恐れていたことが起きてしまいました。女王様はどうやら現役を続行するようです。
***** キム・ヨナがカナダへ「まだ引退するときではない」 バンクーバー冬季五輪・フィギュアスケートの金メダリスト、キム・ヨナが故郷での2か月の休息を終え、再びトレーニング先のカナダ・トロントへ向かった。 キムは31日、出国に先立ち仁川国際空港で記者会見し、「まだ引退という言葉を口にするときではないと思う。ずっと先を見るよりも、ひとまず今シーズンをどうするのか悩んでみるつもりだ」と述べた。引退というのはこれ以上競技に出ないことだが、今トロントに練習に向かうだけに、今後も選手生活を続けると明らかにした。 また、これからはプレッシャーなく競技を楽しむことが目標になるとし、今後も氷上でさまざまなキャラクターを演じたいと意欲を示した。 2010~2011シーズンのグランプリシリーズ出場申請書は国際スケート連盟(ISU)に提出済みだが、実際に出るかどうかはトロントに戻ってから考えるようだ。 キムは「新しいシーズンが10~11月に始まるが、そのときまでグランプリシリーズに合わせ、以前と同じように準備をしていく。競技をきちんと行う準備ができたかどうかで出場・欠場が決まると思う」とコメントしている。 一方、2014年のソチ冬季五輪を念頭に置いているかとの質問には、「まだそんなに遠くまで見通していない」と答えるにとどめた。 5月31日20時12分配信 聯合ニュース ***** 以前所属していたマネージメント会社であるIMGと二重契約問題でモメて飛び出したあと、IBスポーツに五輪までずっとお世話になりながら五輪直後に恩返しすることなくこれまた切り捨てて、自ら母親を代表に据えたマネージメント会社を設立、独立したという彼女。そのIBスポーツも独立を認めていないとかで、訴訟になるかどうかというところみたいですね。 まあでもこれでプロになって自社が主催したアイスショーとかをやるのかな、と思っていたら、現役を続行する意思があるようです。グランプリシリーズ(GPS)への出場申請も既にISU(国際スケート連盟)に提出し、トレーニングのためにカナダに渡ったとのこと。 しかし、この記事だと彼女が来季どのように試合に出るのかというのがいまひとつわからないですね。グランプリシリーズに出るのか出ないのかもまだ決めていないということですし。 サーシャ・コーエン選手などもトリノ五輪後は引退はしないながらも試合には出ず、昨年のバンクーバー五輪の選考までは競技会には出場しませんでした。 しかしサーシャは「引退はしないが競技には当分出ない」とはっきり意思表示をしていました。「出るか出ないかわからない。調子がよければ出るかも」という中途半端なスタンスではなかったので、結局どっちなの?という感じですね。彼女のファンも多少戸惑うのではないでしょうか。 まあ出るか出ないかは選手の自由なので、こちらがとやかく言うことではないんですが。 ただ、記事の中の「これからはプレッシャーなく競技を楽しむことが目標になる」というのがちょっと引っかかりました。 まあどういう気持ちで競技に臨もうがそれは勝手だし、彼女は出場資格はあるのですが、なんだか一生懸命練習を重ねてエントリーしてくる他の選手には随分失礼な発言だなあと。 記事を読んだときの私の第一印象は「すごい上から目線の発言。いいご身分ですなあ」でした。 グランプリシリーズだって、希望する全ての選手が出られるわけではない。どの試合も、出場選手は自分のベストの順位なり得点、または演技において自分で掲げた目標を越えるべく気合を入れて臨んで来るわけです。 そこへ「そうね、気が向いたから出てみようかしら」みたいにエントリーされてもなあ、という気がどうしてもしてしまうんですよね。 私は、正直申し上げて彼女に対してスケーターとしてもアスリートとしても、また一人の女性としてもあまりいい感情を持っていませんので余計にそう思うのかもしれませんが。 つい先日韓国で放映されたトークショーの映像をニコニコ動画で見ましたが、「(五輪で)タラソワコーチが私を意識してわざとオーバーアクションにしていた」等の自意識過剰ぎみな発言をするなど、やはり人間として尊敬できないなあというか、改めてがっかりさせられたというのもあります。 タラソワはSPでミスしがちな真央選手が3Aや他の要素をきっちりと決め、今シーズンのベストパフォーマンスともいえる演技を(しかも五輪で)したのですから、隣にキム選手がいようがいまいが関係なく狂喜乱舞したでしょう。 これは単に彼女の自意識過剰からくるものか、もしくは彼女自身(もしくはそのコーチ)が他の選手に対して意図的にそのような行動を取ることがある、ということにしかならないと思います。 2009年3月の最初の妨害発言の時もそうですが、彼女は韓国ローカルのTV番組や取材では結構口を滑らせることが多いですね。 いくら「国民の妹」といっても、このような発言をする彼女を見て、韓国の方々は何とも思わないのかなあ?と思ってしまいます。もし真央選手や、他の日本選手がライバルのコーチに対してこのような発言をしたら相当なバッシングを受け、下手したら謝罪会見という事態になりかねないと思います。 選手は毎年生活ほぼ全てをスケートにかけて、出場する試合に合わせて体調のピークを整え、必死にトレーニングを積んできます。金メダリストになった後、「試合に出るか出ないか決めていない」という精神状態でそこまで自分を追い込むのはかなり難しいように思います。3月の世界選手権の時のような、試合を途中で投げたような無気力な演技は金メダリストとしては二度と許されないと思いますが、大丈夫なのかなあ、とも思います。 まあ彼女はフィギュアスケート選手が目標とするタイトルは全て手にしているので精神的なことについてはわからないでもないですが、敢えてこのようなニュアンスの発言をする必要はないでしょう。 同じく世界選手権と五輪金メダルを手にしたエヴァン・ライサチェク選手がこのようなことを(思っていたとしても)口にするとは思えません。ライサチェク選手でなくても、殆どの選手はもっと他選手の心情やプライドに配慮し、自分の問題に置き換えて発言すると思います。 それに、もし彼女が本当に「プレッシャーなく競技を楽しん」だとして、例えば表彰台落ちするような事態になったら、彼女はそんなに心穏やかでいられるでしょうか? 彼女は確かに高い実績を残していますが、いくら彼女がジャッジの寵愛を受けているとしても、生半可な気持ちでたやすく勝てるほど甘くはないと思います(今年3月の世界選手権のときのような、SPとフリーで複数ミスをしてもフリー1位総合2位、みたいなゴリ押しはない・・・と思いたい)。 昨年の世界女王、そして五輪金メダリストとして出場しているのに、世界選手権のように試合前から他の選手に気合で負けた状態で出て成績が万一振るわなくても、「競技を楽しむ」事ができるでしょうか?彼女のプライドはそれには耐えられないと思うのですが。 また、「過剰な応援がプレッシャーになるし、タイミング悪く声援をされたりするので二度と韓国での試合には出たくない」と公然と話していた彼女ですが、どの国で開催されるにしろ試合に出る以上、韓国の国民は再び彼女に対し、当然のようにこれまで同様のぶっちぎり優勝を毎回期待すると思います。そういうプレッシャーとも彼女は向き合い続けなければなりません。 彼女は今後も自分に対して得点が低くなることはないと分かっているからこのような発言になるのではないか?という疑心暗鬼な気持ちも頭をよぎりました。自分でも疑り深いとは思いますが、もう彼女の得点に対してはまったくと言っていいほど公正さを信じる気にはなれなくなっています。 また、来季競技に出場したとしても、彼女にとってちょっと辛いシーズンになるかもしれません。 気持ち的に全てを手にしているので純粋にモチベーションを上げるのも苦労するでしょうし、五輪とトリノワールドでの得点のつき方は、これまで不当加点に懐疑的だった人さえも不審に思わせるのに充分なものだったからです。 トリノの世界選手権で彼女への高すぎる得点に観客からブーイングが起こっていたのも記憶に新しい。彼女のジャッジからの評価、採点には世界中の多くの人が疑問を持っているところでもあります。 最悪の場合、国際試合で彼女への観客の反応が非常に冷淡になる可能性もあります。まあフィギュアスケートで採点ではなく選手に向けてブーイングが起こることは今まで殆どありませんでしたが、アメリカやヨーロッパはそのあたり非常にシビアな時があるので。 彼女が現在の状況をどの程度知っているのかはわかりませんが、金メダリストとして引退するほうが良かったかも知れないとも思います。 私は彼女は昨季で引退して、ソチ五輪前に復帰という「プルシェンコ方式」を取るかもしれないと考えていました。世界選手権で既に目に見えて精神的に切れてしまっていたので(それは他選手も同じですが、それでも頑張ろうとすらしていなかったので)、もう競技や自国の応援のプレッシャーに疲れ切っているのかな、と思ったので。 ですがきっちり線を引いて引退するよりも、半現役、半引退みたいな曖昧な形にして現役金メダリストとして影響力を保ちたいのかな、という風にも読めます。 または彼女の現役続行には、もしかしたらファミリービジネス(マネージメント会社)の開始も要因のひとつなのかなとも思います。彼女はまだまだラクをさせてはもらえない状況になってしまったのかもしれないですね。 もしくは、韓国の五輪招致運動とも関係あるのかもしれません。プロになって競技から姿を消すと陰が薄くなりがちになるので、ひょっとして政府や五輪招致委員会などからの要請などがあり、ソチの次の五輪開催地が決定するまで、現役を続けざるを得ないのかもしれないですね。 まあこれらは私の想像ですが、彼女の金メダルは韓国の国家機関への保存が検討されているという記事を読みましたし彼女のメダル獲得は国家的問題になっているようなので、最後の件についてはあながち外れてはいないかもしれません。 彼女が現役を引退すれば少しは採点も公正になるかもしれないという希望を持ち続けていましたが、 来季のルール改正の分かりにくさ(中間点導入や女子ショートプログラムでのスパイラル廃止など)もあり、今後も「キムヨナルール」が続くかもしれないと思うと、来季を楽しみにする気持ちにちょっと暗雲が立ち込めたような気持ちになっています。 全ての選手が公平に、公正に評価されるというスポーツの前提といえる基本的なことについて何故ここまでファンが心配しなければならないのか、非常に疑問です。 努力した選手が試合でその力を存分に発揮し、それが正しく評価されるスポーツになることを、ただただ祈りたいと思います。 <関連リンク> フィギュアスケートのルール改定とジャッジの質について考える 2010年5月7日 フィギュア界の名言いろいろ 2010年4月7日 浅田真央選手、2度目の世界女王に -2010世界選手権(追記あり:2010年3月28日) 女子シングルは波乱の幕開け-2010世界選手権 2010年3月27日 キムヨナ選手に問いたい、「ルール」とは何か 2010年3月24日 回転不足認定に「中間点」導入の見通し-ISU 2010年2月28日 浅田真央選手銀メダル獲得、日本選手全員入賞おめでとう!-バンクーバー五輪 2010年2月26日 キムヨナ選手陣営、またも「妨害」アピール 2010年2月23日 キム・ヨナ選手の「妨害」発言について 2009年3月23日 韓国東亜日報の記事-フィギュアスケート採点の信頼性に激震 2009年10月29日 キムヨナ選手の「世界最高得点」の意味を考える 2009年10月20日 「競技」としてのフィギュアは死んだのか 2009年10月18日 もっと競技と他選手に敬意を 2008年11月29日
by toramomo0926
| 2010-05-31 21:25
| フィギュアスケート
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