カロリーナ・コストナー選手ファイナル初優勝! -2011年グランプリファイナル
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2011年グランプリファイナル(GPF)女子シングルは、これまで出場の常連組でありながら優勝のなかったカロリーナ・コストナー選手が見事優勝です!2位にはこれまた今季抜群の安定感を誇る鈴木明子選手、3位には今季一段とステップアップした戦いぶりを見せているアリョーナ・レオノワ選手が入りました!おめでとうございます!!

ISU Grand Prix Figure Skating Final 2011
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。




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鈴木明子が2位、コストナーが初優勝=フィギュアGPファイナル・女子FS
 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6名が出場するGPファイナルは10日(日本時間11日)、カナダのケベックシティで女子シングルのフリースケーティング(FS)が行われ、ショートプログラム(SP)2位のの鈴木明子(邦和スポーツランド)は118.46点でFS3位となり、合計179.76点でファイナル自己最高の銀メダルを獲得した。SPトップのカロリーナ・コストナー(イタリア)がFSでもトップの121.05点をマークし、合計187.48点で優勝、SP3位のアリーナ・レオノワ(ロシア)が3位に入った。

 鈴木はいくつかのジャンプで着氷が乱れたが、ミスを引きずらずにスピード感のある演技で観客を魅了。演技構成点では2位の高得点をマークした。コストナーは序盤のアクセルがシングルになった以外は大きなミスなく演技をまとめ、シーズンベストをマーク。GPファイナル4度目の出場で初めての優勝となった。

<結果>
1位:カロリーナ・コストナー(イタリア)187.48
2位:鈴木明子(日本)179.76
3位:アリーナ・レオノワ(ロシア)176.42
4位:エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)174.51
5位:アリッサ・シズニー(米国)156.97

2011年12月11日 スポーツナビ

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カロリーナ・コストナー選手、優勝おめでとうございます!
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今季初戦からの安定感そのままに、見事優勝をかちとりました。フリーではミスもありましたが、これまでのように連鎖的にミスを重ねてしまったり、プログラムのムードが途切れてしまったりすることなく、最後まで曲の世界を保ちながら滑り切りました。

そして今回衣装を変えてきましたね!すごくかっこいいです。
でもこれはヘタするとモジモジ君系になってしまうすごくリスキーな衣装でもある。長身で手足の長いカロリーナだからこそ、ダンスの素養をきちんと身につけ体全体をいっぱいに使った伸びやかな身体的表現が出来るカロリーナだからこそ着こなせるという、かなりおしゃれ上級者のコスチュームです。色合いもすごく素敵。
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右肩から背中にかけてをざっくり出しているのが効いてますね。ブレスレットもかわいい。
前の濃紺のドレスもすごく素敵だったけど、このプログラムにはこの衣装の方が合ってるかも。より「舞踊」っぽく見せられるというか、彼女の美しい体の動きやポージングがすごくよく映えると思います。

実力は充分なのに、フリー自爆癖のためになかなかファイナルのタイトルを取れなかったカロリーナですが、ついにやりました!彼女がSPで神演技しながらあと一歩のところで優勝を逃したのを何度も見てきているので、本当に嬉しい。
また、彼女は昔から常に他の選手に対しても思いやりのある、フレンドリーな態度をみせていて、選手としても素晴らしいですが人間的にも素敵な女性です。母国イタリアではアスリートの中でダントツの人気を誇り、彼女の関連商品なども売られているのだとか。2006-2007年シーズンにはエキシビジョン用ナンバーとして「カロリーナのために」という曲を贈られたりしていますし、きっとキャラクターも含めてイタリア国民に愛されているのだと思います。
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オフには母国でモデルとして活動も。


彼女もベテランの域にきていますが、若い選手が活躍しがちなフィギュアスケートにおいてそれをハンデとせず「円熟味」としてしっかり存在感を示していますね。今季のプログラムはショートプログラム(SP)、フリーともに若い選手には滑りこなせない、大人のスケーター・演者としての強みを強くアピールするもので、とても彼女に合ってると思います。
高橋大輔選手とともに、最高レベルのスケーティング技術を持つベテランとして、魅せ方のお手本を示してもらいました。素晴らしかった。
この後イタリアの国内選手権になるのか欧州選手権が先かちょっとわからないのですが、次の試合もきっと彼女はやってくれると思います。

・・・と思ったら、カロリーナはイタリア選手権を欠場するというニュースが。
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カロリーナがイタリア選手権を欠場
2011年12月14日:カロリーナ・コストナーは今週末クールマイヨールで行われる予定のイタリア選手権を欠場する。グランプリファイナル優勝後、シーズン序盤の疲労の蓄積があり(8週間のうちにグランプリ4試合に出場)、彼女はここで休養し1月の欧州選手権と3月にニース(フランス)で行われる世界選手権に集中することを決断した。

カロリーナは無念さを表明している:「イタリアスケート連盟と、クールマイヨールで私を待っていてくれていたファンの皆様には大変申し訳なく思います。」

カロリーナが十分な休養をとり、今後の試合に向けて力を取り戻すことを祈っています!」

カロリーナ・コストナー オフィシャルウェブサイトより



確かに、ファイナルを入れたら2か月の間に4試合・・・それはかなり大変ですよね。毎回開催国が違うから移動と時差調整も大変ですし。
今季からグランプリシリーズは前年度の世界選手権上位6人の選手(組)は3試合まで出られることになりましたが、やっぱり無理がありますよ。昨季よりシリーズの日程に余裕を持たせている訳でもないですし。
ISUとしては、トップ選手が何度も試合に出てくれた方が観客も入るし儲かるかもしれないけど、選手としては、まあランキングのポイントは稼げるかもしれませんが、旨味はあまりない気がします。
欠場と聞いてヒヤッとしましたが、ケガではないようで本当によかった。疲労がたまったまま競技を続けるとケガを誘発しますし、それを避けるための休養という判断は正しいと思います。
ただ、気になったのが世界選手権の代表選考。基本的に国内選手権で世界選手権の出場者を選考する場合が多いですが、彼女はファイナル優勝していますし、欧州選手権で良い成績を残せばきっと出られる状況なんでしょうね。

ゆっくり休んで、また素晴らしい演技を見せてください。カロリーナ、本当におめでとうございます!!
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Carolina Kostner 2011 GPF FS -Concerto No. 23 in A major for Piano and Orchestra



鈴木明子選手がGPFで自身最高位となる銀メダルです!!
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コンビネーションジャンプが序盤の2アクセル-3トウループ(2A-3T)しかつけることができなかったのが痛かったですが、明子選手もミスを引きずらず終始流れを止めない演技で、微笑みも絶やすことなく滑り切りました。
改めて思いましたが、こういう事ってやっぱり大事ですね。ミスをした時に本人の表情が曇ってしまったり悲壮感漂う感じになってしまうとみている方も「頑張れ!」という感じになってしまうし、きっとジャッジとしても演技として全体的な印象が悪くなるでしょう。
ミスがあってもすぐに切り替えて笑顔で滑り切った方がこちらも割とすぐにそのミスを忘れられるように思います。
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そして彼女を助けたのが、オフに集中して取り組んだスケーティング技術ですね。スピンの回転の速さ、軸の細さは素晴らしいし、今季特に滑りが伸びやかになって、ステップでも軽やかに飛び跳ねるところとのメリハリがすごくついているし、演技全体が洗練されて、見映えしますね。
明子選手が笑顔で滑っているだけで、会場がほのぼのと明るさを増したように見えました。本当に今季の彼女は素晴らしいです。
本人は「2位はうれしいが、もっとできた。(全日本まで)時間がないので体調を整え、プログラムの質を高めたい」と話していたとのこと。全日本ではさらに素晴らしい演技が見られそうです。全日本の初優勝も勿論大本命となってますし、楽しみにしたいと思います。
おめでとうございます!!
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Akiko Suzuki 2011 GPS FS -Die Fledermaus Ouverture



3位はアリョーナ・レオノワ選手!
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今季のフリー演技の中で、私は今回が一番よかったように思いました。ルッツでの転倒はありましたが終盤のステップまでパワフルに滑り切っていました。
解説の方も「この曲は演者にエナジーを求める曲だ」というようなことを話していましたが、その通りです。曲は荘厳な感じなのでムードを盛り上げてはくれますが、曲に負けないような滑りをしないと却ってチグハグな感じになり、一体感が生まれません。
グランプリシリーズでの彼女は終盤になると明らかに疲れが目に見えてしまっていましたが、今大会の彼女は最後まで気迫を感じたように思います。
冒頭の3トウループのコンビネーション(3T-3T)は素晴らしかった。彼女はジャンプの軸がまっすぐで、とてもきれいなジャンプを跳びますね。
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若い選手たちより先にシニアデビューし、昨季までは一人でロシア女子シニアの顔として戦ってきた彼女。今季より若手の有力選手二人が参入し、負けていられないという気持ちは強かったでしょう。コーチを変えて更にレベルアップしたいと考えても不思議ではありません。
彼女の決断は今のところすごくうまくいっていますね。すっかり表彰台の常連になりつつあります。
きれいきれいとなりがちな女子フィギュアにおいて、パワーとコミカルさを前面に出した演技の出来る貴重な個性を持つ選手。これからもケガに気を付けて、更に技術を磨いていって欲しいと思います。
自身初めてのファイナル表彰台です!おめでとうございます!!
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Alena Leonova 2011 GPF FS -Adagio/Requiem For A Tower



4位はエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手!
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彼女も衣装を変えてきましたね。前は蛍光にも見えるようなパキッとした朱色がかった赤だったのですが、今度もまた目にも鮮やかなグリーン。
ただ、どっちかといえば前の衣装の方が似合ってたかな・・・でも彼女はエキシビジョンも赤系の衣装でちょっとデザインも似た感じに見えるので、こっちの方がいいかもしれないですね。
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彼女もノーミスとはいかなかったですね。転倒はしませんでしたが、これまでの爆発力はちょっとなりを潜めてしまいました。ですが最初の3ルッツ-3トウループ(3LZ-3T)、中盤の2A-3Tの幅は凄かった。3Tはステップアウトになりましたが、最初の2Aの幅は男子もびっくりという感じ。

すごく魅力的な小悪魔的なラテンでしたが、やっぱり動きが小さくまとまってしまっているなという印象。あれだけジャンプをダイナミックに跳べる選手ですから、身体の動きを胴体の周りでコチョコチョやるのではなく、腕や脚を一杯に大きく使って演技することが出来るようになると、ものすごく良くなると思いました。
まあ14歳でこれだけの演技ができれば破格の能力といえるので、あまり注文を付けるようなことはまだ言いたくないですが、羽生結弦選手を見ていると、ちゃんと体を大きく使うことを体に覚え込ませるというのは重要だと思うんですよね。
羽生選手は「スタミナがないのに飛ばし過ぎ」と言われるほどに体全体を大きく使って演技していますが、今、彼は昨季よりも体力がついてきて、その動きを演技に生かすことができるようになりつつあります。アデリーナ・ソトニコワ選手も体を大きく使えるので、(彼女は足が凄く長いというのもありますが)足を振り上げただけでもすごく演技に存在感と迫力を出すことが出来ています。
そして今シニアトップの選手たちは全てそれは当たり前に出来る選手ばかりです。大きくリンクを使い、大きく体を使って表現しながら難易度の高いエッジワークをし、ジャンプを跳び、スピンをして演技している。今後彼女には、特に小柄な選手である彼女には絶対に必要になってくる要素だと思います。

以前も男子の記事で書きましたが、身体を大きく使った動きを体力に合わせて調整することは出来ても、小さい動きしかやっておらず大きく体を動かす使い方が身についていない選手が、いきなり大きく動こうとしてもかなり難しくなります。
トゥクタミシェワ選手は今体が一番思うように動く時期ですから、今のうちに体全体を大きく動かす習慣と、大きな動きをしながらもポジションやエッジを保つボディバランスをしっかり自分の体に取り込んでいくことは、これから大人の体になることを考えても非常に重要になると思います。
ミーシンコーチもついていてロシアの超エリートですから育成については抜かりないとは思うのですが、そのあたりがちょっと気になりました。

とはいえ、14歳でシニアデビューでこの活躍というのは今後が本当に楽しみな選手です。ソチに向けてケガに気を付けて、是非順調に伸びていってくれるといいなあと思ってます。本当に魅力のある選手です。
お疲れ様でした!

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演技終了時の笑顔が可愛かった!!


Elizaveta Tuktamisheva 2011 GPF FS- Latin Selection

British Eurosportの実況・解説。トゥクタミシェワ選手が一番滑走だったため、動画冒頭はSPの順位等の説明をしています。
真央選手の欠場とその理由にも触れ、“Our thoughts are with her.”とお悔みを述べて下さっています。


アリッサ・シズニー選手は5位でした。
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SPの時からなんか表情も冴えないし元気がないように見えるなあと思っていたら、やはり足を捻挫していたんですね。足をひねっているのに堅い氷の上でジャンプをしなければならないというのは想像しただけで辛いです。悪化も心配ですし。
ですが彼女は絶対に弱音を吐きませんね。痛い素振りも見せずに試合に出ています。強い女性ですね。

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キス&クライでのアリッサ。美しい目に涙が滲んでいます。思ったような演技が出来ず、悔しかったんでしょうね・・・。


やはりジャンプ着氷時などは踏ん張りがきかないのか、2度の転倒がありました。終盤の3ループではしゃがみこみそうになりながら片足で耐え抜いた彼女を見て、胸が痛くなるほどでした。
前年の覇者としてはこの成績は非常に不本意だと思いますが、怪我ばっかりは仕方ないです。今は治療につとめて、全米選手権までに出来るだけ体調を整えるのが大事。どうぞお大事になさってください。
そんな状況でもスピンはさすがとうならせ拍手が巻き起こっていました。ここがシズニー選手の底力ですね。
頑張って下さい!
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Alissa Czisny 2011 GPS FS -Valse Triste



非常にみごたえある試合でした。良い試合だったと感じれば感じる程、真央選手の欠場は非常に残念でしたが、帰国の決断は100%正しかったとも思っているので、来年楽しみにしたいと思います。
素晴らしい試合をありがとうございました!!

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<参考リンク>
Carolina Kostner Official Website


<関連コラム>
カロリーナ・コストナー選手、完璧な演技で首位に -グランプリファイナル2011  2011年12月10日
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佐藤有香さん&ジェイソン・ダンジェンさんご夫妻インタビュー  2011年12月9日
by toramomo0926 | 2011-12-15 08:46 | フィギュアスケート


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