キムヨナ選手、ソチ五輪への挑戦の意向を表明
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衝撃のニュース。
昨シーズン競技会へ出場せず、引退宣言はしていなかったもののほぼ完全に競技から遠ざかっていたキムヨナ選手が今日午後会見し、2014年のソチ五輪出場の意向を表明したそうです。




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<フィギュア>キム・ヨナ「ソチ五輪まで現役続行」
‘フィギュアの妖精’が2014年ソチオリンピック(五輪)に挑戦する意思を表明した。

2日午後、キム・ヨナは泰陵(テルン)選手村で記者会見を行い、「有終の美のために新たに挑戦をする」とし、ソチ五輪まで現役で挑戦した後に引退する意向を表明した。 またキム・ヨナはIOC委員に挑戦する考えも伝えた。

キム・ヨナは昨年10月、進路について悩んでいてシーズンの競技には出場しないと明らかにした。しかし先月16日に中国・上海で行った記者会見で、「進路の方向がある程度決まり、夏までに確定した進路について話せるだろう」と述べ、注目が集まっていた。

2010バンクーバー冬季五輪で歴代最高点を受け、金メダルを獲得したキム・ヨナは、翌年、ロシア・モスクワで開かれた世界フィギュア選手権大会で準優勝した後、公式大会には出場しなかった。 このため一部では引退が迫っているという声も出ていた。

2012年7月2日 中央日報


フィギュアのキム・ヨナ ソチ五輪まで現役続行
 【ソウル聯合ニュース】バンクーバー冬季五輪フィギュアスケート女子金メダリストのキム・ヨナが2日午後、ソウル・泰陵選手村国際スケート場で緊急記者会見を行い、2014年のソチ五輪まで現役を続行する意向を示した。
 キム・ヨナは次期五輪に対する期待の高さを負担に感じ、現役引退も取りざたされていた。会見でキム・ヨナはバンクーバー五輪後に新たな目標を見つけるのが難しくなったことを説明。それに対して国民の関心や期待が高まったことに対し、「一日も早く負担から逃れたかった」と自らの心情を吐露した。
 ただ、後輩スケーターたちとの練習などが刺激になり、「今後は自分だけの演技を見せることを目標にしようと考えるようになった」と話した。
 また現役続行を決めた理由について、「トップに対する負担のために現役を引退すれば後悔するのではないかと思った」とも語った。
 ファンや韓国国民に向けては、「今後はバンクーバーの金メダリストではなく、国家代表として新たにスタートしたい。国家の代表として見てもらえればうれしい」と述べた。ソチ五輪については「有終の美を飾りたい」と力をこめた。

2012年7月2日 聯合ニュース


キム・ヨナが現役続行を宣言「引退はソチ五輪の後」=韓国
 バンクーバー冬季五輪フィギュアスケートの女子金メダリスト、キム・ヨナ選手は2日、ソウル・泰陵(テルン)選手村の国際スケート場で記者会見を開き、2014年のソチ冬季五輪まで現役を続行する意思を明かした。複数の韓国メディアが報じた。

 記者会見でキム選手は、「大韓民国の国家代表として新たに出発する。五輪の金メダリストではなく、後輩選手と同じ国家代表のキム・ヨナとして見て欲しい。ソチ五輪で現役を引退する」と自らの去就について述べた。

 キム選手は、進路に深く悩んでいたことを明かした上で、「現役選手としてしなければならないことは残っていると思う」と話し、「自分への期待値を下げ、自分のために演じるという目標にした」と説明した。

 キム選手は、2011年4月のロシア・モスクワで開催された世界選手権で銀メダルを獲得して以降、国際大会には姿を見せず、アイスショーにのみ参加していた。(編集担当:新川悠)

2012年7月2日 サーチナ

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今日の会見でのキム選手。



五輪を境に選手は世代交代が進み、ルールも大きく変わるのが常です。バンクーバー五輪後にも大きな変化がありました。
キム選手は昨年の世界選手権には出場していますが2010-2011シーズンはこの1試合のみ。結果銀メダルとなりましたが内容は凡庸なもので、表彰台乗りを疑問視する声や得点が高すぎるという批判が集まりました。
昨シーズン(2011-2012シーズン)は全ての試合を欠場、完全休養しています。


ソチ五輪には、彼女が最後に試合に出た時にはシニアにはいなかったソトニコワ選手、トゥクタミシェワ選手やこれからシニアに参戦するリプニツカヤ選手などの強力なロシアンガールズの精鋭が出場しますし、今季から本格シニア参戦のグレイシー・ゴールド選手(アメリカ)を筆頭に、更に若い力のある選手がどんどん参入してきています。
一緒に戦っていたカロリーナ・コストナー選手やアシュリー・ワグナー選手、安藤美姫選手や鈴木明子選手もぐっと力をつけて実績を伸ばし、浅田真央選手もまだ再構築の途上とはいえ、ジャンプやスケーティングの質をかなり上げてレベルアップしている。既にバンクーバーの頃とは顔ぶれも勢力図もかなり変わっています。

更にキム選手は現在コーチ不在であり、自身のCM等の芸能活動や訴訟トラブルを起こした教育実習等の大学生活、韓国の平昌五輪開催準備関係等の活動もあり、練習をどの程度出来ているのかというのは疑問が残ります。彼女はたまにアイスショーには出演していますが、自分の得意なジャンプ、難易度の低いジャンプしか演技には取り入れていません。
そもそもキム選手は、順位やタイトルに関係ないエキシビジョンやショーナンバーとなると極端に演技要素を「出し惜しみ」するスケーターなので、氷に乗ってはいても、約2年間ブランクといっていい状態が続いていることになるのです。試合とショーでは求められる技術のレベルも、精神的なプレッシャーも、準備段階から臨む態勢も事情もまるっきり違うのです。
しかも彼女は自分をトップスケーターに押し上げたブライアン・オーサーコーチを切り捨てていますから、新しいコーチと手探りしながらそれに対処していくことになります。

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今季から復帰するのか五輪シーズンのみとするのかがこの記事でははっきりしませんが、未だにコーチ不在というからには今季復帰はないかもしれません(*どうやら後続の報道を見ると、今のところ来季は2010-2011シーズン同様、2013年の世界選手権のみに出場する予定のようです)。
しかしいきなり五輪シーズンにフルシーズン復帰する(そして世界トップで良い成績を出す)というのは「普通は」かなり難しいです。
サーシャ・コーエン選手もバンクーバー五輪で復帰をはかりましたが、タフな選手生活に急激に戻したことが原因かわかりませんが怪我をするなどして、五輪出場は結局果たせませんでした。調整はかなり難しいことになると思うのです、普通は。
せっかくバンクーバー五輪で金メダルを取ったのに、今後競技に復帰して、試合勘の戻らない状態で演技をしたとして、公平に採点された場合どのくらいの順位付けにされるのか、ちょっと予想できません。
そして教育実習の様子についてちょっと揶揄されただけで名誉棄損で教授を告訴するほど体面を重んじるプライドの高い彼女が、その評価に耐えられるでしょうか。

それとも彼女はバンクーバー五輪までと同様に、失敗したジャンプにも加点がつき、何をやっても大盤振る舞いが約束されているから自尊心は損なわれないという保証でもあるのでしょうか。もし私が彼女なら(彼女のような性格と状況だったとしたら)、競技復帰するのには相当覚悟も勇気もいると思うのですが。ヘタしたら、現在の彼女の生活の全てを支えているといっていい「バンクーバー五輪金メダリスト」というステイタスの価値を大暴落させるリスクがあるからです。


韓国が、自国で冬季五輪を開催する(2018年・平昌)割にはキム選手の後の選手育成に全く力を入れているように見えなかったのは、このせいもあるのでしょうか。
現在韓国フィギュアにおいては女子選手が停滞気味で、とうとう今季はグランプリシリーズの出場資格を得る選手が不在となってしまいました。
また、来季から世界選手権の予選(前年の試合実績のない選手や設定された基準に満たない選手は、世界選手権に出るには予選に出場し、規定された順位を取る必要があった)が廃止となりましたが、2季ぶりの彼女の競技復帰と何か関係があるのでしょうか。

さらに、通常世界選手権には国内選手権を勝ち抜かないと出場できませんが、(他の国ではありえないことですが)、出場せずとも「選手権優勝」と記録され、彼女の意志ひとつで世界選手権出場が可能な状態です。
ソチ五輪についても、きっと同じでしょう。
今日彼女が「ソチ五輪終了後に引退する」と言ったことで、彼女は事実上、自動的にソチ五輪への出場権を今日の時点で既に、リンクに乗ることなく手にしたというわけです。


また、引退後は「IOC委員に」というのもよくわかりませんね。
彼女は以前、韓国での練習環境に不平を述べていましたから、まずは韓国のスケート連盟職員となって後進の育成や練習環境改善、総合的な底上げを狙うとかならまだわかるのですが、いきなりIOC・・・
彼女はIOCの業務についてどこまで知っているのかはわかりませんが、いきなり大きく出たなという感じ。もういろいろやってるので忘れがちですが、彼女はまだ21歳なんですけれどね。

でも、具体的に何がやりたくてIOCに行きたいのかはわかりませんが、なんとなくわかるような気がします。
以前私は彼女について「彼女が本当に欲しいものは名誉や多分金銭的なもので、フィギュアスケートはその『手段』に過ぎないのでしょう」と書きましたが、彼女の人生の最大の目標は「権力層に食い込むこと」だと私は見ているので、そう考えるといろいろ腑に落ちるように感じています。
ただ、この件については彼女だけでなく、国家(韓国)の意志も入ってるのかもしれないとも思います。


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まだ殆ど情報もありませんし、選手の個人攻撃的な文章は書かないようにしてはいますが、これまで彼女の採点や彼女の言動で散々ファンとして非常に歯がゆい、悔しいと言っていい感情を持たされて来ていたので、彼女が競技に復帰することについての影響を心配せざるを得ません。

キム選手自身のことはある意味どうでもいいのです、私にとって。私が心配しているのは、バンクーバー五輪の時に起きたような悲劇の再来です。
彼女を勝たせるために、または彼女の順位を落とさない為に、出場している誰か(または全員)の採点が犠牲になりはしないかということです。
これまで散々辛酸をなめているので、ISUやジャッジの良心や仕事への誇りについて期待することはもうできません。



是非「今の」現役選手(今季復帰する安藤美姫選手も含む)には頑張っていただいて、理不尽な採点を出しづらくするレベルの高い戦いをしてほしいと思っています。
是非、フィギュアスケートのスポーツとしての尊厳を守ってほしい。これ以上競技を蹂躙されるのは見たくないのです。


全ての女子シングルの選手がこのニュースに注目している筈です。そしていろんな考え、感情を抱いている事と思いますが、怪我なく充実したオフと練習を重ねて、10月に元気に試合のリンクに戻ってきてくれるように、そしてソチ五輪では全員が満足できる演技が出来るように願っています。


***おまけ***

そして、キムヨナ選手は、先日の大学教授への名誉棄損での告訴(のちに取り下げ)について、「教育者に対する名誉毀損」で訴えられたそうです。

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キム・ヨナ、教育者に対する名誉毀損で訴えられる=韓国
 ソウル西部地検は2日、バンクーバー冬季五輪フィギュアスケートの女子金メダリスト、キム・ヨナ選手が、40代の女性から教育者に対する名誉毀損(きそん)で訴えられたことを明らかにした。複数の韓国メディアが報じた。

 地検によると、女性は6月28日、教育者である延世大学心理学科の黄相旻(ファン・サンミン)教授が、大学生のキム選手に対して勉強しろと叱ったことは名誉毀損には当たらないとし、「大学教授を告訴すること自体が、韓国の教育者に対する名誉毀損」と訴えた。女性は教育とは関係のない職業に就いているという。

 一連の騒動は、5月22日に黄教授がラジオ番組に出演したことが発端となった。黄教授は、キム選手が在学中の高麗大学の教職課程で教育実習をしたことについて、「(見せかけの)ショー」と発言。キム選手は、発言を受けて教授を名誉毀損で訴えたが、その後も黄教授が謝罪せず事態が悪化したことから訴えを取り下げていた。(編集担当:新川悠)

2012年7月3日 サーチナ

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ただ、この訴えを起こした女性というのが教育者等ではなく、この件に直接関係ない方らしいので、何故この方がいきなり出てきたのかがよくわからないところがあり、この訴訟もどうなるかわからないですね。
でもこういうワケわからない展開になるという事自体が、キム選手の訴訟トラブルが筋の通ったものではないことの表れにも見えてきます。



<関連リンク>
チンクワンタ独裁王国 -「Just Like An Amaranth」 2012年7月3日
*ISU会長であるオッタビオ・チンクワンタ会長とフィギュアスケートの昨今の不可解かつ不透明な採点についての海外のコラムを、やっち様が翻訳して下さっています(記事は転載不可です。ご注意ください)


<関連コラム>
浅田真央選手、2度目の世界女王に -2010世界選手権(追記あり:2010年3月28日)  
女子シングルは波乱の幕開け-2010世界選手権  2010年3月27日
浅田真央選手銀メダル獲得、日本選手全員入賞おめでとう!-バンクーバー五輪  2010年2月26日


韓国東亜日報の記事-フィギュアスケート採点の信頼性に激震  2009年10月29日
キムヨナ選手の「世界最高得点」の意味を考える 2009年10月20日
「競技」としてのフィギュアは死んだのか 2009年10月18日
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キムヨナ選手に問いたい、「ルール」とは何か  2010年3月24日
キムヨナ選手陣営、またも「妨害」アピール  2010年2月23日
キムヨナ選手の「妨害」発言について  2009年3月23日
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エキシビジョンの意味:浅田真央とキムヨナの違い  2009年11月21日


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おもしろ?動画-比較検証  2010年3月30日


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キムヨナ選手のコーチ決定:ミシェル・クワンの義兄・オペガード氏  2010年10月6日
*高麗大学の教授がキムヨナ選手の学業への姿勢を批判した記事の紹介があります。




by toramomo0926 | 2012-07-02 16:23 | フィギュアスケート


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