体重を増やさずにスピードに耐えられる筋力作りを -ウィダー・サポートチーム
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浅田真央選手を栄養面とトレーニングでサポートしている森永ウィダーのサポートチームの動画が更新。
今回は佐藤信夫コーチが大活躍(笑)春に牧野トレーナーがチームに復帰した時の話し合いの内容と、それに基づくトレーニングの様子がありました。
やっぱり専門家って凄いですね。コーチもトレーナーも選手も。




今季初戦のNHKまであと少し。今オフの取り組みで、佐藤信夫コーチも驚いた変化がありました。
それは、スケーティングの力強さ、滑りのスピードアップでした。
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スピードの向上と力強さ、これはオフの練習、トレーニングにおいて重要な課題でした。
今年5月、牧野講平トレーナー(以下マッキー)が真央選手のサポートチームに復帰となったのを機に開かれた、今後のトレーニングと練習方針のすり合わせのためのミーティングで、このことは大きなテーマとなりました。

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横浜のホテルでの話し合い。きっとある種の緊張感はあったと思いますが、久美子コーチの笑顔はいつも場を和ませますねー。

佐藤信夫コーチとマッキーを中心に話し合いは続きます。火花バチバチにも見える真剣な話し合い。この方針固めの重要さとそれを理解している二人の真剣さがよくわかります。
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信夫コーチ:「レベルアップさせたいのはスピード。トップスピードをどこまで持っていけるかが重要。
だが、スピードを上げるとどうしてもG(重力)が増える。滑っている時だけでなく転倒時などの衝撃も大きくなり、選手の体力的負担も増える。それに耐えられるような体を作らなければならないが、それはめちゃくちゃ難しい」

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信夫コーチ:「体力、筋力をつけるといっても太って体が重くなるのも良くない。でもそれに耐えられないとスピードにも乗れず滑りきれない」

要するに、体重を増やさずに筋力と体力のみ増強させたい、という、トレーナーに向けられるものとしては非常に高いレベルでの要求です。

信夫コーチ:「その相反する要求をどうクリアしていくか、(その難しさを)想像しただけでも・・・(笑)」
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信夫コーチもその難しさはよく分かっています。
そして真央選手も、今後の自分の取り組みがかなり困難で厳しいものになりそうだということを察したのか「ヤバー・・・」的な表情になっています。笑顔がひきつってる(笑)


マッキー、いきなり無理難題を(笑)つきつけられましたが、さすがプロですね。信夫コーチの要求にしっかり応えようという姿勢を見せます。

マッキー:「あとは体力ですよね」
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頷く真央選手。


マッキー:「スピードがついて衝撃が強くなっても練習できる体力と、重力に伴う筋力をつける必要がある。
最初のうちは、筋力をつける上で筋肉痛は避けられない。体力も一時的に低下するのもやむを得なくなる」
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これは筋肉を作る過程で多少氷上練習に影響が出る時期がある、ということを信夫コーチに伝えてるんですよね。
そして真央選手、筋肉痛と聞いてまた「ヤバー・・・」の表情に・・・(笑)


ということで方針も決定、ウィダーのスタジオに通ってのトレーニングに取り組みます。
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その結果、目指した通り滑りに力強さとスピードが生まれたそうです。
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専門家の指導ってやっぱり凄いですね。それをきっちりこなし、オフでも食事などのコントロールもしっかりとやってきた真央選手も素晴らしい。

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やっぱり牧野さんの指導方法って私は好きですね。目標に対する取り組みや考え方がとてもクリアに伝わってきます。
選手にとっても、ひとつひとつのトレーニングにおいてだけでなく総合的なゴールというのもすごく理解しやすいのではないでしょうか。
筋トレなどの地道なトレーニングは、目標やゴールが見えないとなかなかやっていても辛いものですが、牧野さんはそれを明快に、モチベーションを保つ形で選手に示せる人なんじゃないかと見ていて思います。
そしてきっちりと考えられたプログラムですし、相手は世界トップアスリートですから、ものすごく効率的な形で早くに成果として形になってくるのではないかと思っています。
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真央選手もこう話します。
「始めた頃に比べたらトレーニングの内容も新しくなり、難度も上がってきているので、どんどん良くなっているという実感がある。新しいトレーニングをすると筋肉痛になるので、『あ、筋肉が作られてるんだな』という感じがする」
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最後に、今季に向けた意気込みを。
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そうですね。まずはプログラムとエレメントをしっかりこなすこと。練習通りできればきっと大丈夫です。
でも今季は彼女にもスピードやスケーティングにおいて手ごたえを感じているようですし、何より佐藤夫妻とマッキーのしっかりしたサポートを受けてのシーズンスタートですから、昨季までよりもずっと心強く臨めるのではないでしょうか。頑張ってください!


私が映像を見て思ったのは、スピードもそうなんですが、ジャンプが更に美しくなったなということです。
これは練習時ですし彼女にとって「眠ってても跳べるでしょう」と言われたこともあるダブルアクセルですから、、彼女にとってジャンプの中でかなり余裕を持って跳べるものであることは確かですが、それでも踏切から着氷までの体の動きに無理がなく流れるようで、本当に美しいです。
個人的にはこれこそが「教科書ジャンプ」だと思うんですが(笑)
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大抵真央選手は初戦は力をうまく出せず、全日本や世界選手権に向けて調子を上げてくるタイプではありますが、今季は彼女自身も「良いスタートを切る」のが目標と話していましたし、是非NHK杯でジャッジを含めて我々を驚かし、魅了してほしいと思います。
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今年7月末のThe ICEを見た限りででの感想ですが、あの時点で既に真央選手の滑りの質はかなり変わっていました。他選手と比べても、一人だけ氷から数ミリ浮いて滑ってるんじゃないかという滑らかさ。スピンの回転速度も上がり、スピードも上がり一蹴りでかなり滑ってましたし、ジャンプも跳ぶ直前の体の沈みがなくなり足を後ろに振り上げてすぐに踏み切る、という動きが固まりつつありました。素人目にも全てにおいてまた一段上がったな、というふうに見えました。
ジャンプの成否は正直緊張や運にも左右されるように思うのですが、スケーティングやスピン、ステップは、特にジャッジは驚くんじゃないかと思いますね。順位とかよりも、今は真央選手が納得できる試合になればいいと思っています。
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真央選手は9月25日に21歳になりました。昨年は信夫コーチ就任の時に。お祝いを小塚選手や舞さんと一緒にやりましたが、あれからもう1年!早いですね~。

ウィダーサポートチームから、真央選手にサプライズでプレゼントが贈られたようです。
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こういう時に思い切り素直に喜ぶのが、この人のいいところというか大きな魅力ですよね。


いよいよ明日からNHK杯!
11日には女子シングルとペア、アイスダンスのショートプログラム(SP)が開催、12日には男子SP、女子シングル・ペア・アイスダンスのフリーが行われ、13日には男子シングルのフリーとエキシビジョンが行われます(男子は大変だ・・・)。
ツイッターを見ていても、海外選手も昨日あたりから続々と札幌入りしているようです。寒いけど風邪やけがに気を付けて、すべての選手が精一杯力を出し切れる試合になりますように。

頑張ってください!
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<参考リンク>
ウィダー・トップアスリートサポートプログラム-浅田真央 (2010年以降分)
浅田真央「栄養・トレーニング」サポートプロジェクト (バンクーバー五輪まで)
浅田真央「栄養・トレーニング」サポートプロジェクト継続記者会見 -ウィダーのサイト・ニュースリリースより。記者会見の動画も見られます。

<関連コラム>
浅田真央選手、驚異の栄養摂取感覚 -ウィダー・サポートチーム  2011年10月4日
体重減でもパフォーマンスは維持 -浅田真央選手&ウィダー・サポートチーム  2011年8月9日
牧野トレーナー復活! -ウィダーサポートチーム  2011年6月31日
「息がつけないような演技」への取り組み -浅田真央選手  2011年2月2日

浅田真央選手、佐藤信夫コーチとの練習を公開&お祝い  2010年9月26日

The ICE 2011!!(その2)  2011年7月25日
The ICE 2011!!(その1)  2011年7月25日
by toramomo0926 | 2011-11-10 08:54 | フィギュアスケート


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