大原麗子さん逝く
b0038294_1532372.jpg突然の訃報に驚きました。




彼女はまさに「大女優」でしたね。ゴージャスでありながら独特の甘い声は「癒し系」という言葉が生まれる前から突出して際立った個性の持ち主でした。また、猫のようなしなやかさと厳しさを併せ持つ小悪魔的な雰囲気は女性ながらもかっこいい存在でした。
彼女の年齢を重ねても変わらないかわいらしさに夢中になる男性は多かったですが、私は彼女は結構きつい性格なんじゃないかなあと漠然と考えていました。

ですが、今回の訃報に接しTVでいろいろなインタビューに答えている映像を見ましたが、彼女はとても聡明な女性だったのですね。
あの声とチャーミングな話し方のオブラートにくるまれているものの言葉の選び方や話し方がとても知的で、また話す内容が「腹を決めて女優をしている」という気合みたいなものも感じられました。
今あのような「大女優」のオーラを出せる20~30代の女優さんは私には思い浮かびません。またワイドショーの囲み取材であれほど簡潔に、自分の言葉で本質的な話が出来る人がいるでしょうか。
私が彼女について「きつい」という印象を持ったのは、恐らく彼女の知的な物言いが見た目や世間的なイメージとのギャップを生んだためでしょう。人は他人について予想とは違う面に触れた時、そのインパクトは大きくなると思うので。

彼女の演技では1988年にTBSで放映された「妻たちの鹿鳴館」というドラマが印象に残っています。
女郎宿にいた主人公(大原)が、恋人であり客であった高級閣僚に駆け落ち同然に身請けされて突然大臣の妻となり、上流社会に生きることとなる。最初は環境の激変に戸惑うものの、政治家の妻としての仕事に打ち込み、彼女のまっすぐな取り組みが他の閣僚の妻からも次第に受け入れられていく。また令嬢ばかりと思っていたその他の閣僚の妻たちも自分と同じ境遇から拾われたものも多いことや、それぞれにさまざまな悩みを抱えていることがわかってくる。そんな中妻達が力を合わせて外国の要人を招いての鹿鳴館での舞踏会を成功させるべく奔走する、という話。
大原麗子の他にも池内淳子、山岡久乃などキャストがすごくしっかりしていて、見応えがありました。

ギラン・バレー症候群を患っていたことは知りませんでした。まだまだ活躍できる年齢だけに残念です。
ですが彼女は全盛期の美しいイメージのままで私たちの心に残り、日本のエンタテインメントの歴史にしっかりと名を残すでしょう。

心からご冥福をお祈りいたします。


'83-90 大原麗子CM集 vol.2

by toramomo0926 | 2009-08-07 15:56 | エンタメ


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