ジャパンスーパーチャレンジ2012!
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1月6日に行われていた日本フィギュア団体戦「ジャパンスーパーチャレンジ2011」が昨日午後放映されました。
昨日は夜にスターズ・オン・アイス(SOI)の放映もあり、フィギュアファンとしては忙しい1日となりました(笑)。

Ion Kesho 日本フィギュア団体戦 Japan Super Challenge 2012

これは「団体戦」と称していますが基本的にゲーム形式のエキシビジョンマッチというかお祭りの形式が強いもので、勿論公式試合ではありません。
普段一緒に試合をしないノービス、ジュニア、シニアの選手が一緒にチームを組んで戦うという面白い形式のものです。若い選手には、憧れの存在であるシニアトップ選手と一緒のリンクに立ってお互いを応援できるという貴重な機会になります。
この大会の趣旨はまさにそこにあり、入場料等で得られた収益は、若い選手の育成の為に使われることになっています。

今年の出場選手とチーム分けは下記の通り(敬称略)。

チームレッド :浅田真央、小塚崇彦、町田樹、村上佳菜子、日野龍樹、松野真矢子
チームブルー:高橋大輔、安藤美姫、鈴木明子、羽生結弦、本田太一、宮原知子




大会ルールは下記の通り。
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大会サイトよりお借りしました。

観客にも採点に持ち点が振られてますし、特別審査員も表現の世界で活躍する方々が並んでいるので、この大会は観客へのアピールやパフォーマンスが採点の比重を大きく占めますね。
選手は普段も勿論演技力やアピールは意識して試合に臨んでいるでしょうが、この試合においてはスピンの回数を数えられたり、ジャンプの回転不足やステップのエッジの甘さを指摘されるようなことはありません。転倒などの明らかなジャンプミス以外は技術的に「取りこぼす」心配をせずに思い切り自分を表現できる。ですが普通のエキシビジョンやアイスショーとは違ってそこに点数が付き、ゲーム的要素も加わっている。
そして団体戦としてチームで協力し、互いを応援しながら和気藹々と試合ができるというのは、選手にとってもきっと楽しいのではないでしょうか。

今年の特別審査員は、本田武史さんと荒川静香さんは常連ですが、葉加瀬太郎さんとはいだしょうこさんが加わってます。去年はバレエダンサーの熊川哲也さんが来たことで話題になりましたが、今回は音楽と宝塚&うたのおねえさんの部門からの選出です。
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トップはソチ五輪以降の日本フィギュアを牽引する二人、村上佳菜子選手と羽生結弦選手!
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この「Amarti Si」での彼女は体を大きく使っていて、特に後半の歌の壮大さをしっかり表現していました。本人はトップバッターなので緊張したと話していましたが、落ち着いた滑りに見えました。
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先日佳菜子ちゃんの2年前くらい?の写真を見たのですが、体型が随分変わってて驚きました。子供特有の細さがなくなって、体格がしっかりしてきたように見えます。今が一番大変な時期だと思いますが彼女はそれでもかなりうまく対処してきている方ではないでしょうか。
今回も立派に役割を果たしました!佳菜子ちゃん本人も満足そうでよかったですね。
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笑顔満開。




羽生結弦選手は、今季のフリー「ロミオとジュリエット」の短縮版を気迫たっぷりに滑りました。
冒頭の4トウループ(4T)、3アクセル(3A)、3フリップ(3F)が終わったスローパートからのスタート。いつもはドラマチックな音楽とこの3つのジャンプで観客とジャッジの目を釘付けにしてからのこのスローパート、というのに慣れてしまっていたので曲が始まり、ピアノが鳴った時にはちょっと最初は勢いに欠けるようにも感じられたというか、時間制約はないので、音楽を流してジャンプはフルに跳ばずに踊ってもよかったかもしれないなとも一瞬思ったんですが、やっぱり滑り始めると会場をつかみました。3ルッツ(3Lz)-2Tを跳んだ時にはすっかりそういう違和感も消えてましたね。そして試合では見られない3A-3Aのシークエンスに会場も沸きました。夏のアイスショーで見せた時には本当にびっくりしたけど、こんな凄いことが出来るのに試合ではルール上入れられないので見せることができないのは残念ですね(入れられるのかな?でも入れてもリスクは高いけど旨味はそれほどないような気がします)。
レイバックイナバウアーも美しく決まりました。ループでの転倒は残念でしたが、流れが途切れなかったので「ああ・・」という印象にはならなかったのはよかったです。
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そしてステップ前は、既にお約束になりつつある雄叫び(笑)アイスショー的な照明の中で異彩を放つ本気モード。最後まで気迫たっぷりに演じ切りました。
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若者二人の頑張りで、初っ端からすごく盛り上がりましたね。先輩方も嬉しそう。
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お疲れ様でした!



次は今年のジュニアチャンピオン二人の登場。
全日本選手権で話題をさらった13歳、宮原知子選手と、世界ジュニア選手権出場を決めた日野龍樹選手!
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傘を持ったまま跳ぶのは難しいということですが、しっかり2Aを決めました。彼女は顔立ちがはっきりしているので、ちょっと大人びても見えるのですがまだ体が小さくて、そのギャップがまたかわいいですね。
それにしても全日本では凄い子が出てきたなあという感じだったので、これからの成長が本当に楽しみ。既にアクセル以外の5種類のトリプルを跳んでるということなので、これから名前を聞くことも増えるでしょう。是非頑張ってほしいです。
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日野龍樹選手は・・・カッコよかった。
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この年でこのサングラスの似合いようは何なんでしょうか(笑)昨季もこのプログラムを滑っていたように思いますが、似合いすぎます(笑)。
「太陽にほえろ!」のテーマソングに合わせてクールに演じつつ、ちょっと撃たれてみたりして(笑)なかなか面白いプログラムでした。
ただ、ちょっと淡々とやりすぎてしまっている感じもありましたかね・・・クールに伏し目がちなのがこのプログラムでは良くもあり悪くもあったという感じ。昨季から鈴木明子選手の師である長久保裕コーチに師事しているということで、いろんなことがこれからもっともっと良くなっていくでしょうね。
こうやって、試合以外で若い選手が表現できる場がもっと増えていくといいと思います。やっぱり場数って大事ですよね。
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続いて、今年のノービスAチャンピオン二人の演技。(ノービスは年齢と級によってクラスが分かれています)
本田太一選手は、ステッキにシルクハット&タキシード姿で「HOT」を軽やかに演じました。
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普段私はジュニアやノービスは全くチェックしていないので、こういう機会に若い選手を見ると、その素晴らしさにびっくりしてしまいますね。もうちゃんと「選手」だし「パフォーマー」ですものね。日本の未来は明るいです。
彼は「家政婦のミタ」で有名になった本田望結ちゃんのお兄様なのだそうで、望結ちゃんもフィギュアスケートをしていますが(望結ちゃん昨年佐藤信夫・久美子賞を受賞しています)、彼女の他にも二人妹がいて、全員フィギュアを習っているとのこと。実は凄いスケートエリートな一家の長男なのですね。すごいです。
ですがこの放送では望結ちゃんのことについては一切触れなかったので、私としてはよかったなと思いました。彼だって立派な成績を残しているのだし、本田太一選手という名前より先に「キイちゃんのお兄さん」ということが世間一般に認知されていくのは望まないだろうなと思ったので。
これからの活躍が楽しみですね。頑張って下さい!
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松野真矢子選手は正統派な「ドン・キホーテ」を滑りました。姿勢の良さが印象に残りました。
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手先まで美しくて、バレエを習ってるのかなとちょっと思いました。高学年とはいえノービスとは思えない感じでしたね。すらっとした立ち姿が印象的。
試合以外のショーのような形で滑るのは初めてとのことで緊張したでしょうが、素敵な演技でした。本当にすごいなあ。やっぱりレベルの高い選手が出てくると、全体としてもぐっと底上げされていくんでしょうか。日本には若い素晴らしい選手がたくさんいるんだなあということを教えてもらった気がしました。頑張って下さい!
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若者が頑張った後、先輩方がきっちり決めます!
エンターテイナー対決ということで、町田樹選手と鈴木明子選手!

町田選手の「必殺“アランフェス”仕事人」なプログラムは最高でした!
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彼は今季本当に凄い成長をしていると思います。いろんな意味で「うまく」なった。ジャンプも高くて安定したものが跳べているのもそうなんですが、何より「魅せる」ということにおいて今季一番伸びているのではないでしょうか。
身のこなし、目線の飛ばし方、頭の動かし方、指先の表現。全てにおいて本当に素晴らしかったし、今季彼はずっと素晴らしい演技を見せてくれていると思います。本当に努力したんでしょうね。
そして、今回気合も入ってたんだと思います。目バリ入れてましたもの(笑)
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殺陣の振り付けもしっかり「型」が出来ている感じで、単に振り回すだけでなくきちんと美しい所作になっていましたし、ステップを踏みながらの振り付けも違和感なく、本当に楽しいプログラムになっていました。
彼のショーナンバーは「Don't stop me now」が一番好きでしたが、このプログラムも一気に大好きになりました。
しかも「アランフェス」がこんなに時代劇が似合う曲だとは(笑)このアレンジを思いついた人は凄いですね。
あ、でもこの2曲、最初の3音は同じだ!!!(笑)
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彼は2月に米国・コロラドスプリングスで行われる四大陸選手権に出場しますが、ぜひとも、ぜひともエキシビジョンに出てもらって、このプログラムをアメリカの観客に披露してほしいと思います。きっとすごく喜んでもらえると思うし、彼の名前をしっかり売り込むチャンスだと思います。「黒い瞳」と「ドン・キホーテ」のプログラムも素晴らしいので是非見てほしいけれど、一番コレをアメリカの観客には見せたいかも(笑)
これは是非定番プロとして見せていって欲しいと思います。お疲れ様でした!

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演技後、観客に応える時にはこのような武士式挨拶だったようです(笑)。TV放映ではリプレイが流れてしまって映らなかったのが本当に残念。





鈴木明子選手は「バーレスク」でキュートでセクシーな小悪魔ぶりを存分にアピール。
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このプログラム大好きです。明子選手の弾けるような演技の良さが存分に出ていますし、セクシーな振り付けや、観客(今回は特別審査員にも)に近寄り、ウインクしてアピールするところも、魅力的なのですがいやらしさのようなものがなく、まさに「小悪魔的」という感じで、すごくチャーミングです。
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葉加瀬太郎さんニッコニコでした(笑)

でもこのプログラムが見られるのは、普通にいけば世界選手権を残すのみとなりますね・・・もったいないなー。来季もこれでいいようにも思うけど、また来季は来季できっといいものを作ってきてくれるのも明子選手なんですよね。痛し痒し(違うか・・・)。
でも本当にこのプログラムは、というかこのプログラムを滑る明子選手は大好きです。




小塚崇彦選手は昨季のエキシビジョンナンバー「Hello, Goodbye/Safety Dance」を。
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3Aの転倒は残念でしたが、音をしっかり表現してましたね。帽子のすくい上げも今回は完璧(笑)
ただ、私はこのプログラムは最後まで個人的にはしっくりこなかった感じがあるんですよねー。彼の中のテーマであった表情を付けた演技や観客へのアピールというものを見据えての取り組みの一つということで、今の彼に必要なものだというのはよく分かっていますし、彼の崇拝するカート・ブラウニングさんの振り付けということで後半の足さばきなども見どころは沢山あるとは思うんですが、小塚選手の良さを引き出すようなプログラムではないように思ってました。
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昨季最後までなんとなく違和感があったままだったので、今回昨季のプログラムをやるのであれば「Free Fallin'」の方を見たかったな~。その方が、スローな曲の中にある緩急や、彼のスケーティングの気持ちよさと音楽がぴったり合わさった浮遊感みたいなものはよりアピールできたのではないかなと思いましたね。





安藤美姫選手は「ブラックスワン」!
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かっこいいプログラムですね。ドラマチックな音楽の表現は安藤選手は非常にうまいですし、衣装も凄くステキ(良く見ると結構セクシーですよね)。
ですが体の動きは、ここ数年素晴らしかったしなやかさみたいなものが失われているように見えました。腕や表情の動きはとても凝っているのですが上半身が固いように見えて、腰から上の動きに幅が無くなってしまっているように見えたのです。
かなり演技性の高いプログラムですし演技時間も長いので仕方ない面はありますが、ジャンプが2回しかなかったこともちょっと自分的には物足りないというか、あと1回くらい欲しかったなという感じがありました。

そういう意味で(彼女は今季休養しているとはいえまだ現役選手ですが)、このプログラムは「プロスケーターの滑るショーナンバー」という感じがしましたね。
ショーナンバーといっても、競技者でないスケーターが滑るプログラムと、現役選手が滑るプログラムでははっきりと差があるのだ、というのを改めて感じさせる内容だったように思います。
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ですが彼女はスターズ・オン・アイスのメンバーとしてショーでの活動を重ねており、シングルではありえないリフトに挑戦したり表現面についてすごく吸収できているものがあるとのこと。この経験はきっと今後に生きるでしょうね。何より表情がよかったのが嬉しかった。安藤選手を見る時はいつも良い表情をしているかが気になるので、彼女の充実ぶりが分かって嬉しかったです。




高橋大輔選手は今季のショートプログラム「In the garden of souls」をチョイス。
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うーーーん、ジャンプが乱れてしまったのが惜しすぎる!
ショーのスポットライトの中でこのプログラムの神演技を見られたら、きっと鳥肌ものだったと思うんですよね。ご本人は平身低頭していましたけど(笑)でもそういう「キメきれない」ところも彼の魅力です(笑)。
ですがステップなどはさすがに魅せましたね。スピードもすごかったですし、やっぱり素敵なプログラムです。
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本田さんが「(レベル云々などの事から離れて見ると)改めて凄いプログラムだ」みたいなことを話していたのが印象に残りました。ミスがあっても、滑りそのものが、体の動きや音楽への反応そのものの貫録、存在感みたいなものは別次元でした。素晴らしかったです!
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演技後は大テレ。





トリは浅田真央選手。「I vow to thee my country」を美しく演じました。
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2008-2009年以来となる3F-3Loを決めました!
公式試合以外でこのような大技を決める、それ以前に跳ぼうという気になったというところに、真央選手の取り組みが順調に進み、真央選手本人も手ごたえと自信を深めているのだなということが分かって本当に嬉しかったです。昨年末にちょっと乱れが出ていたループも無理なく美しく決まっていました。
演技は本当に美しいものを見たなあという感じで、「心が洗われる」という表現がありますがそれがぴったりという感じでした。実況の方も他の選手の演技に比べて喋りが少なく、八木沼さんもじっと黙って見入るという感じでしたね。
身のこなしも体全体を使って、それだけでなく空気までも動かして演技しているように見えました。真央選手が腕をフッと振れば、その周りの空気の動きもこちらに感じ取れるような・・・素晴らしかったです。
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彼女は3-3をショーで跳び始めましたが、今季の目標は「世界選手権で3Aを成功させること」と話しているので、まだ3-3は試合では入れてこないかもしれません。まずは3Aの試合での認定を得る事、その後に3-3という形で進んでいくのだろうと思われます。
このままいけば、ソチ五輪にはバンクーバー以上の3Aと3-3を入れた最強プログラムを組むことが出来るようになる可能性は非常に高くなってきたと思います。真央選手と佐藤コーチは恐らくゴールをそこにおいて取り組んできていたと思いますし、本人にも自分の技術への自信がしっかり根付きつつあるように見えますので、これから四大陸と世界選手権が本当に楽しみです。
お疲れ様でした!
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見ていてとても楽しかった!
でも、若い選手をダイジェストにせず、全選手の演技をフルで見られるようにしてもらえると、更にいいと思うんですけどね・・・
フジテレビは人気選手(視聴率の取れる選手)でない選手は人間扱いしないようなところがありますが、ここに出ている選手は全て優秀な選手ですし、これから活躍すれば人気選手になる可能性を充分秘めた選手ばかりです。
次世代=次の視聴率を担う世代、という考えでもいいから、もっと若い選手に光を当ててあげてほしいと思います。その点、全日本はかなり改善が見られたので、今後に期待したいと思います。

選手の皆様、お疲れ様でした!
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あ、勝負は結局チームレッドが勝ちました(笑)。皆さんの演技を見ただけで満足してしまい、あまりチームとしての勝敗は気にしてなかったから書くの忘れてました・・・失礼しました(笑)。





<参考リンク>
関西大学主催 氷の甲子園が開催されました  2011年7月12日 関西大学
*本田望結選手と姉の真凜選手がそれぞれノービスA,Cにおいて優勝したという記事と写真があります。


<関連コラム>

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by toramomo0926 | 2012-01-16 07:41 | フィギュアスケート


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