高橋成美&マーヴィン・トランペアインタビュー:2012世界選手権・SP終了時
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世界選手権での素晴らしい演技と、成美ちゃんの明るく素直なキャラクターで一躍時の人となった高橋成美&マーヴィン・トランのペア。彼らがノーミスの神演技ショートプログラム(SP)を終えた後のインタビューがとても素敵だったので、ご紹介します。




ライターは真央ファンには悪名高い(笑)青嶋ひろのさんなんですが、内容はほぼ全て質疑応答というかインタビューだけで、彼女の主観が入ったポエム文章はほぼ全くと言っていいほどありませんでした。

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ペアショートプログラム 高橋成美&マーヴィン・トラン組3位!
日本勢のトップをきって登場したのは、もうすっかりおなじみのペア、高橋成美&マーヴィン・トラン組。

「今年は彼ら、何位くらい行きそうかな?」

「ファイナルが6番だったから、7番か8番で上出来じゃない?」

そんな記者席の囁きを吹き飛ばすように、なんとショートプログラム3位発進!

初めての世界選手権スモールメダルも手にし、ペアの記者会見にはかつてない数の日本の報道陣が押し寄せた。

いきなりのサプライズで日本チームの素晴らしいスタートダッシュを見せてくれたふたり。

まずは昨年12月、全日本選手権後のインタビューをお届けしたい(遅い掲載でごめんなさい)。

ショートプログラムのしなやかな演技で高橋&トラン組に興味を持った皆さま、彼女たちの人となりをぜひ感じてみてください。

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――本格シニアデビューから2年目。今シーズンは初めてグランプリファイナルに進出し、着実な歩みを見せているふたりですが、シーズン前半を振り返っていかがでしたか?

マーヴィン:

楽しかったよ!1年前の僕たちには、大事なもの、守るものは何もない、って感じだった。でも今は、生活や練習、すべてにおいて自分たちはタフになった、って感じてる。そういう時期がきたんだな、と。

成美:
今シーズン前半……もう、あっという間に過ぎちゃったような気がします。去年の成績がすごく良かったから、最初は不安だったんです。「今年はもっといい成績取らなきゃ……」って。でもほんとに「もっといい成績」がとれた!すごくいいシーズン前半でした。
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2011年NHK杯での二人。


――毎年毎年、どんどん進化が見られるふたりですが、今年の成長の秘訣は?

成美:
これはコーチに言われたことだけれど、「プログラムを滑っていて、絶対に『気持ちいい』と感じちゃダメだ」って。そう感じて満足したら、そこで成長が止まっちゃうから。いつもいつも練習では、「ここがまだできてない」「ここがおかしいな」って感じるようにプログラムを滑りなさい、って。だから「気持ちいい!」と感じたら、「あ、だめだな」と思うようにして、練習してきたんです。

マーヴィン:
今年は自分たちが得意じゃないことに対しても、恐れずに取り組むようになったかな?例えばコーチが僕達に、何か新しいことをさせたい時。「それは難しい。僕らはこうだから」なんて、言い訳はしないようになったんだ。その代わり、「OK!じゃあ、どんなふうにやろうか?」って自分たちで取り組み方を決めるようになった。これまでよりもすごくポジティブでタフになった。それが上手くなった秘訣かな。
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――ポジティブで、タフ。全日本選手権でマーヴィンが、「上位ペアを怖がらせる存在になりたい」と語っていたのが印象的でした。

マーヴィン:

うん、僕たちは未だトップ選手じゃない。自分たちが望んでるようなトップスケーターの滑りが全然できていなくて、そう思うといつも悲しかった。特にグランプリファイナルではショートプログラムで僕がミスして、自分にすごく腹が立って……点数を見たら「もしクリーンに滑ってたら、ショートプログラム3位じゃないか!」って思ったよ。僕らはただファイナルに出てるだけじゃない、トップ選手の一角に食い込むことができるんだって、感じたんだ。これはもう、練習の時からアグレッシブに見せていかなくちゃいけない。そして「いいチームだね」ではなく、「トップスケーターだね」と言われなくちゃいけない。あと数年のうちにそうなりたい、ではなく、今、そうならなくちゃいけないんだ!

――スケートでの印象そのままに、マーヴィンは頼もしいですね。成美さんから見てマーヴィンはどんなパートナー?
成美:

彼はすごくバランスがいいんです。闘争心は内に秘めていて、それでも試合を楽しまなきゃ、って気持ちもある。その両方の間で、自分をコントロールすることができてるみたい。内に秘めた強いものをいつも感じるし……。ふだんのマーヴィンは、「どうしてこの人は、こんなにいろいろなことができるんだ?」ってくらい何でもできて、できないことなんてないと思うくらいいろいろできて、すごい人!スケートも何でもできるし、料理もできるしギターも弾ける……。そして自分のことが何でもできるだけじゃなく、他の人の問題も、自分のことのように受け入れてくれるんです。私がちょっと困っていても、自分のことのように悩んでくれて、すごく協力的に解決しようとしてくれる!

――ベストパートナー以上の存在なんですね。ではマーヴィンにとってのナルミは?

マーヴィン:

彼女はすごく決意が堅いんだよ。みんなが「ナルミは一番やりたいことをしっかり持ってる人だね」って言う。そして、普段から自分の気持ちを話すことに躊躇しないタイプだね。

成美:
マーヴィンには、何でも話せるんだよ!

マーヴィン:
そう、特に僕には話しやすいみたい(笑)。ほら、女の子って難しいでしょう?僕の叔母さんの友達が言っていたけれど、「あなたがどうするべきか、あなたにどうして欲しいか、女の子が言ってくれることを期待しちゃダメ。あなたが推測するのよ」って。えぇ?って感じ(笑)。その点、ナルミはすごく楽なんだ。練習で何か心配事があると、隠さないでどんどん言ってくれる。彼女に何が起こっているかすぐわかる、それはペアのパートナーとしてすごく助かるよね。何でもストレートに伝えてくれるから気を使わなくていいし、自分が気にしてることも気兼ねなく言える。こんな関係だから、ふたりはすごくうまくいっていて。もちろん関係は、いい日もあれば悪い日もあるよ。でもこれからは、ずっといい日の方が多いはず。彼女の明るさそのままに、僕らのこれからも明るいんじゃないかな。あ、それから僕はお間抜けなキャラだから、練習中にときどき、すごくバカなことを言ったり、歌いながら滑ったりするんだ。そんな時も、ナルミは我慢してくれてるしね(笑)。
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――お間抜けマーヴィンは意外なキャラ。たとえばシーズン前半に滑っていたエキシビションナンバー(「恋のサバイバル」)では、成美さんが踊りまくっているのを、マーヴィンが呆れてみてるような面白さがあるでしょう?ふだんはそれと逆なんですね。



これが問題の「I will survive」。伝説となった、2011年NHK杯エキシビジョンの演技。
ちなみにファンの間では「アンコールが本番」と言われている(笑)


マーヴィン:

あのプログラム、僕までナルミみたいにはじけたら、ちょっとやりすぎになっちゃうでしょう!お客さんに「なんだこれ?いったいどうしちゃったの?」って思われちゃう(笑)。僕だって彼女ほどじゃないけど、踊れるんだよ。でも「サバイバル」ではあのくらいがバランスいいと思うんだ。

成美:
そう、マーヴィンがベースをキープして……。

マーヴィン:
僕が技術的にはキープして、ナルミは彼女がしたいことを全部する。いつもの演技でもそうでしょう?僕は旗をたてる支柱で、彼女が旗。ナルミは風にそよぐ旗なんだ。でも柱がないと、旗も上がらないからね。ふたりでひとつ!

成美:
私、マーヴィンがいないと、どこかに飛んでっちゃう(笑)。

マーヴィン:
僕だって、ナルミがいなければただの柱だ(笑)。


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――そんなふたりなら、お互いに試合前の不安な時間を支え合ったりできるんでしょうね。

成美:

マーヴィンが私を支えてくれること、私がマーヴィンを支えること、五分五分なんです。日本の試合では私が緊張することが多いし、カナダの試合ではマーヴィンの緊張が大きかったりするから。

マーヴィン:
でも初めてのNHK杯かな。僕の方がすごく緊張したことがあったよ。そのときはナルミが手を握ってくれて、何か言ってくれて……彼女は強いな、って思った。ふだんからナルミの存在や彼女の言葉は、僕の助けになってくれるし。

――今年は成績も出ているけれど、演技の流れがより美しく、ふたりの動きもよりぴったり合うようになった気がします。いつものふたりの関係が、氷の上のユニゾンにつながってるのかな。

マーヴィン:

今シーズンはなぜか、今まで以上に滑りに気持ちを込められるようになったね。特に今年のショートプログラムでは、滑っているとたまに涙が出そうになるんだ。変だよねえ。泣きそうになるなんて、あんまり言いたくないけれど(笑)。でも特にスケートカナダと札幌のNHK杯では、そんな気分になった。特に何か新しい振り付けで僕たちのスケートが変わったわけじゃない。もちろんステップやつなぎの部分は、昨シーズンよりよりスムーズになったと思うけれど……たぶん今年は、ふたりの気持ちをもっとプログラムに込められて、音楽と繋がるようになった。ただ動いてるだけじゃなく、音楽を感じて滑ってるんだ。
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――音楽を感じて滑る……世界選手権でもそんな演技が見られそうですね。今度は二度目の出場。初舞台だった去年とは違って、どんな気持ちで臨みますか?

成美:

「いい演技ができたらいいなあ」「失敗したらどうしよう?」は、もうそろそろ卒業です。いい演技することが当たり前!そんな気持ちで臨みたいな。

マーヴィン:
心の中で闘志を燃やしてるよ。絶対やってやるんだ!って喝を入れてがんばっていく。去年はスコアを考えても、「できればトップ10に入りたい」という感じだった。でも今年は、練習やウォームアップでもっとアグレッシブに攻撃的にいけば、これまでとの違いを見せられると思う。スケートのために僕たちが動くのではなく、スケートを僕たちの方に引き寄せられるくらいに!僕たちのやり方で、僕たちがやってきたことを全部見せられたら……きっとうまくいくと思うよ!

2012年3月29日 Biglobeニュース
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素敵なペアですね。読んでてほのぼのしてしまいました。
二人にはまだ越えねばならないこともあるけれど、できるだけ長くこの二人を、この二人の演技を見ていきたいです。
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Narumi Takahashi & Mervin Tran 2012 WC EX -A Little Less Conversation

2012年世界選手権・エキシビジョンでの演技。成美ちゃん、やっぱり荒ぶってる(笑)



2011年ジャパン・オープン前の特集。普段の二人が垣間見られます。


<参考リンク>
ペアショートプログラム 高橋成美&マーヴィン・トラン組3位!(1)
ペアショートプログラム 高橋成美&マーヴィン・トラン組3位!(2)

高橋成美オフィシャルブログ「氷上のフェアリー」


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by toramomo0926 | 2012-04-06 17:21 | フィギュアスケート


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