディレクター&デザイナーを手掛け、エミー賞も受賞しているジェフ・ビリングスさんと今季使用する衣装合わせをします。
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今季の衣装のデザイン画。
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SPの衣装はほぼ完成していたようですが、フリーの方はまだ調整状態。曲を聞いたイメージからデザインを作り上げるのだそうです。
そう考えると、フィギュアの衣装ってオーダーメイドというか一種のオートクチュール状態ですよね。
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後ろから装飾の布を当てています。


ビリングスさんは6年前から小塚選手の衣装を手がけているということですから、ちょうど小塚選手が世界ジュニアで優勝したシーズンくらいからですね。
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次に小塚選手はトロントへ。
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目的は今季SPの振り付けの修正と確認。振り付けをしてもらったデイヴィッド・ウィルソンに会うためです。
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ここで、コーチと振付師の役割の違いについて宮本賢二コーチが豆知識的に解説。
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みやけんさんといえば高橋大輔選手の「Eye」や鈴木明子選手の「リベルタンゴ」など名作をたくさん生み出しています。


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「コーチはジャンプ、スピン、ステップ等総合的に指導をする。振付師はプログラムに振りを付けて踊りをつくる。
自分は割と振り付けを詰め込むタイプ。大変だけど、選手が一生懸命練習して曲にぴったりとハマった時には快感だし、選手もきっと気持ちいい」


SPの曲名は「Inner Urge」。「内なる衝動」と訳せばいいのでしょうか。小塚選手は「逃げる」がテーマだと話していました。
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また、The ICEのTV放映の時だったか、この曲はデイヴィッドがかなり前から振り付けをしたいと考えていたのだが、この曲をこなせる選手がいなかった。今季満を持して小塚選手にこの曲を授けたのだと聞きました。
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「このプログラムを通して目指すのは、小塚がエンターテイナーになることです」


「曲も(リズムが)とりにくいし振り付けもこれだけ顔を重視してやってもらったことはなかった。すごく難しいがこれをやりきったら自分自身すっきりするだろうし、その時にはレベルアップも出来ていると思う」
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そして彼はトロントのもうひとつのリンクへ。
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ここはパトリック・チャン選手もホームリンクにしている名門リンク。


そこにいたのは、カート・ブラウニング!前述の小塚選手の憧れのスケーターです。
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今回カートに振付けてもらったプログラムは、エキシビジョン用。しかもデュエットできるものだそうです!!
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シンクロした動きがすごく面白い。
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今年グランプリファイナルはカナダのケベック州で行われます。
もし小塚選手がファイナル出場を果たしたら、エキシビジョンでカートと共演なんてことはないかしら・・・?と今から期待してしまいますね。


とても充実した時間だったようで、小塚選手は「笑いが止まらない」とニヤニヤしてます(笑)
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カートはいつも小塚選手を励ましてくれますよね。小塚選手は本当に良い出会いをたくさんもっているなあと思いました。彼らの期待に応えるように是非頑張ってほしいですね!!


いつか自分の目標とするスケーター像に手が届くように、これからも彼の挑戦は続きます。
頑張ってください!!
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いろんなリンクを見ることが出来たし、デイヴィッドやカートの話が聞けたこと、そして彼の衣装を作っている方の話を聞いたのは初めてだったのでとても興味深かったです。
この後太田由希奈さんを講師?に、フィギュアの初心者Q&Aみたいなコーナーもあったのですが、長すぎるので省略します。申し訳ありません。
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由希奈さんも申し訳ありません・・・

ちなみに内容は「スピンで目が回らないの?」とか「衣装はいくらくらいするの?」的な本当にTVでよくある感じでした(笑)でも由希奈さんはいつものようににこやかに上品に、きちんと答えていらっしゃいました!

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最後にちょっと話がそれますが、この映像を見ると、真央選手もSP(シェヘラザード)の練習をしていたようですね。
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全体的にスピードが上がってる気がします。ジャンプの助走から踏切までが今までよりずっとスムーズに、流れを殺さないものになっているように見えました。
また、踏み切りも以前のようにググッと不自然に屈みこむことがなくなり、足を振り上げてそのまま跳ぶ、という動きが戻ってきたように思います。


2005年当時(15歳)にかなり近づいているように思うのです。
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足を振り上げる角度は15歳の頃の方が大きいですが、それでも姿勢はかなり戻ってきていて、ぐらつきもなくなっています。
真央選手はシーズン序盤はあまり調子が出ず全日本~終盤に向けてどんどん調子を上げてくるタイプの選手なので、佐藤コーチについて取り組んでいるスケーティングやジャンプ全体の見直しは順調だと言われていますがあまり初戦からガンガン来るとは正直思っていません。
でも夏のThe ICEでも滑りの質が明らかに伸びやかに滑らかになっていましたし、今年は真央選手の笑顔を多くみられるといいなと思っているだけに、ちょこっと映った映像ながらかなり嬉しいものとなりました。


小塚選手も真央選手も、このまま順調に調整を積み重ねて、良い状態で試合のリンクに立つことができますように!


動画はこちらから
ジャンプ先はYoutubeなのですが、画面としては貼り付けられなかったのでリンクを張りました。
すぐ消える可能性が高そうです。お早めにどうぞ・・・。


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by toramomo0926 | 2011-10-09 15:13 | フィギュアスケート


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