羽生結弦選手がファイナル初制覇 -2013年グランプリファイナル(その2)
b0038294_85642.jpg

2013年グランプリファイナル・男子シングル記事の続きです。
4位の町田樹選手から。


ISU Grand Prix of Figure Skating Final 2013

順位と得点詳細。
「Result」でそれぞれの種目の総合順位と総合得点が、
「Entries/Result Details」ではショートプログラム(SP)とフリーそれぞれの得点詳細が、
「Judges Scores」ではSP/フリーで各選手の全ての要素の内容と、それにジャッジがどのように得点をつけたかを見ることができます。



4位に町田樹選手!SP6位から巻き返しました!

b0038294_7465368.jpg


*****

4位町田「ソチ五輪に行く資格があるのかないのか」
 フィギュアスケートのグランプリファイナル第2日が6日、福岡マリンメッセで行われ、男子のフリースケーティングではSP6位と出遅れた町田樹(関西大学)が、4回転ジャンプを決めるなど前日の借りを返すノーミスの演技でフィニッシュ。170.37点(技術点88.07点、演技構成点82.30点)と巻き返したものの、合計236.03点で、織田信成には及ばず総合4位に終わった。

「気持ちをすべてぶつけた」と演技後に語った町田。SPでの失敗で自己嫌悪に陥り、「今日ダメだったら僕はソチ五輪に行く資格がない」と背水の思いで挑んだフリーだった。全日本選手権は2週間後。「自分にソチ五輪に行く資格があるのかないのか、今日から1日1日を全力で生きて埼玉に行きたい」と、気持ちを新たに前を見据えていた。

 以下は町田の演技後のコメント。

■町田「SPのあとに絶壁を見ました」
「昨日ふがいない演技をして情けなかったので、悔しかった思いとか、多くの方々への感謝の気持ちとかをすべてぶつけたつもりです。決して出来が良かったとは思いません。多くのことを学べたし、全日本選手権に向けて、しっかりやっていきたいと思います。ラストスパートと言ったらソチに行けないと思うので、それは言わないようにしたいと。僕のスケート人生をスタートさせてくれた先生だったり、ずっと支えてきてくれた先生だったり、こんなに僕を支えてきてくれた方々が直接見に来てくれている試合ってないんですよ。それを受けての昨日の演技だったので、本当に自己嫌悪に陥って、今日ダメだったら僕はソチ五輪に行く資格がないと思っていました。それで覚悟を決めました。僕にとっては今日が第一次選考だったんです。今日ダメだったら自分はそこまでの人間だと思っていました。ただトリプルのコンビネーションを跳べなかったし、演技も硬かったし、今日はそれで良かったんですが思いを注ぎ過ぎて、体に力が入り最後まで滑り切れなかった。ただすべてをぶつけたので悔いはないです。

(心身ともにコントロールできた?)昨日の自分を反省して、まだまだ未熟だなと思ったし、GPシリーズで2戦優勝しましたけど、崖っぷち根性で自分を律していたつもりだったんですね。でもどこか潜在意識のなかでおごりだったり、安心とかがあったと思うし、昨日改めて気付きました。僕は一歩でも下がればもうそこは死なんだと。SPのあとに絶壁を見ました。怖かったです。

(フィニッシュをためましたが)時間が余っちゃったんで(笑)。

(恩師の方に学んだことをどれくらい出せた?)感謝の思いというか10年間の思いをすべてぶつけました。伝わったと思うんですけど、成績も重要なので、まだまだですね。もう1回全日本選手権でそういう場があると思うので、次は外しません。(昨日を振り返ってみて)本当にあらためて思ったんですよ。安心してはいなかったですけど、やばいと思ったし、1つのパンクだったりというのが、人間は時間を戻せないから『なんか儚いな』とか演技中に思ってしまって。冷静にはいけていたんですけど、その瞬間を逃せば、タイムマシンがあるわけではないから戻れない。それが後悔にもつながってしまうので、しっかりその一瞬を後悔しないためにも、しっかり生きなければいけないなと思いました。

(自己嫌悪に陥って自分を信じられるようになれたのは?)いや、信じられていません。今日は自分自身の試練だと思ったし、今日また引きずって昨日みたいな演技をしたら、自分はソチ五輪に行く資格がないと思ったので覚悟を決めていました。『おい、町田樹。今日はどうするんだ?』というそれこそ自分自身に挑戦状をたたきつけてじゃないですけど、自分を試しました。

(全日本選手権に向けて)そこですべてソチ五輪の出場権が決まるので、自分にソチ五輪に行く資格があるのかないのか、自分をしっかり試すためにも、今日から1日1日を全力で生きて埼玉に行きたいと思います」

2013年12月6日 スポーツナビ

*****


b0038294_843226.jpg


調子があまり良くないのかもしれないなとは思っていたのですが、SPでジャンプを2つミスしたのは痛かったですね。ですがフリーではまさに戦う姿を見せて6位から4位に順位を上げた。そこは去年との気持ちや地力の成長というものを感じました。
ただ、ジャンプは調子の波がそのまま出てしまう事も多いですが、その他のスピンや滑りの部分では練習や実力は調子如何に関係なく良い人は良い。私は町田選手のSPの冒頭、片足で少し長く滑る部分がとても好きなのですが、彼の滑りの美しさ、指先まで神経の行き届いた、まさに芸術を見るような演技というのを(ハラハラはしましたが)充分楽しむことができました。

b0038294_8141321.jpg
b0038294_814272.jpg
b0038294_8144523.jpg
b0038294_8313177.jpg
b0038294_8315026.jpg
b0038294_832429.jpg


哲学的ともいえる程ストイックに自分を見つめて競技する姿が今季マスコミにも多く取り上げられ、随分一般的な知名度も上がったように見えます。全日本でも五輪有力選手として大いに注目されることと思います。疲れや緊張もあるでしょうが、これまでの彼の試行錯誤や努力が実る、彼自身が満足できる演技が出来れば道は拓けると思っています。是非彼の願いが叶うようにと祈ってます。
でも根をつめすぎないように、疲れを溜めないようにして欲しいですね。
頑張って下さい!!!


Tatsuki Machida 2013 GPF SP -The East of Eden



FS -Firebird




5位にはマキシム・コフトゥン選手!
b0038294_8403125.jpg


今季の彼のプログラムは、私両方とも大好きなんです。衣装も、一部で賛否両論あるみたいなんですが(笑)私は品があって良い衣装だと思います。

b0038294_912925.jpg
b0038294_914130.jpg
b0038294_92142.jpg
b0038294_922640.jpg
b0038294_933334.jpg


彼も実力をあげてきている中、ちょっと調子をつかみかねている?感じもしますね。自分の力をまだコントロールしきれていない感じがします。中国杯のSP神演技あと一歩で、ステップでのまさかの転倒からちょっと歯車で狂った気が…(涙)
でも18歳にして体もしっかり出来ている感じがしますし、上半身と下半身がしっかり連動して動けているのですごく振付が大きく見えます。きっとロシアのエリートとして幼少時から踊りや体幹などをしっかり鍛えられているんだと思いますが。身のこなしが美しいんですよね。
若い男子にありがちな力で押していくというのもあまり見えず、演技終了後はすごく疲れてるみたいですが(笑)でも動きそのものに余計な力を感じないのが見ていて気持ちいいです。

ロシア男子は五輪出場枠「1」なんですよね…プル様もコフトゥン君も出してあげたくて非常に辛いです。メンショフさんやヴォロノフさんもいますし、悩ましいところですよね。
それにしても夏のThe ICEから半年で、随分大人になった感じがします。背も伸びてませんか?生ですぐ傍で見たのに、今になって「あれ、あんなに背が高かったっけ?」と驚いているんですが…(笑)

彼にとっては今全てが成長の材料、経験ですよね。全てを糧にして頑張ってほしいです!


Maxim Kovtun 2013 GPF SP -Flamenco



FS -Piano Concerto No. 1




6位はハンヤン選手でした。
b0038294_9244970.jpg


彼も怪我の影響があるのか、結果の浮き沈みが激しいシーズンを送っていますね。今回ちょっと体調も悪かったようで、演技終了後リンクから出る余力も残っていないようにも見えて、辛かったです。
今季の彼はうまく行った時には圧倒的なのだけど、ジャンプがうまくいかないとズルズルいってしまうという感じですよね…万全の状態でないので仕方ない面もありますが。
まだ若いので、怪我を古傷化させないようにしっかり治してほしいのですが、五輪シーズンなので無理をせざるを得ないところもあるんですかね…ナンソン選手と事実上一騎打ちという形で枠を争っていると思いますし(中国男子も1枠でしたよね?)。

b0038294_9274758.jpg
b0038294_928115.jpg
フリーの写真、全然いいのがなかった…(涙)


ただ、彼の滑りは本当に好きですね。そして男子でシニア上がりたて(2年目)の選手でここまで演技構成点で高得点を取れる選手はなかなかいない気がします。決まったジャンプは本当に雄大で美しいですし、これからの成長が本当に楽しみな選手です。
日本の五輪出場枠争いの熾烈さが非常に話題になっていますし、チャン選手も「日本人でなくてよかった」と言ったくらい選手の間でも話題になっているようですが、こうやって見るとどの国も競争は熾烈ですよね。残酷にも思えますが、それぞれが国内選手権等の選考試合においてベストの演技が出来るよう願うばかり。そしてハンヤン選手も早く体調、調子が戻るといいと思っています。
頑張って下さい!!


Han Yan 2013 GPF SP -Minor Waltz/Viper's Drag



FS -The Blue Danube/Gourmet Valse Tartare




このメンバーで、高橋選手も一緒に戦う姿を見たかったというのはありますが、それでも非常に見応えのある試合でした。楽しかったけれど、特に五輪シーズンは選手の目標というのがより強く、明確に見る側にも伝わっているので、そういう過酷さや重さ、鋭さみたいなものを彼らの試合ぶりから感じる事ができました。

選手の皆様、お疲れ様でした!!!

b0038294_9371836.jpg



<関連コラム>
羽生結弦選手がファイナル初制覇 -2013年グランプリファイナル(その1)  2013年12月15日
by toramomo0926 | 2013-12-20 08:49


<< 浅田真央選手が優勝、ファイナル... 羽生結弦選手がファイナル初制覇... >>