ISU Grand Prix Final 2008 公式サイト。男女シングル、ペア、アイスダンスの得点の詳細。 グランプリファイナルはジュニアとシニアが同じ期間に行われています。 男子シングルは1位がジェレミー・アボット選手(アメリカ)、2位が小塚崇彦選手、3位はジョニー・ウィアー選手(アメリカ)でした。 今年の世界選手権後、優勝者のジェフリー・バトル選手と、過去に世界選手権を複数回制したステファン・ランビエール選手が相次いで引退を発表。 今までトップグループを引っ張ってきたメンバーが一度に2人抜け、同時に若手がぐっと台頭してきた。しかもオリンピック前年というかなりエキサイティングなシーズンになっている。 ジェレミー・アボット選手はフリーで完璧な演技で優勝を飾りました。ジャンプも高くスケーティングものびやかでとても美しい演技。ファイナル初出場というプレッシャーをうまくコントロールした演技は素晴らしいものでした。 去年は表彰台に乗ることができなかった彼でしたが今年は中国大会で優勝をかざり、ファイナルで優勝と大躍進しました。アメリカは今回出場できなかったエヴァン・ライサチェク選手という強豪もいますし上に立つのは大変ですが、世界選手権で彼の姿を見られるかもしれないですね。 Jeremy Abbott 2008 GPF LP “ Eight Seasons Tango” 完璧な演技、スムーズなスケーティングは素晴らしかった!世界選手権か四大陸でまた彼の滑りを見たいです。 小塚崇彦選手はSPでパーフェクトな演技を見せてトップに立ちましたが、フリーで2度転倒し惜しくも2位。 ですがファイナル初出場で銀メダルという快挙を成し遂げました。 昨シーズンはまだジャンプでの転倒が多く不安定な印象がありましたが、今年は見違えるようにジャンプの着地が安定し、昨年取られていた回転不足の判定も殆どなくなりました。今年3月の世界選手権に出場し8位になったことが彼にとって自信と意欲を呼び起こしたのでしょうか。 ジャンプが安定したことでこれまでの丁寧で美しいスケーティングが一層引き立ち、一気に実力を開花させた感があります。特に今年はスケーティング技術が採点上重視される傾向にあるようで、彼にとっては有利な状況といえます。 Takahiko Kozuka 2008 GPF SP “Take 5” 今季SPはかなりの精度でノーミス演技を見せていますね。彼の滑りは漕がなくてもスピードが落ちないのが凄い。スピンも軸がぶれず柔軟性があっていいですね。あと彼のイーグル(両足首を外側に開いて滑る技)が美しくて大好きです。 男子は上手い選手が増えてきましたね~。見応えがあります。 ジョニー・ウィアー選手は銅メダル。 彼はグランプリファイナルでの表彰台は初めてだということです。ちょっと意外。 ですが彼もジャンプの安定性が増したのは去年くらいからなので、やっと努力が報われてきたのかもしれないですね。 韓国での人気もすごいものがあり、会場の熱狂的な声援をジュベール選手と二分していました。 韓国の声援の仕方は他の国とちょっと変わっていて、アイドルに対して送られるような高さと熱量がありますね。 ブライアン・ジュベール選手はSPで3位になりましたが、フリーの練習中に腰を痛めたとのことで棄権しました。残念です。 ジュベール選手といえば4回転が有名で、誰よりも精度の高い4回転をバンバン跳んでくるイメージが強い。 最近は4回転を決める選手が増え、また今季からジャンプだけでなくスケーティングのものすごく上手い若い選手の台頭もあって、今季と来季のオリンピックまでは彼にとって正念場だと思います。ジャッジもスケーティング重視に傾きつつある中、ジュベールは滑りに少し粗さが目立つようになった気がするので、少し心配です。 Bryan Joubert 2008 Grand Prix Final SP 「Rise」 とはいえ彼の勢いある演技は、上手だけれど小粒になりつつある男子勢にあって貴重な存在なので、頑張って欲しいと思います。 女子は浅田真央選手が3年ぶりにGPFで優勝を果たしました。接戦でしたが、キム・ヨナ選手が2位。 浅田真央選手の今大会のフリー、British Eurosportの解説バージョン。 解説者は「ステップが音楽(ワルツ)に合っている。ジャンプの時でさえも曲に合わせて踊っている。スピンは正確で難易度が高く、コリオグラフィー(振付)も素晴らしい。 誰がこの細身の東洋の女の子がこの壮大なプロをこなすと考えるでしょうか。 最初このプロを見た時私はムリだと思った。彼女は充分こなしきれないと思ったし、彼女のスタイルではないとも思った。リスクが大きいと思った。だが私は間違っていた。途方もなくすごいパフォーマンスだ」と、この鬼プロと浅田選手のポテンシャルに驚嘆しています。 *浅田選手についてのコラムはこちら 浅田真央がグランプリファイナルを制す 2008年12月13日 キム・ヨナ選手は自国開催での試合に出場するのは今回が初めて。いまや彼女は国民的アイドルであり、現在金融危機の煽りを受けて経済が厳しい状況の韓国では彼女に希望を託す国民は多いらしい。国中の期待を一身に背負っての出場は相当なプレッシャーだったようです。 浅田選手は小さい頃からあのような状況にある程度慣れていたけれど、キム選手はわかっていたつもりでも、ここまで直接的に自分への「国中からの期待」というものをはっきりとした形で感じたのは初めてだったのではないでしょうか。 彼女が6分間練習で他選手とリンクに現れると、文字通り割れんばかりの大歓声。ジャンプを跳ぶごとに大歓声。応援は有難いのだろうけれど、あれはすごい重圧だったことでしょう。 中野友加里選手は総合5位。 3Aには今回挑戦しましたが回転不足になってしまいました。 最後まで調子を取り戻せず、最近ずっと安定していた彼女を見てきただけに見ていて辛かったですが、最後まで笑顔を忘れず丁寧に滑っていたのは素晴らしかったと思います。 シーズン前に股関節をケガしたそうなので、来年のオリンピックのためにも今ムリはしないで欲しいですね。 安藤美姫選手がシニアに上がって初めて、約5年振りに4回転サルコウ(4S)に挑戦してきました。 今大会からフリーの「ジゼル」をサン・サーンスの「オルガン」に変えてきました。彼女は今まで何度もシーズン途中でプログラムを前年のものに戻したりしていましたが、それがうまくいったことはあまりなかった。だけれど今回のプログラムは「ジゼル」よりは彼女に合っている気がするし、彼女自身も演技しやすそうに見えました。 ただちょっと没個性的な気もしますが、これから滑りこなしていけば変わってくるでしょうか。 Miki Ando 2008 Grand Prix Final LP 「オルガン」 今回安藤選手が4Sに挑んできたことは意外でしたが(事前申請が3Sだったので)、挑戦できて、かつ回転不足ながらも転倒せず着氷できたのはすごくよかったと思います。 あとは全日本や世界選手権など危ない橋は渡れない試合が続くので、今季「全試合挑戦する」と言ってしまった手前1度は跳んでこないことには、と思っていたので・・・(四大陸に出るなら別ですが)。彼女にとっては自信になったと思います。 ただ今回の順位(最下位)が示すとおり、今の彼女はもはや「4回転が決まれば無敵」という状態ではありません。 ここ数年の間にスピン、ステップ、スパイラル等スケーティング技術が驚くほど雑になり、技術的に低下してしまいました。その上他選手が実力を伸ばしてきているので、余計差が開いてしまっています。今回160点に届かなかったのは彼女だけでした。 4回転については今回で自信がついたと思うので、今後はスケーティング技術の向上に力を入れて欲しいと思います。そして何があっても言い訳することなく物事を受け入れ、真摯に競技と向き合う姿勢、2006年シーズンのようにプライドを捨てて取り組む姿勢を見せればまた持ち直すチャンスはあります。 今のままではオリンピックの枠の数によっては出場ができなくなる、出場してもメダルには届かない可能性のほうが大きい。まだ21歳そこそこですし、再起に期待です。 年末は全日本選手権とメダリスト・オン・アイスが控えています。これだけ男女ともに選手が充実していると、国内試合でもかなり内容は濃いものが見られますよね。毎年とても楽しみにしている大会です。待ち遠しいですね。 Mao Asada 2008 Grand Prix Final EX 「Por Una Cabeza」 なんか滑っているときの彼女には堂々たる風格が出てきましたね。 世界女王になってからいい意味での貫禄が出てきた感じです。 アンコールはフリーのストレートラインステップ。何度見てもすごいです。 Excite エキサイト : スポーツニュース Excite エキサイト : スポーツニュース Excite エキサイト : スポーツニュース Excite エキサイト : スポーツニュース
by toramomo0926
| 2008-12-14 14:54
| フィギュアスケート
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