パトリック・チャン選手が優勝、高橋大輔選手・羽生結弦選手神演技 -2011グランプリファイナル
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2011年グランプリファイナルは、地元のパトリック・チャン選手が優勝、高橋大輔選手がショートプログラム(SP)5位から一気に順位を上げて銀メダル、銅メダルにはスペインで初のグランプリファイナル表彰台となったハビエル・フェルナンデス選手が入りました。羽生結弦選手は4回転トウループ(4T)を決めるなど素晴らしい演技でフリー3位、総合で4位になりました!


ISU Grand Prix Figure Skating Final 2011
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。

*記事の更新が遅れまして大変失礼しました。



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高橋大輔が2位、羽生4位 チャンが連覇=フィギュアGPファイナル・男子FS
 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6名が出場するGPファイナルは10日(日本時間11日)、カナダのケベックシティで男子シングルのフリースケーティング(FS)が行われ、SP5位の高橋大輔(関大大学院)が172.63点でFS2位となり、合計249.12点で2位に入った。SP4位の羽生結弦(東北高)は166.49点でFS3位、合計245.82点で4位だった。SPトップのパトリック・チャン(カナダ)がFSでも1位となり、合計260.30点で2連覇を飾った。

 高橋は冒頭の4回転トゥループで両手をついたが、その後はすべてのジャンプを完ぺきに決めて今季のベストをマーク。演技後にガッツポーズが出る納得の演技でSP5位から巻き返した。高橋に続いて登場した羽生は冒頭の4回転トゥループを鮮やかに決め、最後のトリプルサルコウが乱れた以外はほぼミスのない演技で自己ベストを更新した。トップのチャンは序盤の4回転でやや乱れたが、その後は持ち直して演技をまとめた。

<結果>
1位:パトリック・チャン(カナダ)260.30
2位:高橋大輔(日本)249.12
3位:ハビエル・フェルナンデス(スペイン)247.55
4位:羽生結弦(日本)245.82
5位:ジェレミー・アボット(米国)238.82
6位:ミハル・ブレジナ(チェコ)218.98

2011年12月11日 スポーツナビ

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優勝はパトリック・チャン選手。
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多くのブロガー様や、一部ライターの方が述べていらっしゃるように、私にも彼がこの日一番いい演技をしたとはどうしても思えませんでした。彼のベストの状態とはとても言い難かったし、いつもの彼ですらなかった。はっきり言って、演技は悪かったです。まともに降りたジャンプは2つか3つで、あとのジャンプは転倒かステップアウトで、演技の世界はぶつ切りになっていました。着氷の乱れたジャンプが続いたことで演技全体の印象は悪くなり、見ている側も集中が切れて曲が殆ど耳に入って来ない状態。そのためいつもの彼の素晴らしいスケーティングも、あまり印象には残りませんでした。
それなのに、彼の点数はSP同様(そしてここ2年ほどの彼の全ての試合の採点同様)技術点ではある程度引かれるものの演技構成点(PCS)で大幅に救済され、結果的にどんなミスをしようが全く影響のない状態になっていました。
通常あれだけミスがあればPCSの「Performance/excution」(演技力)や「Interpretation」(音楽の解釈)などに影響が出てしかるべきだと思いますが、10点満点中9.25という呆れるほどの高得点を出したジャッジもいる。強いて言えば、グランプリシリーズ序盤でやはりファンをあきれさせた10点を付けるジャッジがいなかったということくらいでしょうか。
PCSはトップ選手の場合最低でも7点台は必須、8点台いけば高得点とされているのに、この演技で9点以上というのは正直ありえません。
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彼の昨季からの点の出方は、キムヨナ選手がバンクーバー五輪までに「実績」を積み上げていったやり方と全く同じに見えます。
演技内容に拘わらずミスした分はPCSで補う点のつけ方をする。それをどんどん積み重ねていくことで誰がどんな演技をしようとも追いつけない、どんな試合運びになろうが勝てる点数にしていく。
選手の側にしてもどんなミスをしても点が下がらないので、他の選手よりも試合に対して大きく精神的アドバンテージがある状態で試合ができる、という非常にアンフェアなものです。
カナダはキムヨナ選手がバンクーバー五輪で成功したやり方を、今度はソチ五輪の男子フィギュアでもやろうとしているのではないかという不安が正直出てきています。
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彼の演技については特に感想はありません。彼にしては良くなかった、けれど点の付き方はそうでなかった、それしか言いようがありません。ジャッジがどう考えて彼にあのような点を付けたのか、全く理解できないからです。

動画サイトのコメント欄にあった話で出典は不明ですが、フランスとアメリカの解説者はこの採点に怒りを表していたとのことでした。高橋がフリー1位であるべきだったと。
私も同感です。総合順位については、SPの出来の差というのがありましたから何とも言えませんが(そのSPでもかなりチャン選手に色はついていたと思いますが高橋選手が悪すぎたので)、フリーのみの順位は間違いなく高橋選手が1位だったと思っています。
コメント欄には、日本だけでなく世界中のファンから、そしてチャン選手のファンだという方からも「彼がフリー1位というのはおかしい」という声がたくさん寄せられています。

素晴らしい技術を持つ優れたスケーターが、そういうところでファンや解説者からの信頼と尊敬を失っていくのは悲しいことです。そしてフィギュアスケートというスポーツ自体の尊厳や信頼が損なわれていくのを見るのも辛い。
これがまた女子の時のようにソチまで続くのでしょうか。懸命に全てを捧げて取り組んだ他の選手の努力を踏みにじるような採点がまた次回も起こるのでしょうか。もうあんな理不尽な思いはしたくないし、選手にもさせたくないのに。

五輪は、そして全てのスポーツの試合は全ての選手のためのものです。誰か一人だけのための試合になってしまうという事態は絶対に繰り返させてはなりません。



patrick Chan 2011 GPF FS -Adagio from Concierto de Aranjuez





高橋大輔選手は4回転で手をついたものの、他は完璧といっていい演技でSP5位から2位にジャンプアップ、カナダの目の肥えた観客を総立ちにさせました!
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海外の解説者がこの素晴らしいフリーを見て「あのSPは何だったんだ・・・(笑)」みたいなことを言ってましたが(笑)本当に素晴らしい演技でした。表現するのが、というより踊ることが既に難しいブルースというジャンルの魅力を余すことなく表現していました。抑揚や緩急をきちんと演じわけ、リズムをしっかり足元で表現し、けだるさとその中に秘められた情熱や激しさみたいなものもきちんと感じ取れました。そして4回転以外のジャンプは全て成功。曲の世界に会場全体を、遠く離れた録画を見ているTV視聴者までもその場に引きずり込むような、のめり込ませるような演技でした。
高橋選手本人もそうでしょうが、音楽と一体化することの陶酔感みたいなものを、あの演技を見た人は全員共有できたのではないかと思います。

ですが、ジャッジは彼をこの日一番とは思わなかったということですね。
更に、どういうつもりかわかりませんが、PCSの「Transition」(技と技のつなぎ)の項目に5.50というありえない低い点を付けたジャッジが一人いました。
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高橋大輔選手の得点表。(クリックで拡大表示)
下半分の「Program Components」という項目がPCSの得点を表すのですが(PCS=Program Components Scoreの略。5項目あることからファイブコンポーネンツと言う人もいる)、2番目の「Transition / Linking Footwork」というところが「技と技のつなぎ」の項目。
9点や8点台が殆どの中、一人だけジュニアかというくらいの低い不自然な評価をしているジャッジが。



彼の演技はつなぎも含めて男子トップレベルのもので、それを彼は充分にこなしていました。それなのに、押し間違いとしか思えない点を付けています。
同じ演技を見て、同じ項目で9.00を付けるジャッジと、5.50を付けるジャッジがいる。これでジャッジ自身に平均的に高いレベルで選手の演技を評価する能力があると言えるのでしょうか。

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■優勝したP・チャンよりも輝いていた、高橋大輔のフリー演技。
 高橋は、フリー、総合ともに2位だった。

 だが少なくともこの日のフリーに関しては、彼の演技は1位に値したのではないかと思う。

 優勝したパトリック・チャンは、4回転を2回降りたが、どちらも着氷が乱れた。そして最後の3ルッツで転倒している。もともとチャンは、失敗しても立ち直りのうまい選手ではある。だがこの日のミスの入り方では、普段の彼の優れたスケーティングの持ち味が生かされず、全体の流れも途切れ気味であった。

 解説者として会場に来ていた佐野稔氏は、「後半に入ってからの3ルッツ+1ループ+3サルコウが大きかった。普段やっていない3フリップ+3トウループも急遽入れた。この採点方式での勝ち方を知っている」と分析する。

 だがあれだけのミスにもかかわらず、5コンポーネンツもわずかながら今回の高橋よりも高かったというのは、よくわからない。ジャンプミスはスケーティング技術には影響がなくても、5項目のうちパフォーマンスやインタプリテーションの部分では影響があるはずだ。

■開催地がカナダではなく日本だったら高橋が優勝……。
 高橋本人は、淡々とこの結果を受け入れた。

「パトリックはミス3つ、自分は1つでもまだ勝てないんだなと思った。それが今のジャッジの評価なんだな、と受け止めました」

 もっとも今シーズンを通しての全男子でもっとも高い5コンポーネンツは、高橋がNHK杯で出したものだ。

「あれは(開催が)日本でしたから」と、高橋は謙遜して苦笑する。確かにどの試合でも開催国の選手に少し甘い目の点が出るというのは採点スポーツでは珍しいことではない。

「でもそれを言うなら、ここはカナダですよね」と私は返した。


 この試合の開催地が、カナダではなく日本だったら高橋が優勝していたかもしれない。

 だがそれを論じてみても不毛なだけである。ジャッジの顔ぶれと開催地など、不利なこともあれば有利なこともある。運も含めたすべてを受け入れてこその、採点なのである。そう割り切らないと、採点スポーツはやっていけない。

 今回はこういう結果になったが、これで勝負は終わりではない。高橋がこのまま今季の残りも安定した演技を続けていけば、結果は必ずついてくるはずである。

(Number Web 「浅田匡子さんに届けと渾身の滑り。GPファイナルの日本勢、各々の想い。」田村明子さんコラムより抜粋)

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長年フィギュアを追いかけ取材している田村明子さんも、オブラートに包んではいますが今回の結果に疑問を投げかけています。「割り切らないと採点スポーツはやっていられない」というところに、高橋選手の素晴らしい演技に立ち会った、フィギュアを本当に愛するライターの無念さが滲んでいます。
高橋選手のコメントは立派です。彼に限らず男子も女子も、日本選手は他を批判せず自分の課題として受け入れる姿勢はアスリートとして素晴らしいと思うけれど、そういう意味で「聞き分けがいい」のをいいことに、ISUやジャッジがやりたい放題で日本選手は割をくってばかり、という歯がゆさも見ていて感じます。
こういう時に選手を守るのが日本スケート連盟のはずなのですが、見ていてあまり強い姿勢に出る事はないですよね。そこが選手の苦労を思うファンとしては非常に見ていてじれったい。

別に怒鳴り込めなどとは言いませんが、ジャッジに「こういう評価になったのはなぜなのか。今後の課題として是非伺いたい」という風にその都度(しつこく)確認すればいいと思うんですよね。
文句としてではなくあくまで「質問、確認」というテンションで「今後の対策のために是非説明をお願いします」という感じに下手に出て、でも細部にわたりいちいち聞けば、ジャッジもそんな理不尽な点を出しにくくなるのではないかと思うんです。そういう風に選手を守るということはスケ連は考えないのでしょうか。
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彼の演技がどんなに素晴らしかったのかは、観客の声援(男性の声も多かった)や演技後の観客の笑顔とスタンディングオベーションに現れていました。高橋選手はきっとそれは嬉しかっただろうと思います。
ファイナルのタイトルは是非取りたかったでしょうが、今回フリーにおいてはすごく収穫、手ごたえがあったようですよね。全日本にこの経験がきっと生きてくると思います。次の週末が本当に楽しみです。

おめでとうございます!!
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Daisuke Takahashi 2011GPF FS -Blues for Klook
前に見たBritish Eurosportの実況・解説では "The response tells you everything you want to know." 「観客の反応が全てを物語っている」とべた褒めでしたけど、この動画には入ってないですね・・・(笑)。


3位はハビエル・フェルナンデス選手!スペインの選手で初のファイナル表彰台です!!!
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表彰式のワンショットがなかったので、キス&クライの喜びの表情を。

彼は本当に今季大ブレイクですね!冒頭の4Tと4サルコウ(4S)は本当に美しかった。ジャンプの着氷の乱れはその後散見されましたがスピードもあり、流れを切らさない(最後ちょっと疲れてたけれど)演技でしたね。
何度か着氷で転倒しそうになりながらも気迫で持ちこたえ(あれは本当に気持ちだけで耐えたと思う)優勝が懸かったファイナルのフリーで転倒ゼロの演技。本人もガッツポーズしていましたが、本当に素晴らしい達成だったと思います。
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彼の滑りは滑らかで無理なくスピードが出ていて、見てて気持ちいいですね。カナダの英雄ブライアン・オーサーコーチの教え子ということでカナダでは知名度も随分あるようで、声援や手拍子も大きかったですね。彼にとってこのメダルは大きな実績と自信になったと思いますし、きっとソチ五輪でのメダル候補の一人として大きく育っていくことと思います。
本当におめでとうございます!!


Javier Fernandez 2011 GPS FS -La Traviata, etc.



羽生結弦選手は課題としていた4Tを見事成功、今季最高の演技でフリー3位、初出場のファイナルで総合4位です!
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最後のサルコウだけが着氷が乱れてしまったけれど、他は今まで入らなかった後半の3連続ジャンプも全て入り、ステップもサーキュラーステップでレベル4を取り、スピンは2つでレベル4(最後のスピンはビールマンが入るだけに回転数がとれなかったのかレベル2)という素晴らしいものでした。
PCSも試合を重ねるごとに高い点がついてきて、殆どを7点台と8点台というトップスケーター並みのものをそろえられるようになってきています。体力もついてきてるようですね。素晴らしいです。
なにより、17歳になったばかりという年齢でこの演技力というのは凄い。しかも技術的にもトップレベルで質の高いものを持ってきています。
British Eurosportの実況・解説の方が、彼が4T、イーグル(足首から先を外側に180度開いて滑る技)からという難しい入り方での完璧なトリプルアクセル(3A)、美しい3フリップ(3F)を決めた後に3ルッツ(3Lz)-2T、しかも2Tは両手を上げてのタノ・ジャンプを披露した時には"Ridiculous.(馬鹿げている)"と言っていました。「アホか(って程に凄い)」ってことですかね(笑)
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解説の方も話していましたが、阿部奈々美先生の選曲とプログラム作りも素晴らしいですね。彼の個性を知り抜いているから、今の彼を一番「売れる」プログラムを作れる。
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昨季のSP「白鳥の湖」もそうでしたが、彼の体のしなやかな美しさ、表現の激しさの良さがすごくよく出ているプログラムを作っています。
羽生選手って私は若い竹のイメージなんですよね。しなやかだけれど決して折れない強さを持つ。日本らしい涼やかさと内に秘めた情熱を持つ。本当にこれから楽しみな選手ですし、今季に限ってもSP、フリーともにどういう風に出来上がっていくのかが更に楽しみになってきています。

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終わった瞬間会心の演技に喜びと驚きが同時に沸き起こったみたいな感じでしたね。
奈々美先生の方しか見ていないところに信頼と絆を感じます。そしてちょっと乙女入ってますね(笑)

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スタンディングオベーションとなった観客席に応えた後、両手を合わせて拝むようなしぐさをしていました。嬉しかったんでしょうね。
彼が北米で演技をするのはこれが初めてでしたが、カナダのお客さんに強烈なインパクトを残したと思います。きっと人気も出るでしょうね。


この良い感触を持ったまま全日本に臨む羽生選手、今季は絶対に表彰台、むしろ優勝を狙ってくると思います。
彼の演技は何度も見返したくなってしまう中毒性がありますね。ケガのないようにだけは気を付けて、これからも全身全霊の演技を楽しみにしたいと思います。
本当におめでとうございます!!!


Yuzuru Hanyu 2011 GPF FS -Romeo et Juliet



ジェレミー・アボット選手はSPの2位という良い位置を守れず5位となりました。
順位的には残念でしたが、彼がはっきりと上向きなのが分かったのは嬉しかった。
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彼のクリーンな4Tというのを本当に久しぶりに見た気がします。
この日の彼は序盤からスピードにすごく乗っていて、迷いや恐れなく滑ってる気がしました。転倒があっても気持ちを切らさず弱気にならず、常に音を追いかけ、体の動きをその音にぴたりと添わせることに集中していたように見えました。なので2度の転倒というものは全くプログラムのムードに影響を及ぼしませんでした。
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今季の彼のフリーは本当に、本当に好きです。
派手さはないけれど本当にスケートがうまい人にしか滑れない、スケートに愛情のある人でないと滑れない曲だと思います。
そして去年彼はSPでフラメンコを演じた時にダンサーの先生について指導を受けたそうなのですが、その素養がこの演技にも生きている気がします。一つ一つの体の動きがシャープでありながらも非常に滑らかで、見ていて本当に気持ちいい動きでした。

彼自身も、この演技に手ごたえを感じたようです。
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「これまで見た中で最高の男子の試合だった。
ミスはあったけれど、今日僕がなしえたことを誇りに思う!
試合を重ねるごとに良くなっている・・・全米選手権に向けて!」


このプログラムの完成形、完全にクリーンに滑り切った演技を是非、是非見てみたい。次は全米選手権だと思いますが、是非神演技を期待したいと思います。
お疲れ様でした!


Jeremy Abbott 2011 GPF FS -Exogenesis: Symphony, Part 3



ミハル・ブレジナ選手は順位を上げられず6位でした。
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なんか今季の彼は、見てて違和感がありますね・・・相変わらずジャンプなどは幅もあって大きいのですが、前ほどホイホイ跳ぶかんじじゃないですし、何より彼から情熱が感じられないんですよね。ケガとか体調が悪いとか、はたまたコーチとの関係がうまくいっていないのかなあ・・・?と思ってしまうような。
なんだか心ここにあらず、みたいな風にも見えます。
このフリーも音楽がちょっと面白いアレンジで、機械仕掛けみたいな振り付けもあるんだけれども、それもただこなすだけという感じで「演じよう」という気持ちも感じられないような。
彼に何があったのかわかりませんし、特に何もないのかもしれない、事情は全くわかりませんが、彼が楽しそうに滑る姿をまた見たいなあと思ってしまいました。
お疲れ様でした!


Michal Brezina 2011 GPF FS -The Untouchables



今大会は本当に男子も女子も演技に見応えがありましたね。やっぱりリアルタイムで見たかった・・・(涙)
そしてファイナルが終わるとそれぞれの国で国内選手権がありますね。もうはじまっている国もあります。
全日本は2011年12月22日 ~ 2011年12月26日で開催、TV放映は23日からになります。

とりあえずファイナルが終わるとシーズン前半は殆ど終了に近い感じになりますね。年明けからは後半戦に入ります。
選手の皆様、お疲れ様でした!そして後半も頑張って下さい!!

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***おまけ***

その1:
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会場のバナーなんですが、パトリック・チャン選手のどや顔(笑)似てる!!凄く目立ってました。


その2;
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練習を見守るコーチたち。

<参考リンク>
浅田匡子さんに届けと渾身の滑り。GPファイナルの日本勢、各々の想い。 -田村明子/Number Web


<関連コラム>
「先入観」への危惧 -パトリック・チャン選手優勝:スケートカナダ・男子シングル  2010年10月31日

「羽生結弦、手に入れたシニアの戦い方」を読んで -スポーツナビの記事  2010年12月1日

パトリック・チャン選手、アクシデントがありながらも首位を守る -2011グランプリファイナル  2011年12月10日
パトリック・チャン選手が優勝! -2011年フランス杯 -2011年11月20日
スケートカナダ・男女シングル  2011年11月1日

動画のご紹介 -グランプリファイナル男子出場選手  2011年12月7日
動画のご紹介 -グランプリファイナル女子出場選手  2011年12月2日

佐藤有香さん&ジェイソン・ダンジェンさんご夫妻インタビュー  2011年12月9日

韓国東亜日報の記事-フィギュアスケート採点の信頼性に激震  2009年10月29日
キムヨナ選手の「世界最高得点」の意味を考える 2009年10月20日
「競技」としてのフィギュアは死んだのか 2009年10月18日

by toramomo0926 | 2011-12-17 15:43 | フィギュアスケート


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