グランプリシリーズ(GPS)中国杯は、男女ともにフレッシュな表彰台となりました。優勝者はどちらも初出場の選手です。 特に女子は、今季行われるソチ五輪をにらんで育成されてきた選手が次から次へと花開いており、今回も1位2位を独占。すごいパワーです! 優勝は15歳のアンナ・ポゴリラヤ選手!2位にはアデリーナ・ソトニコワ選手が入り、3位にはイタリアの名花、カロリーナ・コストナー選手がさすがの台乗りを果たしています。 日本から出場の村上佳菜子選手は4位、今井遥選手は6位でした。 ISU Grand Prix LEXUS Cup Of China 2013 順位と得点詳細。 「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、 「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、 「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。 *文字数セーブのため、以下の記述での大会名は、「中国杯」または略称である「CoC」と表記させて頂きます。 また、中国の選手の呼び方について、日本のメディアは漢字を強引に日本語読みする呼び方をしますが(例えばハンヤン(閻涵)選手をエン・カンというように)、このブログでは英語表記(ISUのスコア表示)に準じた呼び方を使うこととします。 ***** 村上4位、後半にやや疲れ 優勝は15歳ポゴリラヤ=フィギュア中国杯・女子FS フィギュアスケートのグランプリシリーズ第3戦中国杯が2日、北京で行われ、女子フリースケーティングが行われた。 村上佳菜子(中京大)はフリー108.62点、合計165.95点で4位。今井遥(ムサシノFSC)はフリー95.51点、合計150.30点で6位だった。 優勝はロシアの15歳アンナ・ポゴリラヤで、フリー118.38点、合計178.62点。2位はショートプログラム首位の アデリナ・ソトニコワ(ロシア)でフリー108.67点、合計174.70点。元世界女王のカロリーナ・コストナー(イタリア)はフリー110.65点、合計173.40点で3位だった。 村上は前半のコンビネーション、トリプルルッツ、トリプルループに着氷。しかし、後半にやや勢いが落ちた。3回転を予定していたフリップは1回転に。またダブルアクセルも跳びきったもののやや疲れが見え始めた。それでも最後の3連続ジャンプを決めるなど、持ち直す場面も。前半が好調だっただけに、後半のミスが悔やまれた。それでも演技後は明るい表情を見せた村上。課題をクリアして、次のロシア杯(11月22日~)に臨む。 今井は、最初のトリプルフリップ、続くトリプルループを丁寧に決めたが、3つ目のトリプルサルコウで転倒。優雅なステップを終えての後半も丁寧なジャンプを見せたが、コンビネーションが単発になるなど得点を伸ばす要素でミスが出た。 2013年11月2日 スポーツナビ ***** 優勝はアンナ・ポゴリラヤ選手!! じゅ、15歳ですか… ということはユリア・リプニツカヤ選手と同い年ってことですかね。これまた全然違う個性ですね。彼女はもう大人の雰囲気を身にまとっています。 そして、ロシアンガールズは3ルッツ-3トウループ(3Lz-3T)を何でもないように跳んできますね。今迄の女子の状況を考えると、おそロシアとはこのことです。 ただ彼女たちはこれから体型変化の時期を迎えるので、その後もその技を維持し続けられるかがカギとはなりますが、若いのに高難度ジャンプをすっかり自分のものにしているのは素晴らしいですね。 長い手足を生かした女性らしい演技はもうすっかり「雰囲気」を持っていて、これからすごく楽しみな選手。 私はジュニアを全く追わないので彼女の演技を見るのは初めてだったのですが、すごくバランスの良い選手と感じました。次のフランス杯でも良い演技ができれば、もうシニアトップの仲間入りも近いですね。 怪我に気を付けて、これからも頑張って下さい!!! Anna Pogorilaya 2013 CoC SP -El Choclo (Kiss of Fire) FS -Mermaids (from Pirates of the Caribbean) 2位はアデリーナ・ソトニコワ選手! SPが素晴らしかっただけに、フリーで持ちこたえられなかったのは彼女にとって本当に悔しいことだと思います。自身のGPS初優勝がすぐ目の前にあったのですからね。 個人的には彼女の3ルッツー3ループ(3Lz-3Lo)を初戦から見られたのはすごく嬉しかったです。セカンドループの着氷が乱れて回転不足は取られてしまいましたが、成功と紙一重の出来でした。次のロシア杯ではきっと決めてくれるだろうと思います。 ちょっと気になるのは、直接彼女がどうということではないのですが、彼女のブレーンの方針的に彼女を必要以上に大人というか、色気系に見せようとし過ぎていないかということです。 昨季のバーレスクもちょっと唐突な感じがしたのですが、今季のフリー「ロンド・カプリチオーソ」の衣装の露出がすごい(…)。 下品ではないのだけど、ちょっと17歳の子に着せるのは…という感じにも思えました。曲がそういう曲だという事でもないですし。 今、雨後の筍のように次々出てきている若いロシアっ子達が割と幼い感じの子が多いので差別化をはかろうとしているのかもしれませんが、アデリーナだってまだ若いし、なまじ美少女だけにハマりすぎという気もしないでもない…私が勝手にドギマギしてるだけでしょうか(笑) 衣装自体は素敵だと思うんですけど、ちょっと彼女のキャラクターには合ってない気がするんですよね…ジャパンオープンの衣装でもいいんじゃないかなーと思いました。いや、どちらも似合ってるんですけど、なんとなく「無理」を感じたので。 Adelina Sotnikova 2013 COC SP -Habanera FS -Introduction and Rondo Capriccioso in A Minor Op. 28 for Violin and Orchestra 3位にカロリーナ・コストナー選手! 今回のカロリーナはまだ全然エンジンがかかってない感じがしましたね。スピードもいつもより感じられなかったし、本当に「足慣らし」みたいな感じに見えました。やる気がなさそうとかそういうのでは(勿論)ないのですが、そんな感じがしましたね。でも滑りと身のこなしの美しさはやっぱり見入りますね~。 SP「ユーモレスク」の衣装、肩にちょうちょがとまってるのがすっごく可愛かったです!そして赤の色合いもすごく上品ですね。さすがカロリーナ。 フリーの「シェヘラザード」の衣装はまだ決まっていないそうで、以前アイスショーで使ったものを今回着用したそうです。でもあまり違和感ないですね。 カロリーナも今季を区切りにと考えている可能性もありますし、全て悔いなくやりたいということで、演技も衣装もじっくり作り上げていくつもりなのかもしれません。 中国の観客はスピンが好きらしく、男子も女子も高速スピンをやるとものすごく沸いていました。ですがカロリーナのバックスパイラルにも大きな歓声が!中国のお客さん、よくわかっていらっしゃる(笑) どちらも素敵なプログラムなので、出来上がりが楽しみですね。怪我だけは気を付けて!次のロシア杯での演技を楽しみにしています。 Carolina Kostner 2013 COC SP -Humoresque FS -Sheherazade 4位は村上佳菜子選手! ***** 【フィギュア】佳菜子、ミスで4位「考えすぎた」3回転が1回転 淡いグレーと深い青の衣装で舞った18歳は、悔しさの入り交じった笑顔でリンクを降りた。基礎点が1・1倍になる後半に入れたジャンプで痛いミス。「緊張して考えすぎてしまった」。15歳でGP初制覇したポゴリラヤには12・67点差もつけられ、表彰台に届かなかった。 SP4位から逆転を狙ったフリー。映画「愛のイエントル」の音楽に乗せて、最初に3回転―2回転の2連続ジャンプを決めた。だが、次に跳んだ3回転ルッツは踏み切り違反で減点。後半の3回転―2回転は1つ目のジャンプが回転不足。続けて予定した3回転フリップは1回転となり、次の2回転半も1回転半。フリーの自己ベストに14・47点も及ばなかった。 「(拠点の)中京でやる時よりきつく感じた。試合で気持ちが高ぶっているのもあるのかもしれない」とスタミナ不足を露呈した。オフには振り付けで北米に行ったが、滞在中に体重管理に失敗。春からの大学生活との両立にも慣れず、仕上がりは万全でなかった。 10年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した浅田真央(23)=中京大=のフリーをテレビで見て「初めて鳥肌が立つほど感動した」と五輪を目指す気持ちが芽生えた。初の五輪シーズンは重圧も大きく、山田満知子コーチ(70)に「先生、駄目かも」と弱音を吐くこともあるが「真央ちゃんみたいに感動させたい」と練習に打ち込んだ。 山田コーチは「ジャンプの質はいい時はいい。全日本に間に合えば」と12月の代表選考会を見据える。GP成績上位6人が進むファイナル(12月5~7日、福岡)出場には、次戦のロシア杯(22~24日)で優勝しないと厳しい。18歳は「プログラムの中でジャンプを跳べるようになれば」と挽回を誓った。 2013年11月3日 スポーツ報知 ***** 演技後のインタビューなどを読むと「今の状態の割にはよかった」という発言が目立ちます。記事にもありましたが、調整がまだ万全ではないんですかね。 SPはシニアデビューの時のような軽快な「スウィング・メドレー」、フリーはここまでの経験が生きるしっとりした「愛のイェントル」。メリハリもつくし、佳菜子ちゃんの良さをアピールできる構成だと思います。 ですがやはり調整に対する不安があったのか、明るいスウィング・メドレーでは笑顔があまり見られず、やっと彼女らしい笑顔が見られたのは終盤のステップに入るあたりからでした。2010年の、笑顔いっぱいの「ジャンピング・ジャック」の印象、インパクトを思い起こさせる曲調の中、佳菜子ちゃんが笑顔なく滑っているというのはやはり違和感がありました。 難しいことですが、やはりこういう曲の時は何があっても笑顔で滑るということが徹底できれば、演技の印象は更に良くなると思います。 彼女自身「シニアデビューの頃は怖いもの知らずだった。でも今は(怖さを)知った」と話していましたね。選手として経験を重ねるというのはそういう辛さもあるけど、逆にあのころの佳菜子ちゃんには昨季のタンゴや、今季のフリーのような表現は難しかった。それだけ成長したと言う事なんですよね。 発言には前向きさもあるし、このまま上を向いて、ロシア杯も頑張ってほしいと思います! Kanako Murakami 2013 CoC SP -Swing Medley FS -Papa Can You Hear Me 6位に今井遥選手! ***** <フィギュア>体調不良から復調の今井遥 中国杯で喜びの舞 【北京・芳賀竜也】フィギュアスケート・GPシリーズ中国杯女子SP最終日は2日、当地の首都体育館で各種目のフリーが行われる。このフリーに浮上の望みを懸けているのが女子ショートプログラム(SP)5位の今井遥(20)=ムサシノク。一時期の体調不良から立ち直りをみせており、「前の自分より成長できた」と、さらなる飛躍を目指す。 1日のSPでは、昨季まで苦手だったダブルアクセル(2回転半ジャンプ)に成功。サルコウとトーループの3-3回転連続ジャンプは惜しくも回転不足だったが、大きなミスにはならなかった。 15歳で出場した全日本ジュニア選手権で優勝。浅田真央(中京大)に続く世代のエース候補として期待され、11~12年シーズンからは拠点を米デトロイトに移して佐藤有香コーチに師事。11年全日本選手権では4位に入った。だが、昨年から原因不明の体調不良に襲われた。頭痛やめまいに悩まされ、医師の診察を受けても原因がはっきりしなかった。「練習環境はよかったし、リンクの人々もとてもよくしてくれた」という米国からは離れたくなかったが、佐藤コーチの「体の方が大事」という説得を受け入れ、今年に入って帰国した。 転機になったのは、今年1月の東京国体。世界選手権代表の鈴木明子(邦和スポーツランド)を2位に退け、優勝を果たした。「国体がよかったので、気持ちを切り替えられた」と今井。体調も同時に上向いた。 ソチ冬季五輪代表の座に挑戦できる位置にいるが、目標を問われると「SP、フリーをそろえて自己ベストを更新したい」と控えめ。心身ともに健康な状態でスケートに打ち込める喜びを感じながら、フリーの銀盤に立つ。 2013年11月2日 毎日新聞 ***** 遥ちゃん、体調不良で有香さんたちのところを離れて帰国していたというのを知らず、びっくりしました。 意識しなくても、海外生活のストレスもあったんですかね。デトロイトの練習環境は魅力ですが、有香さんの仰る通り体が一番大事ですし、体の心配なく練習出来るのが一番です。 怪我も回復したようで、さきのオンドレイ・ネペラ杯では優勝しています。今回は結果としてはベストではなかったかもしれないけれど、苦手意識があったSPで満足できる滑りが出来たのは次につながりますね。 オンドレイ・ネペラ杯後に激しく体調を崩してかなり痩せてしまったと聞きました。写真によっては衣装がブカブカになっているのがわかりますね。そんな中で素晴らしい演技を見せてくれました。 今井選手の演技には他の選手にはない「華」や気品があって、見ていてうっとりしてしまいます。佐藤有香さんが「コーチが教えられないものは全て持ち合わせているという、すごい才能に恵まれた選手」と評していましたが、分かる気がします。例えば動いた時のなんともいえない可憐な華やかさ、彼女の醸し出す雰囲気みたいなものは、教えて身につくものでなく天性のものですしね。 体調を整えて、今季もっともっと躍進できますように! Haruka Imai 2013 CoC SP -Song Without Words FS -Piano Concerto 中国男子の躍進と裏腹に、今回中国女子はいったいどうしたんだ…という感じになってしまいましたね。8位にクーシン・ジャン選手、9位にシャオウェン・グオ選手、そしてなんとジジュン・リー選手は最下位の10位でした。 昨季大活躍をして、今季ソチ五輪シーズンに中国女子のエースとして戦うと目されている彼女。 ですが女子の宿命である体型変化が始まったのか、背が5~6センチ伸びたようで、ジャンプ等に狂いが生じているようです。 大事な時期にこの波が来てしまった感じなのはなかなか辛いですが、スピンやステップで取りこぼしの無いようにしながら、体と相談しながらジャンプは調整していくしかないですね。 週末から始まるNHK杯は欠場となってしまいました。体調が悪かったのかとも思いましたが、他選手とのやりとりを見ると本人の知らないうちに出場が取り消されていたという状況にも見え、なんかちょっとモヤモヤしてますね… 焦らず、怪我には気を付けて、乗り切っていくしかないですね。女子選手は皆通る道でとても重要な時期。頑張って下さい!! Zijun Li 2013 CoC SP -Tango FS -Coppelia 中国杯は男子も女子も表彰台にフレッシュな顔ぶれがそろい、でも一角をベテラン?ががっちり死守、という展開になりました。 そしてこの中国杯で、早くもGPSは折り返しを迎えることになります。毎週末に試合があると、展開が早いですねー!今に始まったことではないのですが、今季は特にそう感じます。 週末からはNHK杯。こちらもすごくレベルの高い戦いが見られそうで楽しみです! <関連コラム> ハンヤン選手、中国男子シングル初のGPS優勝! -2013中国杯・男子シングル -2013年11月3日 佐藤有香さん&ジェイソン・ダンジェンさんご夫妻インタビュー 2011年12月9日
by toramomo0926
| 2013-11-07 14:40
| フィギュアスケート
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