カロリーナ・コストナー選手圧勝! -2012欧州選手権
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2012年欧州選手権、女子では今季安定して最高と言える結果を出し続けているカロリーナ・コストナー選手が20点近い差をつけての圧勝、2位にはシーズン序盤の不安定さをしっかり修正してきたキーラ・コルピ選手、3位には今季よりブライアン・オーサーコーチに師事しブレイク中のエレーネ・ゲデバニシビリ選手が入りました!おめでとうございます!!

ISU European Figure Skating Championships 2012
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。

*昨日の男子の記事に、表彰台に乗った3選手の記者会見でのコメント記事を追加しました。すごく良い内容なので、お時間があれば是非ご覧ください。




優勝はカロリーナ・コストナー選手!
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今季のカロリーナは本当に素晴らしいです。これまでは凄くうまいけどフリーで崩れやすい選手という印象が強かったのだけど、今季は本当に安心して見ていられます。
彼女は演劇的な表現ではなく、芸術性を押し出した音楽や、音そのものを表現するというプログラムが多いので、演技が安定するとその音楽にこちらもぐっと入り込みやすくなり、うっとりした空気を壊さずにプログラムを終えることが出来ています。
これまではミスがあっても確かなスケーティングに救われることも多かったですが、今季から安定して3-3のコンビネーションジャンプが決まっていることと、ミスで演技の流れが途切れることがなくなったせいで点数も高め安定につけられてますね。
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グランプリシリーズ(GPS)には3試合出場、ファイナルも出て(優勝)疲労がたまったとのことでイタリアの国内選手権はスキップした彼女。休養充分でこの欧州選手権に臨み、素晴らしい演技を見せてくれました。世界選手権でも間違いなく表彰台には乗るでしょうし、優勝候補筆頭と言える状態です。
ショートプログラム(SP)もキレがありましたが、フリーでは更に表情も自然な笑顔が出ていて、すごく楽しそうに滑っていたのが印象的。
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本当に充実したシーズンを過ごしていますね。
これは世界選手権が楽しみです。カロリーナおめでとう!!!
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Carolina Kostner 2012 EC SP -Allegretto from Trio No. 2



Carolina Kostner 2012 EC FS -From Concerto No. 23 in A major for Piano and Orchestra



2位にはキーラ・コルピ選手!
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GPSではちょっとジャンプが安定していなくて、跳ぶときに迷いというか怖がりながら跳んでるような気もしていたのですが、今大会までにしっかり調整してきましたね。彼女らしいスピードに乗った、流れの中で鮮やかに跳ぶジャンプが戻ってきました。
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特にSPは素晴らしかったですね!3-3のトウループもGOE(出来栄え加点)が1.40もつく完璧なジャンプで、スピードも幅もすごかった。
彼女の滑りは本当にツルツルでナイフみたいな切れ味を連想するのですが、でも「虹の彼方に」の柔らかい音楽ともぴったりマッチした繊細さと女性らしさもある。そして美しさも(笑)
今回も彼女は素晴らしい演技とともに揺るぎない美女っぷりを見せてくれました。まさに正統派美人なので、昨季や今季のフリーみたいなクラシックなヘアスタイルやメイクもしっかり映えます。オフには母国フィンランドでモデルも務めているというのも納得の美貌は、映画女優みたいですよね。
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この写真はスポーツの域を超えてますね。恐らく表彰式の後3人で寄り添って写真を撮っている時のものだと思うのですが、一幅の絵のような美しさ。


フリーではジャンプのミスがちょこちょこ出てしまいましたが、本人は世界選手権へ向けて確かな手ごたえを感じたようですね。ここまでくると自信を持って跳べるかというのは非常に重要になってきますし、2年連続の欧州表彰台を勝ち取ったというのは、世界選手権での彼女を大きく後押ししてくれるでしょう。
ラウラ・レピスト選手が不在でフィンランドの期待を一身に受け枠取りの使命も背負って戦うことになりますが、このままどんどん調子を上げていって欲しいと思います。
おめでとうございます!!
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Kiira Korpi 2012 EC SP -Over The Rainbow



3位には大躍進のエレーネ・ゲデバニシビリ選手!
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ゲデ子ちゃんの今季の躍進ぶりは本当にすごい。コーチをブライアン・オーサー氏に変え、デイヴィッド・ウィルソ氏の振り付けで臨んだ今季はかなりキャリアをジャンプアップさせました。
これまでは小柄ながらも体全体を大きく使った柔軟性のある演技、スピードのある滑りがありながら、ジャンプミスなどが響いたりして表彰台にあと少しというところで伸び悩んでいた感があった彼女ですが、オーサーコーチの指導が合っているんでしょうね。そしてオーサー&ウィルソンという鉄壁のコンビネーションの威力もまた感じます。
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フリーを会心の演技で終えた瞬間、“Oh, my God!”と叫んでいました。かわいかった。

ジャンプはすごく安定してきましたがスピンはまだブレが大きかったりしますし、滑りの面でPCS(演技構成点)がちょっと伸びませんね。トップグループに食い込むには8点台はどうしても欲しいところ。でもこれだけ今季進歩して、何よりジャンプが安定したので、そのあたりはこれからおいおいオーサーコーチとフォローしていくことになるでしょう。彼女もソチ五輪に向けて大きく力を付けてきました。順調にいけばメダリスト候補にきっちり名を連ねてくることになりそうです。
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肩にテーピングをしていましたが怪我には充分気を付けて、この表彰台を良いステップとして世界選手権でも上位を狙ってほしいですね。
彼女は母国グルジアの政情不安の為に母国を出てアメリカやカナダで練習せざるを得ないという大変な状況で競技を続けているだけに、是非頑張ってほしいです。
ゲデ子ちゃん本当におめでとう!!!
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Elene Gedevanishvili 2012 EC -Phantom of the Opera



4位にはロシアのポーリーナ・コロベニコワ選手(でいいのでしょうか・・・読めない(涙)が入りました!
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SPは12位でしたが、フリーは何と2位!ということで4位に飛び込みました。
まだ16歳ということなんですが、なんでしょうかこのプリマバレリーナのような美しい演技は。3フリップ-3トウループというコンビネーションを持ち、ルッツとしっかり跳び分けも出来ている。指先まで美しい繊細な演技。スピンも早くて軸が細く、スパイラルも美しい。
彼女はジュニアグランプリファイナルに今季出ていたようなのですが、ロシアって本当におそロシアですね。こういう才能が、シニアでは無名といえる選手でもバンバン出てくる。GPSでもソフィア・ビリュコワ選手の美しさに打たれたものでしたが、才能の宝庫です。むしろなぜここ何年もそういう選手が全然出てこなかったのか(レオノワ選手一人で頑張っている状態でした)というのが不思議なくらいです。
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キス&クライではこんな茶目っ気のある表情もみせてくれました。

今季GPSを荒らした(笑)ソトニコワ選手もトゥクタミシェワ選手も年齢制限等があり出場していませんが、来季あたりからロシア旋風がシニアのこういう大きな大会でも吹き荒れることになりそうですね。楽しみやら怖いやら。
素晴らしい演技でした!!

Polina Korobeynikowa 2012 EC FS -Otonal



5位はヴィクトリア・ヘルゲソン選手!
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現在母国スウェーデンの国内選手権6連覇中、GPSでも今季スケートアメリカで表彰台に乗った彼女ですが、私は今大会の演技が一番いいと思いました。
スケートアメリカの時はちょっとキレがないというかスピードもあまり感じませんでしたし、彼女のよく滑るスケートを充分楽しめるという感じではなかったように思ったのですが、今大会は体もよく動いていて、ジャンプがすごく気持ちよく決まっていましたね。回転不足を取られたりもしてますけどでも見ていてとても気持ちよかった。
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今季のフリーは「サンセット大通り」で映画がテーマになっていますが、私は彼女はスケーティングの技術は素晴らしいし、ストーリーやキャラクターを演じるのではなくコストナー選手みたいに「音」を表現するタイプのプログラムを滑る彼女を見てみたい、という気がしています。
きっと彼女の「北欧美人」というという一言では収まりきらない男前な部分(笑)がカッコよくハマるのではないかと思うんですが・・・どうでしょうか?

ともあれ、SP・フリーともに緊張の中まとめ上げたのはお見事です。おめでとうございます!!
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フリー演技終了直後。とても良い表情ですね。


Viktoria Helgesson 2012 EC FS -Sunset Boulevard



6位はクセニア・マカロワ選手!
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GPSの時は一体彼女に何が起こったのかというショックがありました。昨季はビシビシとジャンプがきれいに決まっていて、今季は彼女は大ブレイクの年になるだろうと思っていたのに、3-3のコンビネーションジャンプはことごとく転倒してしまい、動揺が他のジャンプにも影響するという悪循環で精彩を欠いた試合を重ねていたからです。
その時に比べると、ジャンプの調子は多少浮上しているように見えました。着氷の乱れはあるもののとりあえず転ばずに、踏みとどまれるようにはなっていましたから。
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ですが、ジャンプのことを気にしてしまうのか、その分他の要素、滑りや振付が多少雑になってしまっています。スピードがすごく良く出ている分、余計にバタバタした感じに見えてしまいました。特に今季はSP、フリーともに演技性の高いプログラム、振り付けになっているので、余計に雑な感じがしてしまって・・・難しいですね・・・
彼女はロシアの選手ですから、これから実力ある若手がどんどん出てくるのは分かっているはずです。なので少し早めにシニアデビューしている彼女は昨季と今季でしっかりとシニアでのポジションを固め、後輩の台頭までにきっちり自分のロシアフィギュアでの地位を確立しておきたかったのだろうと思います。ですが伸び悩む苦難のシーズンになってしまっていますね。「こんなはずではないのに」という気持ちでいることと思います。辛いですね。
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本人も納得してないという表情です。

彼女は19歳ですから、もう体形変化などは落ち着いてきているはずですよね。何があったのか分かりませんが、ソチまでにはまだ時間はありますから焦って怪我などをしないように、コーチとよく相談しながらじっくりと立て直して行って欲しいと思います。
頑張って下さい!
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Ksenia Makarova 2012 EC FS -I Wanna Be Loved By You, etc.



7位はアリョーナ・レオノワ選手!
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ちょっと調子を落としているのでしょうか?全般的に元気がないのが気になりました。また今季安定して決めている3-3のジャンプもSP、フリーともに乱れが出ました。
SPの「パイレーツ・オブ・カリビアン」も表情豊かに演じてはいるのだけれどいつものようなエネルギッシュな感じは少し鳴りを潜めていましたし、フリーは転倒等の大きなミスはないのですがサラーっと終わってしまった感じで、いつものドラマチックな感じはなかったような・・・
まあシーズン通してずっと絶好調で行けることはなかなかないので、今から世界選手権に向けて調子が上がってくれば大丈夫かなと思っています。
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欧州選手権というビッグタイトルですから、今季成績を伸ばした彼女としては是非表彰台に乗りたいところだったとは思いますが、これをバネに世界選手権ではきっと彼女はやってくれると思います。
頑張って下さい!
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Alena Leonova 2012 EC FS -Adagio/Requiem for a Tower



うーん、女子は男子に比べるとちょっと全体的にパワーがなかったというか、ちょっと大人しめの大会になったように思います。カロリーナがぶっちぎりだったというのもありましたが・・・。
でもやっぱりヨーロッパチャンピオンを決めるこの大会は見ていて楽しいものがありますね。来年はロシアンガールズも参入しますし、凄いことになりそうです。
これから世界選手権に向けて更に調整は進んでいくと思いますし、神演技続出のワールドになることを期待します。
選手の皆様、お疲れ様でした!!!
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by toramomo0926 | 2012-01-30 09:43 | フィギュアスケート


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