きれいすぎる謝罪-酒井法子保釈
b0038294_162119100.jpg酒井(高相)法子が昨日保釈された。その後行われた謝罪会見では元事務所の副社長とレコード会社の会長が同席、全て「お膳立て」されての会見となった。そして本人から謝罪の言葉が述べられたのだが、内容は『謝罪会見』としてはパーフェクトなものだったと思う。だが一方で「大規模な泣き落とし」を見せられたような気がする、というのが正直なところだ。

公判前で不用意なことは口にできないとはいえ、あらかじめ用意されていたと思われる「謝罪文」の、その上手すぎる語り口は私には妙に芝居がかって見えた。
ある程度反省し、後悔もしているだろうが、あのきれいすぎる謝罪は私たちが本当に確かめたいと思っていた彼女の本当の気持ち、彼女自身の言葉というのを却って見えにくくしてしまっていたように思う。







会見は公判前ということで質疑応答は禁止され、コメントは用意されていたと思われるシナリオに沿ったものだった(机上に原稿用紙のようなものが置いてある映像を見た)。
それはある程度仕方のないことだと思うが、話す様子や間の取り方に練習のあとが伺えるというか、妙に芝居がかって見えた。文字通りドラマやナレーションの台本に書かれたセリフを読んでいるようで現実味が感じられず、なにかが乖離しているような違和感があった。
彼女は元アイドルであり、元女優である(TVでは『女優・酒井法子被告』と彼女を表現しているところが多いが、所属事務所を解雇されている今は無職のはずである)。大勢の前で発言をすることにはある程度慣れているので、原稿読みはさすがに上手いな、と思った。人の良い方ならあの姿を見てほだされてしまう方も多いかもしれない。

確かに薄化粧して控えめな服装で現れた彼女はやはりきれいだったけれども、会見での彼女がきれいであればあるほど、今まで私たちが知っていた「のりピー」と、警察に「(尿検査は)任意か強制か」と詰め寄り、怪しげな社長と姿を隠して証拠隠滅を図ったしたたかで「玄人はだし」な肝の据わった女、という側面とのギャップに戸惑い、また少し恐ろしい感じすらした。
彼女の可憐な姿に一度騙された(と言う言い方も変だが)経験があるだけに、昨日の彼女の姿や涙をそのまま信じることはできなかった。そこに私が「大規模な泣き落とし」と感じた理由がある。

私は彼女の保釈が決まってから、会見を行うのか、また行う場合は誰がセッティングするのかということに非常に興味があった。
フタをあけてみれば元所属事務所とレコード会社が同席するということだったので、解雇したとはいえ多方面に迷惑をかけたということで、社会的な最後のケジメとして彼らが用意したのかと思っていた。
しかし実際セッティングしたのは逃亡を助けたあの社長だったらしい。
大手プロダクション副社長とレコード会社会長を差し置いてあの場の段取りをとりしきったという「社長」は一体何者なのだろうか。
以前彼がマスコミに対応していたのを見たが、普通一般の企業の社長はインタビューを受ける時に肘をついて煙草を吸いながら行う人は少ないので、彼が「玄人」だと断定するつもりはないが、どういう人物なのか測りかねているところがある。また、今朝の報道では、一部(2ちゃんねるを含む)で、その社長が手配したという彼女が乗りこんだ車の運転手と付き添いが「プロっぽい」のが早速話題になっていた。

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サンミュージックの相沢副社長と相沢会長(そしてビクターの三枝会長)は彼女を20年以上手塩にかけて育ててきた。それなのに肝心な時に袖にされ「蚊帳の外」扱いをされたことで、これだけ長い間一緒に芸能界で頑張って来ても、結局彼女には信頼されていなかったと感じたかも知れない。それは酒井法子というタレントを失ったのと同じくらい無念なことだったろうと思う。
それなのにこの期に及んでも彼女のイメージの死守、回復のために大企業のトップが時間を割き、骨を折っているという彼らの親心というか慈悲(復帰後の商品価値を守るという意味はあったとしても)みたいなものを感じて、見ているこちらがやりきれない気持ちになった。酒井法子は彼らがこの場に同席してくれた意味や心情、ありがたみというのを本当にわかっているのだろうか。

そしてあの会見内容は「復帰」を念頭においているのがありありと感じられるものだったのもあまりいい気持ちはしなかった。
着替えや化粧をしていたことについて批判する向きもあるようだが、私は人前に立つ以上身なりは整えるべきだと思う。
しかし発言については、記者につっこまれる恐れもなく好きなように発言できたのだから、謝罪すべき人に自分の言葉で謝罪してから、用意された原稿を読んだって構わなかったのではないかと思う。つっかえても、多少口ごもってしまっても、不恰好なものであっても本心からの言葉ならそれは必ず伝わるはずだから。
社会的なけじめとして形式的に行った会見とはいえ、何もかもが予定調和に終始したあの会見は、ある意味ドラマや舞台を見ていたのと同じ状況である。あれで視聴者に彼女の心からの誠意を汲み取れというのは難しいのではないか。

そもそも、まだ彼女は公判前である。復帰を考えるような時期ではないはずだ。
まずは判決を受けて罪を償い、薬物依存を断ち切り、何より今回のことで深く傷ついたと思われる10歳の息子さんのケアを最優先すべきではないか。一緒によく話し合い時間を過ごす必要があるはずだ。
私は彼女の復帰には賛成しないが、もし復帰ということがあるのなら年単位でずっと後の話と考えるべきではないか。そして時間が経ったあとでも、世間がそれを許すかということもある。沢尻エリカの時もそうだったが、復帰の時期を決めるのは自分ではないはずなのだ。
会見冒頭、ビクターの会長が挨拶の際に彼女の商品が出荷停止になり回収となった旨を話したとき、彼女は初めて涙をこぼした。今まで警察署の中にいて実感できなかった自分の行為の社会的影響について、これから彼女は実感をもって思い知ることになるのかもしれない。

保釈後の身の処し方としてよかったと思ったのは、病院に入ったことである。依存症というのは病気なので、専門家の治療・指導がなければ(あったとしても)、断ち切るのは難しいと聞く。再犯率も非常に高いので、ここで「酒井法子」というプライドを捨ててなんとか断ち切る努力をして欲しいと思う。


酒井法子謝罪会見



会見の詳細はこちらの動画の方が分かりやすいです。ただ、冒頭と最後に流れる音楽が…これ本当に流れたのかな…



<参考リンク>
酒井法子被告を乗せた車の運転手は誰!? 「怖い人なの?」とネットで話題に-Livedoorニュース(2009年09月18日06時45分 )

<関連コラム>
日本の「ある価値観」が崩れた日-酒井法子逮捕(2009年8月18日)
その価値を下げる「録画で謝罪」(2008年2月8日)
by toramomo0926 | 2009-09-18 08:33 | エンタメ


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