町田樹選手、完全優勝でGPS2勝目を飾る ー2013GPS・スケートアメリカ(その2)
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2013年グランプリシリーズ・スケートアメリカ、男子シングル記事の続きです。


ISU Grand Prix Hilton HH Honors Skate America 2013

順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。





5位にジェイソン・ブラウン選手!彼はシニア本格参戦初戦でこの素晴らしい結果でした!
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彼は今18歳。全米選手権では毎年お見受けしていたんですが、まだシニアデビューしてなかったんですね。
全米でもいつも柔軟な体をのびのびと使って、楽しそうに演技しているのが印象的でした。
今回彼は男子シングルで唯一4回転をプログラムに組み込んでいないのですが、きっちりまとめた演技でSPでいきなり2位に!キス&クライでの驚きよう&乙女なはしゃぎぶりはとってもキュートでした♪

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彼のプログラムはすごく独創性があって、見ていて本当に楽しい!そして女子より美しいキャッチフットスピンなど、柔らかい体を存分にアピールしたポジションも非常に魅力です。
今後の課題として四回転の取得も念頭にはあると思いますが、今持っている彼にしかない魅力を大事にして、このまままっすぐシニアでのキャリアを突き進んでほしいと思います。
応援します!頑張って下さい!!


Jason Brown 2013 Skate America SP -The Question of U

背中にプリンスのマーク(笑)


FS -Reel Around the Sun



小塚選手はSPのコンビネーションジャンプのミスから歯車がずれてしまいましたね…総合6位となりました。

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小塚6位「見つめ直す必要がある」
 男子フリーで小塚崇彦(24)=トヨタ自動車=は6位に終わった。

 小塚はショックを隠しきれなかった。冒頭の4回転が2回転になると、終盤の連続3回転も回転不足。GPファイナル出場は絶望的となり、五輪代表争いでも後れを取った。次戦の中国杯は2週間後だが、「もうちょっと考えたい」と真っ青。「僕の中では悪くない感触でここに来たつもりだけど、見つめ直す必要がある」と肩を落とした。

2013年10月21日 デイリースポーツ

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昨季発覚した先天的な股関節の問題で、手術をするか、またはスケートを辞めるかというところまで追い込まれた小塚選手。
でも夢を追うと決め、手術はしないことを決断。専属トレーナーをつけて筋力をつけたり体のケアを重点的に行い、靴もオーダーで作るなどいろいろ模索してきた小塚選手。手術以外で出来ることは何でもやってきました。
それが実を結び、今は痛みなどは出ない体になってきていると話していましたし、ジャンプも、昨季痛みを隠していた時期は無理に跳びあがろうとして右腕が上に上がってしまう癖が出ていましたが、それも今大会なくなっていました。
ただ、スピンでこれまで見なかったようなヨレ方をした場面があり、痛みはもうないとは言っていても、やっぱり完全という訳には行かないのかな…とちょっと心配になるところもありました。
SPでも、最初の4Tをなんとか着氷し、3Aも美しく決めたところで、普段なら絶対にミスしない3Lz-3Tのジャンプでコンビネーションをつけられないミスをしてしまい、そこから全てがうまく回らなくなってしまいました。
うーん、こういう事もあるんですね。

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また、今回彼には(一部高橋選手にも)随分PCS的に辛い点のつけられ方だったような気がするんですが、どうなんでしょうね。
彼のスケーティングスキルが7点台なんてことは、怪我明けということはあるにしてもないと思うんですが。現に他のジャッジは8点台を全員つけているところに、一人だけ極端に低い点をつけているジャッジもいました。
昨年のスケートアメリカでは小塚選手が優勝、2位に羽生結弦選手、3位に町田選手が入り、日本男子が表彰台を独占しました。今年も日本から男子は3名、しかも実力者が出場しています。
今年は日本に独占させてたまるか、という意思が働いていたとしたらうんざりなんですけど…こういう時っていつも小塚選手は割を食ってる気がします。今回町田選手にはケチはつけようがなかったけど、ミスをしてしまった小塚選手と高橋選手は、ここぞとばかりに点を辛くできる状況が出来てしまったようにも感じます。


朗報(笑)としては、JOでファンを騒然とさせたフリーの衣装が変更になっていたことです。
ガソリンスタンドスタッフとか戦隊ヒーロー「こづレッド」的なあの衣装ではなく、ブルーグレーのシックなブラウスに足もとすっきりの黒パンツ姿。とっても上品で素敵でした。私は断然こちらを支持します!!

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どうやらこのブラウス、ジュニア時代?に使った衣装のようなんですが、今着ても素敵ですよね。やっぱり彼はこういう正統派な衣装が似合います。曲がもっと現代的なものなら別ですが、こちらも正統派クラシック音楽ですからね。
でもこの反応の速さにはちょっとびっくりです。私は「全日本までには」と思っていたんですが、まさかJOの次の試合で変えてくるとは思いませんでした。あのパニック状態が彼の耳や目に入ったのでしょうか…だとしたら、衣装を気に入ってると話していただけにちょっと申し訳なかった気もしますが、でも変えてくれたことはヒジョーに喜ばしいと思います。小塚選手すみません。

彼の次の試合は中国杯、もう時間があまりありませんが、焦らず冷静に、体と相談しながら前に進んで行ってほしいと思います。中国は大気汚染も問題になっていますから、そちらも気を付けて(佐藤コーチも)。
頑張って下さい!

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Takahiko Kozuka 2013 Skate America SP -Unsquare Dance




FS -Introduction et Rondo Capriccioso




7位にはアレクサンドル・マヨーロフ選手!
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SPはロシア民謡「コロブチカ」。彼はもともとロシア生まれの選手(生まれてまもなく家族でスウェーデンに移住)ですし、ロシアっぽい衣装もぴったり似合ってました。最後のコサックダンス的な動きも良いです。またフリーの「Archangel」はテクノ的?な曲に中東っぽいテイストが入っていて、面白い曲だと思いました。転倒後も体がよく動いていたと思います。最後のハイドロや、残り数秒でフードをかぶる(笑)など、見どころたくさん(笑)。こういうところはしっかりスウェーデン男子の流れを踏襲していますよね。

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ただ、動きはキレもあるし楽しい振付もあるし、ジャンプもクワド以外は割とまとまっているのですが、全体的にスケートが全然滑らないという印象はどうしても残ってしまいます。プロトコルを見ると、やはりスケーティングスキル等PCSの評価がまだ低いです。そのあたりが課題かなーと(エラそうですが)思ってしまいました。やっぱり基礎のスケーティングって大事なんですね。同じことをしても印象がまるで変わってきます。


Alexander Majorov 2013 Skate America SP -Khorobushko



FS -Archangel



8位はアルトゥール・ガチンスキー選手でした。
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ガチくんを試合で見るのは本当に久しぶりな気がします。
ジュニアでは羽生結弦選手やロス・マイナー選手、ナンソン選手らと高いレベルで切磋琢磨し、ロシアの新世代エースとして鳴り物入りで2010年からシニアデビュー。2011年には初出場で世界選手権銅メダリストになった選手です。
ここ2年ほど怪我や体調不良に見舞われているという話を聞いていたので心配していました。とにかく国際試合に出てこれる体調まで戻った事を喜んでいます。

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コーチはタチアナ・タラソワと並ぶフィギュア界の重鎮、プルシェンコ選手やトゥクタミシェワ選手の師でもあるアレクセイ・ミーシンさん。


前日の公式練習でものすごく痛そうな転び方をして暫く起き上がれない状態だったとか、その後早めに練習を切り上げたり曲かけもしなかったという話を聞いていたので「せっかく本格復帰してきたのに…」と心配しました。
SP事もなげに軽く4Tを跳んでみせる姿にちょっと安心したのですが、やはり試合勘も含めてまだ体調が完全ではないのかな、と言う感じでしたね。フリーは後半にはっきりと疲れが見えていました。
ロシア男子の五輪出場枠は「1」。そこに彼は勿論、プルシェンコ選手や若く勢いのあるコフトゥン選手、熟練の味のメンショフ選手やヴォロノフ選手など、さすがという層の厚さだけに焦る気持ちもあるでしょうが、一つずつ積み上げるしかないですよね。無理だけはしないで、目標に向かっていって欲しい。
氷に立った時の、華がありながらもミステリアスな雰囲気や、ポーズを決めた時の「・・・」という何とも言えないムード(笑)、そして高難度ジャンプを決められる実力は彼の大きな武器。辛いこともあるでしょうが是非完全復活を待ちたいと思います。


Artur Gachinski 2013 Skate America SP -Flamenco

ジェフリー・バトルさん振付!


FS -Anna Karenina

ツイッターで話題になっていた「カニ歩き」を確認しました(笑)



世界銀メダリストのデニス・テン選手(涙)とライサチェク選手(これはまあ何となく予想できましたが)の欠場は非常に残念でしたが、今年のスケートアメリカはさすが五輪シーズンというだけあって、良いプログラムが沢山見られました。日本代表枠はますます混沌としていて全く、誰一人として油断できない状態で、ファンとしては全員出してあげたくて胃が痛くなります…
そして今週末はスケートカナダ。織田信成選手、無良崇人選手、羽生結弦選手、鈴木明子選手が出場!これもまた目が離せませんね。パトリック・チャン選手も出ますし、どんな結果になるか楽しみです。

選手の皆様、怪我だけには気を付けて!勝負のシーズン、頑張って下さい!

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<参考リンク>
出水スポーツトレーナーのデミージャーな話 -小塚崇彦選手のトレーナーである柔道整復師・出水慎一トレーナーのブログ。小塚選手の練習の様子などを度々アップして下さっています。


<関連コラム>
町田樹選手、完全優勝でGPS2勝目を飾る ー2013グランプリシリーズ・スケートアメリカ(その1)  2013年10月23日
by toramomo0926 | 2013-10-23 18:45 | フィギュアスケート


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