ハビエル・フェルナンデス選手、GPS初優勝! -2012スケートカナダ・男子シングル
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スケートカナダ・男子シングルはハビエル・フェルナンデス選手が素晴らしい演技、特にフリーでは4回転を3回入れ込むという鬼構成で臨み、2つを着氷させてショートプログラム(SP)のトップを守り抜き優勝!スペインの選手としては表彰台に乗る事も初めてですが、いきなり優勝です!
2位にはパトリック・チャン選手。なんと2010年スケートアメリカ以来となる優勝以外の順位・・・これもすごいですね。
そして昨季途中で怪我の為リタイアしていた織田信成選手が、フィンランディア杯の優勝に続いて表彰台に乗り、3位に入る快挙です!


ISU Grand Prix Skate Canada International 2012
順位と得点詳細。
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「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
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フェルナンデスがチャンの3連覇阻む、織田3位 スケート・カナダ
【AFP=時事】12-13フィギュアスケートグランプリGPシリーズ第2戦、スケート・カナダ(2012 Skate Canada International)は27日、カナダ・オンタリオ(Ontario)州ウィンザー(Windsor)のWFCUセンター(WFCU Centre)で男子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、スペインのハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez)が168.07点を記録し、合計253.94点で優勝を飾った。

 2011年のこの大会で2位に入り、スペイン出身選手として初となるGPシリーズ表彰台入りを果たしたフェルナンデスは、ショートプログラム(SP)に続いてFSでも首位の座を確保した。

 3連覇を狙ったカナダのパトリック・チャン(Patrick Chan)は、逆転ならず合計243.43点で2位となった。3位には合計238.43点で織田信成(Nobunari Oda)が入った。

 無良崇人(Takahito Mura)は合計199.74点で8位だった。【翻訳編集】 AFPBB News

2012年10月28日 AFP時事

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優勝はハビエル・フェルナンデス選手!おめでとうございます!!!
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SPの「マスク・オブ・ゾロ」はちょっと全体的に大人しいというか、滑りは相変わらずとてもきれいなのですがスピードもいつもよりない感じでちょっと曲に力負けしている印象があったのですが、演技をしっかりまとめてトップに立ちました。

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フリーの「チャップリンメドレー」では4回転-3回転のトウループのコンビネーション(4T-3T)、4サルコウ(4S)、そして単独の4Tを予定の構成として入れてきたと聞いた時はビックリしました。
実際は冒頭の4T-3Tは最初の4Tで転倒してしまったのですが次の4Sをしっかり決め、そして3つ目の4Tに2Tをつけてしっかりリカバリー。1回失敗してもまだ2回あるという、どうなってるんだという鬼構成でした(笑)。まあそれも彼が昨季から安定して本当に美しい4回転を跳ぶことが出来ているという自信からでしょうね。

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今大会、カナダの観客って全体的に割と静かだったと思うんですが(地元選手以外ミスがあっても頑張っての拍手はなく静まり返り、成功させれば拍手はありましたが傾向的には割と冷淡だったように感じました)、このフリーのステップの時には珍しく手拍子が沸き起こりました。彼はスペイン国籍ですがカナダのヒーローであるブライアン・オーサーコーチのもとでカナダで練習していますから、そういう意味ではホームに近い感じで観客も見ていたのかもしれません。演技自体もお尻をフリフリする振り付けがあったり盛り上がる要素はありましたし、彼自身も表現の上手い選手というのも勿論あります。

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後半さすがに疲れがでてスピードが落ちてきましたけど、これまでのように疲れてくると崩れるという感じではなくしっかりまとめました。パーソナルベストを更新しての優勝、本当に素晴らしい勝ちっぷりだったと思います。
彼を最初に認識したのは数年前ですが、こんなにきれいに滑ってジャンプも美しい選手なのになんでもっと点がつかないのかと思いましたが、やっと実を結んできた感じですね。彼もソチ五輪金メダルの有力候補に堂々と名乗りを上げました。
男子はプル様のようなベテランも健在ながら新しい力もこうやってどんどん出てきて、かなりエキサイティングになってきましたね。4回転2回が当たり前になりつつある・・・なんて言っていたら3回入れる選手が出てくるとは!男子はどんどん競技が進化してきてますね。嬉しい反面、バンクーバー五輪近辺のあの意味不明な停滞ルールがなければこういう時代はもっと早く来ていた可能性もあるという悔しさも出てきます。女子は未だに保守的なムードですしね。バンクーバーの頃より3-3を復活させる選手は増えましたが、フリップやルッツからの高難度のコンビネーションを跳ぶ選手は数人しかいませんし。確実に女子は不条理なルールのために大きく技術的に後退した影響が今も残っています。

ハビエルのように意欲的にどんどん挑戦してくれる選手が出て来てくれるのは嬉しいですね。そういう意味でも今回の彼の演技は優勝にふさわしいと思います。
本当におめでとうございます!!

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Javier Fernandez 2012 Skate Canada FS -Charlie Chaplin Medley




2位はパトリック・チャン選手!
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「2位はパトリック・チャン選手」という文章がすごく違和感あります(笑)2年間出場した全ての試合で優勝してきた彼ですが、今回その記録は途絶えました。

ジャパンオープンでの思わぬ乱調が一時的なものなのかそうでないのかをこの試合で見極めようと考えていたのですが、今回も昨季の彼とはちょっと違っていましたね。
昨季もジャンプミスはあったのですがベースの部分は安定しており、「人間にはミスもある」といういわゆる「誤差の範囲」という感じだったのだけれど、今季はちょっと確率が落ちているという印象を持ってしまっています。
ジャパンオープンのショックが自分の中で尾を引いているということはあると思いますが、何よりクリスティ・クラールコーチと離れるべきではなかったのではないかという気持ちをどうしても抱いてしまいます。

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今季から、表現力強化のためと聞いていますが、元バレエダンサーのコーチについているということですが、やはりあれだけクワドをバンバン跳んでいた彼でも、コーチのこまめなチェックがなくなるとブレが生じたりするのかなと・・・
これが彼の中で何か技術的に変化を試みての移行期ということなら仕方ないのですが、そういう話も聞かないし必要もない選手ですので、ちょっと心配になりますね。
とはいえ、PCSは相変わらずどんなミスをしようが高め安定なんですけどね・・・(涙)

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とはいえ、新しいコーチについた成果でしょうか、今回とても表情もよかったですし、特にフリーにおいては、彼が表現したいものを初めて見ていて少し理解できたような気がしました。
ジャンプはこれからシーズンが進むにつれて戻ってくるかもしれませんから、今は静観するしかないですね。次の試合となるロシア杯も引き続き注目して行きたいと思います。

おめでとうございます!!お疲れ様でした!!



Patrick Chan 2012 Skate Canada FS -La Boheme




3位に織田信成選手!怪我の復帰から上々の立ち上がりです!
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SPの4T-3Tは本当に美しく決まりました。GOE(出来栄えによる加点減点)で+1.47という高い加点をもらっているので、このジャンプだけで16点近く稼いだことになります。本当に素晴らしい。
復帰後も彼特有の「猫足着氷」と呼ばれる柔らかく流れのある着氷も健在です。

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フリーは4Tをこらえました。トリプルアクセル(3A)のステップアウトはありましたが全体的にしっかりまとめました。ただ、ちょっとフリーは元気がなかったかな?優勝もありえただけに、ちょっと緊張していたのかもしれません。あと、会場のリンクがアイスホッケー仕様でフィギュアの国際規格にはかなっていますが通常より狭かったということなので、そういう意味でもいろいろ気にしながらの演技だったのかもしれません。

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ステップは力強かったですね。曲が「魔法使いの弟子」ということで、頭上あたりから手のひらをパッパッと魔法をかけるように振る振り付けもあったりしてなかなか楽しかったです。
もう少しブランクに調整が必要かと思いきや、シーズンインからすごく良い調子で来ていますね。本当に良かった!それにしても日本男子の層の厚いこと・・・枠が6つくらい欲しい(笑)

次はロシア杯。小塚選手と一緒になりますね。これは表彰台争いが更に熾烈になりそうです。
おめでとうございます!



Nobunari Oda 2012 Skate Canada FS -The Sorcerer's Apprentice




フローラン・アモディオ選手が4位です。
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ジャンプは軸が細くてまっすぐ、そして滑りにスピードもあるのだけど、どうもジャンプの細かいミスがちょこちょこ見られましたね。ちょっと不思議でした。
4回転は彼はサルコウで挑みましたがSPとフリーどちらでも成功させることができませんでした。
モロゾフ門下生は今大会どうもかみ合ってないような感じでしたね。今年の世界選手権は佐藤家(有香さんも併せて)が呪いにかかったように全滅状態でしたが、そういう事があるんですかね・・・

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アモディオ選手の滑りやジャンプは好きなので、モロゾフ以外の振付師のプログラムが見たいなという気持ちが年々大きくなっています。
モロゾフの振り付けのスタイルはもう時代に合わなくなってるような気がしています。もしくは彼自身の引き出しがもう出尽くしたか。
やはり彼の全盛期は高橋大輔選手にヒップホップを授けたあたりかなと感じます。
あのころはモロゾフ自身にフィギュア界でのブーム、ムードを作り出す力があったと思いますが、今はあまり魅力的な振り付けが見つけられません。
レオノワ選手のパイレーツ・オブ・カリビアン等もよかったけど、やっぱり「滑っては止まってお休みタイム」の繰り返しというアラばかりが目立ってしまっています(安藤選手のプログラムではあまりその点は感じませんでしたが、安藤選手が休養に入ったら、完全に安藤選手っぽいプログラムをレオノワ選手に授けていたのも、彼の引き出しの少なさを感じる要因でもありました)。
アモディオ選手のようなダンス系か、安藤美姫選手やレオノワ選手のような強い女性系、みたいにどのプログラムも大きく2~3種類に分類できてしまいそうな内容なので、ちょっと飽きてきているというのが個人的な感想です。

もうソチまでは無理でしょうけど、ひょっとしたらアモディオ選手はソチ五輪後にコーチを変えるかもしれないですね。変えなくても、別な方の振り付けに是非挑戦してみて欲しいと思います。でももしそう思っても、言い出しにくいかな・・・(笑)

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Florent Amodio 2012 SKate Canada FS -Jumpin' Jack, etc.




デニス・テン選手が6位です!
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テン君、すっかり大人になりましたね…カッコよくなりました!!
そして本当に滑りが見ていて気持ちいいですね!!!
SPでは冒頭の4Tをあまりにもあっさり跳んだので、3Tかと思ってしまいました(笑)彼もジャンプを再構築して、すっかりものになってきましたね。
そしてテン君の魅力は、柔軟性や身軽さなどもあるのですが、何よりの魅力は滑りのツルツルさ&体の動きの気品!!

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コーチはフランク・キャロル&ラファエル・アルトゥニアン、振付師はローリー・ニコル&ステファン・ランビエールというバリバリのエリートスケーター。超一流のみなさんに磨かれて、本当に素晴らしいスケーターになったなあという印象です。ソチ五輪がすごく楽しみ!
この調子でどんどん上げていって欲しいと思います。スタートとしては悪くないです!!
SPとフリーどちらも「The Artist」のサントラからという面白い試みをしていますね。次の試合は彼もロシア杯。楽しみです。

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Denis Ten 2012 Skate Canada SP -The Artist

この体のキレ、そして文字通り頭のてっぺんからつま先、指先まで神経の行き届いた品のある動きをご覧ください!!!



無良崇人選手は8位でした。
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SP前にずっと3Aを確認していたという無良選手。「リンクの幅が狭く3Aが怖かった。攻めきれなかった」と話していましたが、確かに元気がなかった。そして下を向きがちだったのが余計そういうムードを出してしまってましたね。フリーでは4Tを決めて0.86という加点ももらい、3Aも決めて6位になりましたが、総合順位を上げきれませんでした。彼自身今季GPS2試合出場ということで気合が入っていただけに残念だったでしょうし、私も残念でした。

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ですがフリーも、滑り的にちょっと力強さやスピード感が足りないように感じました。曲の最初から最後まで、ジャンプ、ステップ、スピン全てが同じテンポで体が動いてる感じがしたので、個人的にはもうちょっと曲や振り付けに合わせてメリハリがつくといいんじゃないかと感じました。
男らしい、時に粗さとも取られてしまうような野性的な演技、ダイナミズムが彼の魅力の一つだったのに、今大会はちょっと借りてきた猫状態にも見えてしまいました。気合が空回りしてしまったのかな。
彼の3Aや大きなジャンプが決まった時の爽快さというのは彼だけのものですし、滑り自体も年々ステップアップしてるな、努力したんだなあということをひしひしと感じしているので、次のフランス杯はきっとリンクも広いでしょうから思いっきり跳んで踊ってほしいと思います。
今季の「マラゲーニャ」と「Shogun」はとても彼に合った曲だと思うので、これからどんどんブラッシュアップしていくのが楽しみです。
お疲れ様でした!フランス杯も頑張って下さい!!

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Takahito Mura 2012 Skate Canada FS -Shogun




アルトゥール・ガチンスキー選手がまさかの9位。どうしたのかと思ったら、今日になって免疫が落ちているということで検査入院したというニュースを聞きました。心配です。
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どうかシリアスなものでありませんように。まだ彼のスケーター人生は始まったばかりですし、もっともっと彼の演技を見たい!疲労があるならしっかりと疲れをとって、体調万全で戻ってきてください。待ってます。



明日から中国杯。
日本からは高橋大輔選手、浅田真央選手、町田樹選手が出場します。
幸いなことに上海の状況としては落ち着いているようですが、このまま無事に全て終了し帰国できますように。
そして選手自身が満足できる演技ができますように!!!

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by toramomo0926 | 2012-10-31 17:37 | フィギュアスケート


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