2011年中国杯・男子フリー
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この3人、ちょっと衣装の色遣いが似てますね(笑)

グランプリシリーズ(GPS)の中国杯が終了。
男子はショートプログラム(SP)においてはティーンエイジの若い力が1位・2位を占めましたが、フリーではベテラン?勢がしっかりと地力を見せつけ、表彰台を勝ち取りました。そして中国期待の星ナン・ソン選手がフリーでは1位となり、GPS初の表彰台に立ちました!おめでとうございます!

ISU Grand Prix Cup of China 2011
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。




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織田が2位、羽生は僅差の4位 アボットが優勝=フィギュア中国杯・男子FS
 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦・中国杯は5日、上海で男子フリースケーティング(FS)が行われ、SP4位の織田信成(関大大学院)が149.46点、合計227.11点で総合2位に入った。SP2位の羽生結弦(東北高)は145.16点、合計226.53点で4位。SP3位のジェレミー・アボット(米国)が149.17点でFSでは3位だったが、合計228.49点で逆転優勝を飾った。
 FSでトップの得点をマークした地元中国の宋楠が226.75点で3位に入り、SPトップのアルトゥール・ガチンスキー(ロシア)は222.54点で5位と順位を下げた。

 織田はトリプルフリップで転倒したが、トリプルアクセル2本を含め、そのほかのジャンプをすべて成功させてFSでは2位。次戦のエリック・ボンパール杯にファイナル出場をかける。羽生は冒頭の4回転トゥループを見事に成功させたが、後半のコンビネーションジャンプで転倒後にジャンプが乱れてFSでは4位。わずか0.22点差で表彰台を逃した。

 GP第4戦のNHK杯は11月11日に開幕し、ともに2戦目でファイナル進出を目指す高橋大輔(関大大学院)、小塚崇彦(トヨタ自動車)らが出場する。

<主な順位>
1位:ジェレミー・アボット(米国)228.49
2位:織田信成(日本)227.11
3位:宋楠(中国)226.75
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4位:羽生結弦(日本)226.53
5位:アルトゥール・ガチンスキー(ロシア)222.54

2011年11月5日 スポーツナビ

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優勝はジェレミー・アボット選手!
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彼がGPSでの優勝は、2008-2009年シーズン以来となります。最初の4回転トウループ(4T)での転倒はありましたが、その後はきっちりプログラムをまとめ上げました。SPではコミカルな演技性を、フリーでは静謐な音楽との一体感を出すというバランスもとてもよかったと思います。特にフリーは佐藤有香さん(コーチ兼振付師)らしいなという感じですが、彼のスケーティングの美しさを存分にアピールできる内容で、すごく合ってます。この二人の相性は非常に良いようですね。
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最近はジャンプがあまりしっくりきていないような感じも見受けられましたが、今季良いスタートを切れたことで勢いがつくのではないかと期待しています。本来ならもっと良い成績を修めてもおかしくない選手。是非今季更に飛躍してほしいと思います。
おめでとうございます!!

Jeremy Abbott 2011 CoC FS -Exogenesis: Symphony, Part 3



織田信成選手が2位です!!
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織田、「びっくり」の2位=中国杯フィギュア
 経験豊富な織田が、自ら驚いた。「びっくりした。でも、表彰台に上がれるのはうれしい」。SP4位からの2位に、顔をほころばせた。
 オフに痛めた左膝を考慮して、SPに続いてフリーも4回転ジャンプを外した構成。多くを望めないことは分かっていた。そうした中で、3回転フリップの転倒以外は大きなミスなくまとめた。
 これが効いた。SPもフリーも3位ながら優勝したアボットとともに浮上。10代の2人、羽生とガチンスキーが大崩れしたのとは対照的だった。「完璧ではなかったが、今回は自分の持てる力を出すことがテーマ。自分では70点は付けられる」
 24歳。若手の台頭も目立つ中、「ベテランの味を出したい」と話していた織田。それを結果で示し、満足そうだった。

2011年11月5日 時事通信

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フリーは「シェルブールの雨傘」のアレンジナンバーでしっとりと、かつ軽妙に舞いました。ジャンプ構成を4回転が入ったものから当日変更したと解説にあったので、ハラハラした人も多いはず(笑)
ですが今回トリプルフリップ(3F)で転倒した以外は大きなミスなく、きっちり滑り切りました!トリプルループ(3Lo)の着氷のままクネクネと片足で蛇行して滑ったり、彼の流れがある質の良いジャンプを強くアピールしていました。4回転なしでも、出来栄えの加点(GOE)でそれに匹敵する得点をジャンプで得られる選手の一人です。
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ただ、ジャンプもスピンも凄いのにステップだけがちょっとエッジワークが甘いのが残念であり、意外でもあるところです。
あんなにスイスイ滑るのに、ステップはちょっと苦手みたいなことを話していましたしね。最近のトップ選手はディープエッジをうまくコントロール出来る人が多いだけにちょっと物足りない感じが目立ってきてるように思います。ジャッジの採点的にもスケーティング重視になってきているように思うので、そこが更に補強されれば本当に凄い選手になると思います。
とはいえ、今は膝に負担をかけない形で堅実に取り組むのが肝心ですよね。彼もよく分かっているようですし、せっかく夏の辛い時期を耐え抜いたんですから、ここで悪化させないように気を付けてほしいと思います。
お疲れ様でした!

Nobunari Oda 2011 CoC FS -Les Parapluies de Cherbourg

最後のステップが「めっちゃきつい」と話していたそうですが(笑)曲の雰囲気がぐっと変わるので体の動きにもう少しメリハリが欲しいところ。終わり方が結構独特ですよね。スピンを先にやってコレオステップで終わるというのも面白いです。


ナン・ソン選手、GPS初の表彰台という快挙です!!
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やっと見つけた1枚。初めて表彰台に乗った時くらいもっと写真を・・・(涙)

最初に4回転ー3回転のトウループ(4T-3T)を素晴らしい高さで決めました。次いで4T、そしてトリプルアクセル(3A)・・・あまりに完璧に決めていくのでびっくりするやらワクワクするやら、コーフンしながら見ていました。
そして驚くのが身のこなしの洗練度。彼に一体何があったのかというくらい昨季とは全く印象が違います。
ジャンプが決まってくると他の要素ももちろん見栄えがしますし本人もノってきて更に良い演技ができるということはあるでしょうが、今季の成長には目をみはるばかりです。特にジャンプの高さが非常に印象に残ります。
彼は中国男子では実力者であったけれども、世界の表彰台までにはもう少し時間がかかるかなと正直考えていたのですが、予想を上回るスピードでグッと伸びてきました。フリーだけでの演技は1位。パーフェクトとはいきませんでしたが間違いなくジャンプにおいては出場選手で一番と言っていい出来でした。
あとはスピンがもう少し質の良いものになれば、一気にトップグループ常連になる力は充分あるというところをしっかり見せつけましたね。ソチ五輪に向けてまた怖い存在が出てきた感じ。中国の育成力というのは凄いですし、本格的に男女ともにペアだけでなくシングルも中国は力を伸ばしてきていますね。数年後にはきっとスター選手が複数出ていることでしょう。
彼がその力強い一歩を記したのは間違いありません。ホームである中国開催という要素抜きで素晴らしい試合ぶりでした。本当におめでとうございます!!

Nan Song 2011 CoC FS -Hungarian Rhapsody No. 2

リストのこの曲は私はピアノでしか聞いたことなかったんですが、大好きな曲だったので更に嬉しい(笑)


羽生結弦選手は2度の転倒が響きあと少しで表彰台に届かず4位。でもナイスファイトでした!
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転倒したのは後半に入ってすぐくらいの3A-3Tとそのすぐ後の3ルッツ(3Lz)。ルッツは最初の転倒の衝撃で動揺もあったでしょうし力も入りにくかったのかもしれません。
3Aからの3Tを無理せず2Tにしておけば転ばなかったのではないかという声が結構多いようですが、私は勝とうとして3Tを跳ぼうとした彼を見てちょっと清々しかったというか、戦う気持ち、絶対勝つという気持ちがすごく出ていたので、まあ賢くやれば2Tが正解だったんでしょうけど、今回彼の気持ちに拍手を送りたいという方が強いです。
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滑り切った瞬間の、いろんな感情が入り混じったこの笑顔がすごく印象に残りました。

いつも冷静で理論派の彼ですがこういうファイティングスピリッツをストレートに出すところも彼の大きな魅力ですし、この経験をしっかり彼は頭に入れて、同じような失敗はもうしないでしょう。そういうクレバーさのある選手です。実績も重要ですが彼は16歳ですし、シニア2年目であらゆる経験から学ぶ時期でもある。今は思うままに戦えばいいと思います。あまりに無謀ならコーチが助言するでしょうしね。
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試合後、「4回転以外をしっかり決められるように、課題にして練習したい」と反省する一方で「去年のNHK杯は会心の演技で4位。今年はボロボロで4位。表彰台とも小差だったので、だいぶ評価は頂けるようになった」と手ごたえも感じている様子。今季は絶対表彰台の常連になるという決意も伺えてとても頼もしい。
スタミナについても、去年の「ツィゴイネルワイゼン」では演技直後ヘロヘロと座り込んでしまうほどの消耗を見せていた彼も、今回は転倒後、見せ場のステップできっちり気迫を込めて踏めていたのでだいぶ体力ついたかな?とも思います。転倒無しでどのくらいの爆発力があるのかが逆に楽しみになりました。
これからロシア杯までまだ少し時間が取れますし、頭の良い選手ですからきっちり自分で課題点を見つけて修正してくると思います。挑戦した姿勢は個人的に高く評価したいと思います。
しっかり成長を見せてもらいました。お疲れ様でした!

Yuzuru Hanyu 2011 CoC FS -Romeo & Juliet

夏のアイスショーで一部だけ見せてもらった時から既に大好きだったこのプログラム。長年指導している阿部奈々美先生の振り付けだけに、羽生選手の素晴らしさが存分に引き出されています。


SPトップを守るかと思われたアルトゥール・ガチンスキー選手は5位に沈みました。
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羽生選手の次の滑走順&最終滑走という形だったのですが、こんなに乱れた彼は初めて見たのでびっくりしました。良きライバルとしてジュニアから戦ってきた羽生君の転倒を見て動揺してしまったのでしょうか。それともGPS優勝が目の前にあり、さすがの冷静な彼も硬くなってしまったのか。もしくは、その両方か。
彼がいつも通りの冷静さで、普通に滑り切れば間違いなく優勝できる状況でした。彼がこういう崩れ方をするとは。
とはいえ彼はまだ18歳ですからね・・・表情に出ずとも、やはりそこは若さ故というところでしょうかね。また、シニアで勝つということの難しさを私たちに教えてくれたようにも思います。
私としては、「やっぱりガチくんも人の子なんだなあ」と(笑)妙に安心してしまったところもあるのですが。
冷たいという感じはしませんが、ティーンエイジャーであの鉄のような冷静さは一体何なんだろうと感じて、「本当は」どんな子なのかなあという興味もある選手だからです。きっと羽生選手やアモディオ選手など、ジュニアからの仲間と話すときはまた違った年相応の顔を見せることもあるのでしょう。彼のロングインタビューがあったら是非読んでみたいです。
とはいえ、ジャンプ以外の振り付けや表情の作り方などは流石という感じ。色気すら漂う大物感に見ていてゾクゾクしますね。
彼も今大会で得難い経験をしたと思います。きっと次は更に冷静になって(笑)きっちり戦い抜いてくるはず。男子も盛り上がってきましたね!やはりいい選手ががっぷり四つで戦う試合はスリリングで楽しいです。
彼も次はロシア杯ですね。地元大会ということで、思い切り演技してほしいと思います。お疲れ様でした!

Artur Gachinski 2011 CoC FS -Interview with Vampire



ケヴィン・レイノルズ選手は7位です。しかし挑戦した内容が凄かった!
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3種類(!)の4回転(サルコウ(S)、トウループ、ループ)と7回の3回転(うち3A1回)、そして2A1回という鬼構成です!
4回転を2回とか2種類入れている選手は今季散見しますが、3種類入れた選手は初めてではないでしょうか?転倒はありましたが、彼もナイスファイトと言いたいですね。あの華奢といえる体のどこにそんな力があるんでしょうか。これはシーズンが深まってこなれてきたら、ものすごいことになりそうです。
そして今回の衣装はすごくいい!
彼は割とスーツっぽいというか、カッターシャツみたいなものを着ることが多いように見受けられるのですが、今回の黒いぴったりとした衣装は、彼の手足の長さとスタイルの良さ、更に真っ白い美肌(これは男子はあまり関係ないでしょうか・・・)がすごく際立ち、演技に更に迫力と見栄えを与えると思います。

去年特に後半などはジャンプに苦しんだ彼でしたが、今季こういう構成を組んでくるということは、取り戻してきているのかもしれないですね。彼は高さのある高難度ジャンパーという印象が強いですが表現力もありスピンなどもとても美しい選手。これからの更なる活躍が本当に楽しみ。何より初戦からこの鬼構成という心意気は是非応援したい!!
本当にびっくりしました。
怪我だけは気を付けて、完成版を楽しみにしています。お疲れ様でした!!

Kevin Reynolds 2011 CoC FS -Chrono Trigger

日本人の作曲です。クロノトリガーって聞いたことありますけど、ゲームか何かでしたっけ?


若手とベテランが入り混じったとても良い大会だったと思います。楽しかった!
そして若い人も経験を積んだ人も、それぞれの良さや今季終盤にどうなるかという可能性というか楽しみをたくさん見つけられた大会でした。
皆さん本当にお疲れ様でした!!


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若い力が躍進の男子SP -グランプリシリーズ中国杯  2011年11月5日
by toramomo0926 | 2011-11-07 07:46 | フィギュアスケート


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