若さが席巻の男子SP -2013年四大陸選手権・男子シングル
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四大陸選手権が始まりました。今年は大阪!
現在世界で一番フィギュアスケートが盛り上がっている日本開催ということで、公式練習からたくさんの観客が入って大盛況のようです。
そして今年の四大陸は出場選手の年齢層が若い選手も多くて、すごくフレッシュな感じ。その分どうなるのか?というワクワク感がありました。

男子のショートプログラム(SP)では、羽生結弦選手がコンビネーションジャンプでミスが出たもののトップスタートとなり、2位にはこれがシニア初戦(ですよね?)の中国初の世界ジュニア王者、ハン・ヤン選手がいきなりの神演技で入っています!そして3位には一時の不調から着実に調子を戻しつつあるリチャード・ドーンブッシュ選手が入りました。
高橋大輔選手は自身のキャリアで初めてシーズン中に曲を変更、「ロックンロールメドレー」から「月光」と曲調も180度変えてきました。まだ演技がこなれてないこともありジャンプにミスも出て4位スタート。無良崇人選手はジャンプをまとめましたが8位スタートとなっています。


ISU Four Continents Figure Skating Championships 2013
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。

*四大陸選手権は、英語名の頭文字(Four Continents Championships)を取って「4CC」と表記されることが多いです。





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羽生がSP首位発進!高橋4位、無良は8位
 フィギュアスケートの四大陸選手権は8日、大阪市中央体育館で開幕し、男子のショートプログラム(SP)で羽生結弦(18=宮城・東北高)が87・65点で首位につけた。最後の3―3回転のコンビネーションが1―3回転になるミスも出たが、冒頭の4回転トーループは完璧に決め首位に立った。

 高橋大輔(26=関大大学院)はベートーベン作曲の「月光」に替えたSPを初披露したが、4回転トーループでバランスを崩し、トリプルアクセルでも転倒するなど、ジャンプでミスがあり、82・62で4位。

 無良崇人(21=中京大)はジャンプミスもあり、シーズンベストの78・03点を出したものの、8位。2位には85・08点をマークしたハン・ヤン(中国)がつけた。

2013年2月8日 スポニチアネックス

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1位は羽生結弦選手!
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羽生、SP首位発進 集中力切らさず「ベストの位置」 四大陸フィギュア
 自国開催、さらに演技直前までファンから名前を連呼される状況でも、羽生は落ち着いていた。

 冒頭の4回転ジャンプを難なく決めると、続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も成功させて会場のボルテージをさらに上げる。直前に滑ったライバルの高橋が得点を伸ばせなかった中で出番を迎えたが、「まずは自分の演技」と集中力を切らさなかった。

 87・65点をマークして堂々のSPトップ。唯一悔やまれたのは、後半の連続3回転の失敗だった。最初のジャンプが1回転に終わり、「プログラムを見せることにこだわって、ジャンプの意識が散漫になってしまったかもしれない」と声を落とした。

 ただ、ジャンプよりも演技全体に意識を置くのは、さらなる進化への過程にある証し。五輪代表枠がかかる3月の世界選手権を前に、より高みを目指すための課題が浮き彫りになったともいえる。

 実は、初優勝した昨年末の全日本選手権直後から体調不良に陥り、仙台市の実家に戻った年末年始は10日近くもリンクに立てなかった。練習を本格化させたのは1月中旬に練習拠点のカナダに戻ってから。短期間の調整を余儀なくされたのだが、「どんな状況でもベストを尽くす」と、精神面の強さも光った。

 「ミスして悔しい思いもある中で、1位になれた。この位置でフリーを迎えられるのはベスト」。好発進に笑みを浮かべ、初優勝を視界にとらえた。(田中充)

2013年2月9日 産経新聞

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4回転トウループ(4T)については、もう彼は寝てても跳べそうな感じですね(笑)
今回3ルッツ-3トウループ(3Lz-3T)のルッツをパンクさせてしまったのはびっくりしましたが、その後すぐに3Tをしっかりつけられるのは改めて凄いなと思いました。
この曲はギターの骨太の音が終始引っ張る感じで、演奏自体はパワフルかつワイルドな印象なのだけれど、羽生選手はその中で飄々としているというか、演技を重ねるごとに軽さのある演技になっているような気がしています。
SPでは3回転からのコンビネーションジャンプというのが必須要素ですから、求められた要素を満たさなかったということでこのジャンプでは大きく減点されているのですが、4Tやトリプルアクセル(3A)の質の良さと演技構成点(PCS)の高得点にも助けられ、首位となりました。
とはいえこれまでのようにぶっちぎりという訳には行かなかったですね。2位のハンヤン選手と約2.5点差。今季の彼の勝ちパターンである先攻逃げ切りというか、SPの高得点を貯金に出来ない状況ですが、どういう演技を見せてくれるか楽しみですね。今大会のフリーでプログラムの印象が変わる変わらないか、そのあたりを注目したいと思います。
練習の時に転倒の仕方にヒヤッとさせられたのですが、どうか怪我に気を付けて、頑張ってください!


Yuzuru Hanyu 2013 4CC SP -Parisian Walkways




2位にハンヤン選手!
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彼は中国フィギュア史上初めて世界ジュニアのタイトルをとった男子シングル選手。「ハンヤン」という名前はツイッター等でよく耳にしていて、今回彼の演技を楽しみにしていました。
最初の3Aの高さと幅は、本田武史さんも驚いていましたがものすごいものがあり、しかもそのあとに4Tを跳ぶという・・・若い。全体的にスピードがすごくあってみていて気持ちよく、スピンもきれいでした。なんというかスピンのまわり方が軽やかというのが印象に残りました。
そしてシニアデビュー戦でこのような泰然自若ぶりというか、表情が変わらないのが大物ぶりを表していました(笑)。

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これは凄い選手が出てきましたね!
とはいえ、シニアでの力量はある意味、演技時間が長く体力が必要になるフリーで試されるという面もあるので、彼の今日のフリーが楽しみですね。
頑張ってください!



Han Yan 2013 4CC SP -Jealous




3位にリチャード・ドーンブッシュ選手!
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シニアデビューの頃にいきなり全米選手権で2位になって、その後ちょっと伸び悩んでいる・・というと失礼かもしれないけれど、予想していたほどの活躍を今の所みせられていない状態の彼ですが、今季は着実に自分の滑り、ジャンプを取り戻してきているような気がしますね。
彼自身もちょっと大人になった感じで全体的に更に洗練されて、大人の男性スケーターという雰囲気を醸し出してきています。

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その分ちょっとだけ個性が埋もれてしまっているような感じが今の所してしまうのだけど、これからですよね!男子は20歳過ぎてからどんどん変わりますしねー。楽しみです。
とにかく、久しぶりに美しい彼の良さが出た演技と、彼の笑顔が見られて何よりです。
フリーも頑張ってください!!


Richard Dornbush 2013 4CC SP -With or Without You by U2




新プログラムのお披露目となった高橋大輔選手は4位スタートです。
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SP4位の高橋「本来の演技ができなかった」
 フィギュアスケートの四大陸選手権が8日、大阪市中央体育館で開幕し、男子ショートプログラムでは、羽生結弦(東北高)が87.65点でトップに立った。2位は閻涵(中国)で85.08点、3位には83.01点でリチャード・ドーンブッシュ(米国)が入った。高橋大輔(関大大学院)は、ジャンプ後の転倒などミスが響き82.62点で4位。無良崇人(中京大)は78.03点で8位スタートとなった。

 以下は、高橋のコメント。
 「全然ダメでした。考え過ぎた部分があって、自然に体を動かすことができませんでした。まだまだ練習が足りないなと思います。次までにしっかりと改善したいですね。

 ジャンプのミスはあったのですが、自分の滑りが出せなかった。いろいろと考えすぎてしまったというか、演技が終わった後は何とも言えない感じでした。これを次までに生かさないといけない。プログラム自体は気に入っていますし、変更して良かったと思っているんですが、本来の演技ができなかったのが悔しい。まだ体に慣れていない部分があって、自然になりきっていない。今は曲に合わせて自分で体を動かさないといけない状態。本番と普段の練習とは違いますし、不安も大きかったと思います。でも、このプログラムがやりにくいことはないですし、これで終わりたくはないですね。

 4回転に関しては、ベストではなかったですし失敗だったのですが、あのジャンプでこらえられたのは、まぁ良かったかなと思います。ただ、今シーズンはエッジを変えたこともあるのか、トリプルアクセルがつかみきれていない。アクセルでちょっと苦労していることは否めないですね。

 このショートプログラムに関しては滑り込みが一番。フリーと比べたら練習が足りていない。やるしかないですね。明日のフリーでは攻めて攻めて、下がることを恐れずに上がることだけ考えていきたいです」

2013年2月8日 スポーツナビ

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プログラムをシーズン途中で変更するのは彼のキャリアでも初めてのことだそうで、「来季のソチ五輪シーズンでも途中で変更することもあるかもしれないし。今は全てが経験と思ってやっている」と話していました。
何となくしっくりこないと思いながら続けるより、リスクを負ってもそのあたりのモヤモヤをすっきりさせて試合をしたいという決断を下した高橋選手。2014年ソチ五輪での引退を表明していますし(世界選手権には出ないのかなあ…)現役選手として残された時間というものを常に意識して、一瞬でも無駄にしたくないんだなというのを強く感じました。

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試合一週間前に靴を替えたばかりで、さらに1月2日に振付けたという出来立てホヤホヤのプログラムで試合に臨むというのはものすごいプレッシャーだったでしょうね。滑り込んできたという自信に出来る材料がない訳ですし。全日本のフリーの時は、緊張と集中が絶妙なバランスで合わさった非常に良い表情をしていたのですが、この日の彼のアップが映し出された時、彼の顔には緊張の色の方が強かった。あ、大丈夫かな…と不安がよぎったのですが・・・やはり甘くはないですよね。
彼自身こういう結果になることも、SP変更の決断をした時点で覚悟はしていたと思います。靴を替えたのも世界選手権に照準を合わせての事でしょうし、これは仕方ない。世界選手権まであとひと月程しかないけど、今回の滑りで得た課題をひとつずつ潰していくしかないです。ただ、怪我だけは気を付けてほしいですね。

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今回の試合運びは、残念ではあるけれどもあくまで目標はワールドと考えれば妥当と思います。
浅田真央選手も今回高難度ジャンプを入れた構成に変えてきましたが、四大陸選手権は新しい試みを世界選手権前に試す大会という色合いも強い試合ですしね。

本当は四大陸選手権はISU主催のチャンピオンシップである&欧州選手権と並ぶ大会ということで、試合の格としては高いはずなんですけれども、時期的にちょうど年末から間が少し開いての国際試合で、世界選手権1か月前というタイミングで行われるので、「いろんなことを試す大会」という存在になってるというのはいつも面白いなと思ってしまいます(笑)。


Daisuke Takahashi 2013 4CC SP-Moonlight Sonata




5位はナンソン選手!素晴らしかった!!
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ハンヤン選手が表情を全く変えなかった代わりに、先輩のナンソン選手が3倍増しで爆発させてくれた、という感じでした(笑)。
でもその渾身のガッツポーズも大納得の、本当に神演技でした。素晴らしかった!!
グランプリシリーズ中国杯で6分間練習中に他選手と衝突するアクシデントがあったり大変なシーズンになっていますが、もうすっかり大丈夫!と強くアピールしましたね。

彼のジャンプは高くて切れ味があって、見ててとても気持ちいいですね。中国男子を若いながらも一人で引っ張ってきた彼ですが、今季からハンヤン選手という強力なライバルも国内に出てきて、女子もジジュン・リー選手やクェイシン・ジャン選手など上位を狙える選手が育ってきて、ペアだけと言われた中国が変わってきているのをはっきり感じさせる大会となりましたね。これから日本にとっても脅威になるでしょうが、ものすごく楽しみです。


Nan Song 2013 4CC SP -The Middle East Side from 46/47




6位にケヴィン・レイノルズ選手!
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カナダ選手権の良いイメージのままこの大阪に入ってくれたようですね。SPでクワド2回!すごい!!
回転不足は取られてしまいましたが試合で入れていくことが大事ですし、構成を落とさず跳んだというところに彼の好調ぶり、充実ぶりが見えて嬉しかった。しっかり着氷してますしね。
彼の軽いジャンプ、長い手足を美しく使った身のこなし、背筋がいつもきちんと伸びた姿勢などが見ていて気持ちよく、楽しみました。
とてもアスリートには思えないような華奢な体つきですが、彼は本当に姿勢がいいんですよね。すごく体幹トレーニングや、恐らくバレエレッスンなどもしていると思います。町田樹選手もそうですが、男子も女子も滑っている時に背中がきちんとしている選手は、見ていて本当にそれだけで美しいと思います。

フリーでは3つの四回転が入るプログラムを組んでいます。頑張ってください!!
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Kevin Reynolds 2013 4CC SP -Chambermaid Swing



7位にデニス・テン選手!
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テン君もソチ五輪を見据えてしっかりと自分の技術を立て直し、完全に安定してきましたね。
この「アーティスト」のプログラムは、彼の品の良い滑り(と顔立ち)にとてもぴったり合ってます。タキシードも似合ってますね。
最初の3Aは高さが素晴らしくて見ていて息を呑みました。彼もやはり姿勢がよく、指先まで神経の行き届いたとても美しい演技をする選手ですし、見ていると「ああ、やっぱり彼の演技はいいなあ」と思ってしまいます。

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選手それぞれが自分の目標のために、努力していろんな課題を乗り越えて成長する姿は感動的ですね。これからも応援しています!


Denis Ten 2013 4CC SP -The Artist, etc.




無良崇人選手は8位スタート。
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無良「全体的に硬くなった」4-3回転でミス響き8位
 8位と出遅れた無良崇人(21=中京大)は「SPで失敗すると巻き返せないという気持ちになり全体的に硬くなった」と語った。冒頭のコンビネーションでフェンスに接近しすぎ、4回転は着氷したものの、3回転でバランスを崩したのが響き、得点が伸びず、78・03点。「ちゃんと着氷しようという意識があれば失敗しなかったので悔しい」と嘆いた。

 それでも、得点はシーズンベスト。今季のフランス杯でGPシリーズ初勝利を挙げた21歳は、4年ぶりの出場となる3月の世界選手権(カナダ)へ向け「前哨戦という点では、まずまずの出来だった」と語り、フリーに向けて「フリーはしっかり4回転を決めて、表彰台に立つ意識を忘れずにやりたい」と巻き返しを誓っていた。

2013年2月8日 スポニチアネックス

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うーん、最初のコンビネーションの2ndジャンプでステップアウトは有りましたが回転不足はとられていないし、全体的に良かったように思えたというか、8位って演技じゃなかったと思うんですけどね~・・・思ったより点が伸びませんでした。
無良選手自身も硬くなったと話していたようですが、もっと点出してほしかったなあ・・・
このマラゲーニャは無良選手に本当に合ってますよね。音楽が鳴って無良選手が力強く滑り出すと毎回ワクワクしてしまいます。
フリーの「shogun」も大好きなプログラムです。今大会で世界選手権への課題を得ると同時に弾みや自信をつけてほしいと思います。


Takahito Mura 2013 4CC SP -Malaguena



9位はロス・マイナー選手。
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冒頭の4Tが2回転に抜けてしまったのが本当に残念でした・・・・(涙)ですが3Aはしっかり高く、キレのあるものでした。スピンも拍手が起こっていましたし、ステップもちょっと面白いなーと思いつつ今季見ています。

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彼は派手さはないのだけど見ていて気持ちいいと思える演技を見せてくれる選手の一人。世界選手権出場も決まっていますし、今大会を世界選手権の良いステップとしてほしいですね。アメリカ男子五輪3枠取れますように!!


Ross Miner 2013 4CC SP -Rhapsody on a Theme by Paganini




12位にミーシャ・ジー選手!
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今季からルールがまた少し変わり、SPにおいても演技時間の後半に入って跳んだジャンプは1.1倍の得点になったのですが、彼は3つのジャンプを前半に跳んでしまいます。
それは何故かというと・・・・・・・ステップを最大の見せ場に(たぶん)してるからなんですよね。
毎回彼のステップは荒ぶるというか、ハゲしく踊りまくるという特徴が定着してきていて、毎回楽しみです。

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今回も情熱的なステップを見せてくれました!
彼を見ていて素晴らしいなと思う所は、こういうハゲしい振付をするとバタバタになってしまったり動きが雑に、乱暴な感じになりがちなところを、しっかり「踊り」として成立させるところですね。きちんと指先まで気配りが出来ていて、気持ちが入った演技は見ていて惹きこまれます。
フリーはチャップリンメドレーということで、これまた楽しみです!

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コーチであるお父様と。こうやって見るとやっぱり似てる(笑)


Misha Ge 2013 4CC SP -Farrucas/Flamenco




はあ~・・・書ききれないくらいたくさん魅力的な選手が出ていて、見ていて本当に楽しい試合です。
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by toramomo0926 | 2013-02-09 14:00 | フィギュアスケート


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