「おくりびと」「つみきのいえ」がオスカー受賞の快挙
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今年の第81回米アカデミー賞で、日本の作品が2部門で受賞という快挙!外国語映画賞に、「おくりびと」(滝田洋二郎監督)、短編アニメ映画賞に「つみきのいえ」(加藤久仁生監督)が選ばれた。両部門ともに日本作品の受賞は史上初。
この2作品に共通しているのは、作品自体は静かなトーンながら、はっきりとこちらに伝わるものがあるというところでしょうか。





b0038294_17221718.jpg「おくりびと」
チェリストをしていた男(本木雅弘)が所属するオーケストラの解散で職を失い、妻(広末涼子)を伴って故郷の山形に戻る。
職探しをしていた折、ひょんなことから納棺師(遺体をきれいにし、死に装束を着せ、お化粧をして棺に納める仕事)をすることになる。
死体を扱う仕事という後ろめたさと偏見(?)から、妻に自分の新しい仕事について正直に言う事ができず「冠婚葬祭関係。結婚式場」とごまかすが、仕事をしていくにつれ人の死と死者の家族の愛情などに触れ、偏見を持っていた「納棺師」の本当の価値を見出し、仕事に誇りを持つようになるが、ある日妻に自分の仕事内容を知られることになり「汚らわしい」と言われてしまう・・・


「おくりびと」 予告編


・・・とここまで書きつつも、実はワタシ未見なんです。予告編を見て見に行きたいと思ってはいるのですが、なかなか行くことができずにいます。
上記のあらすじ以外にもいろいろなドラマがありそうで、久石譲の音楽や山形の自然もとても美しくて、すごく見応えがありそう。オスカー受賞で公開する映画館も増えそうだし、絶対見に行きたいと思います。

おくりびと 公式サイト


「つみきのいえ」
温暖化が進んだ地球。水に囲まれた家に一人の老人が暮らしている。
彼は自分の家をどんどん上に建て増していく。温暖化の影響で水位が上がり続けているからだ。彼は家を積み木のように積み上げ続け、家の水位は上がり続ける。そのたびに彼の死んだ妻や嫁いだ娘との思い出の場所を失っていくことになる。
あるとき彼は家の中(といっても水の底)にパイプを落とし、取りに行こうと水に潜る。水底に沈んだ昔生活していた部屋に入ることで思い出がよみがえり、妻や娘、また自らの幼少時からの思い出に浸る。・・・

といった話のようです。すごく切ないですね。そして地球温暖化という今に即したテーマもある。

「つみきのいえ」(La Maison en Petits Cubes)アカデミー賞受賞

加藤監督(おくりびとの滝田監督もですが)はたどたどしい英語ながら感謝の気持ちをしっかり伝えていますね。朴訥とした語り口が一層心がこもっているように感じられます。
最後に、80年代のアメリカが日本文化ブームだった頃のヒット曲と自分の所属会社をかけて「どうもありがとう、Mr.ロボット」(彼の所属はROBOT)と言ったのが受けていました。

DVDでは長澤まさみのナレーションがついているようですが、誰がということ抜きで、これはナレーションがないほうが絶対いいと思います。「何も言わずに、はっきりとメッセージを伝えている」、というのがこの作品のキモのひとつなのですから。
小さいお子さんにはナレーションがあったほうが分かりやすいかもしれないけど、子供にわからないものではないと思う。「理解」はできなくても、感覚的にわかる、残るものはきっとあるはずです。


今年短編アニメの候補昨はこの「つみきのいえ」以外全てコメディタッチのものだったそうで、そういう意味でもインパクトは大きかったようです。
押し付けがましくなく、静かに、しかし明確にメッセージ性のある作品は高く評価されたようです。


この静かな作品に流れるテーマやストーリーを聞いた時、思い出したのは1986年のアニメ映画「風が吹くとき(When The Wind Blows)」でした。

b0038294_1821913.jpg田舎で平穏に暮らす善良な老夫婦のもとに、核戦争が始まったという知らせが届く。二人は用意したシェルターにこもり「お上」からの救出を待つが、一向に状況に変化はなく、外の世界はどうなっているのかもよく分からないまま日にちが経っていく。そして放射能はシェルターをものともせず知らぬ間に2人を蝕んでいく・・・という話。

この作品は当時かなり衝撃的な作品として騒がれた記憶がありますが、これも主人公の老夫婦さながらに物語の進行が静かで、淡々としているからこそ強くこちらに訴えかけてくるテーマ(非核・反戦、もしかすると国家や政治への懐疑も?)を感じました。
これはビデオで見たのですが、もう本当に悲しかったです。彼らが一片の疑いもなく「お上が助けに来てくれる」と信じきっているところや、体調がどんどん悪くなっているのにお互いを気遣う姿、彼らはなにもしていないのに理不尽に人生を奪われていくさまが本当に見ていて辛かった。
当時洋楽にどっぷりハマっていたので、この映画を知ったのはMTVを通じてでした。テーマソングを歌ったデヴィッド・ボウイのプロモーションビデオを見たのがきっかけ。絵が絵本「スノーマン」の画家さんであくまで優しいタッチだったのも、メッセージを際立たせるのに効果的だった様に思います。

When The Wind Blows / David Bowie

“The Wind” とは、言うまでもなく核爆弾の爆風のことですね。


「つみきのいえ」も是非大画面で見たいのですが、こういう短編アニメって一体どこで見られるんでしょうね?
せっかく名誉ある賞を取ったのだから、広く大衆に公開して欲しいと思います。
でも、やったとしても東京や大阪とかの大都市だけかなあ~(涙)東北でも是非!

受賞された滝田洋二郎監督、加藤久仁生監督、全てのスタッフ、キャストの皆様、本当におめでとうございます。これからも素晴らしい日本映画を作ってください。
by toramomo0926 | 2009-02-23 17:22 | エンタメ


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