羽生結弦選手優勝、高橋選手2位でファイナル出場を決める-2012NHK杯
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今季グランプリシリーズ(GPS)最終戦のNHK杯男子シングルは、羽生結弦選手がフリー後半でミスがあったものの高橋大輔選手を振り切り優勝、高橋選手も冒頭の4トウループ(4T)を見事成功させ、演技をしっかりまとめてて2位となり、晴れて二人ともグランプリファイナル出場を決めました!
3位には昨年に続きロス・マイナー選手が神演技を見せ、ショートプログラム(SP)4位から順位を上げて表彰台乗りを果たしました!!


ISU Grand Prix NHK Trophy 2012
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。




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羽生がNHK杯初制覇、高橋は及ばず2位=NHK杯・男子FS
 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦・NHK杯は24日、宮城セキスイハイムスーパーアリーナで男子のフリースケーティング(FS)が行われ、ショートプログラム(SP)トップの羽生結弦が冒頭の4回転ジャンプを決めるなど演技をまとめ165.71点、合計261.03点でNHK杯初優勝を果たした。

 逆転優勝を狙った高橋大輔は冒頭の4回転ジャンプを成功させるも、トリプルアクセルで手をつくなどジャンプでミスが出て、FSの得点164.04点、合計251.51と羽生に及ばなかった。

 羽生、高橋ともに12月6日からロシア・ソチで始まるグランプリファイナル出場を決めた。

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 以下は羽生のコメント。
「(後半は)疲れて(体が)動かなかったです。そんなに集中力は切れていなかったのですが、スピンで転んだ(バランスを崩した)後には集中力が切れました。さすがに笑っちゃいましたが。細かなミスも結構ありました。4回転については納得がいっています。後半は、しっかりと体力をつけていかないと。

(総合は自己ベスト更新だったが?)ショートプログラムが良くての総合ベストだったので、そのことはあまり気にしていません。小さなミスが続いたので、むしろその中でベストが出たのが大きかったです。
(スケートアメリカとどう違う?)1位で(ファイナルに)いけるという喜びは大きいです。それと、地元でこの結果を出せた喜びがあります。地元だからこそ、あれだけ力が出せたんだと思います。高橋(大輔)選手への歓声がすごかったけど、最初のジャンプを跳んだ後など歓声が湧いて、それに背中を押されました」


以下は高橋のコメント。
「4回転を転んだのは悔しいです。氷に引っかかった部分もありますが。これが試合なのかなと思いました。
(4回転は)1本目は落ち着いてできたと思います。2本目は失敗しましたが、失敗の仕方は悪くない。自分なりに徐々に上げていければ(いいです)。
(ショートプログラム終了時点で1位の羽生と)8点差があったので、守ってもしょうがないと思いました。それが良い形につなかったのかなと思います。

(ファイナル確定については?)ひとまずホッとしています。彼(羽生結弦)の演技を見てもそうだけど、勢いを感じます。自分は厳しい状況にいると思いますが、それをモチベーションにしていきたいです。
(優勝の逃したことは悔しい?)悔しいですが、これからそれをバネにして練習に生かしていければ。自分でも自分の成長を疑うこともありますが、成長していきたい。下の世代の成長がすごいけど、取り残されないように。着実にやっていくことが大事だと思っています。

(世界選手権に向けては?)うかうかしていられない。(代表枠の)3枠に入るのはすごくキツイし、精神的にもキツイけど、その状況を乗り越えていけたらと思います」


<男子シングル最終順位>
1:羽生結弦(日本)261.03
2:高橋大輔(日本)251.51
3:ロス・マイナー(米国)235.37
4:ハビエル・フェルナンデス(スペイン)232.78
5:リチャード・ドーンブッシュ(米国)217.56
6:ケビン・レイノルズ(カナダ)216.26
7:セルゲイ・ボロノフ(ロシア)214.88
8:アダム・リッポン(米国)210.47
9:アンドレイ・ロゴジン(カナダ)182.39

2012年11月24日 スポーツナビ

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優勝は羽生結弦選手!
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昨季もそうでしたけど、今季も若さと勢いというものの凄さを思い知らされる感じですね。
ジャンプも4回転を完全に自分のものにして、失敗する気がほとんどしないという感じになっていますし、オーサーコーチのもとで滑る技術も向上が感じられます。昨季と比べると一蹴りが大きくなり、より滑らかになってきているように感じます。まだその辺りは先輩トップスケーターのレベルまではあと少し、という感じではありますが、点はすごく伸びてます。

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今季彼の演技構成点(PCS)のスケーティングスキルなどの点の伸び方はすごいものがありますが、素人目ながらまだここまで点を貰えるほどなのかというとちょっと疑問というのはありますね。コーチが誰なのかということが点に影響するものなのかという思いもちょっとよぎったりもしました。彼は素晴らしい才能があるし技術も表現する力も抜群だけれど、高橋大輔選手と同程度のPCS評価ということになると、ちょっと首をひねるところもない訳ではないですね。

ただ、彼の演技を見てると感情移入してしまうというか、余裕をもって滑れるSPはただ「おおおお」と圧倒されるのみなんですが(笑)フリーは見ていると「がんばれがんばれ」という感じで見てしまう感はありますね。
彼の大きな課題は体力不足、シニア3年目となる今季もまた、フリーを滑りきるスタミナの強化が最重要課題と言われ続けていますが、今回も後半で完全に体力的に電池切れしてしまい、スピンを回りきれず転倒してしまったり後半のジャンプでミスがいくつか出ました。明らかに見た目にも疲れた感じになり、スピードもガクンと落ちてしまった。
でも演技が終わったあとに「やっぱり後半崩れちゃったな」とか「残念・・・」という感じよりも先に「よく頑張った!!!」みたいな感情を見る側に抱かせてしまうんですよね(笑)失敗すらもお客を盛り上げる燃料になる、みたいな感じで。
ジャッジは客観的に評価をしてほしいとは思いますけど、彼らも人間ですからそういう感情を抱いてしまう事もあるかもしれません(贔屓されてると言ってるわけではないですよ)。
不思議な魅力を持つ選手ですね。

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ただちょっと気になることが。
今大会彼が更に点数を上げるためにプログラムの難度を上げてきたと聞いたのですが、そうなのでしょうか?もしそうだとしたら、そこにはちょっと疑問を覚えるのです。
まず彼はフリーを最後までスタミナを切らさず、クリーンに滑りきることの方が重要なのではないでしょうか。
スケートアメリカの内容でも充分優勝を争える内容ですし、今彼の演技はジャッジに評価が高いのです。これ以上内容を濃くしても、滑りきれないのならそれは彼にとっては技術的ではなく体力的に不相応な内容ということになるのではないかと思うのです。
彼は体質的に太れないというか筋肉が付きにくい体質にも見えますし、喘息という持病がありますからなかなか体力強化と一口に言っても難しいのはよく分かっていますが、彼は評価されていないわけではないのですから、今は足元固めというか、技術的に難度を上げて更なる高得点を狙うというよりも、きちんとプログラムとしてまとめて狙った点を確実に取る、ということを目指してもいいんじゃないかと思うんですよね。そうすれば今より結果的に取りこぼしがなくなるので、更に点を取れるということになり結果的には同じになるのではないかと。
今はフレッシュさがあるので「がんばれがんばれ」というムードで皆見てくれているけれど、こうやって勝ちや高い順位を重ねて実績を積んでいったときに、「フリーで必ず崩れる」というイメージを持たれることは彼にとってもよくないと思うんですよね。その辺りをオーサーコーチや彼自身どう考えているのかわかりませんが、体力的に無理な構成を強行することは怪我にもつながると思うので、ちょっと心配しています。

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とはいえ故郷に錦を飾る優勝、本当に嬉しそうでしたね。この勝ちを弾みに、ファイナルも是非頑張ってほしいと思います。
おめでとうございます!!!

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Yuzuru Hanyu 2012 NHK Trophy FS -Notre Dame de Paris




高橋大輔選手が銀メダル、ファイナル出場決定です!!
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4Tについては、かなりいいところまで調子を上げてきているように見えました。跳んだ時の軸もまっすぐですし、今回も最初のはしっかり決まりました。2度目のは両足になってしまいましたが、彼の言うとおり「失敗の仕方は悪くない」という感じですよね。ファイナルまでに更に上がってくるといいと思います。
一方で昨季まで不動の安定感を誇ったトリプルアクセル(3A)が安定しないのが気になりますね。全体的にまだちょっと硬さが見られる感じがありました。彼のコメントを見ても若手の台頭への危機感ということを強調していますが、彼は普通にやっていれば間違いなくトップ選手なのですから、謙虚さは彼のいいところなんですけどあまり考えすぎないでほしいなという感じです。

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ただ今季、どうも彼の演技を見ていてボッと燃え上がるものがないんですよね。
ミスの有無とは別のところで、昨季のような見ていてゾクゾクするような、心が沸き立つような感情が、残念ながら彼の演技を見ていて感じることができないでいます。ジャパンオープン(JO)の時は少しそういう感情はあったけれど、昨季のJOのあのボロボロだった(笑)ブルースの時の方が「これは決まれば凄いものになる」という興奮がありました。今はちょっとまだ自分の中では、いつもの高橋選手の演技のような興奮が得られずにいます。

ここからは完全に私の好みの範疇での話になると思うので異存のある方もいらっしゃるかと思うのですが書いてみると、彼は今季もパスカーレ・カメレンゴさんのプログラムをSPかフリーどちらかで滑ってほしかったなという気持ちがあります。
どうしてかというと、スケーターと振付師の間には「コラボ的旬」な組み合わせはあるのではないかと感じるからです。
振付師の方は毎年毎年素晴らしいプログラムを作り出しますが、スケーターのタイプ、演技や成熟度によって、その振付師との組み合わせがぴったりハマる時期(旬)というのがあると思うのです。スケーターと振付師、どちらもそれぞれの方向性、スピードは違えど毎年進化していると思いますが、その中でぴたりと合う時期があるように感じています。2本並んだ、スピードの違うエスカレーターにそれぞれ乗っている人が、ふとしたタイミングで全く同じ位置に並んで進むタイミングがあるようなイメージでしょうか(わかりにくくてすみません)。
カメレンゴさんは勿論この先ずっと素晴らしい作品を作り続けると思いますが、スケーターの成熟度と彼の作るプログラムがぴったり合う時期というのはその選手によって違うように感じます。そして高橋選手は今カメレンゴさんの「時期」なのではないかと感じているんですよね。

もちろん、これは今だけの受け止め方かもしれません。高橋選手がこれからジャンプの精度を増し、例年のようにもっともっと自らの滑りでプログラムを引っ張れるようになれば、私の身勝手な感想など180度変わってしまうかもしれません。そうなるといいと思っていますが、そういう意味で今後彼と彼のプログラムが今シーズンかけてどのくらい「化ける」かを楽しみにしたいと思います。

おめでとうございます!!是非ファイナル初優勝を狙ってほしいですね!!


Daisuke Takahashi 2012 NHK Trophy FS -I Pagliacci




3位にロス・マイナー選手!神演技で表彰台を勝ち取りました!!!
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ロス君の表情が演技が進むにつれてどんどん良くなって、すごくいい笑顔をしていたのでこれはいける!と思いながら見ていました。
最初の4Tは、実況の方も言っていましたがよくあんなに軸が斜めになってきれいに着氷できたなと(笑)でもあれで勢いに乗れましたね。

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彼の表彰台乗りが決まった時、ツイッターに「3位力」という字が飛び交ったのを見て思わず笑ってしまいましたが(笑)2年連続出場してくれたこと、そして素晴らしい演技と表彰台での笑顔を見せてくれたことが本当に嬉しいです。
彼の上品で、キレはあるけど過剰な鋭さはない、優しいスケーティングが大好きです。本当におめでとうございます!!



Ross Miner 2012 NHK Trophy FS -Captain Blood




4位はハビエル・フェルナンデス選手。惜しくも表彰台はなりませんでしたが、ファイナル出場は決めました!
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今回の彼は彼らしくなかったなという印象でした。いつもの安定感がなかったし、SPすら後半は疲れてしまってるように見えて、体調が悪いのかな?とも思ってしまいました。

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ちょっと集中しきれていなかった感じでしたかね・・・。怪我とかじゃないですよね?
ファイナルへの出場はしっかり決めたので、ソチでは切り替えて彼のなめらかで気持ちいいスケートと、大きくて美しいジャンプを見せてくれるのを楽しみにしたいと思います。
お疲れ様でした!!!


Javier Fernandez 2012 NHK Trophy FS -Charlie Chaplin Medley




6位にケヴィン・レイノルズ選手!
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彼も一時悩まされた怪我の影響がなくなってきているのか、ジャンプの精度が上がってきてる気がしますね。ジャンプが決まると彼の良さがぐっと出てきますから、これからじわじわ順位を上げてくる気がします。
彼も細身で体力が課題のひとつかなという気もしますが、トウループ、サルコウ、そしてループと、3種類のクワドジャンプ持ちという非常に魅力的な武器を持つ選手。
これからジャンプが更に安定してきたら、かなり強力な選手となる資質は十分ありますね。華奢といっていい体格なのでこれからも怪我だけは気を付けて、更に飛躍してほしいです!

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次はカナダ選手権ですかね。楽しみです。
お疲れ様でした!!!


Kevin Reynolds 2012 NHK Trophy FS -Concerto No. 4 in E minor for Piano and Orchestra

彼の選曲は毎年良いですね。それも彼の演技が毎回楽しみに感じる理由のひとつです。



ファイナル出場は羽生結弦選手、町田樹選手、小塚崇彦選手、高橋大輔選手、パトリック・チャン選手、ハビエル・フェルナンデス選手となりました。
6人中日本選手が4人というのは史上初(まあそうですよね)だそうです。
誰か一人は日本人が表彰台に乗ることはすでに確定しています・・・恐ろしい(笑)
一人とは言わず、独占くらいいってほしいですけどね!
そして日本男子は、誰が優勝してもファイナル制覇は史上初ということになります。これも是非達成してほしい!!

選手の皆様、お疲れ様でした!!!
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by toramomo0926 | 2012-11-28 13:50 | フィギュアスケート


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