2011年中国杯・女子フリー
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グランプリシリーズ(GPS)中国杯、女子はカロリーナ・コストナー選手がショートプログラム(SP)のトップを守りきると同時に更に引き離して見事優勝、グランプリファイナル出場確定一番乗りとなりました。長洲未来選手がSPの順位を守りきり2位、3位は本調子でないながらもシニアデビュー戦で初の表彰台を勝ち取ったアデリーナ・ソトニコワ選手です!!


ISU Grand Prix Cup of China 2011
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。




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村上佳菜子は6位、コストナーが優勝でファイナル決める=フィギュア中国杯・女子FS

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦・中国杯は5日、上海で女子フリースケーティング(FS)が行われ、ショートプログラム(SP)4位の村上佳菜子(中京大中京高)は97.11点、合計150.20点で総合6位と順位を落とした。SP1位のカロリーナ・コストナー(イタリア)がフリーで120.26点をマークし、合計182.14点で優勝。GPファイナル出場を決めた。SP2位の長洲未来(米国)が173.22点で2位、世界ジュニア女王のアデリナ・ソトニコワ(ロシア)が159.95点で3位に入った。

 村上は転倒したトリプルフリップなど4つのジャンプで回転不足判定を受けたほか、回転が抜けるミスも出てフリーは7位。コストナーはジャンプのミスを最小限にとどめ、安定感のある演技で技術点、演技構成点ともにトップ。2位に入ったスケートアメリカと合わせたポイントでファイナル進出一番乗りとなった。
 長洲は2度のトリプルルッツで回転不足判定を受けたが、5位に終わった先週のスケートカナダから立て直し、大きなミスなく演技をまとめた。SP3位のソトニコワは冒頭で難易度の高いトリプルルッツ-トリプルループを成功させ、シニアデビュー戦で表彰台に上がった。

 GP第4戦のNHK杯は11月11日に開幕し、GP初戦となる浅田真央(中京大)、スケートカナダ2位の鈴木明子(邦和スポーツランド)らが出場する。

<主な順位>
1位:カロリーナ・コストナー(イタリア)182.14
2位:長洲未来(米国)173.22
3位:アデリナ・ソトニコワ(ロシア)159.95
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6位:村上佳菜子(日本)150.20

2011年11月5日 スポーツナビ

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優勝はカロリーナ・コストナー選手!
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今季のカロリーナはGPF優勝も狙えるかもしれません。それくらい例年になく安定しています。
今回ジャンプはスケートアメリカの時よりは少し乱れがありましたがそれでも大きな失敗はなく、きっちり最後までまとめあげています。
それにしても今回のフリーは好きですねー。曲も衣装も振り付けも本当に素敵です。
カロリーナの振り付けって、毎回「振り付け」とか「フィギュアの演技」というよりも「舞踊」という色合いが濃いですよね。そこが常に見ていて新鮮ですし、踊りの基礎をしっかり訓練されているのでその舞踊が舞踊として成立している凛とした美しさがあります。それに加えて女子でもトップの一人といわれるスケーティングの美しさ、滑りの技術の確かさがある。なのでジャンプが決まってくるとなかなか彼女を倒すのは難しいです。
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その一方でカロリーナには「自爆癖」と呼ばれてしまうほど日によってジャンプの調子の波が激しく、これはもしかしてというところで突如として大崩れしてしまうということもあり、本当に惜しいところで優勝や表彰台を逃してしまうことも多かった。
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ですが今季の彼女にはそういう危うさが今のところ感じられません。毎回カロリーナの、特にフリーはハラハラしながら見守ってしまう感じなのですが、今季はモーツァルトのゆったりとした調べに身を任せることが出来てます。
これはファイナルも優勝を狙えますね。楽しみにしています。
おめでとうございます!

Carolina Kostner 2011 CoC FS -Concerto No. 27/No.23 of Mozart



長洲未来選手が2位を守り切りました!おめでとう!
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今大会はとても良い集中を保っているように思います。前はSPで神演技でもフリーで疲れてしまって崩れるということもありましたが、しっかり最後まで滑りきることができるようになりました。
ただ、苦手とするルッツで回転不足とエッジエラーで2回とも0.9点もGOE(出来栄えの加点または減点)で引かれているのがもったいない!点差的に今回はカロリーナを追い越すことは難しかったでしょうが、2点の差というのは今後僅差の戦いになった時には痛すぎる失点です。2回転倒とほぼ同じですからね。
エッジエラーを直すというのは本当に簡単に「やればいいのに」と口に出してはいけないほど繊細な作業になり、ヘタをすればすべてのジャンプの感覚を失ってしまうほど難しい作業なので大変でしょうが、キャロルコーチという名匠がついていますし、じっくり取り組んでほしいと思います。
こういう勢いとゴージャスさのある曲に負けないパワフルな演技でした。ミライちゃんおめでとう!!

Mirai Nagasu 2011 CoC FS -Spartacus, etc. fo Alam Khatchaturian



3位にアデリーナ・ソトニコワ選手!初出場で表彰台です!!
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正直、彼女にとってはあまり満足のいくデビュー戦には出来なかったのだろうと思います。昨季はジュニアとはいえ出た試合で全て優勝しており、圧倒的な光を放っていました。シニアでもっとやれると感じていたと思うので、ちょっと残念だろうなとは思います。
しかしフリーではしっかり3Lz-3Loというすごい技をしっかりと、回転不足を取られずに着氷させました。ルッツはエッジエラーを取られましたが、セカンドジャンプのループがことごとく回転不足を取られる現在の女子の状況で、しっかり認定を勝ち取ったのは素晴らしいことです。
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スピンも今回また独創的なポジションを見せています。他の選手がやらないポジションに挑戦するというのはいいですね。柔軟性もアピールできます。彼女のスピンのポジションって、どことなく「彫刻」とか「レリーフ」という印象を抱きます。芸術的できれいです。
ケガ明けという中でシニアデビュー戦を立派に戦い抜きました。次はホームグラウンドでのロシア大会ですね。
彼女のフリーはタラソワ振り付けの「愛の夢」。真央選手も今季ローリー・ニコル振り付けの「愛の夢」を持ち越しますので、タラソワVSローリーの「愛の夢対決」が見られることになります。
真央選手の方は本当に真央選手の個性に合った女性らしい王道の感じですが、アデリーナの方はアレンジもちょっと変わってますね。どちらが好きかは好みが分かれるでしょうが、同じ曲をアレンジを含めて全く違う解釈で表現されるのを見るというのも楽しいです。
怪我を古傷化させないようにしっかり気を付けて、これからの活躍を期待します!おめでとうございます!!

Adelina Sotnikova 2011 CoC FS -Liebestraum

衣装の色遣いがステキ。


村上佳菜子選手は6位でした。
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村上佳菜子は6位  
 女子でショートプログラム(SP)4位の村上佳菜子(16)=愛知・中京大中京高=は、フリーもジャンプのミスが相次いで7位と精彩を欠き、合計150・20点で6位に終わった。SP首位のカロリナ・コストナー(イタリア)が合計182・14点で優勝した。
(中略)
 最後まで“佳菜子スマイル”は見られなかった。4位に終わったSPに続き、フリーは7位とさらに順位を落とし、総合6位に沈んだ。GPシリーズで初めて表彰台を逃す結果に「抜けた(回転が足りない)ジャンプがいっぱいあって、すごい悔しいです」と唇をかんだ。
 直前の練習でジャンプが跳べずにパニック状態だったSPに比べ、練習でジャンプも決め「リラックスして」臨んだフリー。だが、ジャンプは回転不足の連続。転倒やエッジの踏み切り違反もあり、きちんと成功したジャンプはゼロ。「転倒しても落ち着け、と思いながらやったけど…」と肩を落とした。
 苦手なジャンプをいくつも組み入れ、高レベルなプログラムに挑戦する今季。直前には靴が合わないハンディも背負った。苦戦は覚悟だったが、予想以上に悪い成績に、山田満知子コーチも「もう少し頑張って立て直さないと。靴も替えるか、日本に帰って考えます」と沈んだ表情だ。
 次戦は18日からのGPフランス杯。「まずはジャンプを固めないと。日本に帰って1週間ぐらいしかないけど、悔しかった気持ちから挽回(ばんかい)できるように頑張りたい」。昨季は失敗の悔しさをバネに、期待以上の結果を出し続けた村上が、シニア本格参戦2季目の“試練”に立ち向かう。 
  (田中一正)

2011年11月6日 中日スポーツ
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今季今までの自分とは違う方向性に挑戦し、ジャンプの難度も上げて臨みました。靴が合わない不運も重なって初戦はうまくいきませんでしたね。
でも、ある程度苦戦は覚悟の上でこのプログラムを選んで、先を見てジャンプの難度を上げてきています。
そういう取り組みをしてもすぐに身について試合で跳べるほどフィギュアは簡単なスポーツではないですし、これは仕方ないですね。
去年と同じことをしていてこの結果なら問題ですがそうではないのですから、これは生みの苦しみと思って耐えてこそ、一段高いステップに行けると思って頑張ってほしいです。
体の変化もありますし彼女にとってはこれまでのようなシーズンが永遠に続くことは正直ないと思います。これはどの選手も、ロシアの新人二人にもいつかその時が訪れる、女子選手は必ず通らねばならない道です。そして実績を積めば積むほど、守るものも増えて初年のような怖いもの知らずでは行けなくなる。佳菜子ちゃんは昨季本当に素晴らしいデビューシーズンを送ったので、なおさら今「試合が怖い」という感じになっているのかもしれません。
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でも、そこを乗り越えた選手だけが今シニアで活躍出来ているというのも事実です。真央選手も安藤選手も荒川さんも、苦しんだ時期はありました。その向こうに本当の栄光はあります。シニアは楽しいだけでは残っていかれない厳しい世界です。
佳菜子ちゃんには是非ここで持ち前のガッツで踏ん張って、是非残ってほしい。彼女は若くしてそこに対峙する決心をしているのですから、是非乗り越えてほしいと思います。一生懸命に取り組む姿勢があれば、ファンはずっと応援してくれます。コーチだって身を削ってでも指導してくれるでしょう。これから難しい時期に入りますが是非耐え抜いてほしいと思います。

Kanako Murakami 2011 CoC FS -Violin Concerto



クセニア・マカロワ選手は7位。残念です。
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写真がないので、スケートアメリカのもので失礼します。

うーん、どうしても冒頭のコンビネーションジャンプが決まりませんね・・・本人に悪いイメージがついてしまって思い切って踏み切れなくなっているのかもしれません。
でも立ち上がってすぐに笑顔を振りまき、マリリンを演じ始めた根性は流石です。かっこよかった。見ていて応援したくなりました。
ただ、サミュエル・コンテスティ選手の時も思いましたが、こういう演技性が非常に高いプログラムの場合、成功すれば神がかり的な魅力を発揮しますが、ミスが出た時には同じ振り幅で痛々しさが倍増してしまうというところがつらい。
彼女はファイナル出場は絶望的となりましたので、次の試合、国内選手権か欧州選手権になるのかに向けて調整することになります。
ここはもう終わったことと切り替えて、調整時間が出来たと思ってみっちり練習をやりこむしかないですね。真央選手も五輪イヤーの時、GPSは絶不調でファイナルを逃し、全日本までの2か月でジャンプを取り戻しました。
次に彼女を見るときには、SP、フリーともに魅惑的なプログラムに圧倒されたいと願っています。ケガに気を付けて頑張ってください!復活を待ってます。

Ksenia Makarova 2011 CoC -I wanna be loved by you, etc.



女子は男子よりも悲喜こもごもという感じで、なかなか複雑なものがありました。女子は特にフィギュア選手は若い子が多いですし、そうなると宿命的に体の変化といつかは対峙せざるを得ず、むずかしさが付きまといます。
ですがそれだけに戻ってきた時には深みのある演技を見ることが出来ますね。選手の皆さんがそれぞれのゴールに向かっていく姿を応援したいと思います。

お疲れ様でした!

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by toramomo0926 | 2011-11-07 10:45 | フィギュアスケート


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