アメリカとロシアが上位を占有 ー2013フランス杯・女子シングル
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2013年グランプリシリーズ(GPS )フランス杯は、引き続きロシアンガールズの勢いが目立つ大会になりましたが、優勝はアメリカのアシュリー・ワグナー選手が経験とキャリアを持って貫禄を見せつける勝利です!
2位には、中国杯での演技の雪辱となる会心の演技を見せたアデリーナ・ソトニコワ選手、3位には中国杯をいきなりさらったアンナ・ポゴリラヤ選手が入りました!
ちなみに4位はアメリカの新星・サマンサ・セザリオ選手。ということで、1位から4位までアメリカとロシアしかいないという結果に!
更にその4人のうち最年長のアシュリーが22歳、4位のサマンサが20歳、ロシアンガールズ二人はティーンエイジャーという、ソチ五輪以降の活躍も期待される若さあふれる顔ぶれとなりました。


ISU Grand Prix Trophee Eric Bompard 2013
順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。

*文字数セーブのため、以下の記述での大会名は、「フランス杯」または略称である「TEB」と表記させて頂きます。




優勝はアシュリー・ワグナー選手!

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うーん、今回についてはアシュリーの演技にそれほど心が動かなかったのが正直なところ。
大きなミスはないのだけど、見所みたいなものがあまりこちらに伝わってこなかった…ような気がします。ちょっとスピードもなかった気も。
ショートプログラム(SP)ももう少し上半身の動きがあれば曲のハードな感じがより強く表現できると思うのですが、腰から上がずっとまっすぐ立ったままなんですよね。なので腕や表情でアピールしていても動きが大きくならず、曲のスケールに負けてしまっているように思います。
フリーも、衣装も併せて(今回チェンジしてきましたが)ますますロミオとジュリエットという感じではなくなってしまっているというか、全く別な曲にのせて滑っても違和感ないような感じで、何も印象に残らず終わってしまったという感じがしました。
昨季までのぐいぐい見せるような彼女はどこに行ってしまったのでしょう?私の見方が変わっただけでしょうか?今季の彼女は、ミスは減ったし3-3のレベルも上がったけど、何も自分には「引っかかり」がないんですよね。
彼女自身、デイヴィッド・ウィルソンに作ってもらったプログラムがすごく難しいと話していたというのをどこかで読んだので、五輪に向けての勝負プロですから、まだ滑りこなせてない面があるのかもしれませんね。まだシーズン序盤ですし。

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今後プログラムをどう完成させるのかを待ちたいと思いますが、フリーの衣装はもうちょっと曲のテーマに近づけた方がいいと思うなあ…(しつこい)
まあ、これは私の個人的な感想なので、気にしないでください…お気に触った方がいらしたらすみません。

とはいえ、安定した実力を発揮し若い勢力にその力をみせつけましたね。おめでとうございます!!

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Ashley Wagner 2013 TEB SP -Shine On You Crazy Diamond




FS -Romeo and Juliet




2位にアデリーナ・ソトニコワ選手!

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SPで2つジャンプをミスしてしまい、かなりショックを受けたと話していましたが、フリーでは見事に気持ちを切り替えて会心の演技を見せてくれました!フリーのみの順位は1位です!
演技が進むにつれてどんどん表情もよくなり、終盤はとても嬉しそうに滑っていたのが印象に残りました。こういう経験が大きな自信になると思いますし、更に良い演技へとつながっていくと思います。
中国杯でも2位、今回も2位。中国杯ではとても悔しそうにしていましたが、今回の2位に彼女はとても満足している…というのは変ですが、納得しているように見えました。表彰式での彼女は笑顔いっぱいで、とても嬉しそうでした。
結果は同じでも、やはり試合内容ですよね。それはSPとフリー両方揃えられるのが一番ですが、起きてしまったことに対して自分をいかに強くもって立て直せるか、前回は一旦途切れた流れを戻せずずるずるといってしまいましたが、今回しっかり気持ちを切り替えられたという達成感があったのだと思います。

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ただ気になるのは、彼女のスケートが年々滑らなくなってるように見えるところ。スケートがもっと伸びるようになると、今トップレベルでは彼女しか試合で跳んでいない、3-3のコンビネーションで一番の難技である3ルッツ-3ループ(3Lz-3Lo)も更に成功率が上がってくるんじゃないかなと思ってます。

アデリーナもファイナル出場を決めました。自身初ですね!是非頑張って、ロシア女子枠の中で勝ち残ってほしいと思います。頑張ってください!

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Adelina Sotnikova 2013 TEB SP -Habanera



FS -Introduction and Rondo Capriccioso in A Minor Op. 28 for Violin and Orchestra




3位にアンナ・ポゴリラヤ選手!

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すんなりとした長い手足が女性ながら見とれてしまいますね。ジュニアっぽい感じのしないしなやかな動きが美しいです。まだ表現としては淡白でもまだ15歳(!)ですから、この年齢でこれだけできるというのは驚異的ですよね。今後が楽しみです。

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アンナちゃんて、演技中とそれ以外の表情のギャップが凄い気がするのは私だけでしょうか…?本当に別人みたいで、一瞬誰かわからない時がたまにあるんですが…


それにしても、4年前は試合で3Lz-3Tを跳ぶ女子はキムヨナ選手だけだったのに、今や若い選手が当たり前のように跳んでますね。ルールが変わったせいもありますが、レベルが上がったなと思います。
フリーは本人はかなり出来に失望したと話していましたが、それでもしっかり表彰台にのぼり、シニアデビューでファイナル出場を決めました。年齢的にこれから体型変化を迎えると思うので大変なところはありますが、来期以降本格的に伸びてきそうな感じですね。怪我に気をつけて頑張ってください!

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Anna Pogorilaya 2013 TEB SP -El Choclo (Kiss of Fire)



FS -Mermaids




4位はサマンサ・セザリオ選手!

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彼女は今季のスケートアメリカで初めて見ましたが、好きなタイプの選手です。姿勢がよく、演技中の背中がとてもきれい。体を大きく動かしてしっかりと踊りながら滑れる。長身なのでとても見栄えがします。

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女子は体型変化が始まる前のミドルティーンくらいの若い選手の方が高難度ジャンプを跳べる傾向があり、ジャンプだけならキャリアのあるお姉さん方よりもずっと質の良いジャンプが跳べて高得点を稼げます。ですが最終順位はやはりベテランが勝つ事が多い。それはとりもなおさずスケーティングやステップ、スピンなどの質が高く、演技(表現)としても曲に寄り添った、芸術性の高いものを出す力には若者よりもベテランに一日の長があるから。
彼女も、そして上位二人のロシアっ子たちも、やはり滑りの面や演技においては、やはり良くも悪くも「若さ」が出ますね。若い演技にはその良さも勿論あるんですが、サマンサの場合見た目がとても大人なので、スピンや滑りの足りない部分がちょっと今大会目立ったように感じました。特にスピンはもう少しスピーディーに洗練されたら、毎試合トップ争いが出来る選手になるんじゃないかなと感じました。スケアメよりも少し緊張していたのかもしれないですね。
ジャンプで軸が思い切り斜めになる時がありヒヤッとしたりもしますが、しっかり着氷するのは凄い。演技をまとめる力は既にあるので、これからがとても楽しみです。


Samantha Cesario 2013 TEB SP -Fever




FS -Carmen



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すみません、今回私の仕事面で非常に多忙になってしまい、フランス杯女子を書き終わる前にロシア杯も終わってしまいました…
とても薄い記事になってしまい申し訳ありません。ツイッター等のちょこちょこは可能なのですが、演技を見て写真を選んだり、場合によってはキャプチャして、文章をまとめるのは集中した長い時間が必要になる為、正直ロシア杯の記事が書けるかどうかわからない状態です。
試合自体もリアルタイムで見られることは今季殆どない(これは私の老人体質も原因)状態ですが、年内はもしかしたらファイナルと全日本の記事がやっとかもしれません。
区切りの年に非常に残念なのですが、時間と体力がどうしても足りない状態です。申し訳ありません。



それにしても今回の五輪シーズンは、前回のバンクーバー五輪の時よりも「ベテランの集大成の凄み」と「新参組の今後へのワクワク感」がはっきりコントラストとして現れていますね。
こういう新旧入り交じった中での戦いというのは、スポーツとしては理想的な展開じゃないかと思います。ソチ五輪が楽しみですね。
その前の選考は胃が痛いんですけど…(涙)
どうか、どうかこの素晴らしい選手たちの演技を裏切るような採点や評価をするようなことがないようにと願います。もう叶わぬ願いなんだろうなという諦念も半分くらいありますが、デビュー組からベテランまでがそれぞれのゴールを目指して懸命に取り組む姿勢を見ると、そう願わずにはいられません。

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選手の皆様、お疲れ様でした!!

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