フィギュアスケート関連ニュースあれこれ -その2
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先の記事の続きになりますが、このオフ(というか6月に入ってから)のフィギュアスケート関連のニュースのおさらい・その2です。

(上の写真はクリックで拡大表示します。録画のキャプチャなので画質は悪いですが・・・)




その他、来季以降のルール変更や試合開催地の情報がちらほらと出てきています。

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国際大会すべて15歳以上=フィギュア年齢制限
 国際スケート連盟(ISU)は16日、フィギュアのシニア国際大会に出場できる年齢を、いずれも15歳以上とすると発表した。2014年ソチ五輪後の14~15年シーズンから適用される。15日までクアラルンプールで開かれた総会で決まった。
 従来は、五輪とISU主催の選手権大会に限り、当該シーズン直前の7月1日時点で15歳になっていることが出場資格の条件とされ、その他の国際大会は14歳で出場が可能だった。フィギュアの年齢制限は成長期の体を保護するための医学的理由から設けられており、女子の浅田真央(中京大)が06年トリノ五輪で規定を満たさず、論議を呼んだ。
 また、14~15年シーズンからフィギュアの男女シングル、ペアでも歌声の入った曲の使用が認められることになった。


2012年6月16日 時事通信

フィギュアNHK杯は宮城 四大陸選手権は大阪
日本スケート連盟は17日の評議員会で2012~13年シーズンの事業計画を承認し、フィギュアはグランプリ(GP)シリーズ第6戦のNHK杯を11月23~25日に宮城県利府町の宮城県セキスイハイムスーパーアリーナで、四大陸選手権を来年2月6~11日に大阪市中央体育館で開催することが決まった。
 主な大会は次の通り。
 【フィギュア】全日本選手権(12月20~24日・札幌市真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)▽世界国別対抗戦(来年4月11~14日・東京都)
 【スピード】全日本距離別選手権(10月27、28日・長野市)▽ワールドカップ長野大会(12月8、9日・長野市)▽全日本選手権(同15、16日・長野市)▽全日本スプリント選手権(同28、29日・釧路市)
 【ショートトラック】全日本距離別選手権(10月6、7日・甲府市)▽ワールドカップ第3戦(11月30日~12月2日・名古屋市)▽全日本選手権(12月22、23日・長野県南牧村)

2012年6月17日 共同通信

強化部長に小林氏 フィギュア、ソチへ新体制
日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア委員長は17日、吉岡伸彦フィギュア強化部長が退任し、小林芳子副部長が昇格することを明らかにした。2014年ソチ冬季五輪に向けた新体制で、伊東委員長は「選手に密着し、選手のために動ける人間でやっていきたい」と説明した。
 スピードは石幡忠雄氏、ショートトラックは岩島直巳氏の強化部長就任が決まっていた。

2012年6月17日 共同通信

世界フィギュアの選考基準承認=スケート連盟
日本スケート連盟は17日、都内で理事会を開き、新シーズンのフィギュア国際大会に派遣する代表選考基準を承認した。
 来年3月の世界選手権(カナダ・ロンドン)は、12月の全日本選手権出場を必須とした上で、

(1)グランプリ・ファイナルの日本人上位3人
(2)全日本3位以内
(3)全日本終了時点の世界ランキング日本人上位3人


の条件を満たす選手を対象に、総合的に判断して選出する。過去に世界選手権6位以内の実績を持つ選手が、けがなどの理由で条件を満たさない場合に、特例が考慮される場合はある。
 またフィギュアの強化部長に、副部長の小林芳子氏が昇格する方針が確認された。7月のフィギュア委員会で正式に決まる。

2012年6月17日 時事通信

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2005年フランス杯の表彰台。トリノ五輪シーズンのこの年にシニアデビューした浅田真央選手はこの試合で後にトリノ五輪金メダリストとなった荒川静香さん、銀メダリストのサーシャ・コーエンさんを抑えて優勝。12月のグランプリファイナルでも優勝し、彼女を五輪に出さなければ正当な順位付けにはならないのではないかという議論が巻き起こりましたが、結局ISUは“医学的根拠”に基く年齢制限(基準日に87日足りなかった)を理由に出場を認めませんでした。


まず年齢制限の引き下げについてですが、やっぱり医学的にどうこうというのは建前で、前に10代の年若い選手が五輪金メダルを取った途端に引退しプロになったことの腹いせだったんだなと思わざるを得ません。
浅田真央選手がトリノ五輪の出場の是非で論議となった時、ISUが却下した根拠はこの医学的に若い選手の育成においてどうこう、というものでした。
その当時から、それなら16歳までシニアの試合に出る事自体を禁じるべきではないか、グランプリシリーズには出られるのに世界選手権とオリンピックだけ出られないというのは筋が通らないという話はありましたが、やっぱりなと言う感じ。
今になって年齢を引き下げるというのは、欧州かアメリカによほど有望な年若い選手がいるのかとも思いましたが(たくさんいそうですが)、やはりここ近年の日本以外の国でのフィギュア人気の低迷というのも大きいかなと思ったりしました。
日本は今強い選手が多くどの試合もプラチナチケットとなっていますが、かつて大人気だったアメリカでも今空席はかなり目立ちます。

毎年好き勝手にルールを変えるのはもう慣れてますけど、15歳で出られるか16歳でなければダメなのかは選手の人生にも影響を及ぼす違いなのですから、これまでの建前だった「医学的なんたら」のオトシマエについてはちゃんとISUには説明をしてほしいですね。2006年と、2014年以降ではどのように人間の体の組成が変わったのか、または若い選手に五輪や世界選手権に出場させても問題ないという全く逆の結論に至った医学的根拠の変遷についてを。


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スケ連のフィギュア強化部長の吉岡伸彦さんが退任し、小林芳子副部長が昇格するとのこと。
スケ連の方々は国内外の試合に帯同していますが、その中で、私が見ている限り小林さんは一番選手に目線が近いというか、選手と距離感が近いように思います。
昨年12月に浅田真央選手がグランプリファイナルを欠場し帰国した時も、真央選手に親身に声をかけて送り出し、マスコミにもきちんと対応している姿が印象的でした。全日本選手権でも高橋大輔選手と笑顔でハグをするなど、選手も近い存在としているように見えます。
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2011年、全日本選手権で高橋大輔選手をハグして祝福する小林芳子副部長。


伊東委員長や吉岡さんのようにいつも苦虫を噛み潰したような顔をしてるような人ではなく、割と笑顔でいる事がおおい印象で、私は(今のところは)朗報と思っています。
まあ伊東委員長が変わらないので劇的な変化があるかはわかりませんが。
大きな役に就くと、激務やいろいろな調整に忙殺されそれまでの良さが一切消えてしまう人もいるので見守る必要がありますが、良い変化をもたらしてくれることを祈るばかりです。



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そして、ソチ五輪後の2014-2015年シーズン以降は、現在アイスダンスのみに認められているボーカル入りの曲を使用することがシングルの競技用プログラムでも認められるとのことです(現在も歌詞ではなく、掛け声やラララ・・・などの言葉の意味を持たないボーカルの挿入は許可されている)。
何故現在シングルにおいてボーカル入りが認められていないかというと、歌詞の意味が選手の演技力を補強することを避けるためです。選手の演技が感動的なように感じても、その何割かは曲の歌詞に心を動かされている=公平な評価が出来なくなるということを防ぐ意味があります。
そういう意味で特にアイスダンスよりもシングルの方がよりスポーツ色が強いという特徴があるということだと思うのですが、ボーカル解禁とするということは、いよいよISUはフィギュアスケートをスポーツではなくショー、リサイタル(byエルヴィス・ストイコさん)に近づけようという意図を感じます。
勿論悪いことばかりでなく、いい事もあると思います。選手にとっても想像力や表現の幅を広げられると歓迎する声も既にあります。どうなるでしょうか。

こればかりはどうなるか、やってみなければわかりませんね。ですが、どのようにルールが変わったとしても、それをどう運用するかでそのルールは良くも悪くもなると思うので、ルールの内容よりもどう運用されるかということに注意する必要があります。
これまでもジャンプの基礎点を上げたり、回転不足に中間点を設けたりという改正をしてはいますが、認定されるべき質のジャンプを選手によって回転不足にしたり、明らかにエラーのあるジャンプを特定の選手には認定して加点まで与えるという認定をしているようでは、ルールを変えられること自体がファン(恐らく選手も)にとっては恐怖となります。私達の知っているフィギュアスケートというスポーツとは別なものにどんどん変えられているような気がするからです。

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あまり改変(改悪)ばかりしていると、今のフィギュアスケート人気を支えている選手がソチ五輪後に大量引退という事態もありえる気がしています。特に外国勢。ただでさえ五輪を区切りに引退する選手は多いですしね。
まだもう4年やれる世代の人でも、ISUや試合形式に愛想を尽かすかもしれない。
私もソチ五輪以降は、選手達の進退によってはこれまでのような熱心さで競技を追う事を辞める可能性もあるなと感じています。
どんなに理不尽なルール改正や採点がまかり通っても、ジャッジとも戦いながら頑張っている選手達に愛着があるから毎回TVの前で応援している訳で、彼らが選手でなくなってしまったら、ストレスを溜めて試合を見る気力も体力も残るかどうかは疑問です。
とはいえ、新しい魅力的な選手たちがこれから出てくるでしょうから結局ソチ後も何だかんだで競技を追いかけている可能性も勿論大きいですが(笑)もしかしたら、追いかける比重がアイスショーの方に重心移動する可能性はあるかもしれないとここ数年考えています。
まあ私のスタンスは別にどうでもいい事ですが、選手のモチベーションを奪わず、試合や練習にやりがいを持てるルール作り、運用を目指してほしいと思います。


日本の世界選手権への派遣選手の選考基準においては、昨年とさほど大きな差はないというか順当に決まったという感じですかね。これはまあ普通に情報として受け取ったという感じでした。


これまでいろいろな情報が飛び交っていますがまだこれから続報も出るでしょうし、全体が見えている訳ではありません。
でも五輪が近づいていることもあり、オフとはいえ結構ファンも忙しいオフになっていますね・・・今後も注目です。



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by toramomo0926 | 2012-06-18 11:22 | フィギュアスケート


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